ヒューマンライツ・ナウ

私が活動するNGOの情報です。

2016年11月20日 (日)

11時19日世界子どもの日チャリティウォーク&ランのお礼

みなさまへ

昨日はヒューマンライツ・ナウ主催の世界子どもの日チャリティウォーク&ランに参加いただきありがとうございました😊
参加者の皆様、寒いなか多数ご参加いただき、とってもがんばっていただきました。
ウォークのスタート時は超厳しいお天気でしたが、
ランのスタート頃には雨もあがり、スタート
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そしてゴール後はみなさんこの表情(^。^)
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一人ひとりとても素敵な笑顔で完走&完歩いただきました☆本当にありがとうございました😊
応援にくるみんアロマさんも駆けつけてくれました。
支えてくださった多数のボランティアの皆様、協賛企業、法律事務所の皆様にも心より感謝申し上げます。
スポンサー、協賛の皆様はこちらです🎵
http://hrn.or.jp/run/

当日は中高生スピーチコンテスト優勝者の菅拓哉くんにも素晴らしいスピーチをいただき、また世界の子どもの実情を考える企画やフォトアクションを行い、みなさんに改めて世界の子どものことに思いを馳せていただきました。
http://hrn.or.jp/news/9278/
皆様には今後とも子どもたちの幸せのために様々な温かいご協力をいただければと願っています。
企画を通じて自分も何かしたい!と思っていただいた方、是非ヒューマンライツ・ナウにご入会いただきご一緒に活動できればと願っています。
今後ともよろしくお願いいたします。
世界の子どもたちのために!

※当日来ていただいた方、お風邪などひかれませんでしたでしょうか?
また、寒くて断念された方もいて大変申し訳無く思っておりましてこればかりは天気のことなのですが、是非なんらか埋め合わせさせて下さい!
みなさまにとって素敵な1日を過ごせる大会運営を今後とも心がけていきたいと思いますので、今後とも何卒よろしくお願いいたします。

伊藤和子

2016年10月19日 (水)

ニューヨークにて かなえたい夢がある。

今週はニューヨーク出張です。
ニューヨークは国連総会のシーズン、総会というと、9月に世界の首脳がスピーチして終わりでは?と思う方が多いと思いますが、あれはプレナリーというオープニングにすぎず、そのあと12月まで実は続いているのです。総会の結論は決議という形で12月頃に採択されます。
各委員会に分かれて議論が本格的に進むのが今の時期。そこでNGOもなんとか議論に影響力を与えたいと、先週末くらいから世界各国からやってきたロビーに余念がありません。

今は、武器の不正取引をなくす課題、ドローン兵器の使用制限、核軍縮などの課題が第一委員会で討議されていますね。紛争下での人権侵害をなくすために大切なことです。ばりばり頑張っているNGOが神々しいです。
人権を扱う第三委員会の討議はまさにこれから佳境になります。

私たちヒューマンライツ・ナウの国連総会での影響力は、まだまだ限られていて、なんとかしたい!と思っています。
ヒューマンライツ・ナウのニューヨーク事務所はインターン、ボランティアに支えられていますが、なんとか有給スタッフを採用したい、と強く思います。
優秀なロビイスト・コーディネーター兼ファンドレイザーをニューヨークにて常駐させているだけなのにすごい影響力のある国際NGOがあるのをみたりすると、とても刺激を受けます。

それには資金が必要ですが、なんとか早く実現したい!と思います。

ジュネーブとニューヨークに一人ずつ、優秀なロビイストを採用して、世界を変えるお手伝いをもっと効果的に進めること、それが私の、かなえたい目下の一番の夢です。

紛争下で罪のない人が殺され続けるそんな世界
女性や子どもが暴力や人身売買の被害にあい続けるそんな世界
人権活動家が迫害される世界
グローバルビジネスが人々を過酷労働に駆り立てて搾取している世界

グローバルな市民社会とのネットワークを強化してこうした問題を解決する一翼を担いたい

そう思い続けています。そして、NYにくると改めて思いが強くなります。

世界が近いところにある、国際政治の舞台であるニューヨークにいると、世界をこうやって変えたいといういくつもの課題への思いと、それを達成するための壁やハードルの高さを同じ瞬間に味わうことになります。
自分の力不足を痛感しながら、それでも前に進みたい。

そんな私を、以前の留学先でもあるニューヨークは温かく迎え、包んでくれます。
ブライアントパーク、セントラルパーク、チューダーシティ、アッパーウエスト、そして客員研究員として過ごしたNYUのあるグリニッチヴィレッジ、友人の皆さん。
感謝です。

さて、千里の道も一歩から。
ロビイストをはじめは、月額30万円でニューヨーク兼ジュネーブで一人採用し、
行き来してもらうとして、そのコストは、年間480万円。
+ジュネーブ滞在旅費がとても高いので、+100万円でしょうか。

世界に向けたファンドレイジング活動を進めてみたいと思います。そして、支援者や私たちのスタッフとなってくださる方との、素敵な出会いがありますように。

https://funds.gofundme.com/dashboard/create

やはり夢は言葉にしていうことから始まりますね。
ということで、心に思っているだけでなく、ブログで公開いたします。


2016年5月 3日 (火)

自公提出の「ヘイトスピーチ法案」のなかで、明らかに容認できない「適法居住要件」とは何か。


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■ ようやく! 自公ヘイト法案

在日コリアン等のマイノリティに対するヘイトスピーチが深刻な状況にある。
新聞報道によれば、熊本の地震の直後にも悪質なヘイトスピーチが飛び出したとのことで、暗澹たる気持ちになった。

「朝鮮人が井戸に毒」 熊本地震 ネットにあふれるヘイト(2016年4月16日 東京新聞)
「井戸に毒を投げ込んだぞ」。熊本県益城町(ましきまち)で震度7を観測した地震の発生後、短文投稿サイトのツイッターには、関東大震災時の朝鮮人虐殺を思わせる流言飛語があふれ返った。災害時にデマはつきものだが、今回のケースは、在日コリアンらを排斥するヘイトスピーチ(差別扇動表現)にほかならない。ヘイトデモに路上で直接抗議する「カウンター」の市民たちが打ち消しに走ったものの、悪質な投稿は後を絶たない。ヘイト根絶のためには、インターネット対策が急務である。 

ヘイトスピーチの深刻化を受けて、2015年には、民主党、社民党及び無所属の議員から、「人種等を理由とする差別の撤廃のための施策の推進に関する法律案」が提出された。
2015年に同法案は成立しなかったが、今年に入り、 2016年4月8日に、自民・公明両党から「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案」(以下「本法案」という。)が参議院に提出され、今通常国会で審議されている。
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/190/pdf/t071900061900.pdf

与党が、ヘイトスピーチの解消が「喫緊の課題」(第1条)だという認識に立って、ヘイトスピーチへの対処を進める法案を提出したことは歓迎したい。
しかし、法案を見ると、どうしても容認できない、許してはならないという点がある。「適法居住要件」である。

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2016年2月28日 (日)

ヒューマンライツ・ナウの冬の募金・明日まで

長かった2月ももうすぐ終わり。春に近づいていますね。
さて、私たちヒューマンライツ・ナウでは、国内外の活動を今後も続けさせていただくため、「冬の募金」をお願いしております。
この間、とても多くの方にご寄附をいただき、また、ウェブのシェア等をいただきました。ありがとうございます。


私たちヒューマンライツ・ナウは、世界を少しずつ良い場所に変えていくため、地道で長期的な活動を続け、変化をもたらしてきました。

私たちの活動はすべて、民間の寄付によって成り立っています。是非、世界に貢献したいという皆さまの想いをヒューマンライツ・ナウへの応援という形に変えてください。
いよいよその締め切りは明日まで!!です。
是非よろしくお願いいたします。

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国際人権NGO ヒューマンライツ・ナウ

冬の募金にご協力ください
~あなたの想いを世界のために・1000円からできる国際協力~

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冬の募金の期間 : 2015年12月1日~2016年2月29日

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国境を越えて世界の人権侵害をなくしたい・・
日本発の国際人権NGOヒューマンライツ・ナウに皆さまのご支援をお願いいたします。

今、この瞬間も、アジア地域には児童労働・過酷労働、そして性的搾取を強いられている子どもたち、女性たちがいます。シリア、イラクなど紛争地では、罪もない人々が命を奪われています。
国境を越えて世界の人権侵害に取り組むヒューマンライツ・ナウの活動を支援する「冬の募金」に是非ご協力ください。

ヒューマンライツ・ナウをご存知ですか?

ヒューマンライツ・ナウ(Human Rights Now)は東京を本拠とした国際人権NGOです。
紛争、難民、児童労働、人身売買、貧困、女性や少女に対する暴力…私たちはこうした人権侵害を調査し、声をあげられない被害者に代わって世界に発信し、解決を求めて活動しています。同時に、アジア地域の人々への人権教育などの支援を行い、変化をもたらしてきました。2012年には国連の特別協議資格を取得。東京・大阪・ニューヨーク、ジュネーブ、そしてミャンマー、カンボジア、インドなどアジア地域を中心に活動を展開しています。

誰も知らない人権侵害に光をあてること、「人権」という言葉を聞いたこともない子どもたちに、人権について知ってもらうことが、人々に気づきや力を与え、人権侵害が解決したり、真っ暗な状況が変化することがあります。カンボジア、ミャンマー、インド、中国、そして日本で、私たちはパートナー団体とともに地道にそうした活動を進め、変化をつくってきました。インド北東部の活動地域では炭鉱・児童労働を根絶させ、ミャンマーでは民主化や内戦終結に近づきつつあります。カンボジア、ミャンマー、中国、日本、紛争地・・・もっともっと現場で苦しむ人たちの声を世界に伝えるために、そして、もっともっと子どもたちに希望のもてる未来を創るために。。。

ヒューマンライツ・ナウに皆様の温かいご支援よろしくお願いいたします。

ヒューマンライツ・ナウは、日本でも最近深刻になっている差別や人権侵害の問題にも率先して声をあげ、解決を求めています。
あなたのご支援で私たちはもっとたくさんの問題に取り上げることが出来、人権侵害の解決に近づくことができます。
(今回の募金は主に、ミャンマー、中国、カンボジア、日本でのヒューマンライツ・ナウの活動にあてられます)。
冬の募金チラシのダウンロードはこちら

ご支援のお願い

ヒューマンライツ・ナウは2014年に認定NPO法人となり、寄付・遺贈などについて税控除による優遇が認められるようになりました。是非、皆さまの人権・国際貢献の想い、そして平和への願いを当団体への寄付というかたちにしていただけませんでしょうか。1000円からのご寄付を受け付けています。

募金方法

郵便振替

郵便局備え付けの振込票に「冬の募金」とご記入、または電信送金にて、ご送金ください。
払込先:ヒューマンライツ・ナウ
口座番号:00120-2-705859

クレジット決済 (ペイパル対応)

Paypalにて、1,000円からご寄付金額の選択が可能です。
ご希望の金額を選択してください。
こちらへ。
http://hrn.or.jp/news/5397/


ヒューマンライツ・ナウは認定NPO法人です。
ヒューマンライツ・ナウに対する寄付は「寄付金控除(税額控除)」の対象となり、最大50%(所得税40%+住民税10%)の税額控除となります。
皆さんの確定申告用に、寄付の領収証を発行いたします。
所得税の寄附金控除(税額控除)の際に添付する「寄附金受領証明書」には、寄付者のご自宅住所の記載が必要になっています。
郵便局の振込票、あるいはPaypalの住所入力欄には、ご自宅住所の記入をお願いいたします。
Paypalによりご寄付いただいた場合、Paypal画面にてご自身で領収書を印刷することができますが、確定申告の際には、後日ヒューマンライツ・ナウからお送りする「寄附金受領証明書」を添付して下さい。
以下の方法でも、ヒューマンライツ・ナウの活動を支えていただくことが出来ます。
是非ご協力お願いします。

2016年1月31日 (日)

安保法制・明日です。伊勢崎賢治さんとお話します。安保法制発動の危険

こんにちは。
いよいよ明日、ヒューマンライツ・ナウの2016年イベント第一弾。開催します。

伊勢崎賢治氏×伊藤和子 2/1(月) 「紛争解決請負人 伊勢崎賢治さんと語る 紛争の現場から見た、安保法制発動の危険」

私が伊勢崎賢治さんと対談させていただきます。
安保法制、通っちゃった後の今こそきちんとウォッチし、勉強しないといけません。
廃止にするためにも!!

というわけで、是非ご参加くださいね!!
お待ちしています♪

ウェブはこちらから

http://hrn.or.jp/news/5958/


ご案内は以下を見てください。

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深刻な環境破壊・先住民の人権侵害を生む熱帯雨林の違法伐採。違法木材は今も商社・建設業を通して日本に。

東京を本拠とする国際人権NGOヒューマンライツ・ナウは今年1月14日、「マレーシア・サラワク州 今なお続く違法伐採による先住民族の権利侵害 報告書」を公表しました。

マレーシア・サラワク州(マレーシア最大の州)では先住民の権利を侵害し、環境を破壊する熱帯雨林の違法伐採が続いています。木材の多くは日本へ。商社・建設業等を介し私たちの家や職場等の建物になっています。報告書では熱帯雨林の違法伐採が引き起こす先住民族の権利の侵害について報告するとともに、サラワク州の伐採企業、サラワク州政府、日本企業及び日本政府等の違法伐採に関与する関係者に対し、違法伐採の撲滅に向けた実効的な対策を取ることを求めています。

1 マレーシアのサラワク州とは。

ボルネオ島をご存知でしょうか。自然や熱帯雨林、オランウータンのイメージを持つ方も多いかと思います。

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こちらのなかで広い面積を占めているのが、マレーシアのサラワク州です。

サラワク州には昔からの先住民族が住んでいました。彼らは、何世紀にもわたって、熱帯雨林ととに生活してきました。伝統的な法律や慣習に従い、狩猟や農耕などで生活する彼らにとって、熱帯雨林は生活は切っても切り離せないものでした。

彼ら、先住民族の土地に対する権利は、マレーシア憲法においても認められ、先住民族の慣習法上の権利(Native Customary Right)と定義されています。

2 違法な森林伐採

しかし、豊富な森林資源に目をつけた地元と国際的なビジネスが、彼らの生活を奪うようになりました。

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2015年9月23日 (水)

安保法制 無関心を乗り越え、市民が平和と安全保障にもっと関与を

安全保障法案・戦争法案が可決成立されたと報じられている。
参議員委員会採決をみれば、果たして議決は存在するのか著しく疑問であるうえ、明らかな憲法違反との声があるにも関わらず、政権・与党が確信犯的に強行した今回の安全保障法案、立憲主義に深い汚点を残した。
しかし、事は日本一国で済む問題ではなく、他国の武力紛争に日本が参加し、殺戮の当事者になる、という重大なリスクをはらんでいる。そして、日本の国際貢献の在り方やその信頼が180度転換するという点で極めて重大な問題をはらんでいる。

私たち国境を越えて世界の現場で活動する日本のNGOは、こうした事態に深い危機感を抱いて、NGO非戦ネットを起ち上げて活動している。http://ngo-nowar.net/

私たちの危機感、安全保障法案に反対する趣旨はこちらの声明に尽くされているので是非読んでほしい。
http://ngo-nowar.net/2015/07/15/102/

このNGO非戦ネットの立ち上げを受けて、あるところでインタビューを受けたので、
私の問題意識を「無関心を抜け出し市民が平和構築にもっと関与を」ということでまとめてお話しした。

今、私たちは、奪われた「平和主義」「立憲主義」を自ら取り戻す、民主主義の力で取り戻す、そういうフェーズの時期を迎え、チャレンジに直面している。
当面は、選挙、違憲訴訟などが重要な課題となるだろう。

同時に、現在国際的に起きていることと日本の人々が向き合い、安全保障をめぐるオールタナティブの議論を進化させることを期待したい。
この間しばしば、安保法案には対案がないと言われてきた。憲法違反に対し「対案」というのは間違っている。しかし、いまの国際的な安全保障環境に関して、日本の市民は「日本人が巻き込まれない」という狭い視野だけでいてよいのだろうか。

国際社会の武力紛争に対して、悪いことを少なくともしない、いわゆる DO NO Harm は最低限の原則である。
しかし、9条にはこれを超えたポテンシャルがあるし、これまでも実は地道に機能してきた。

安倍首相流「積極的平和主義」に対置するオールタナティブの議論の参考になればと思い、紹介する。
下記は比較的NGOへの支援・参加という視点に収斂しているが、最近のシリア難民の受け入れ問題であったり、日本のヘイトスピーチの問題であったり、民間の人と人との交流であったり、様々なことにかかわる。もちろん選挙にも。そして、軍需・兵器産業に傾く企業への不買運動のようなかたちもありうだろう。

暴力的でない、そして政府任せにしないオールタナティブの選択肢を太くしていくこと、そうした議論や思考を積みかさねていくことが、非軍事・非戦を達成するためにますます必要になっていると思う。


● 安保法制で変わる、国際社会の中の日本

安保法制の見直しで、海外での武力行使に道が開けるようになると、どうなるでしょうか。日本は殺りくや空爆をする当事者の側になり、日本の「中立的な国」というイメージは失われるでしょう。

 その影響は私たちのような国際NGOにも及びます。たとえ政府とNGOは、異なる組織といっても、私たちの活動拠点が日本にある以上、日本政府のパフォーマンスを横に置いて、NGOの活動だけを評価してもらうのは難しくなります。紛争地域で支援活動を展開する場合であれば、日本はアメリカに味方する国として、中立的な国ではないというイメージがより鮮明になるでしょう。

 イラクに自衛隊が派遣されたとき、日本人人質事件が発生しました。自衛隊の海外派遣が広がれば、日本の民間人がスパイ視される事例の増加が懸念されます。最近では、日本政府が紛争地域への立ち入りを認めていないので、そうなると、日本の団体に協力している現地スタッフに、スパイ疑惑の目が向けられ、危険性が高まることになるでしょう。その結果、現地協力者が得られにくくなり、民間ベースの平和構築活動が難しくなることを心配しています。

●財産を食いつぶす安倍政権

 概して、外国からいいイメージを持たれている日本とはいえ、人権の分野では、グローバルスタンダードから立ち遅れています。死刑制度が存続し、刑事裁判や女性の権利に関しても大きな問題が指摘されているからです。

 また、従軍慰安婦問題をはじめとした戦後補償の問題に、日本がきちんと向き合っていないことに対する国際社会の懸念は、とても深いものがあります。これも人権問題であり、過去の人権侵害を解決するプロセスを日本が踏んでいないことに起因しています。

 特に安倍政権になってから、これらの問題に対する国際社会の憂慮が深まっています。国連高等弁務官が日本政府に意見を述べても、それを意に介さないばかりか、国連を敵視するような対応すら見られるからです。

 2000年代に入ってからの対テロ戦争で日本は、インド洋で兵たんを支援したり、イラクに自衛隊を派遣したりして、中立的な立場という信頼感を徐々に失いつつあります。

 このように、歴史認識をはじめとした人権問題や、対テロ戦争への協力という両面から、日本はそれまで築き上げてきた国際社会からの信頼という財産をどんどん食いつぶしている段階にいます。

●憲法9条のポテンシャル

 9・11同時多発テロ以降の世界情勢で明らかになったことは、武力で平和を構築できないということです。アフガニスタンやイラクの泥沼化した現状を生み出してしまった国々は今、武力行使の大きな代償を払うはめになり、多くの国が反省を強いられています。

 ところが日本は武力行使に参加していなかったからなのか、今頃になってそれに参加したいと言っています。これは非常に稚拙で幼稚な考え方だと思います。日本が持っている独自のポジションを活かそうとしないのは、とても残念なことです。

 世界地図を見てください。世界にさまざまな対立構造がある中で、海外での武力行使を禁じた憲法9条を持つ日本の存在は、非常に貴重だと言えます。その日本が力の強いアメリカ側に加担してしまえば、世界を平和にするための有効な資源が一つ失われるようなものです。「普通の国」が一つ増えても、その価値は高まらないのです。

 「日本ブランド」は、憲法9条の枠内で可能な貢献を考え抜いてきたからこそ、生まれました。日本は平和外交の強化によって世界に貢献すべきです。憲法9条はそうしたポテンシャルを持っているのです。

●日本人の無関心

 日本が世界にどのように貢献すべきか、市民の側ももっと考えなければなりません。そうした議論の蓄積がないと、軍事分野での貢献しかないという短絡的な思考に陥ってしまうからです。

 日本人は一般的に外交に対する関心が低く、世界平和に貢献するという視点が欠落してきたのは事実です。例えば、イラクに自衛隊が派遣されている間は関心が集中しますが、撤退した後は興味を持たなくなる。安保法制への批判が高まる一方、シリアの現状に対して関心を示す市民は多くはありません。

 こうした無関心の背景には、国際情勢に関する情報の少なさがあると思います。日本は情報鎖国なのです。

 地道な努力の積み重ねに比べて、より衝撃的な映像や事件が求められる傾向にも問題を感じます。平和構築に必要なのは、民間の相互交流促進などの粘り強い長期的な支援です。むしろ短期的な成果を追い求めるという意味では、武力を行使し、政治体制を転換させた方が劇的なのかもしれません。しかしそれでは平和は構築できないのです。

●政府とNGOの関係

 市民の皆さんには、身近な行動が平和の構築につながることを知ってほしいです。NGOを支援したり、報告会を聞きにいったりするのもその一つです。外務省の政策にかかわることは難しいですが、NGOの活動なら身近にかかわることができます。

 NGOの活動は、市民社会の寄付やボランティア活動によって支えられることが大切です。NGOの活動が国からの税金だけで運営されるようならば、国とNGOの活動に違いがなくなってしまうからです。NGOが助成金を得るために、政府批判を控えたり、政府の顔色をうかがうようになったりしては、公平な活動はできません。

 そうなってしまえば、NGOは、戦争の「スクラップ&ビルド」という構造に組み込まれてしまい、大国が武力行使で地域を破壊した後の、ビジネスにならない復興支援を担うだけの存在になってしまいます。これでは、戦争自体を止める仕組みをつくれないのです。

●市民が支える力強い運動に

戦争の根本的な要因を根絶するためには、政府から独立したNGOが積極的に活動できる環境が必要です。そのために、市民社会の協力が求められるのです。

 残念ながら、欧米の市民社会が社会運動に大きな役割を果たしているのに比べて、日本のNGOが市民社会に強く支えられているという実感はあまりありません。「一国平和主義」との批判も問題だと認識しています。しかし、今回の一連の動きを機に、より多くの人がNGOなどの社会運動に参加し、長期的な平和構築にかかわってほしいと思います。

 寄付をしたり、関連記事をSNSでシェアしたり、一つひとつの行為が平和の構築につながっていきます。こうした身近な活動の積み重ねが、軍事分野による貢献しかないという短絡的な考え方にとらわれない、市民社会に支えられた力強い社会運動につながっていくのです。

(情報労連REPORT2015年8・9月号掲載インタビューから転載)

2015年9月 7日 (月)

ユニクロ中国過酷労働・潜入調査報告書公表から半年、労働環境は改善したのか。


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■  ユニクロ中国下請け工場潜入調査

2015年1月、東京を拠点とする国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ(HRN)は、香港を拠点とするNGO・Students & Scholars Against Corporate Misbehaviour(略称 SACOM)およびLabour Action China (LAC)と共同で、ユニクロの中国下請け工場での労働環境に関する調査報告書、「中国国内ユニクロ下請け工場における労働環境調査報告書」を発表した。

調査報告書及びその後東京で行われた記者会見の内容は広く報道され、衝撃を与えた。

初めて知る方もいると思うので、要約すると、私たちはユニクロ中国下請け工場のうち、2工場に潜入調査を含む調査を行い、その結果、Pacific社工場とTomwell社工場(Luenthai)の2工場において、

● 長時間残業と低賃金~ 残業時間は100時間をはるかに超え、Pacificで月平均134時間、Luenthai(Tomwell社)で月平均112時間の時間外労働が確認された。

● 高温な環境での危険な労働、あまりの高温に上半身裸のまま作業をする労働者が多く、「まるで地獄」「失神する者もいた」との訴え、
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● 排水が床にあふれ、感電して死亡する者もいた(ユニクロは病死と主張)

● 有害な化学薬品が使われ、工場にはひどい異臭がするが、労働者の健康を守る対策が欠如している。マスクは支給されるが、あまりに高温で誰も着用することができない。

● 製品の出来が悪いなどの理由で罰金を科され、賃金・手当から控除される。

● 労働者の利益を代弁する労働組合がないため、苦情を言うことすらなかなかできない。

という内容で、まさに「過酷」というものであった。

こちらのヤフー個人でも、「ユニクロ: 潜入調査で明らかになった中国・下請け工場の過酷な労働環境」として、概要を記事配信させていただいたところ、一日で300万以上のPVとなり、大きな話題となった。当時読んで下さった方に心より感謝します。

あの報道から半年以上が経過した。果たして過酷労働は改善したのだろうか。

■ 改善のプロセスが透明性と対話を欠いたまま

調査報告書の発表の直後、株式会社ファーストリテイリング(以後、FR社)は、「誠に遺憾ながら、指摘された長時間労働などいくつかの問題点について事実であることが確認されました。」として、報告書で指摘された過酷な労働環境の一部につき事実を認め、状況改善のためのアクションプランを発表し、関係するNGOとのダイアログを進めると発表。

「CSRアクション」というニュースリリースを1月11日と1月15日に出して、施策の改善を打ち出した。

例えば1月15日のCSRアクションには、以下のような労働環境モニタリング強化・改善策が並べられている。


2015年1月~

・ 生産部による工場訪問を通して、工場における記録外の残業に対するモニタリングを強化。定められた労働時間に対して適切な内容(発注量、納期)で発注が行われているかを検証

・ 工場内での事故やストライキなど労務トラブル情報がCSR部に即時共有される体制を強化

2015年2月~

・ 現在は労働環境モニタリングの対象に含まれない素材工場に対しモニタリングを順次導入

・ 外部監査機関およびNGOなどの第三者機関と協働し以下の改善策を実施

・抜き打ち監査および工場外で行う従業員聞き取り調査の頻度を増やす

・従業員による団体交渉権行使を支援

・従業員代表者の民主的な選出、定期的な労使間交渉の実施を監査基準に含む

・工場経営者および工場従業員に対し、労働者の権利に関する研修を提供

2015年3月~

・ NGOや他の第三者機関との連携により、工場従業員がファーストリテイリングに対し、工場の労働環境に関する問題を直接告発できるホットラインや、緊急時に工場従業員を保護する制度を順次導入


FR社による労働環境の改善措置に関するアクションプランの公表の後、ヒューマンライツ・ナウとSACOMは1月19日、3月3日の2回にわたり、FR社と対話を行った。ヒューマンライツ・ナウでは、対話の内容について市民社会にも公表したいと考え、議事録を公開し、一回目の対話の後は記者会見も開催した。

しかし議事録を見ていただけるとわかるが、話はかみ合っていない。項目が掲げられているが、事実関係、原因究明、原因究明を踏まえた効果的な改善策の策定・実施というプロセスが対外的に公表されず、透明性が低いことに問題があるのだ。

ヒューマンライツ・ナウとSACOMでは、2015年2月には、共同声明「ユニクロ製造請負工場・短期的改善を超えた抜本的解決を」を発表し、FR社に対し、国際的な労働基準に基づき、以下の施策をとるよう要請した。


1.工場に対する調査結果の公表を含め、アクションプランの進捗結果に関する情報の詳細を公表することを通じて、透明性を確保すること。

2.ユニクロのサプライヤーに対する低い発注額を是正すること

3.2015年6月までに、少なくともユニクロのサプライヤー5社において、非営利の労働者の権利擁護団体の参加を確保したうえで、民主的な工場単位の労働組合の結成の促進および、労働者のトレーニングを実施すること

4.ユニクロのサプライヤーにおける労働環境モニタリング体制を再検討し、改善すること

5.ユニクロのすべてのサプライヤーのリストを公表すること

6.建設的で誠実な対話を市民団体と進めていくこと

しかし、2015年3月3日以降、FR社はSACOM・ヒューマンライツ・ナウからの要請にも関わらず両団体との実質的な対話を実施せずに今日に至っている。「労働者のトレーニングを実施するなら、SACOMとしてもそれが適切なものか、現場に立ち会って確認し、感想や気づいた点をアドバイスしたい」とSACOMが申し出たにもかかわらず、FRはこれを認めなかった。

NGOと対話をしながら改善を進めていくという当初の姿勢はどうなったのだろうか?

特にヒューマンライツ・ナウでは、企業のリスク管理やコンプライアンス、第三者委員会等の実務を担うプロフェッショナルな弁護士たちが、対応窓口につき、建設的な交渉をしようとしてきただけに、私たちは大変残念に思っている。

■ 今年7月に公表した経過報告  二工場について

こうして、私たちが対話を求めても応じない代わりに、FR社は2015年6月下旬、進捗状況に関する報告を7月中に公表すると連絡してきた。その7月も押し迫った7月31日、FR社は、再び「CSRアクション」と題するリリースを発表し、私たちが調査した中国下請け工場(Pacific社工場及びTomwell社工場)おける労働環境モニタリングの強化、及び労働環境の改善のためにFR社が取った措置を報告した。

この「CSRアクション」において、FR社が、調査報告書で過酷労働を指摘された2つの下請け工場において、労働環境改善のための措置を取ったとしている。しかし、進捗状況や改善を裏付けるような詳細な情報は公開されていなかった。改善がわかるような写真なども特にないので、関係者以外には、「本当に改善したのか? 」わかるすべもない。

そこでSACOMは、CSRアクション公表後にフォローアップ調査を実施、SACOMはFR社が取ったと報告する措置が、現場では実際には実施されていないことを示唆するいくつかの情報を得た。SACOMが入手した情報は下記の通りだった。

●違法時間外労働

労働者の賃金と労働時間に関して、「CSRアクション」では、両工場は法令に従い時間外労働の賃金を支払い、毎週1日の休日を提供しているとされている。しかし2工場の基本賃金と出来高賃金は非常に低いままである。結果的に、時間外労働による給料はそれまでと同様、労働者にとって月給の重大な部分を占めており、労働者は適正な賃金を得るために時間外労働をしなればならない。

Pacific社工場とTomwell社工場の労働者によると、生活するためには毎月Pacific社工場では約80時間、Tomwell社工場では約100時間の時間外労働が必要であるという。1月の調査では、Pacific工場で月平均134時間、Tomwell社工場(Luenthai)で月平均112時間の時間外労働であったが、結局少ししか短縮・改善されておらず(特にTomwell社)、いずれにしても、法定労働時間を大幅に超えている。

●労働者の健康と労働環境

現在では、Pacific社工場においては、ホコリにさらされる労働者に対し無料の健康診断が定期的に提供されている。

また、CSR Actionによると、Tomwell社工場においては、規定以上の粉塵が確認された工程で働く労働者に対して8月末までに健康診断を提供するとされている。

高温で、化学物質による健康影響が懸念される2工場の労働環境について、私たちの報告書公表後に、Pacific社工場は、窓の工事と修復を始め、通気性を改善し、工場内の気温を下げ、排水溝を増やした。また、Tomwell社工場は、気温を下げるためのエアコンを設置し、労働者に配布するマスクを防塵性のものに変更した。これらは確かに一定程度の改善ではある。

しかし、Tomwell社工場の裁断部門の労働者によると、監査が来る時だけ防塵マスクが配布されるという。これはFR社の公表と矛盾している。

何より、どのような化学物資が2工場で使われていたかはまだ明らかになっていない。私たちは1月の調査報告書で、使用されている化学物質がなんであるかを特定・公表し、それに応じた適切な健康対策を打つように勧告したが、労働者にも未だにどんな化学物質を使用しているかを明確にしていないということでは、いまだ健康影響への重大な懸念がある。

FR社の2/18付けCSRアクションには、「安全性と防護服・防護具の必要性について工場労働者への研修を導入済み」とあるが、健康リスクを十分に明らかにしたうえで労働者に対する健康被害を防ぐための措置が講じられているのでなければ、十分な措置が講じられたとは評価しえない。

●労働組合の選挙は名ばかり

2工場の労働者によると、労働組合代表の選任は形式的・名ばかりのものであった。

Tomwell社工場の労働者によると、労働者代表は労働者によって直接選挙されるのではなく、経営陣側に都合のよい人間が経営陣によって選ばれ、他の労働者が立候補できない状況で、経営陣が労働者全員に対して、その人物に投票するよう求めたという。

また、Pacific社工場の労働者によると、経営陣と労働代表との間で委員会会合が開催されたものの、労働者自身は労働代表選出の投票プロセスに関与する権利を与えられなかったという。

●FR社への要請

私たちはFR社に対し、NGOに対する労働者の訴えを重く受け止め、事実調査のために再度2工場を訪問して、改善状況を確認することを求めている。FR社は、結果を明確にわかるように公表して説明責任を果たすべきである。

私たちは特に、

1) 労働者が違法な時間外労働をしなくても適切な賃金を得られるよう、2工場の基本賃金と出来高賃金を増額させるためにあらゆる努力を尽くすこと

2) 労働者の環境改善のための施設面での改善や防護措置をとること

3) 2工場で使用されている全ての化学物質を一般市民及び労働者に対して公開し、労働者の健康のために必要な措置をとること

4) 労働者の意思に基づき、公正な選挙によって組合代表が選ばれるようにすること

を求めた(8月21日付け共同ステートメント)。

残念ながら、この要請に関するFR社からの回答は今のところない。

私たちの労働者の権利侵害や過酷労働への懸念は今も払しょくされていない。

FR社には私たちが提起した問題に目をつぶったり無視することなく、誠実に対応し、改善を進めてほしい。

■ 2工場を超えた下請け工場すべてにおける改善

過酷労働は、たまたま私たちが潜入調査した工場に限らず、発生しうるのであり、グローバル企業は、サプライチェーン全体を通じて、人権侵害・過酷労働がないように努める責務がある。

私たちは、2工場の枠を超え、すべての生産現場で労働環境を改善するための施策として、

・監査体制の改善、・施策の公表と透明性の確保、・サプライヤー・リストの公開、・低い発注額の見直し

を求めてきた。

●監査体制

このうち、下請け工場において労働環境に問題がないかをチェックする監査体制について、FR社では、これまでになかった、事前予告のない抜き打ち監査、ホットラインなどの施策を打ち出したことはある程度評価できるであろう。

ただし、これが実際実施されているかといえば、SACOMが労働者たちに聞いた情報によれば、

抜き打ちであるはずの監査があることが前日に労働者に知らされていた工場もあるといい、今後も検証していく必要がありそうである。

FR社は7月、今後の監査に関して、国際NGOであるFair Labor Association(FLA)と提携する決定をしたとアナウンスしている。このNGOは企業の委託を受けて工場の人権状況や労働環境を監査しているが、企業寄りでなく公正に、特に仮借なく問題を指摘することで知られており、監査結果も詳細にオープンにしている。

アディダス、アップル、ネスレ、アパレルではH&Mなどが、FLAの監査を受け入れ、説明責任を果たそうとしており、ヒューマンライツ・ナウで行う企業研修等の機会でも、サプライチェーンにおける人権侵害是正のために、ひとつの方策として推奨している施策である。

FR社が現実にこれを進めていくのであれば、監査結果を透明性の高い方法で公表する意思を示すものとして、私たちは評価する。

しかし、FLAのウェブサイトには本日(2015年9月5日)時点で、参加企業としてFR社はまだ掲載されていない。

ただ、いずれにしても、監査CSRに関わる取り組みの透明性と説明責任の確保はFLAへの委託だけで終わるものではない。私たちもFR社の内部及び外部の監査結果を引き続き注視していきたい。

●サプライヤー・リスト

一方、私たちが要求したサプライヤーリストの公開については何ら回答していないことも残念である。全てのサプライヤー(下請け工場や素材・原材料工場など)を公表することを通じて、産業としての透明性を高めることは、下請け工場における人権侵害がブラックボックス化しないための重要な施策であり、企業の説明責任・透明性を示す重要な指標である。

アパレル産業の国際的大手では、H&Mなど、著名ブランドが責任あるサプライヤー管理のために、サプライヤー・リストの公表を次々と進めている。参照・H&Mサプライヤー・リスト

また、アップル、アディダス、ナイキなど、過去に過酷労働などが社会問題となったグローバル企業も同様である。

FR社には、是非サプライヤー・リストの公表を進めてほしい。

●生活賃金・発注価格

今回発表されたCSRアクションにおいては、発注価格の見直しや生活できる賃金への改善については触れられていない。

FR社からは、今年4月にメールにて、「発注額は原料価格や労働市場の動向など様々な要因を踏まえ、FRと工場との交渉によって決められております。賃金の決定権は工場にあり、他ブランドの発注もあるため、当社の発注価格と賃金の明確な相関関係は見出せておりません」との回答をヒューマンライツ・ナウが受け取っている(FRウェブサイトには未公表)。

しかし、残業時間だけ減らし、低賃金のままでは、生活できないため、違法な長時間残業が横行する原因を根絶することができない。

「他ブランド」などというが、国際的なアパレル・ブランドのうち、H&M、GAP、INDITEXなどは下請け工場労働者の生活賃金保障のためのアクションプランを定めていることからみれば、ユニクロも同様の施策を打つべきではないか。

■ 今後に向けて
FR社が、Pacific社工場とTomwell社工場を含めた下請け企業の管理を、国連「ビジネスと人権」指導原則に基づいて、責任もって実施するよう、ヒューマンライツ・ナウは、パートナー団体である、SACOMおよびLabour Action Chinaとともに、引き続きFR社の行動を監視し、建設的な提案を行っていく予定である。

また、ヒューマンライツ・ナウは4月にはユニクロ・GUのカンボジアのサプライヤーでの過酷労働に関し、労働者へのインタビュー結果を公表したが、FR社が事実を否定しており、この件は別途報告したい。

FR社には、より包括的な対策に向けた議論をするため、私たちNGOとの協議を再開することを改めて求めたい。

また、こうした問題を改善に導くには、人々の関心、そしてメディアの報道などによる社会的なモニタリングが欠かせない。1月には、報告書公表直後に確認したものだけでも、非常に多くのメディアに取り上げていただいたが、改善をさらに進めるには継続的な人々の関心や報道が鍵を握る。日頃よりユニクロ等の服を買っている人、買おうかなと思っている人たちにも、是非関心を持って、話題にしてほしいと思う。

■ 他企業にとっても決して他人事ではない。

ところで、私たちのゴールは、ユニクロだけでなく、すべてのブランド・すべてのグローバル企業が人権を遵守することである。

2011年に国連人権理事会が決議した、国連「ビジネスと人権」指導原則は、ビジネスのすべてのプロセスで人権を尊重するための「人権デューディリジェンス」の責任を企業に課している。

今年6月に開催されたG7エルマウ・サミットの首脳宣言は、

責任あるサプライチェーンという項目を掲げ


我々は,国連ビジネスと人権に関する指導原則を強く支持し,実質的な国別行動計画を策定する努力を歓迎する。我々は,国連の指導原則に沿って,民間部門が人権に関するデュー・ディリジェンスを履行することを要請する。

など長文にわたる首脳の総意を表明しており、この問題に関する国際社会の今後の取り組みが強化されていく方向となっている。

特に、日本を拠点に置く企業は、2020年の東京オリンピックに向けて、国際社会からその人権に関する取り組みが厳しく問われていくことになるだろう。ユニクロの過酷労働問題は決して他人事ではない。

今後、私たちヒューマンライツ・ナウだけでなく、様々な国際NGOが日本企業のサプライヤーにおける人権問題を指摘していくことが予測される。過酷労働が第三者機関によって発覚するのを待つ前に、自ら国際水準に基づく対策を講じてほしい。

日本企業の多くが、単に人権指針を採択するなどの施策にとどまっている状況であるが、抜本的な対策が求められている。

そのためのヒントの一部は、この本文でお伝えしたつもりである。

2015年7月25日 (土)

戦争そのものに反対する国際人権団体として

私たちヒューマンライツ・ナウは、戦争は最大の人権侵害、という考えから、
日本の安全保障法制に反対する声明を出しています。
http://hrn.or.jp/activity/product/statement/post-333/

しかし、世界の国際人権団体をみると、これは稀なことであり、逆にそれは私たちの存在意義でもあります。


私がショックを受けたこととしては、国際人権団体の多くは

武力行使そのものに関する是非については絶対にコメントしない、

そのかわり、

紛争に関しては国際人道法を守るべきである、
戦争犯罪人は国際刑事裁判所に訴追されるべきである、
民間人を無差別に攻撃する兵器の軍縮の取り組む


というメッセージで統一されています。
確かにこれ自体は力強いメッセージであり、この分野のアドボカシーで世界をリードしています。
私たちもこの限度で、他の国際人権団体は頼もしい同僚、ということができます。

しかし、例えばイラク戦争のように明らかに国連憲章に反すると思われる紛争でも、
国際人権団体は沈黙を貫きます。


過去に私たちヒューマンライツ・ナウは国際刑事裁判所に侵略を犯罪として早く管轄権を行使すべきだと言ってきました。
http://hrn.or.jp/activity/topic/icc/

しかし、著名な国際人権団体は全く反対の立場にたち、むしろ侵略罪はICCから除外すべきだと主張しました。

私たちは2011年、国連安保理が承認したリビアへの武力行使に批判的な立場を取り
http://hrn.or.jp/eng/news/2011/04/17/statementstatement_on_the_western-led_military_operation_in_libya/

2013年にシリアの軍事介入に反対する声明を出して国連で発表し
http://hrn.or.jp/eng/news/2013/08/30/human_rights_now_urges_the_immediate_cessation_of_the_use_of_chemical_and_biological_weapons_in_syri/


イラク戦争の戦争犯罪について、検証を求めてきました。

しかし、同様の立場に立つ国際人権団体はほとんどありません。

しかしながら、戦争は最大の人権侵害を創り出しているというのに、それでいいのか。

ここで、私が100%賛成するわけではありませんし、異論もたくさん持っているが、しかし、それでも考えさせられるところが多い本
ジャン・プリクモンの人道的帝国主義
http://www.shinhyoron.co.jp/978-4-7948-0871-4.html

に、以下のようなくだりがあります。

NGO、特に人道支援組織は、何を言い、何をしているのか。カナダの法学者マイケル・マンデルがいみじくも指摘したように、イラク戦争が始まったとき、ヒューマン・ライツ・ウォッチ、アムネスティ・インターナショナル、その他のNGOは「交戦国」に対して戦争法を守るよう強く訴えた。しかし、国際法に照らして、「戦争それ自体の非合法性」については、また戦争を仕掛けた側が犯した「極度の罪」については、ただの一言も触れていない。これらの組織は、言ってみれば、レイプ犯にコンドームを勧める人間の立場にいる。ゼロよりましかもしれないが、力関係を考えれば、コンドームなど使われることはないのだ。人権を名目にした介入イデオロギーは平和運動と反帝国主義運動をつぶすのに完璧な働きをした。実際、介入が大規模に行われれば、人権やジュネーブ協定は蹂躙されるのが常だ。(205頁)


人権イデオロギーは間接的にはなかなか見事な効果を挙げている。イラクの場合、拷問はほぼみんなに非難されるが、占領についてはそうではない。だが、拷問を非難し、占領を非難しない者は、アメリカ軍のところに行って、軍はどう行動すべきかを講釈してみるが良い。力ずくで情報をもぎ取って攻撃に備えるようなことなどせず、水中にいる魚のように住民の中に隠れたゲリラにおとなしく撃たれること。世界のどの軍隊もそんなことなど受け入れはしないだろう。介入を望む者は戦争を望むことになり、戦争を望む者は拷問を望むのだ。(118頁)

私はこの指摘には強く共感するのです。


なぜ国際人権団体は戦争に反対しないのか。


政治に関わらない、純粋に人権活動に徹するという理由でしょう。

しかし、背景を考えるならば、これまで世界で活躍してきた影響力のある国際人権団体は、多くが欧米に拠点を置く団体であり、
旧宗主国・植民地支配を進めてきた国であり、第二次大戦の戦勝国であり、国連5大国、核保有国です。

戦争や植民地主義との明確な訣別というものがなく、戦争経済の中で育った、エリートによって担われています。
なかで働いている方、特に日本の人たちもちろん善意の方が多いですが、本部はやはり、こうした出自に影響されているのではないか、と思います。

そして、私たちはその点、敗戦国である日本で、植民地主義・戦争と決別する国から誕生したNGOである、という出自があり、その点は影響しているといえるのではないかと思います。

あちこちで言っていますが、私は9条のある国を拠点に、国際人権活動をしていることを誇りに思って、9条を大切に平和的な国際貢献のかたちを示していきたいと思って活動してきました。
他国で圧政に苦しむ人がいても、無断で空爆して、政権を転覆しようとすることがどれほどの傲慢であり罪なのか、私はアフガニスタンの人びとから学びました。
9.11以降蔓延した、「武力で平和をもらたす」という国際政治の潮流は、おびただしい人々の犠牲とともに失敗だったことが明らかになっているのです。国際社会は今こそ、武力介入が何をもたらしたかを深く反省すべきであり、非軍事の外交こそにポテンシャルがあります。

しかしながら、
戦争は最大の人権侵害という立場に立ち、戦争そのものに反対する、
途上国における人権侵害ばかり批判し、先進国の罪を処罰しない不公正な世界秩序そのものを変えようとする

という私たちヒューマンライツ・ナウの声は、国際政治のなかでは多勢に無勢、国際社会に大きなインパクトを与えるまでに至っていません。
まだ、国連の資格を2012年に取得したばかり、まだ未熟で、ニューヨークにもジュネーブにも拠点はあるものの、常駐スタッフを置けるに至っていません。それでは戦えません。
本当はDCにもブリュッセルにもハーグにも置き、国際メディアと国際政治に強い影響力を持たなくてはならない、もちろんフィールドにもです。

だからこそ、もっと団体を強化して影響力のある団体にならなくてはいけない、
そして、同じ考えを持つ他の国のNGOと一緒に連携して声をあげていかなくてはならない、

と思うのです。是非応援してください。


最近の局面でいうならば、日本ではNGO非戦ネットに加わることが出来たのはその点でひとつとてもよかったことでした。

日本のNGOは日本国内で影響力を持つと共に、非戦の考え方を国際社会でもっと堂々と述べ、公正な世界秩序、戦争経済に毒されない世界秩序に貢献していかなくてはならないのだと思っています。

そしてそのためにも、日本という国の立ち位置も、きちんと守っていきたい、それが私の思いです。
世界地図にみるならば、日本が中立・平和な国としての立場を維持するのか、米国とともに戦争する側に立つのか、これは日本一国の問題を越えて、対立が続く世界のなかで、戦争を防止する資源が一つなくなり、戦争を増長する大きな勢力が生まれることを意味します。

そんなことはさせてはならない、紛争地で無残に殺され、肉親を奪われた人々を見てきただけに、そして対テロ戦争のさなかに米国で暮らしていただけに、私はそう思うのです。

みなさんと一緒に頑張って、そんなことをさせない、という想いで声をあげています。

2015年7月19日 (日)

夏の募金にご協力ください。

民主主義・立憲主義の危機のいま、
ヒューマンライツ・ナウ、いまだからこそ、
頑張って活動を続けていきたいと思いますが、

活動を続けるには、皆さんの支援が必要です。

そこで是非夏募金にご協力ください!!

2015


http://hrn.or.jp/activity/event/2015hrn201561831/

寄付はこちらからしていただくことができます。

http://hrn.or.jp/contribution/

空気のような市民団体の活動も実は多くのスタッフの目に見えない仕事と献身によって支えられています。
是非みなさまのご支援をよろしくお願いいたします。


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