世界の人権

2009年12月26日 (土)

イラク戦争の検証を求めるNGO要請書の提出

12月25日、NGO8団体で、日本政府のイラク政策検証のための独立調査委員会設置を求める要請書を政府および全政党に提出しました。
これはイラク戦争が開始した2003年以降のイラク政策に関する検証を求めるもので、すでにイギリス、オランダでは政府が検証を行うことを決定しています。

私が事務局長をしている団体 ・ヒューマンライツ・ナウもこの要請に加わりました。

イラク戦争・占領の過程での、クラスター爆弾、劣化ウラン弾、白リン弾などの非人道的な兵器の使用や民間人攻撃など、国際人 権・人道法に違反する可能性の高い行為に関する調査を求め、かつ戦争被害を把握したうえで、人権回復を基礎に置いた今後の援助政策を求める観点から、参加してます。 
昨日は、JVC谷山代表、JIM-Net佐藤事務局長と私が、外務省を代表して対応した外務省西村ちなみ政務官 に共同要請書を提出・要請しました。

実は、私、イラク戦争には以前より一方ならぬ関心を持ってみてきましたし、劣化ウランの被害にあった子どもたちのサポートをする活動もお手伝いしているのですが、最近は特に「イラクが忘れられていること」に胸がつぶれるような思いがします。

ときどき国連関係の会議や、人権に関する国際会議に参加するのですが、イラクのことが一言も語られず、まるで戦争が起きて多くの命が奪われたことすら忘れられたかのようだからです。

国連人権理事会には、イラクから代表がきて、イラクの人権侵害をなくすために各国の行動を求めるスピーチをしていますが、みんなが聞き流しており、キャンペーンを張る国際NGOもいません。だいたい出身国の政府がイラク戦争や占領に参加して今の状況をつくりだしている共犯者で、そうした政府に働きかけても何もしそうもないので、成果のあがりそうもない活動はNGOもお金や時間を割いてキャンペーンができないということのようなのです。

WHOは2006年、イラク戦争後に戦闘などによって死亡した人は15万から最大22万人にのぼる、と発表し、人口の1/7にあたる約400万人が家を追われ、大量の難民、国内避難民が今もいる、というのに。。。

イラクで起きたこと、そして現在進行形の人々の苦しみを忘れないで、何ができるかをぜひ考えていかなければと思います。 

2009年12月25日
内閣総理大臣 鳩山由紀夫 殿
外務大臣   岡田克也 殿
防衛大臣   北澤俊美 殿

NGOによる日本政府のイラク政策検証のための
独立調査委員会設置の共同要請書

私たちは、イラクの人々の支援および人権に関わるNGOの立場から、日本政府に対し政府のこれまでのイラク戦争やイラクへの人道復興支援に関する政策を
検証し、評価するための独立調査委員会を設置することを求めます。

2003年、ブッシュ政権はイラクに軍事攻撃を行い、日本の小泉政権(当時)はこの戦争を支持しました。その後、開戦時最大の根拠であった「イラクが大
量破壊兵器を所有している」という情報が誤りであったことが判明し、戦争を始めたブッシュ元大統領もこれを認めました。にも関わらず戦闘は拡大されイラ
ク市民の犠牲はさらに増加しました。日本においては「人道支援」の名目で自衛隊が派遣されましたが、2009年10月防衛省の情報開示により、イラクに
派遣された航空自衛隊の活動の大半が米軍などの多国籍軍の兵員・物資の輸送であり、軍事作戦に協力したことが明らかとなりました。

イラク戦争は世界最悪レベルの人道危機をもたらしました。WHOの推計では、15万人以上の民間人の命が奪われたといわれます。そして現在もなお、
264万6千人の国内避難民と190万人の難民が避難生活を送り、その多くが極度の貧困にあえぐなど、状況はむしろ深刻化しています。イラク戦争・占領
の過程では、クラスター爆弾、劣化ウラン弾、白リン弾などの非人道的な兵器の使用や民間人攻撃など、国際人権・人道法に違反する軍事行動が展開された可
能性が高いにも関わらず、何らの調査・責任追及も行われていません。そして、人権を奪われ、人道危機に苦しむイラクの人々に必要な国際的な支援が実現し
ているとはいえない状況にあります。

私たちは新政権に対し、こうした状況を直視し、日本政府が支持・支援してきたイラク戦争と占領政策・復興支援のあり方について真摯な検証を求めます。既
に英国では、イラク戦争参戦の経緯や軍事攻撃の合法性などについて検証する独立調査委員会が設置され、市民に開かれたかたちで調査が進められていま
す。
これまでのイラクに対する外交・援助政策について透明性のある客観的な検証を行うことは、日本国民に説明責任を果たし、国際社会に信頼される日本の外
交・援助政策を確立するために不可欠と考えます。多大な犠牲を余儀なくされたイラク国民に対しても説明責任を果たし、今後のイラクの支援のあり方を見直
すことが必要です。よって私たちは、以下のことを政府に要請いたします。

1.2003年のイラク戦争に至る経緯及びイラク戦争から現在に至る日本のイラク政策に関して検証を行う独立調査委員会を設置すること。
2.独立調査委員会は以下の条件を満たすものであること。
1)独立調査委員会は政府から独立した第三者機関とし、情報の開示と参考人への聞き取りを求める権限を付与されるべきこと。
2)独立調査委員会の調査活動に伴う討議と進捗状況報告は原則として公開とすること。
3)独立調査委員会の委員には調査内容に利害関係を有する人間を排すること。
3.政府は独立調査委員会の調査結果に基づいてイラク政策に関する評価を行い、その結果を政府見解として発表すること。
4.独立調査委員会の調査結果を踏まえ、かつ現在に至るまでの戦争被害の実態を把握し、真にイラクに必要とされる援助政策を策定すること。

【共同要請団体】
・日本国際ボランティアセンター(JVC)
・日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-Net)
・ヒューマン・ライツ・ナウ
・ピース・ボート
・地雷廃絶日本キャンペーン
・YWCA
・日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)
・ウラン兵器禁止を求める国際連合ジャパン(ICBUWジャパン)

写: 民主党   小沢一郎幹事長
   社民党   福島瑞穂党首
   国民新党  亀井静香代表
   日本共産党 志位和夫委員長
新党日本  田中康夫代表
   みんなの党 渡辺喜美代表
新党大地  鈴木宗男代表
   マスコミ各社

【連絡先】 〒110-8605 東京都台東区東上野1-20-6 丸幸ビル6階
日本国際ボランティアセンター(JVC) 代表理事 谷山博史
(電話:03-3834-2388 Fax:03-3835-0519)

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2009年12月 9日 (水)

今年は国連前で・人権デーのアクション

明日は世界人権デーです。さて、今年は、渋谷の国連大学前でスピーチをみなさんでするそう。

私もビルマ人やほかの難民の方たちとともに顔を出させていただきます。

いつも原宿・渋谷のあたりの方々にとっても温かく迎えていただけるこの企画、いろんな思いはありますけれど、そのことで、ほんわかしたうれしい気持ちになります。人権を求めるひとたちに応援してくれる人たちがたくさんいて。

どなたでも参加できますので、ぜひちょっとでも参加してみてください。

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『世界人権デー』アクション参加のお願い  12月10日(木)15時~
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世界中のすべての人々に“人権”と“自由”を!
--Human Rights and Freedom for All --
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想像してみてください。
世界の人々の、かけがえのない人権の『いま』

1948年の12月10日、パリで、「すべての人は、生れながら
にして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である」
で始まる「世界人権宣言」が採択されました。
この日を記念して、12月10日は世界人権デー( Human Rights Day) です。

しかし、今、世界では、かけがえのない人権と自由が
すべての人に保障されているでしょうか?

私たちはこの世界人権デーにあたり、
深刻な人権侵害が続くビルマ(ミャンマー)など
日本で暮らすアジア地域の友人たち、国内のNGOの方々とともに、
アジア地域、そして世界中の人権の回復を求めるアピールを行いたいと思います。

人権と自由の回復を求めていているのは世界の人々も同じです。
世界人権デーにあたって、同じ民主主義、人権、自由を求める世界の
人々と連帯し、共に声をあげたいと思います。

ぜひみなさま、ご参加ください!


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●日時: 2009年12月10日 (木)15時~17時
    (内容:参加団体によるスピーチなど。)

●場所:国連大学前
 所在地:東京都渋谷区神宮前5-53-70
 地図: http://www.unu.edu/hq/Japanese/access/index.html


●呼びかけ団体
在日ビルマ人共同行動実行委員会(JAC)
ビルマ市民フォーラム http://www1.jca.apc.org/pfb/
(特活)ヒューマンライツ・ナウ http://hrn.or.jp/
(社)アムネスティ・インターナショナル日本 http://www.amnesty.or.jp/



●問合せ先:在日ビルマ人共同実行委員会(JAC)
  ★問合先 090-4964-9718(日本語可)
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特定非営利活動法人ヒューマンライツ・ナウ
〒110-0015 東京都台東区東上野1-20-6 丸幸ビル3F
電話 03-3835-2110 Fax 03-3834-2406
連絡先 info@ngo-hrn.org
ウェブサイト http://hrn.or.jp/

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2009年11月19日 (木)

イラク戦争の検証を求めるネットワークが立ち上がりました。

少し前にご案内した、新政権にイラク戦争の検証を求める動きがあります。

私は残念ながら参加できなかったのですが、先週、イラク戦争検証を求める院内集会が開催され、議員、市民ともたくさん集まられ、大成功だったようです。

すでにネットワークが結成されて、以下のようにやっています。

「イラク戦争、何だったの?」公式ウェブサイト

http://isnn.tumblr.com/

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2009年11月 9日 (月)

跳んでウィーンへ

今週は、火曜日深夜からウィーンに出張、来週月曜日のお昼に帰国いたします。

アメリカ法曹協会などが主催される国際会議で、人権分科会のモデレーターなどを仰せつかっております。

このような大きな国際会議での司会進行の仕事は初めてであるうえ、私の尊敬する元米連邦最高裁判事サンドラ・デイ・オコノウさんも参加される(グアンタナモ基地の最高裁判決や、人口妊娠中絶に関する判例などでとても有名)というので、今からどきどきしております。

ひさしぶりのウィーン(前回は、とにかくお水よりワインが安いことが印象的でした)は楽しみでありますが、なんだか寒そうで、風邪が悪化しないか不安であります。

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2009年11月 7日 (土)

イラク戦争の検証を求めるネットワークを立ち上げます。

ついに、イラク戦争の検証を求めるネットワークを立ち上げることになりました。来週火曜日にいよいよ、国会議員さんたちのご支援を得て、キックオフの院内集会をすることになりました。

以下をぜひみてください。私もネットワークに賛同人に名前を連ねてますが、当日はあいにく証人尋問がありまして参加できません。

でも、イラク問題で中心的に活動されてきた方々が勢ぞろいしますし、議員さんも多数参加してくれるとのこと。

誰でも参加できます(^^)

平日ですけれど、都内近県で関心のある方にはぜひ!この記念すべき立ち上げにご参加いただきたいです。

とかく私たちが昔のことを忘れがちですけれど、ひとつひとつを検証ていくことなしに、これからの私たちのあり方は決められません。イラク問題は、戦争にどんどん加担していく政治のあり方でよいのか、という根本問題を問うものです。是非力を貸してください。

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皆さま

このたび、イラク戦争の検証を求める市民グループが旗揚げ

しました。政権交代に伴い、日本の外交や国際貢献のあり方が

論議されていますが、イラク戦争支持・支援が問い直されない

ままでは、私達は前に進むことができないでしょう。民主主義

国家としてのアカウンタビリティーを示すためにも、政府が調

査委員会を設立するよう求める、国民的な運動を広げていく。10

日のキックオフ院内集会は、その第一歩となります。是非、多

くの方々にご参加いただければ幸いです。

【日時】11101415時(13時半開場)

【場所】衆議院第二議員会館第四会議室

【主な内容】

1330 開場

1400 挨拶・趣旨説明

1405 呼びかけ人から

(池田香代子、高遠菜穂子、谷山博史、野中章弘)

1425 国会議員から

1445 今後の行動について

1450 メディア質疑応答

1500 閉会・撤収

イラク戦争何だったの!?

―イラク戦争の検証を求めるネットワーク  設立趣意書

この度、私たちイラク支援やイラク報道、反戦運動に関わっ

た者たちは、旧政権によるイラク戦争支持・支援の検証を新政

権に求め、広く呼びかけていくことにしました。

20033月、世論調査で8割の人々がイラク戦争に反対して

いたにもかかわらず、小泉純一郎首相(当時)はこれを無視し

、国連安保理決議を得ていない米国の攻撃を支持しました。し

かしその後、開戦の最大の根拠であった「イラクは大量破壊兵

器を保有している」という情報も誤りであったことが判明し、

ブッシュ元米大統領もそれを認めました。にもかかわらず戦争

は拡大され、イラク市民・多国籍軍兵士の死者数はさらに増え

ていきました。日本は「人道支援」の名目で自衛隊を派遣しま

したが、200910月、防衛省の情報公開により、イラクにおけ

る航空自衛隊の活動の大半が米軍などの多国籍軍の兵員・物資

の輸送であったことが明らかとなりました。

イラク戦争は、最悪レベルの人道危機をもたらしました。WHO

(世界保健機構)の推計は民間人15万人が殺されたとし、ジョ

ンズ・ホプキンス大学の調査のように数十万人単位が殺された

とする推計もあります。そして現在もなお、使用された劣化ウ

ラン弾やクラスター爆弾などによる被害は後を絶ちません。治

安も安定せず、毎日10人以上の市民が、攻撃や爆弾テロ等で命

を失う中、イラク国民の約6人に1人が国内外で避難生活をお

くり、その多くが極度の貧困にあえぐなど、状況はむしろ深刻

化しています。

これを直視するか否かは、平和国家・民主主義国家としての

日本のあり方が問われる問題でしょう。既に英国では、イラク

戦争参戦の経緯や軍事攻撃の合法性について検証する独立調査

委員会が設置されました。今後、私たち日本の市民の平和的生

存権が尊重され、戦争への加担を繰り返さないためにも、殺さ

れたイラクの一般市民の無念を晴らすためにも、日本において

もイラク戦争支持・支援の是非の検証が行われるべきです。そ

のために、私たちは以下のことを求め、活動していきます。

1)「イラク戦争支持の政府判断に関する見直し」「自衛隊イ

ラク派遣の判断の是非」「イラク復興支援への日本の関わり」

3点を検証する、独立の第三者委員会を政府が設立すること

。同委員会が、事実関係についての情報開示や調査を行い、個

人も含めた道義的・法的な責任の所在を明らかにすること。

2)調査委員会による検証や、そのプロセス、最終報告などが

、最大限公開され、誰にでもアクセスできるようにすること。

3)検証による最終報告を受けての、日本政府としての見解を

国内外に発表するとともに、必要とされる人道支援、被害者支

援を行うこと。

呼びかけ人:

池田香代子(翻訳家/世界平和アピール七人委員会)

鎌田實(医師)

川口創(自衛隊イラク派兵差止訴訟全国弁護団連絡会)

佐藤真紀(日本イラク医療支援ネットワーク事務局長)

高遠菜穂子(イラク支援ボランティア)

谷山博史(日本国際ボランティアセンター代表理事)

野中章弘(アジアプレス代表)

志葉玲(ジャーナリスト)

賛同人(09115日現在、敬称略・50音順)

相澤香緒里/相澤恭行(NPO法人PEACE ON)、足立力也(コスタ

リカ研究家)、池住義憲(自衛隊イラク派兵差止訴訟の会)、

石田きみえ(今とこれからを考える一滴の会)、石塚淳(Chance!

pono2

)、伊藤和子(弁護士)、 岡林信一(市民社会フォーラム)

CazmanChance!pono2)、きくちゆみ(グローバルピースキ

ャンペーン)、清末愛砂(島根大学専任講師)、小原美由紀(

ピースウォーク金沢)、佐藤博文(自衛隊イラク派兵差止訴訟

全国弁護団連絡会)、園リョータ(憲法カフェ)、高田健(World

Peace Now

)、寺中誠(人権活動家)、西方さやか(イラクホープネット

ワーク)、西谷文和(イラクの子どもを救う会)、nob(Chance!pono2)

、原文次郎(日本国際ボランティアセンター)、布施祐仁(ジ

ャーナリスト)、細井明美(イラクホープネットワーク)、増

山麗奈(LAN TO IRAQ/『ロスジェ ネ』編集委員)、 山縣忍(

セイブ・イラクチルドレン・名古屋)、遊牧民(自衛隊イラク

派遣差止名古屋訴訟原告)

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2009年6月16日 (火)

難民問題の公開講座で発言をさせていただきます。

あっというまに、6月も半ばに入りましたね。

6月30日に、難民問題に関する国連大学での公開講座で発言をさせていただくことになりました。素晴らしい講師にどんなコメントができるか、ひとつの挑戦です。

ご関心のある方はぜひご参加いただければ幸いです。申込みは国連大学のウェブサイトからお願いいたします。

国連大学公開講座―地球規模課題シリーズ  第8回
Protracted Refugee Situations
長期化する難民状況

日時: 2009年6月30日(火)15:00 - 17:30
場所: 国際連合大学本部5階 エリザベス・ローズ国際会議場
スピーカー: エドワード・ニューマン バーミンガム大学上級講師
滝澤三郎 東洋英和女学院大学国際社会学部教授 国際連合大学
客員教授 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)前駐日代表
コメンテーター: 伊藤和子 弁護士 ヒューマンライツ・ナウ事務局長
言語: 日英・同時通訳
プログラム
15:00 - 15:05 本日のテーマおよび講師紹介
高橋一生 国際連合大学客員教授
15:05 - 15:45 講演: 「長期化する難民状況」
エドワード・ニューマン バーミンガム大学上級講師
15:45 – 16:15 講演: 「(再)構築される日本の難民政策 ― インドシナ難民の日本
定住に関する研究を中心に」
滝澤三郎 東洋英和女学院大学教授
16:15 - 16:30 コメント
伊藤和子 弁護士 ヒューマンライツ・ナウ事務局長
16:30 - 17:00 自由討論
17:00 - 17:30 懇親会 (コーヒー・紅茶)

以下、国連大学のウェブサイトより。

長期化する難民状況

世界各地で発生する難民のうち3分の2を超える人々は長期化する難民生活から抜け出せずにいます。治安の不安定な難民キャンプや都市部で生活する難民の数は世界で数百万に上り、その大半は長年の亡命生活を現在も続けています。こうした状況は、国際的な難民保護体制や国際社会にとってますます大きな課題となっています。

本講座では、長期化する難民状況に関するプロジェクトの結果を、『Protracted Refugee Situations: Political, Human Rights and Security Implications』(国連大学出版部刊)の共編者であるエドワード・ニューマン氏にご紹介いただき、長引く避難状況が政治・社会・安全保障に与える影響についてご講演いただきます。滝澤三郎氏には、UNHCR駐日事務所が実施した「インドシナ難民に関する研究」の結果をご紹介いただきます。同研究は、過去30年の間に日本に定住した約1万1000人のインドシナ難民(ベトナム人、カンボジア人、ラオス人)の日本での統合プロセスに焦点を当て、難民の定住が日本社会に与える影響も考察しています。その上で、滝澤氏には、難民申請者の急増の中で注目すべき進展の見られる日本の難民政策、特に来年度から試験的導入が決定されている「第三国定住制度」の評価と今後の課題についてお話いただきます。

講演の後には、弁護士でヒューマンライツ・ナウ事務局長の伊藤和子氏からコメントをいただく予定となっています。

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2009年5月22日 (金)

高遠菜穂子さんほか、緊急イラク報告会

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  ★ ★ ★ 緊急イラク帰国報告会 ★ ★ ★

 ~「隠された虐殺」から5年後のファルージャ、

     「知られざる虐殺」のラマディをたずねて~

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 写真家の森住卓、ジャーナリスト志葉玲、イラク支援

 ボランティアの高遠菜穂子が5年ぶりにイラクを訪れた。

 2003年以降、”スンニ三角地帯””最激戦地”

 ”アルカイダの拠点”とされた西部アンバール州は、

 ファルージャ、カイム、ハディーサ、ラマディと

 米軍による大量殺戮がくり返された悲劇の地。

 掃討作戦による民間人死者数は数万ともいわれるが、

 日常的に狙撃された市民の数は想像をはるかに越えていた。

 高遠菜穂子が隣国ヨルダンに通いながら5年間に完了した

 プロジェクトの軌跡を辿りながら、森住卓と志葉玲が

 破壊の爪痕と変わりつつある町を写真と映像でとらえた。

●日 時:2009522日(金)

     開場1800/スタート18:30

●場 所:明治大学リバティタワー1階 1011教室

 <明治大学駿河台キャンパス> 東京都千代田区神田駿河台1-1

 JR中央線・総武線、東京メトロ丸ノ内線/御茶ノ水駅 下車徒歩3

 東京メトロ千代田線/新御茶ノ水駅 下車徒歩5分 

 都営地下鉄三田線・新宿線、東京メトロ半蔵門線/神保町駅 下車徒歩5

●資料代:500

●共 催:イラクホープネットワーク/現代史研究会

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2009年3月18日 (水)

国民を人質にとる大統領の罪

私がジュネーブにいく前に立ち寄ったロンドンで、スーダンのバシール大統領の逮捕状が出たという報道に接し、ジュネーブではその話題が持ちきりでした。しかし、なんと大統領は訴追に従わないばかりか、逮捕状に怒って報復措置として、国内に展開する人道支援団体の国外追放を命ずるという異常事態になっています。

これには私も心底驚きました。本当に自国民を人質に取る、許せない、卑劣なやり方です。というわけで、3月9日に以下のステートメントを発表いたしました。

スーダン アル・バシール大統領の逮捕状交付にあたって

2009年3月9日

                   ヒューマンライツ・ナウ

3月4日、国際刑事裁判所(ICC)予審裁判部は、オマル・ハサン・アフマド・アル・バシール(Mr. Omer Hassan Ahmed Al-Bashir)・スーダン大統領に対する逮捕状発付を決定した。逮捕状は、ダルフール地方における5つの人道に対する罪と、2つの戦争犯罪の訴因に基づく。
スーダンのダルフール地方では、スーダン政府軍と、スーダン政府の支援を受けた民兵組織が無辜の人々に対する攻撃を行い、多数の住民が虐殺されたうえ、200万人以上の難民が発生したとされる。国家元首であるバシール大統領に対するICCによる訴追は、国際社会における正義を実現するために当然というべきである。
東京を本拠とする国際人権NGOヒューマンライツ・ナウは、今回の決定を支持するとともに、スーダン政府に対し、ICCの逮捕状履行に完全に協力するよう求める。そして、国際社会に対し、一致してICCの独立性を尊重し、ICCの今回の決定を支持し、スーダン政府に対しその履行を求めていくことを要請する。
スーダン大統領はICCの訴追に従わない意向を鮮明にするとともに、あろうことか、ICCの訴追に対する対抗措置として、13の人道援助組織を国外に追放する決定をした。国連によれば、100万人以上が食糧や医療の提供を受けられなくなり、人道危機にさらされる危険性があるという。
ICCの逮捕状発布への抵抗のために、人道援助を停止し、人道危機を作り出すなど、到底許されるものではない。スーダン政府は、文民の生命を危機にさらすいかなる行為、和平プロセスを阻害するいかなる行動も厳に慎むべきである。
スーダン政府の反発により和平プロセスが阻害されるとして、ICCの訴追を中止すべきとの声も一部に起こっているが、そのようなことを許せば、国家元首が刑事訴追を免れるために自国文民を人質に取って威嚇をする、悪しき前例をつくることとなろう。
国際社会が一致してスーダン政府に対し、ICCの訴追への協力、すべての戦闘の停止、和平プロセス前進を働きかけることがいまこそ重要である。
日本政府は、ICCの締約国として、積極的にこのプロセスの実施を支持・促進する立場に立つべきである。この機会に日本がどのようなメッセージを発信するかが国際社会に問われている。
ヒューマンライツ・ナウは、日本政府が、スーダン政府へICCへの全面的な協力を強く要請すること、そして、人道援助団体の追放を撤回し、自国民の生命を危機にさらし、和平を妨害するすべての行為をやめるよう説得することを、強く要請する。

以上

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国連で「食糧に対する権利」の討論

3月9日、10日、ジュネーブの国連人権理事会では「食糧に関する権利」に関する討論が熱く繰り広げられていました。

先進国は、政治的・市民的権利に集中した議論をしがちですが、一方世界には食べ物が食べられずに餓死をする、栄養失調で死んでいく人々が大量にいるわけです。そういうことこそ、何よりも人々の最も基本的な人権侵害ではないか、という途上国のまっとうな主張を受けて、最近では、人権理事会が議論・研究するテーマとしても、経済的社会的権利が広く取り上げられるようになりました。日本でも派遣切りで、衣食住に困る人たちが出ている今、まったく同じ問題に直面しています。

食糧の権利は、昨年夏の食糧危機をきっかけに一気に注目を集め、人権理事会の主要テーマになりつつあります。

この問題に関して、国連が選任した、独立した専門家-特別報告者は、私がニューヨーク大学ロースクールで国際人権法をみっちりと教えていただいた、Oliver de Shutter氏です(ベルギーの大学教授、パリに本拠を置く国際人権NGO-国際人権連盟FIDHの前事務局長)。当時私は講義で一番前に座って、早口過ぎるこの教授にストップをかけるために、つまらない質問をぶつけたりしておりました。

同氏が、特別報告者となって、とにかく張り切っており、あたかも世界を変えようという勢いがあります。

なぜなら、たとえば

● 開発援助にあたって、援助国は、自らの商業的利益や目的によるのではなく、被援助国の食糧に関する権利を充足する援助をする国際的義務を負い、その援助の在り方は、現地のニーズ・ベースでないといけない、と提言していること

● 現在の途上国の食糧危機、食糧難は、天災ではなく、国際金融機関等国際社会が途上国に強要してきたシステムに基づく人災というべきであり、それを根本的に変えなければならない、特に、IMFなどが、援助の絶対条件として受け入れるよう途上国に迫ってきた

「構造調整政策」(SAP)-- 民間活力導入を目指し民営化を推進する

は全面的に見直さなければならない、としていること

● 途上国に不公正な取引を押し付けて利益を得ている食糧に関する多国籍企業の責任を明確にし、規制しようということも視野においていること、また、食糧を投機的取引の対象とすることを規制しようとしていること(これは将来課題でしょうけれど)

など、

これまで公式的に国連の場で議論されてこなかった、みんなが真実を語るのをはばかって沈黙してきた、世界の根本問題にメスを入れようとしているからです。

途上国を中心に、このような方向性に拍手喝采を送る声が次々と寄せられ、議論は大変盛り上がっていました。

世界各国にODA援助をし、世銀、IMF、ADBなど、国際金融機関の一翼を担っているている日本にとっても避けて通れない課題です。

この問題では注目すべき報告書が積み重ねられていますので、私もきちんと読んで、フォローして行きたいと思います。

こうした研究の蓄積のゴールとしては、人権理事会がコンセンサスを得て決議を採択し、その後それが国連総会決議になる、というかたちで、上記に提案したような論点が国連総会決議に明記され国際社会の総意として採択されることでしょう。さらに発展して、条約のような拘束力のある国際法規にしていこうという動きにまでなるのか、それはわかりません。先進国はかなり抵抗することでしょう。

いずれにしても、新自由主義から脱却し、公正な世界秩序をつくるためのひとつの野心的な試みとして注目していこうと思います。

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文明の衝突-国連人権理事会(ジュネーブ)

3月5日から、スイス、ジュネーブで国連・人権理事会にNGOとして参加してきました。

これは、私が活動する国際人権団体ヒューマンライツ・ナウで、国連人権理事会に関係してどのような役割を果たしうるかを確認し、ネットワークをつくるのが第一目標。そのあたりのミッションがどうなったかについては、コアな情報も多く、ここで語りつくせぬ話が多いのですが(いつもこんな感じですみません)、

一般的な感想を少し書いて、国連の状況をご紹介しましょう。

3月5日は、各国政府代表(政府高官)のスピーチが終わった後の一般討論から始まりました。

(三つの応酬)

まず、「人権」にかかわる二国間の論争が三つ続きました。

ひとつは、インド対パキスタンのカシミール問題。

もうひとつは、イラン対イスラエル。イランがイスラエルのガザ侵攻を強く批判したのに対し、イスラエルは、イランが反ユダヤ主義を助長していて許せない、ハマスのテロ行為を支援している、イランの国内の人権状況は著しく問題だ、と応酬。

さらにもうひとつは、日本対北朝鮮。北朝鮮は日本が従軍慰安婦問題について真摯な謝罪をしていない、補償をしていない、日朝平壌宣言を守っていない、というのに対し日本は真摯な謝罪を繰り返してきた、日朝平壌宣言を誠実に履行したい、などと反論。

二国間で交渉すればよいものをこのような外交の場でやりあうことになり、しかも周囲の反応をみると、これが毎度のことのようで、なんとも恥ずかしい状況でした。ひとつ明らかなのは、日本は慰安婦問題を含め、戦後補償をきちんとしないために、世界の人権問題へのリーダーシップが発揮できない状況にある、ということです。

日本政府はいつも国際会議のたびに痛感しているはずですが、この外交のアキレス腱ともいうべき過去の人権問題に誠実に対処することが、日本という国の国際社会での信頼と尊敬、道徳的権威を大きく改善させる鍵となるでしょう。

(アメリカが人権の世界に復帰)

今回、特に、注目されたのは、今回、アメリカ代表部が人権理事会を傍聴し、OHCHRの独立性とその取り組みを強く支持していく、という表明をしたことです。アメリカは、ブッシュ政権当時、人権理事会そのものの正統性を強く批判し、参加をボイコットしてきました。その理由は、人権侵害国も理事国になれる選考基準の甘さなどでした(アメリカこそが人権侵害国のひとつであるのに)

以来、アメリカは、グアンタナモ基地等の事態が人権侵害だとする国連側の批判にもあって人権理事会となかば対立し、人権状況の改善を求める声に一切耳を貸さない状況が続いたわけですが、人権を尊重する国際社会の努力を支持していく、というアメリカ政府の態度表明を聞いて、あまりにも異常なブッシュ-単独行動主義の時代が少しずつ変わろうとしているんだな、という実感を持ちました。

なお、この日のサイド・イベントは、ヒューマンライツ・ウォッチとICTJ(International Center for Transitional Justice)の主催で、アメリカの人権侵害のアカウンタビリティをどう実現していくか、というシンポジウムが行われ、HRWExecutive Directorのケン・ロス氏と、ICTJの代表のジュアン・メンデス氏がゲスト・スピーカーでした。

HRWからは、「オバマ政権下でグアンタナモ基地が閉鎖されることは決定したが、いまだにCIAのテロ容疑者の拘束は続くのではないか、国家間秘密輸送も続くのではないか」との懸念が示されました。

ICTJ代表のメンデス氏は、収容者の権利の問題とともに、イラク、アフガニスタンにおける戦争犯罪についても、きちんとした責任追及をすべきだ、訴追と補償、再発防止策の提案をすべきだ、ICTJとして取り組んでいく、という見解を発表し注目されました。そのうえで、米国議会のなかに、国内でブッシュ政権下の人権侵害に対する調査委員会(Commission of Inquiry)を実現しようという動きがあり、中立な人選などの要件を満たすこと、テロ容疑者への拷問から進んで、戦争犯罪にも迫ってほしいとの提案が出されました。

このセッションにもアメリカ政府代表部が参加し、オバマ新政権がすでに三つの大統領命令を出して、グアンタナモ閉鎖、拷問禁止、テロ容疑者のdetention policyの再検討を進めていることが紹介され、NGOからの懸念はわかるが、自分たちはこの取り組みを成功させようと思って活動している、これからの取り組みを支援してほしい、という意見表明がありました。私は以前より、高名な人権活動家であるメンデス氏を深く尊敬していましたが、今回のICTJの態度表明はさすが!だと思いました。

(文明、民族、ポリティーク)

 この日は、人権高等弁務官より、ダーバン・レビュー会議に関連して、「人権侵害を生む最大の原因は差別、とりわけ人種差別にある」という発言があり、国際社会がこれとたたかっていく必要性が強調されました。(なお、アメリカ政府代表部をはじめ、いくつかの国がこれに対し、人種差別と並んで人権侵害を生むのは表現の自由の抑圧である、というコメントを出してこの問題の強化を訴えていましたが)

 しかしこれを受けてなされた討論には幻滅させられます。

イスラエルは、ガザ攻撃に対する各国の批判はすべて「反ユダヤ主義であり、絶対に容認できない」の一点張りです。

 一方のスーダン政府はICCの逮捕状発布は完全なでっちあげであり、到底受け入れ難く、平和への取り組みに逆行している、人種差別的な意図が明確である、と非難し、国際刑事裁判所の取り組みをまったく無視する姿勢を鮮明にしていました。

(アラブ対イスラエルを越えて)

 ところで、イスラエルとイスラエル関連のNGOは、ガザの人権侵害に対して批判をがんとして受け入れず、イランを強く非難し、その一方でスーダンのダルフール地方の問題に関しては国際社会の介入を強く求めています。スーダン政府はアラブ系であり、ダルフール地方の反政府勢力の中心的存在は、イスラエルにオフィスを置くなど親イスラエル的であり、スーダンの紛争も地政学的にみれば、イスラエル対アラブの対立に巻き込まれている格好にあります。

  これに対して、アラブ・グループは、もちろんガザ攻撃に関してイスラエルを強く非難し、独立した調査団の派遣を実現するよう迫っています。他方で彼らは、スーダンへのICCなどの介入にはあまり賛成ではない態度を示しています。

 こうした国際政治の枠組みからこぼれたアフリカ・コンゴの事態などに関しては、ダルフールやパレスチナに匹敵するほどの深刻な事態であるにも関わらず、注目がいま一つ集まらないのが実情です。

自分と仲間の人権侵害を棚にあげて、敵対する勢力の人権侵害を攻撃する応酬は、レベルが低く、まったく建設的ではありませんが、それが現実に蔓延しています(これはもちろん、日本にも無縁でないことは、冒頭の日本と北朝鮮の応酬からも感じるところですが)

文明の衝突がジュネーブの場で繰り広げられている、といっても過言ではありません。アラブ対イスラエル、欧米対途上国。

 米国の対テロ戦争はこうした対立・亀裂を広げ、破壊的に深刻な影響をもたらした、ということができるでしょう。その克服には当然に時間がかかります。

スーダンも、コンゴも、パレスチナも、等しく重大な人権侵害があり、等しく国際社会の取り組みが求められています。どんな勢力が人権侵害を行い、どんな勢力が紛争の背景にあるとしても、重大な人権侵害をなくすために、国際社会が価値中立的な取り組みをしていく、という当たり前のことがこの国際社会ではきわめて困難です。

その当たり前のことを各国が誠実に履行していくよう、NGOが求めていくことが、何よりも重要だと、改めて痛感しました。

また、欧米でも途上国でもない日本のような国こそ、こうした対立の間に立って、国際社会を協調させ、正しいことを推し進めていく役割を果たすべきでは、と深く感じました。 

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