法律

2014年7月19日 (土)

注目! シャラップ事件から一年余、再び国連で日本の人権が問われています。

日本が批准している国際人権条約である「自由権規約」(国際人権B規約)。知る権利や表現の自由、差別禁止、拷問禁止、刑事被告人の権利など重要な人権を保障する条約ですが、日本の人権状況はこの条約で保障されている権利をきちんと保障しているとは言い難い事態が多く、国連からいつも改善を求められています。

この人権条約の実施状況について今週よりジュネーブで国連自由権規約委員会(Human Rights Committee)による審査が2008年から約6年ぶりに、今週行われます。日本が審査を受けるのは6回目です。

審査の時間は、本日7月15日15時(日本時間22時)から3時間と、16日10時(日本時間17時)からの3時間、2回にわたって開催されました。

日本からは、数十名のNGO(市民団体)がジュネーブに行き、審査に参加。

私は日本にいますが、ヒューマンライツ・ナウからも、2名の代表が参加して審査を傍聴しました。

前回の審査は、2008年。民主党政権の頃でした。

その当時も、「公約で人権状況を前進させると言ったのに、あまり進んでいない」と厳しく批判されていましたね。

その後、昨年、日本の人権人道大使が、やはりジュネーブの国連拷問禁止委員会の審査で、日本の人権状況がぜんぜん前進していないことを委員から厳しく追及された挙句、「シャラップ」と発言した恥ずかしい事件が発生。

(詳しくはこちらを⇒http://bylines.news.yahoo.co.jp/itokazuko/20130605-00025470/)

この時は、シャラップ発言だけでなく、日本の人権状況そのものの問題が深く認識されました。橋下氏の慰安婦発言や、一向にえん罪が亡くならない日本の刑事司法の問題が厳しく問われ、抜本的な改善を勧告されました。

ところが、日本政府はそれから一年たっても特に拷問禁止委員会からの勧告をまともに実施する気配がありません。

それどころか、それから一年・・・ヘイトスピーチ、昨年末の特定秘密保護法成立、福島原発事故後の対応、袴田事件などの冤罪、慰安婦をめぐってさらに相次ぐ政治家の発言、女性蔑視セクハラ発言、女性差別、そして国民の意見を聞かない集団的自衛権行使容認など、人権状況はさらに悪化を続けて、世界が懸念をしている状況です。

こうした状況のもと、NGOは様々な人権状況の悪化を懸念する報告書を委員会に提出。

自由権規約委員会がどのような審査をし、どのような最終勧告を出すかが注目されます。

今回のテーマは多岐にわたりますが、今回、日本のNGOは協議し、ヘイト・スピーチと特定秘密保護法を重要テーマとして共同レポートを提出しました。

ヒューマンライツ・ナウは、既に以下の6つの事項に関する人権状況についてカウンターレポートを提出しています。

・ヘイトスピーチ

・日本の刑事司法

・従軍慰安婦問題

・福島原発事故後の人権状況

・秘密保護法

・憲法改正

本文はこちらからご覧いただくことが出来ます(まだ英語だけで、すみません)

http://hrn.or.jp/activity/topic/post-274/

委員会からの勧告は24日には出される模様。これを受けてNGOが25日に東京で記者会見を開催する予定にしています。

是非注目してください。


記者会見情報(メディアのみ。下記申込先に事前予約のあるメディアが対象となります。)

NGO共同記者会見のご案内

自由権規約委員会・日本への勧告

日 時: 2014年7月25日(金) 13:30 ~14:30  

会 場: 衆議院第二議員会館 1階 多目的会議室

※ 事前申込み: 必ずお願いします。

申込み・お問合せ:アムネスティ・インターナショナル日本 (千代田区神田小川町2-12-14 晴花ビル7F)

Tel: 03-3518-6777 (担当・川上)  【プログラム】

・第6回日本審査(7/15、16)の特徴

自由権規約委員会からの発言から何を読み取るか/委員会の関心は何なのか?

はじめて取り上げられた人権問題はあったか?

・自由権規約委員会からの勧告

秘密保護法/ヘイトスピーチ/袴田事件と日本の刑事司法  その他

・質疑応答

主催 

アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)/アムネスティ・インターナショナル日本/移住労働者と連帯する全国ネットワーク/板橋高校卒業式事件から「表現の自由」をめざす会/外国人人権法連絡会/監獄人権センター/言論・表現の自由を守る会/国際人権活動日本委員会/「国連人権勧告の実現を!」実行委員会/国連に障がい児の権利を訴える会/個人情報保護条例を活かす会(神奈川)/在日本朝鮮人人権協会/自由人権協会/人種差別撤廃NGOネットワーク/すぺーすアライズ/全国「精神病」者集団/中国帰国者の会/東京・教育の自由裁判を進める会/なくそう戸籍と婚外子差別・交流会/反差別国際運動/ヒューマンライツ・ナウ/ムスリム違法捜査弁護団/レインボー・アクション

政府は平気で嘘をつく~ 集団的自衛権をめぐる政府の一問一答があまりに信用できない。

集団的自衛権に関する内閣官房のHP

国民から大ブーイングがおきた7月1日の集団的自衛権閣議決定。

その後、政府は、内閣官房のホームページに「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」の一問一答」という記事をアップしました。
http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/anzenhoshouhousei.html


この「国の存立を・・」という長いタイトルは何かといえば、先日の集団的自衛権行使容認閣議決定のタイトルです。

安倍内閣は、集団的自衛権行使容認に関する世論の反発に「これはまずい」と思ったのか、この一問一答で、国民理解をはかろうと努めているようです。

しかし、これを読むとあまりに論理が破綻し、心にもない嘘に満ち溢れています。詭弁の見本のようなもので、衝撃を受けました。

いくらなんでも、このようななりふり構わぬ詭弁をよく政府が考えたものだ、と思います。

国民に対する最低限の誠実さも、国としての知性・品格も見受けられません。

一問一答で破綻する論理

それでは、この一問一答、みていきましょう。


【問2】 解釈改憲は立憲主義の否定ではないのか?

【答】 今回の閣議決定は、合理的な解釈の限界をこえるいわゆる解釈改憲ではありません。これまでの政府見解の基本的な論理の枠内における合理的なあてはめの結果であり、立憲主義に反するものではありません。


【問3】 なぜ憲法改正しないのか?

【答】 今回の閣議決定は、国の存立を全うし、国民の命と平和な暮らしを守るために必要最小限の自衛の措置をするという政府の憲法解釈の基本的考え方を、何ら変えるものではありません。必ずしも憲法を改正する必要はありません。


【問17】 従来の政府見解を論拠に逆の結論を導き出すのは矛盾ではないか?

【答】 憲法の基本的な考え方は、何ら変更されていません。我が国を取り巻く安全保障

環境がますます厳しくなる中で、他国に対する武力攻撃が我が国の存立を脅かすことも起こり得ます。このような場合に限っては、自衛のための措置として必要最小限の武力の行使が憲法上許されると判断したものです。

⇒  基本的考え方を何ら変えるものではないなんてよく言いきったものです。

違憲だった集団的自衛権行使を合憲とする、重大な変更です。

日本が攻められていないのに、他国の戦争に自ら積極的に介入することを容認するのですから、根本的な変更です。

海外で自衛隊が命を落とすかもしれない、海外で他国の人を殺害するかもしれない、そのような日本の進路にとってとても重大なことを決めながら、このような詭弁で国民をだますのは本当に姑息なやり方としか言いようがありません。

これから他国の戦争に、自ら参戦していく重大な変更をします、と、改革の本質を隠すことなく正々堂々と率直に国民に伝え、憲法改正の国民投票にかけるべきです。この手法はあまりにもひどい、国民を欺くものです。


【問7】 憲法解釈を変え、平和主義を放棄するのか?

【答】 憲法の平和主義を、いささかも変えるものではありません。


【問8】 憲法解釈を変え、専守防衛を放棄するのか?

【答】 今後も専守防衛を堅持していきます。国の存立を全うし、国民の命と平和な暮らしを、とことん守っていきます。


【問9】 戦後日本社会の大前提である平和憲法が根底から破壊されるのではないか?

【答】 日本国憲法の基本理念である平和主義は今後とも守り抜いていきます。

平和主義を「いささかも変えない」などと言っていますが、戦争放棄から、他国の紛争に積極的に参戦する国になるのに、どうして平和主義といえるのでしょうか。

また、「今後も専守防衛を堅持していきます。」とは? 「専守防衛を転換した」とさんざん報道されてきたというのに。

集団的自衛権行使は攻められていないのに自ら攻めることであり、日本が攻められたときに防衛することに徹することを意味する「専守防衛」という言葉とは180度異なるものです。

これは法律解釈だけでなく、日本語の通常の意味の解釈を全面的にねじ曲げて歪曲しているものです。

ひとかけらでも知性を持ち合わせた人間であれば、詭弁であることは明白なのに、詭弁と知りながらこのようなことがまかり通る、そのプロセスの中で誰もストップをかけない、こんなことを国がしてもいいのでしょうか。


【問6】 今回の閣議決定は密室で議論されたのではないか?

【答】 これまで、国会では延べ約70名の議員からの質問があり、総理・官房長官の記者会見など、様々な場でたびたび説明し、議論しました。閣議決定は、その上で、自民、公明の連立与党の濃密な協議の結果を受けたものです。

これもひどい。記者会見で記者にレクチャーしたことをもって「国民的議論」といえるはずはありません。

「議論」というのはみんなが参加して議論し、その声が反映されることです。国民も野党も議論・協議の場から明確に排除して勝手に決めたのに、この言い分はないでしょう。


【問10】 徴兵制が採用され、若者が戦地へと送られるのではないか?

【答】 全くの誤解です。例えば、憲法第18条で「何人も(中略)その意に反する苦役に服させられない」と定められているなど、徴兵制は憲法上認められません。

今は「全くの誤解です」などと言っていますが、信用できるでしょうか。

いつ解釈変更するかわかりません。

ご承知のとおり、今年の6月まで集団的自衛権は違憲だったのが7月1日から合憲になったというのです。徴兵制だっていつ合憲になるかわかりません。

また、自民党は、本心では徴兵制を目指しているものと思います。

自民党は2012年に「憲法改正草案」をとりまとめていますが、18条の改正を提案し、 「何人も、その意に反すると否とにかかわらず、社会的又は経済的関係において身体を拘束されない」という条文に変えてしまおうとしています。
http://www.jimin.jp/policy/policy_topics/pdf/seisaku-109.pdf

この改正案が通れば、軍事的関係における身体拘束は別によいわけですので、徴兵制は認められるわけです。


【問11】 日本が戦争をする国になり、将来、自分達の子供や若者が戦場に行かされるようになるのではないか?

【答】 日本を戦争をする国にはしません。そのためにも、我が国を取り巻く安全保障環境が厳しくなる中で、国の存立を全うし、国民の命と平和な暮らしを守るために、外交努力により争いを未然に防ぐことを、これまで以上に重視していきます。


【問14】 自衛隊は世界中のどこにでも行って戦うようになるのではないか?

【答】 従来からの「海外派兵は一般に許されない」という原則は全く変わりません。国の存立を全うし、国民を守るための自衛の措置としての武力の行使の「新三要件」により、日本がとり得る措置には自衛のための必要最小限度という歯止めがかかっています。

ほかにも、これに似たような問いと答えが繰り返し並んでいます。

これだけ同じようなQAがあるということは、首相官邸に苦情が寄せられたのではないかと思います。

しかしこうした国民の不安に対して、一問一答はあまりにも不誠実な回答に終始しているとしかいえません。

「海外派兵は一般に許されない」という原則は全く変わりません。」といいますが、海外派兵をするために解釈を変更したわけですよね。

「新三要件」で歯止めがかかっているといってますが、その「新三要件」は一問一答の最後にそのまんま紹介されているだけ、要件についてのまともに説明はひと言もありません。

広範な言葉が並ぶ新三要件の明確な解釈基準も定義も示さずに「最小限度という歯止めがかかっています」というのはあまりにひどい。


【問12】 自衛隊員が、海外で人を殺し、殺されることになるのではないか?

【答】 自衛隊員の任務は、これまでと同様、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるというときに我が国と国民を守ることです。

これでは答えになっていません。安倍首相も質問にまともに答えないとよく批判されていますが、わざわざ一問一答をつくりながら、「海外で人を殺し、殺されるのか」にYes ともNoとも回答しないのです。答えはYesなのですが、よくわからない言葉ではぐらかしています。

よく「子どもだまし」という言葉がありますが、ここまで見てきますと、子どもだって見破ってしまうと思います。

子どもたちは今まさに、政府が自らのやったことをきちんと説明せず、言葉の通常の意味を歪曲してへ理屈をこねて物事を誤魔化す、と言う有様をつぶさに見ていることでしょう。こんなことを子どもたちが見習ってしまったら、子どもの教育上も大変良くありません。そして、大人たちがこんなごまかしで自分を戦争に行かせようとしていると知ったらどうでしょうか。

何が変わったか、が書かれていない。

この一問一答に対する最大の違和感はといえば、閣議決定で変更した政策について何も変わっていないことばかり強調し、「何が変わったのか」をまともに説明していないことです。

通常、国会で法律が改正されたりすると主務官庁がQAを作成し、何が変わったかをきちんと書いて国民に説明、周知徹底するものです。

ところが今回は、「いささかも変わっていない」「何も変えるものではない」などと言うばかりで、何が変わり、国民生活や自衛隊、日本のあり方はどのように変わるのか、まともな説明がないのです。

実際に戦争か平和か、戦争に巻き込まれるか否かは、国民生活や国民の生き方、日本と言う国のあり方に非常に深く影響を与えるものです。

そうしたことについて、国民に正々堂々と説明し、国民的理解を得ようとしないこのような議論の進め方は、最低限の国民に対する説明責任を果たしているといえず、品位や良識にあまりにも欠けるものです。

自分が政治生命をかけてやりたい政策があるのであれば、それを国民に問うこと自体何ら否定しませんが、そのやり方はごまかし、だましであるべきでなく、堂々と問題を提起すべきだと思います。

将来にわたり国民を巻き込むことになる政策を遂行しようとするなら、こんなだましのやり方ではなく、きちんと説明して理解を得て進むのが国政を預かるものの義務ではないでしょうか。

このHPは果たして永久保存版なのか?

「日本を戦争をする国にはしません。」などと言われると少し落ち着く人もいるかもしれません。しかし、これは永久保存版なのか。

防衛庁のホームページ(HP)には、つい最近まで、「集団的自衛権の行使は、憲法上許されないと考えています」との文章が掲載されていたそうで、同省は7月7日にこの文章を削除したそうです。

http://www.asahi.com/articles/ASG782SWZG78UTIL006.html

この件は閣議決定後も削除し忘れていたことで話題になっていましたが、昨日まで憲法上許されないと政府が正式な広報ツールで公式に宣言していたことがある日を境に許されることになった、しかも国民に断りなくそうなったという点で大変恐ろしい出来事です。

''' 昨日まで政府がきっぱり誓っていたことを、あっさり削除して反故にしてしまうことが許される、そういうことが起きたわけです。

「日本を戦争をする国にはしません。」「徴兵制は憲法違反」というのも永久の約束ではありません。'''

もし政府がこんなことを言うなら永久保存版にして後世まで約束すべきですが、最近経験した通り、HPは簡単に削除されます。

政府の発する言葉には全く重みがなく、信頼がおけません。全く信用できないのです。

国連憲章で戦争は禁止されているから?

こうした一問一答とは別に、政権幹部もあちこちで説明をしています。

石破幹事長はNHKの先週日曜のNHK討論番組で「日本を戦争する国にはしません。侵略戦争は国連憲章で明確に禁止されています。集団的自衛権は国連憲章で認められているのです」と一見論理の通ったことを言って見せました。国連憲章で明確に禁止されていることを日本がするわけがないだろう、日本がやろうとしているのはあくまで合法的なことだ、と言わんばかりです。

HPに比べるとましかもしれませんが、やはりこれも明らかなごまかしです。

国連憲章で明確に禁止されているはずの米国のイラク戦争を「支持します」と言ったのはほかならぬ自民党政権です。日本政府は、国連憲章で禁止されていますよ、と米国に助言や進言など、一度もしたことがないし、これからもできるとは到底思われません。

そんなことは、石破氏自身よーくわかっているはずです。

国連憲章違反の戦争を公然と支持した政府がこんなことを言っても果たして信用できるでしょうか。

粛々とこうした詭弁に満ちた文書を作成する官僚の人びと

政府のHPを見ていると苦労して作成している官僚の姿もしのばれます。

このような文書は、東大などを出て、場合によっては弁護士資格も有している、優秀な官僚が、作成に携わっているのでしょうが、内心とんでもない嘘だとわかっているはずです。彼らはこのような仕事をするために公務員を志したのでしょうか。まさに「悪の凡庸」(上官に言われるまま、黙々と効率的に、ナチスのホロコーストにユダヤ人を輸送する業務を担った官吏を評した、哲学者ハンナ・アーレントの言葉ですね)と言うべきか、自らの知性を殺して、上から言われたままに書いている姿が浮かびます。

今後作成されると予想される「法制」にも法律家出身の官僚などが動員されて、粛々と憲法違反の法令準備作業にあたっていくのか、日本のエリート層があたりまえの知性と理性をおし殺してそのようなことに粛々と加担していくのかと思うと愕然とします。

是非良心を発揮してほしいものです。

市民が賢くなり怒りを持続させること

ここまできて私も非常に腹が立ってきました。あまりにも国民を軽視し、民主主義を軽視し、国民を馬鹿にしているとしか言いようがありません。ある意味徹底した大衆蔑視、ニヒリズムが官邸の政権運営の基本にあるように思われます。

安倍政権を選んでしまい、引き続き高い支持率を寄せているのですから、安倍首相も国民を甘くみることでしょう。

こんな低レベルな一問一答を出して平然としているのは、政権が国民を馬鹿にしている何よりの証拠であり、私たちはもっと怒るべきだと思います。

こんな不誠実を許していれば、日本全体の知の堕落、民主主義の衰退につながりかねません。

結局のところ、どんなにごまかしても閣議決定は違憲です。

政府がすべきことは、明白な憲法違反行為をしたことを謝罪・反省して、閣議決定を撤回すべきなのです。

私たちがきちんとリテラシーを持ち、騙されないで、怒りを持続させて行動することが必要だと改めて痛感します。

2014年4月 2日 (水)

ミモザの森法律事務所・新体制でのご挨拶

4月1日、新しい年度のスタートですね! 私たちの事務所、ミモザの森法律事務所にも出会いと旅立ちがありました。
是非、新しい体制で頑張ってまいりたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。


ご 挨 拶

拝啓 桜咲く春爛漫の季節となりました。皆様にはますますご清栄のことと存じます。
2012年4月に発足をしましたミモザの森法律事務所も、おかげさまで2周年を迎えようとしております。皆様から日頃より多大なご厚情をいただき、心より感謝申し上げます。

さて、当事務所の田部知江子弁護士が今年3月をもって退所し、事務所を移籍されました。
田部弁護士は、子どもの貧困問題をはじめとする貧困と人権の問題、原爆症認定訴訟等の公益訴訟等、多岐にわたる人権擁護活動に活躍してこられました。2007年1月以降、オリーブの樹法律事務所時代も含め、パートナーとして活動してきた田部弁護士の旅立ちは寂しくもありますが、新しい活躍を期待し、今後とも連携してまいりたいと考えております。
これまで同様、皆様の御支援をよろしくお願いいたします。

また、2014年4月1日より、当事務所に中西俊枝弁護士(新62期)を新たに迎えることになりました。中西弁護士は、女性の権利分野で先駆的取り組みを続けてこられた福岡の女性協同法律事務所に所属され、離婚、DV(ドメスティック・バイオレンス)など女性の権利に関わる事件に活発に取り組まれてきた、経験豊かな弁護士です。当事務所では、中西弁護士の参加により、これまでも重視してきた女性の権利分野での取り組み・女性のリーガル・アクセス向上への貢献の体制を一層強化していく所存です。
さらにご挨拶が遅くなりましたが、当事務所では、2014年1月から66期司法修習を終えた新人の遠藤彰子弁護士を迎えております。遠藤弁護士は将来的には法テラスの地方事務所への赴任を予定されており、多種多様な事件にエネルギッシュに取り組まれています。

新たに三名体制となりましたミモザの森法律事務所では、今後とも、隣接する国際人権NGOヒューマンライツ・ナウその他の市民社会組織とも緊密に連携しつつ、人権擁護と社会的正義の実現、権利の実現を求める市民の皆様への親しみやすく質の高いリーガル・サービス提供に一層努めてまいりたいと考えております。
なお、当職は、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ(認定NPO法人、国連特別協議資格取得)の事務局長を努める傍ら、2013年夏より、女性のエンパワーメントを実現する国連機関UN Womenのアドバイザーに就任いたしました。こうした国内外の人権擁護活動の一方で、引き続き民事・刑事・家事の弁護士業務にも全力で取り組んでまいる所存です。
今後とも皆様の変わらぬご厚情、ご指導をいただきますよう、よろしくお願いいたします。
敬具
2014年4月吉日
東京都台東区上野5-3-4 クリエイティブOne秋葉原ビル7階
 ミモザの森法律事務所 電話03-5807-3184 FAX 03-5807-8303
  代 表 弁護士  伊  藤  和  子
謹啓
時下益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
 さて、私こと、この度福岡県弁護士会から東京弁護士会への登録替えにより、ミモザの森法律事務所の一員となりました。
 福岡では、弁護士法人女性協同法律事務所に所属し、女性の権利に関する事件、とりわけ離婚、DV事件を多く取り扱って参りました。困難な事件も多くありましたが、事件が解決した時の依頼者の笑顔に支えられてやってきました。今後も苦しみを抱えている人に寄り添い、問題解決の道を探し、全ての人がその人らしく生きていくお手伝いができればと思っております。
 弁護士としては、甚だ未熟者ではございますので、今後とも皆様のご指導ご鞭撻を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
謹白
  弁護士  中  西  俊  枝
謹啓
 早春の候、皆様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
 この度、第66期司法修習を終了し、ミモザの森法律事務所において、弁護士としての第一歩を踏み出すことになりました。
 身近な法律相談から複雑な訴訟案件まで、あらゆる案件に真摯に向き合い、依頼者の皆様方にとって最善の利益は何かということを常に模索しつつ、微力ながら力を尽くして参ります。
 また、依頼者の皆様方の人生の転機となる重大な局面に関わらせていただくことの重責を肝に銘じ、依頼者の皆様方にとってよき相談相手となれるよう努力して参ります。
 もとより弁護士としては甚だ未熟ではございますが、日々研鑽して参りますので、ご指導ご鞭撻を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
謹白
  弁護士  遠  藤  彰  子
拝啓
 2012年よりミモザの森法律事務所にて執務を行って参りましたが、この度、下記住所に事務所移転する運びとなりました。
 ミモザの森法律事務所在籍中は、パワフルな伊藤和子弁護士より刺激を受けながら様々な活動に関わらせていただきました。
 新事務所移転後も、日々邁進して参りたいと存じますので、ご指導ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。
敬具
  弁護士  田  部  知 江 子
新事務所  
〒101-0052 東京都千代田区神田小川町3-28-13 ラフィネお茶の水807号
 電話 03(6869)5977  FAX 03(6800)1617

2013年11月30日 (土)

デモや国会・官邸前抗議はテロと同じ? 自民党・石破氏の発言の危険性

あまりにもおそまつな拙速審議で、憲政に汚点を残した秘密保護法案の衆院採決。

言いたいことが山ほどあるが、野党には今度こそ結束して徹底審議を求め続け、廃案に追い込んでほしいと思う。

臨時国会は越年できないのだから、徹底審議を求めて行けば廃案にすることは不可能ではない。

学者や知識人の方々が次々声明を出されているが、私はこの寒空の中、果敢に国会・官邸前で抗議を続ける人たち、特に若い人たちの行動が素晴らしいと思っている。

ところが、そんななか、

自民党石破幹事長は自身のブログで以下のように記した。


今も議員会館の外では「特定機密保護法絶対阻止!」を叫ぶ大音量が鳴り響いています。いかなる勢力なのか知る由もありませんが、左右どのような主張であっても、ただひたすら己の主張を絶叫し、多くの人々の静穏を妨げるような行為は決して世論の共感を呼ぶことはないでしょう。  主義主張を実現したければ、民主主義に従って理解者を一人でも増やし、支持の輪を広げるべきなのであって、単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらないように思われます。
出典:石破氏ブログ
個人のブログとはいえ自民党幹事長のブログであり、独り言ではすまされないと思う。

官邸前抗議行動やデモはテロとあまり変わらない、というのだ。

こんな理解の人に国を委ねるのは本当に問題があると心底情けなく、恐ろしくなった。

まるで天安門事件で学生たちを虐殺・鎮圧した、当時の中国政府と変わらないその考え方、民主主義国家のリーダーとしてあまりにも低レベルで危険な見識。

テロは無差別に罪のない人を巻き込む暴力的行為であるからこそ、国際犯罪として許されないのだが、平和的なデモや抗議行動はそれとは全く異なものだ。

デモや抗議行動は、憲法21条に「集会・結社・表現の自由」として保障され、世界人権宣言にも保障されている重要な人権である。

デモや抗議行動は、メディアのような強大な表現手段を持たない市民、ふつうの市民が、一緒になり、人数を集めて、大きな声をあげることを通じて、自らの意見を発信し、人々に届けることのできる数少ない手段である。

自分たちの実感と政治がかけ離れていると思ったとき、それを政府も聞き届けないし、メディアでもきちんと報道されない、大きな力を持つ者たちが何もしてくれないとき、市民はどうすればよいか、自分一人だけの発言では多くの人を振り向かせることができないとき、

同じ思いを持つ人々で集まって、行動し、みんなで大きな声を出すことによって表現し、抗議し、アピールする、それはひとりひとりの市民が持つ数少ない表現手段として、最大限に保障されなければならない。

各国の民主化運動の多くは、市民が街頭に出て、デモや広場での集会によって、強い怒りが示して、政権を追い詰めたことで、成功し、民主化を実現した。

民主主義国であっても、ひとたび選んだ議員がどんなとんでもないこと、公約にない政策を強行してもただ黙っているというのは民主主義ではない。多数決の横暴を牽制するチェックアンドバランスのために、欧米等では日本の規模をはるかに上回るデモがどんどん行われ、有効に機能している。

国連でもいまさらながら「平和的な集会」の人権としての重要性について認識が高まり、2010年以来決議が採択され(強力な提唱者はアメリカとEU)、専門の特別報告者も任命されている。

そうした市民の重要な表現行為・基本的人権を「テロと同じ」と敵視するのは政権党トップとしてあるまじきことである。

憲法・国際人権法で明確に保障された人権への理解を著しく欠いている。

石破氏は「主義主張を実現したければ、民主主義に従って理解者を一人でも増やし、支持の輪を広げるべき」だというが、むしろ世論は、官邸前にいる人たちと同じだ。


共同通信社が(10月)26、27両日に実施した全国電話世論調査によると、政府が今国会に提出した特定秘密保護法案に反対が50・6%と半数を超えた。賛成は35・9%だった。今国会にこだわらず、慎重審議を求める意見は82・7%に達し、今国会で成立させるべきだの12・9%を上回った。
出典:http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131027/stt13102718490002-n1.htm
パブコメでも9万件のコメントのうち、8割は反対だった。福島公聴会でも全員が反対・ないし懸念を表明している。

政府や自民党こそ、秘密保護法に関する支持の輪を広げていないのであり、この瞬間、支持の輪は官邸前の人たちのほうに広がっているのだ。

石破氏は、自分たちのやり方を「民主主義に従って」いると思っているのだろうが、それはまさに数の横暴以外の何物でもない。ひとたび選挙で多数をとれば(しかも違憲・無効- 最高裁すら「違憲状態」と断じる選挙で) 、選挙で争点としなかったどんな問題でも、数の力で強行し、メディアや報道陣の懸念にも耳を貸さず、パブコメや世論調査も無視し、官邸・国会前の抗議行動も、デモも「テロと同じ」とむしろ敵視する、このような発想で、多くの人が懸念する法律を強行してよいのか。国民の意見を聞く耳というものを持っているとは到底思えない。

こうしたやり方に異議がある、ということを、出来る限り声を大にして、言い続けていくことが必要だと思う。

諦めてしまって、何もしないと、この国の民度なんてこんなもの、と政府から甘くみられ、これから起こりうるどんな問題についても、反対の声が無視される、そして気が付いたら反対の声すらあげられなくなっていた、なんてことになりかねない。

2013年11月23日 (土)

国連専門家:「特定秘密保護法案は透明性を脅かすものである」ジュネーブ(2013年11月21日)

「特定秘密保護法案は透明性を脅かすものである」

国連人権理事会が選任した二人の特別報告者が、日本国政府が国会に提出した特定秘密保護法案に関し、強い懸念を表明した。

深刻な懸念を表明したのは、国連「表現の自由に関する特別報告者」フランク・ラ・ルー氏と「健康への権利に関する特別報告者」アナンド・グローバー氏。

彼らは日本も理事国を務める国連の人権に関する機関・国連人権理事会から選任された強い権限を有する独立専門家だ。


透明性は民主主義ガバナンスの基本である。情報を秘密と特定する根拠として、法案は極めて広範囲で曖昧のようである。その上、内部告発者、そして秘密を報道するジャーナリストにさえ重大な脅威をはらんでいる

と、表現の自由に関する特別報告者のフランク・ラ・ルー氏は指摘した。

さらに


公共問題に関する情報を秘密にすることが正当であるのは、その情報が公開すされることで重大かつ実証可能な危険性があり、なおかつ、その危険性が情報を公開することによる公益性を上回る場合だけである。例外的に、情報が機密にされる必要があると当局が認めた場合でも、独立機関の審査が不可欠である。

という。フランク・ラ・ルー氏は公益目的で内部告発する公務員、公益のために活動するジャーナリストが法的な処罰や制裁を受けてはならないとさらに強調した。

グローバー氏は福島原発事故の経験から、


特に災害においては、市民が継続的かつ迅速に情報を提供されることは必要不可欠だ。それによって、市民が健康に関して正確な判断が下せるからだ

と指摘した。グローバー氏は、2012年11月に福島原発事故後の対応に関連して日本に事実調査ミッションを実施しており、スピーディ情報がいち早く、必要としている住民に届けられず、何週間も秘匿されたことをよく知っている。この出来事は、日本政府、特に官僚が、都合の悪い情報を秘匿するためには、国民の命や健康などこれっぽっちの痛みも感じずに犠牲にするのだ、という教訓を私たちに残した。そしてその反省もないまま、秘密保護法案を政府は通そうとしているのだ。

国連特別報告者の正式文書は国連のウェブサイトに掲載されている。

http://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=14017&LangID=E

既に藤田さん&高橋さんという、世界的に活躍する人権分野のエキスパートの方々の訳で日本語になっている。

http://freedexjapan.wordpress.com/

国連専門家が日本が審議している法案についてこのようなかたちで意見表明をするのは極めて異例だ。

国際的な基準から見て、日本の秘密保護法制がいかに問題か、クリアされていない問題が多いか、是非知ってほしい。

こうした人権の専門家の声を一切無視して、法案の制定に突き進むなら、世界が日本の人権状況について懸念を深めていくだろう。軍国主義が台頭した、第二次大戦前の日本に戻っていくのか、と憂慮する海外の識者も少なくない。

政治家、メディア、そして市民が、このまま人権上大きな問題をはらむ法案を、深刻な懸念に目をつぶったまま通してしまうのか、改めて私たちの姿勢が問われていると思う。

特定秘密保護法案、「首相が第三者機関」というとんでもない「妥協」を許してはいけない。

自民党、公明党、みんなの党が、秘密保護法案について、

修正協議で妥協した、という報道に接したので、どこかすこしでもまともになったところがあったのか確認してみた。

すると、あまりにも珍妙な妥協案なので、驚いてしまった。


秘密指定、首相が第三者機関的に関与 自公み、修正妥協          2013年11月19日07時02分  朝日新聞   特定秘密保護法案で、自民、公明両党は18日、みんなの党との修正協議で大筋合意した。閣僚らによる秘密指定に「首相の同意」を求めるみんなの要求に一部応じ、首相が、秘密指定の統一基準を作成し閣議決定する▽有識者に実施状況を毎年報告する▽閣僚に指定などの改善を指示できる――との修正案を新たに提示。みんなも受け入れた。  ただ、与党は法案の根幹部分を譲っておらず、秘密が恣意(しい)的に指定され、国民の「知る権利」が制約される可能性をはらむ法案の問題点は、修正案でも解消していない。  与党は18日、みんなに対し「首相の第三者機関的観点からの関与を明確にする」と修正の趣旨を説明。首相が17日の記者会見で「第三者的仕組みによる適切な運用の確保、政府における一体的な管理運用」に言及したのを受けたとみられる。
出典:朝日新聞
日本の政治家ってみんなこんなに頭が悪いのだろうか。あまりの低レベルに暗澹たる思いだ。これは右とか左とかそういうレベルではない。法律や憲法に関する高校生レベルの理解力もないのではないだろうか。

首相は行政の長であり、行政の責任者である。行政に対する第三者ではあり得ない。

そもそも第三者機関が必要なのは、行政権力の暴走・濫用を防ぐためである。

その歯止めの役割を行政のトップである首相が果たす、というのは内部統制に過ぎず、第三者機関によるコントロールでないことは明確である。

もし企業が大きな不祥事をしたとしよう。そこで第三者機関を設置して、不祥事の検証・再発防止をしようというときに、その第三者機関のトップが企業の社長だったとしたら、みんな呆れてしまい、一斉に非難されることであろう。それと同じような手打ちを、大真面目に、日本の政権与党を含む公党が三党そろってするというのはあまりにも深刻である。

これほど重要な法案をこんな愚かしい議論で通してしまってはならないし、私たちはこんな政治を「仕方ない」と許してしまってはならないと思う。

一方、日本維新の会との修正協議は、もう少しまともなのだろうか。

「第三者機関の設置検討を法案の附則に盛り込むことで合意」したとある。これもあくまで「第三者機関の設置を検討する」と一文書き込むだけであり、将来の検討事項に過ぎず、法案の骨格を変えるものでは全くない。子どもだましだ。与党も与党だが、こんな子どもだましの修正で受け入れてしまう野党もあまりにも腰が引けており、野党としての誠実さ、真剣さに著しく欠けている。

人権や民主主義を危険に晒すことになるこの法案、このようなレベルの低い議論で安易に話しを通してよいはずはない。

小手先の修正では到底この法案の本質を変えることはできない。

国会でも、報道も、また社会も、もっと真剣で実のある議論をしていくべきだと思う。

与野党の修正に茶番・妥協・ごまかしがないか、それを伝えるメディアも物事の本質をきちんと伝えているのかどうか、有権者としては厳しくチェックしていきたい。

2013年11月19日 (火)

知る権利・民主主義を損なう「特定秘密保護法案」をもっと知ってほしい。

いま議論になっている「特定秘密保護法案」(正式名称・特定秘密の保護に関する法律案)。忙しいビジネスパーソンが、世間で話題になっているからと言って、法律案を読む時間等なかなかないと思います。

しかし、この法案、万一でも法律になってしまったら、知る権利にとっても、報道・言論の自由や市民の様々な活動にとっても、ひいては民主主義にとっても、非常に危険です。今後の日本社会のあり方に関わる重大な問題を含んでいるので、是非良く知っていただきたいと思います。

法案の条文は、こちらから、「閣法の一覧」というところの表を見ると法案全部が読めます。

http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_gian.htm

私自身、あまりにひどい条文に絶句しました。

そこで、まだあまりこの問題をフォローされていない方にも知っていただきたく、問題となるポイントのうち、特に危険な点をあげて解説してみたいと思います。

1 秘密の範囲が広すぎ、濫用の危険大。

「秘密」として指定される情報は、防衛、外交、特定有害活動、テロという四分野の情報。「別表」というところに、事細かに該当する情報が列挙されているが、その対象範囲は実に広範で曖昧である。この四分野にあてはまりうる、極めて幅広い情報が「秘密」にされかねない。

例えば、「防衛」に関しては、「自衛隊の運用」「防衛力の整備に関する見積り若しくは計画又は研究」「武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物の種類又は数量」は全部秘密にできる。

極端な話、政府が極秘に核開発・核配備をしても、これでは公開されない。自衛隊が憲法違反の活動を海外でしていても、そうした監視もできなくなる。イラク戦争の際には、人道支援の名目で派遣された自衛隊機が、武装米兵を輸送していたことが判明し、憲法違反との判決が出された。しかし、今後はそのような情報も「秘密」指定され、市民のモニタリングや情報収集が処罰対象になりかねない。

また、今回の秘密保護法制定の裏には、日米の武器共同開発に関連して武器に関するすべての事項を秘密にしておきたい、という思惑があるという指摘がある。日米が非人道的な兵器を共同開発し、日本がこれを輸出するような事態になっても、何らチェックが出来ないことになりかねない。

「外交」については、外交交渉のうち、「安全保障上重要なもの」はなんでも秘密指定されうる。政府答弁によれば、TPP交渉もここに含まれることは否定できないそうだ。政府答弁によれば、「安全保障の概念は時代によって変わる」そうで、明確に定義できないそうだ。何が秘密に指定されるか全然わからない。

また、「テロ」はテロ防止のための措置やその計画はすべて含まれる。「対テロ戦争」の名目に戦争や盗聴あらゆる対策が、時に違法に行われ、人権侵害を拡大させているのが世界の現状だが、こうしたテロ対策はなんでも秘密となりうる。また、原発関連も「テロ」に含まれるというのであり、原発の設計・構造・安全性なども「テロ対策」ということで、秘密に指定されてしまう危険性が高いのだ。

要するに、軍事・外交・テロ対策という、国の最も重要な問題に関するほとんどの情報が「秘密」となりかねない。これでは、公益に関わる多くの情報から国民が遠ざけられ、「知る権利」が侵害される危険性が極めて高い。

2 秘密指定に何らのチェック機能も民主的コントロールも働いていないこと。

特定秘密の指定は「行政機関の長」の独断で行うことができる(3条)とされ、第三者機関や国会による民主的コントロールやチェック機能は皆無だ。

そして、「必要があると認めたとき」には「行政機関の長」が他の行政機関や外国に提供できることになっている(6条、9条)。秘密と指定する期間は5年以内とされるが、延長もできる。延長についてもまともなチェック機能はない。

法案の18条は、秘密指定についての統一基準を定めるとしている。しかし、仮に基準が出来ても、それが現実にあてはめられて適正に運用されているか、第三者機関がチェックできないので、あまり意味がない。基準を決めるには、有識者の意見を聞くというが、国民の代表者でなく政府が選ぶ有識者ということでよいのか。また御用学者のオンパレードになる危険性は高い。

秘密について第三者機関がきちんとチェックする仕組みがないのは極めて危険である。

3 内部告発者を保護するセーフガードになり得ない。

私が特に問題だと思うのは、国の不正行為を公にする、「内部告発者」の活動も処罰対象となることだ。公務員などが、役所で不正行為が行われていることについて義憤に駆られ、リークをする内部告発はこれまでもあったが、これからは許されないことになる。

例えば、米国政府が違法な盗聴をしていたことを世界に伝えるという行動をとったエドワード・スノーデン氏のような人が日本に出現したら、秘密保護法のもとでは処罰対象になってしまう。

日本には、公益通報者保護法(http://www.caa.go.jp/seikatsu/koueki/gaiyo/jobun.html)という法律があり、通報者を解雇等の不利益処分から守るという規定を置いている。しかし、犯罪行為に該当する場合の刑事訴追を想定して通報者を保護するものではない。また、この法律では、保護すべき通報対象事実については、法令違反が列挙されているが、現行法が想定・明示的に規制しない権力犯罪や政府の不正、人権侵害行為等に関する公益通報は対象外なのだ。政府や官僚がいくら国益に反すること、市民の権利を害することたくらみ、実行しても、私たちは知ることが出来ないし、内部告発も抑圧される、ということになる。

4 非常に危険な「共謀、教唆、扇動」罪

秘密保護法案で、非常に危険だ、と思うのは、秘密漏えいを「共謀し、教唆し、又は煽動した者は、五年以下の懲役に処する」(24条)という規定である。これは、仮に秘密が漏れていなくても、秘密漏えいを誘発するような行為は処罰する、というもので、相当危険である。

これは報道機関から、報道の自由を脅かすものだ、ということで厳しい反発が生まれている。それだけではない。情報提供を呼びかけること、政府の行為をモニタリングしたり、情報取得について市民団体の仲間内で打合せしただけで、実際に何の情報漏れがなくても逮捕・処罰されてしまう。

法案には、「この法律の適用に当たっては、これを拡張して解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならず、国民の知る権利の保障に資する報道又は取材の自由に十分に配慮しなければならない。」「出版又は報道の業務に従事する者の取材行為については、専ら公益を図る目的を有し、かつ、法令違反又は著しく不当な方法によるものと認められない限りは、これを正当な業務による行為とするものとする。」(21条)という規定がある。しかし「雑則」という項目におかれていて、訓示規定に過ぎない。「出版又は報道の業務に従事する者」とは誰かも不明確であり、捜査権限の濫用への明確な歯止め・セーフガードには、まったくなり得ない。それに、フリージャーナリストや、私たちのように政策提言・モニタリングを行うNGOの活動、市民による監視活動やオンブズマンは、この規定では保護されない。

5 メディアへの影響は深刻

今回のことで、一番危機感を抱くべきはまず報道機関であろう。夜討ち朝駆けで政府関係者から情報を取ろうとする行為も、すこしでも行き過ぎがあれば、処罰の対象となりかねない。

また、極秘情報が政府関係者からもたらされた場合にそれを報道した場合、何が起きるかわからない。例えばある記者が公務員からのリーク情報を受け取ってそれを新聞に掲載したとする。リークした公務員は、秘密保護法に違反するわけであるから、誰から情報が来たか調べるため、記者のパソコンを押収するなど新聞社に捜索が入りかねない。記者も誰からの情報提供か事情聴取を受けるであろう。新聞社への捜索は、言論弾圧の口実として使われる可能性もあり、相当な委縮効果をメディアに与えるだろう。メディアが最も守るべき、「取材源秘匿」もできなくなろう(ちなみに森担当大臣は報道機関に強制捜査はないと答弁したが、谷垣法相、古屋国家公安委員長はその可能性を否定していない。http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000015864.html)。

また、こうしたリーク情報について、記者が「教唆・共謀・煽動」したという疑いをかけて逮捕・訴追することもできることになるのだ。現在、ニューヨークタイムズやイギリス・ガーディアン紙は、スノーデン氏のリークした情報やウィキリークスが流す情報を頻繁に紙面で報道しており、何らかの提携関係があると考えられている。秘密保護法案がもしこのような場合に適用されるとすれば、提携を疑われる新聞社に強制捜査がおよび、記者が「教唆・共謀・煽動」容疑で訴追・処罰されかねない。これではスクープなどとれなくなる。メディアはもっともっと危機感を持つべきだ。21条のようなあいまいな規定で誤魔化されてはいけないと思う。

6 国会や裁判所にも開示されない証拠

国会議員も、もっと危機感を持つべきであろう。

法案は、ひとたび秘密と指定された情報について、裁判所や国会に対してほとんど開示しないと定めている。裁判所や国会には、「我が国の安全保障に著しい支障を及すおそれがないと認めたとき」でない限り提供できないとされる(10条)。

そもそも法案によれば、ある情報が「秘密」と指定されるのは、公開することによって安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがある場合だ、とされているのであり、裁判所や国会にどんなかたちなら提供できるのか、はなはだ疑問だ。

国会については、衆参各議院又は各議院の委員会もしくは参議院の調査会が行う審査又は調査で、議院及び委員会が秘密会とされる場合でないと秘密は開示されないとされ、個々の議員の国政調査権に基づいて秘密が開示されることはない。

与党議員であっても、政務三役でなければ重要な事実から蚊帳の外となる。

裁判所では、「裁判官限りで秘密を見る」という「インカメラ」という手続きしか想定されていない。

このようなあり方では、国会・裁判所も知らないまま、政府や官僚が独走し、特に軍事・外交部門で国にとって重要な決定が、国民や国会議員の知らない間になされてしまう可能性が高いのである。

その一方、おかしなことに、外国には、行政の長の判断で緩やかに情報提供ができるという。外国とはもちろん同盟国・アメリカということになるだろう。

福島第一原発事故後、SPEEDIに関する放射性物質拡散予測の情報は、市民には全く知らされず、官邸トップにすら知らされず、その一方で米軍には速やかに提供されていた。その間、周辺住民の多くが、危険性や、放射能の拡散方向を知らされることなく、高い線量に晒された。これからも同じようなことが恒常的に発生し、市民の生存や健康が危機に晒される可能性がある。

7 適格性審査

法案では、秘密を取り扱う人間について、適正を審査するとして、その前提として、配偶者、父母、兄弟、同居人のプライバシーを綿密に調査すると規定している。秘密に関連する公務員や民間業者は深刻なプライバシー侵害を甘受しなければ仕事を奪われることになる。

8 民主主義が危ない。

「秘密」が増えてそこにアクセスすると市民も処罰される、という法制のもとでは、国・特に官僚が勝手なことをやりかねない。

国が勝手に秘密を指定する。そして政府首脳と官僚だけで独走して、秘密裏にいろんなことを進める。

その秘密に近づこうとすると、処罰される。「みなさんには秘密にします、だけど信じてください」と言われて、私たち主権者はただ国を信じてついていくほかにないのか。それでは主権者による民主的なコントロールはできなくなる。

行政を市民がモニタリングし、チェックをし、暴走を抑えるのは民主主義の基本である。この法案が通ってしまえば、民主主義は本当に危うい。

9 ひとりひとりが危機感を

このように、この法案には、生半可な修正協議では到底済まされない問題があまりにも多すぎる。

そもそも、現在も、日本には秘密保護の法制度は存在する。国家公務員法、地方公務員法、自衛隊法には秘密漏えいに関する罰則があるのだ。これを越えて、処罰範囲を拡大し、厳罰化をする必要性や、現行法では十分でないという立法事実を政府は明確に示していない。

本法案は、国家安全保障と情報への権利に関する国際原則(ツワネ原則)という国際基準から見ても、著しく問題がある法律である。

(同原則については、こちらのウェブサイトが今のところ詳しい。http://peacephilosophy.blogspot.jp/2013/09/global-principles-on-national-security.html)

ニューヨーク・タイムズ紙や日本の外国特派員協会はじめ、諸外国の報道機関も一斉に懸念を示しているのは、当然と言える。

まずは、根本的に考え直すべきであり、廃案にすべきだと考える。

国民の知る権利や言論の自由、民主主義の根幹に関わる問題なのであるから、もっと私たち一人一人の主権者が危機感を持って意見表明をしていく必要があると思う。

※ 本法案に対しては、日本のNGO約100団体が共同して「制定しないことを求める」要請書を安倍首相に送りました。

http://www.janic.org/news/ngo_81.php

本投稿の1~9は、この共同行動の記者会見での私の報告をもとに書いたものです。

2013年4月 9日 (火)

砂川事件最高裁判決への米国関与・最高裁はうやむやにせず、検証を

砂川事件最高裁判決をめぐり、司法権の独立に反する動きが最高裁内部にあったと報道されている。

砂川事件は、昭和32年7月、東京の米軍軍・旧立川基地の拡張計画に反対したデモ隊が基地に立ち入り、学生ら7人が起訴された事件。

1審の東京地方裁判所は、7人全員に無罪を言い渡したが、その理由は「アメリカ軍の駐留は戦力の保持を禁じた憲法9条に違反する」という思いきったもの。

ところが、この9か月後に、最高裁判所大法廷は、憲法判断を回避する「統治行為論」を採用し、「日米安全保障条約はわが国の存立に関わる高度の政治性を有し、司法審査の対象外だ」として1審判決を取り消した。15人の最高裁判事全員一致の結論だったという。

ところが、この最高裁での審理が始まる前に、当時の田中耕太郎最高裁長官がアメリカの駐日主席公使と非公式に会談したという。

そして、「裁判官の意見が全員一致になるようにまとめ、世論を不安定にする少数意見を回避する」などと話したそうだ。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130408/k10013746941000.html

このニュースには私も驚いた。日本の裁判所は対米追従だ、とか、司法に政治の圧力がある、という話は、聞き飽きるくらい聞いてきた。

事実、最高裁は、憲法違反といえる事態があっても、そのことに目をつぶり憲法判断を回避する「司法消極主義」を採用してきた。

しかし、それは、保守的で波風を立てたくない日本の司法が政治の動きを「忖度」して、憲法違反と判断するのを回避してきたのであろう、と思ってきた。

まさか、最高裁での審理が始まる前に米国とあって、「こういう方向に判決をとりまとめます」などと約束していたとまでは思わなかった。

察するに、わざわざ最高裁からアメリカに自発的に出向く、というのは考えにくく、アメリカから呼び出されたのではないか。

「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される」(憲法76条)と定められているとおり、司法権の独立は憲法の要請であり、憲法の番人たる司法にとって命ともいうべきものである。それが外国政府の圧力を直接に受けていた、というのは、到底見過ごせないことだ。

この判決で示された「統治行為論」は、この判決で初めて日本で採用された有名な法理論であり、私も真面目に勉強したことを覚えているが、このような外国政府の圧力のもとで結論に至った法理だったとは唖然とした。

さて、最高裁は、「事実関係を確認できないのでコメントすることはできない」というコメントを出したそうである。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130408/k10013747161000.html

しかし、それで終わりにするつもりだろうか。

随分昔の話とはいえ、日本の司法にとって由々しき事態である。

資料を取り寄せて、関係者から事情聴取をして、検証をすべきである。

第三者機関による検証が必要であろう。

これが事実でないなら調査して事実ではない、と調査結果を公表すべきだし、重要な最高裁判決を出す前に外国政府や日本政府の関係者と会って判決について相談をする慣習があったのだとすれば、それはいつまで続いて、いつ終わったのか(終わっていないのか--そうだとすれば恐ろしい)明らかにすべきであろう。

最高裁は、私の知る限り、そのあり方を反省・検証したことがない。

足利事件など、相次ぐ冤罪事件が発覚し、最高裁が誤判を見抜けず冤罪を救済しなかったという事実があるのに、検察のあり方などについては法務省のもとに検討委員会が出来たものの、最高裁のあり方については検証されなかった。冤罪事件に対する対応については、昨年末に最高裁司法研修所がDNA鑑定に関する研究報告書を公表してお茶を濁した。

今回も、検証もせず、うやむやにするつもりだろうか。

もし最高裁が検証をせず、世論も特に検証を求めず、国会の法務委員会等でも追及されないとすれば、それ自体深刻なことである。

なぜなら、最高裁としても、米国や政府の圧力を受けてきた、日本の司法はそんなものだ、と思っていることになる。世論も国会も、日本の司法はおそらくそんなものだろう、と考え、司法の独立性についてさしたる信頼を置いてこなかった、ということを示すことになってしまう。

憲法違反・司法の独立違反を最高裁自らおかしていたことは深刻であり、是非とも真摯な検証を望みたい。

2013年1月28日 (月)

DV、離婚、民事一般etc、2月の無料法律相談のお知らせ。

私の所属するミモザの森法律事務所で、無料法律相談を開催しています。

今年2月、私の相談日は以下のとおりです。
30分単位でご相談を受け付けています。ご紹介は不要です。
是非あらかじめ、ご予約ください。

********2月の開催予定*********

2月4日(月)15:00-17:00
~DV・離婚相談~
担当:弁護士 伊藤 和子

2月20日(水)13:00-15:00
~民事・一般/債務整理・破産相談~

お問い合わせはミモザの森法律事務所まで。

会場:ミモザの森法律事務所 〒110-0005 東京都台東区上野5-3-4
クリエイティブOne秋葉原ビル7階  TEL.03-5807-3184

お仕事があってこの時間帯が難しい、日程が合わない、という方も、お電話でご相談いただければ
調整が可能ですので、ご連絡くださいね。

こちらの事務所のウェブサイトもぜひ訪れてみてください。

http://mimosaforestlawoffice.com/topic/topic_2013soudan.html

2012年9月15日 (土)

アフターファイブ無料法律相談のご案内

新しい私の法律事務所・ミモザの森法律事務所
http://mimosaforestlawoffice.com/

を4月に開設し、ようやく落ち着いてまいりました。

そこで、市民の皆様に身近な法律事務所、という理念を少しずつかたちにしていきたいと考えていますが、
まず、毎月、無料相談を開催することになりました。
クレサラ、離婚、相続、遺言、ストーカー被害、DV、交通事故、親子間や家庭の問題、刑事事件等、
是非なんでもご相談ください。
弁護士は敷居が高いと言われま
人にいえないで悩んでいる問題等もあるかと思いますが、
是非気軽にご相談いただける事務所となっていきたいと
思います。
実は、これは、ある女性センターの相談員さんとお話していて気づいたことなのですが、
相談日がこの日、と決まっていないと、突然弁護士に電話して相談にのりたい、
と依頼するのは、特に女性にとってはとてもハードルの高いことらしく、
相談日がこの日、と決まっている方が予約が取りやすいということだそうで、
なるほど、と思ったのでした。


当事務所は秋葉原からほど近いので、勤務後、帰宅前に是非お立ち寄りください。

初回は、アフターファイブ相談会  担当 伊藤和子
場所  ミモザの森法律事務所
     台東区上野5-3-4クリエイティブOne秋葉原ビル7階です。

予約は  電話 03-5807-3184にお電話して、予約をとってください。
      (原則30分、長い場合は1時間まででお願いします)。
事務所へのアクセスはこちらです。
     http://mimosaforestlawoffice.com/map.html

(事務所の案内版みたく使用している写真。ミモザです。)

Mimosa_01


日頃、リーガル・アクセスに困難を抱えて悩んでいらっしゃる
女性の方に是非、来ていただきたいと思いますが、もちろん
男性の方、ビジネス系の方も歓迎です。

今後も毎月開催し、アフターファイブ以外にアフターヌーンも開催
しようと考えています。
また、セミナー等も開催して、みなさまが、転ばぬ先に法的な
知識を身に着けていくお手伝いができればな、と思っています♪

是非お気軽にどうぞ!

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