女性の生き方・女性の権利

2017年11月12日 (日)

映画「女神の見えざる手」--強い意思を貫き通す女性に共感

昨日は映画「女神の見えざる手」を見て来ました。本当に面白かったのでお勧めです。


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私もNGOで活動してるので、いわゆるロビイストの端くれですが、米国のロビーは本当にすごい!という一端を垣間見て、ストーリーとしてもスリリングですし、とても刺激を受け、学ぶことが多かったです。
とにかく、ロビーで世界を変える醍醐味が味わえる作品です。


◇ O円でオファーに応じる主人公。

物語のはじめは、
主人公は銃規制賛成の会社にハンティングされて移籍するところから始まりますが、
最後になって、条件提示が0円であることが後で明らかになり、そこがグッと来ましたね。
そこで彼女の並々ならぬ想いが伝わります。

最後の最後のどんでん返しもすごい。

◇ 女性が強い意思を貫き通す

女性が徹底して強い映画、女性が強い意思を貫き通りストーリーというのが私は好きでこれはその部類に入ります。

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もちろん女性が強い意思を貫いて実行しようとする行動がよい行動なのか否か、が問われるべきですが、
まず女性が何かを達成すること自体がいまも難しい時代、いわゆる
「翼を折られる」話が圧倒的なのです。
女性たちが夢を抱いても現実に踏みつぶされてしまうストーリーの数々
そんななか、政治の世界で負けずに最後までファイティング・ポーズをとり続けるというだけで、あっぱれというところがあります。
そしてそれが今回のように銃規制という共感できるゴールを目指してのものであるから、応援したい気持ちになる。

◇ 攻撃に負けない。

本作では、お決まりのように、注目された彼女が攻撃の的となり、試練に立たされます。

女性が行動し、社会を変えようとし、ある産業や利益集団、または政府、政治勢力に都合が悪いところまで影響を与えると、時に命を狙われ、さまざまなバッシングの対象になる、敵に命がけで潰されそうになる、これは米国でもこの日本でも残念ながらよくあることです。
私でさえ経験しました。
枝葉末節なことをとらえて足をひっぱり、失脚させようとし、攻撃する例は最近の日本では蓮舫さん等、、なぜ女性がこんな揚げ足取りを! と悔しい事例は枚挙にいとまがありません。

本題とは違うことに話題をそらし、攻撃する、そのことでその女性の個人的な人格や問題行動に世間も注目し、大切な巨悪を眠らせてしまうことになる、飽き飽きするほど見てきた悔しい展開です。

映画でも昨年の「ニュースの真相」という映画で女性ジャーナリストがブッシュ政権とメディア上層部から潰される実話がありました。

http://top.tsite.jp/entertainment/cinema/i/30143253/index

才能あるジャーナリストが権力者を刺したために、潰されてしまう実話映画ですよ。やりきれない想いがしました。


しかし、本作はある意味彼女がやり返して、潰されたままには終わらず、目的の一つを遂行したところに胸が熱くなりました。そのために彼女は自分のキャリアと引き換えにしたわけですが。。。
それでも負けない。

◇ 責められる女性 それは認知のゆがみと気づいてほしい。

もう一つ、彼女は敵からも味方からも、常軌を逸している、どうしてそんな性格なんだ! などと責められ続けますが、私には不当に感じました。
彼女と同じこそを男がしたらあんなに責められなかったはず。そのことに、的確に主演女優のジェシカ・チャステインが解説で答えてくれていて、溜飲が下がりました。

パンフレットから。
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こちら、そのパンフレットのアップ。下線をひいて強調したいです!!

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◇ ロビーで世界を変える。明日からも

ところで、、私が初めて弁護士としてロビー活動ってクールだと思った記念すべき作品は
「アメリカンプレジデント」なんですね。
アネット・ベニング主演の1995年の作品です。

https://movies.yahoo.co.jp/movie/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%B8%E3%83%87%E3%83%B3%E3%83%88/28652/

そこでロビーで世界を変えられる、なんてすごい!と思ったものです。
弁護士でも、個別の事件をするしか可能性がないわけじゃなく、弁護士の能力を駆使して、ロビー活動をして、社会を変える仕事ができるんだ、アメリカではそういう可能性があるんだ、と知ったのがこの映画。

今や時代がかわり、自分もロビーの最前線に立つことができたのはとても感慨深いのです。

ただ、その95年の「アメリカン・プレジデント」でもテーマは温暖化と銃規制でした。。
変わっていない??
アメリカの政治はたくさんの良識的なロビイストや市民の努力にもかかわらず本当に一進一退、、、と途方もなくなります。

それでも、弛むことなく強い意志を貫き通すしか前進はない、そうあらためて思いました。

どんなに攻撃を受けても試練に立たされても、高い志をもって信じることを貫き、誇り高く生きる女性の矜持。
明日からもまた、がんばろうと思える映画です。

2017年10月28日 (土)

スランプ--情熱を取り戻す瞬間とは。

みなさんはスランプがありますか?
私も時々あります。それをつい最近、短期間だけれど経験したのです。
実はニューヨークから帰ってから、疲れもあって、「情熱が枯渇した」と自覚、2日ほど、
なんだかやる気がしなくなっていた。
私はそういうことに慣れていないのだけれど、情熱がないならそろそろ後進に道を譲ろうかな、十分やったしね、等と考えていたのだ。
22日に帰国して数日、選挙もそうだけど周辺でもいろいろあって、疲れもあったし。なのでした。
だいたいそういう時はどうするかというと、しばらく自分を甘やかして「大丈夫、君はまたすぐ元気になる、絶好調になる」とメッセージを送っているとしばらくして回復するということ。
だけど、ちょっと今回はやや深刻に思われた。

ニューヨークではすごーくたくさんのサポートをいただいて希望を感じたのだけれど、やはり世界がほんとうに厄介な状況で国際人権団体には受難の時代だとひしひしと感じた。
「私たちは世界を変えることができない」という映画があったと思う。
ICANのノーベル平和賞はとてもエキサイティングなニュースだけれど、世界の現実は厳しい。

ブッシュからオバマ、そしてトランプ、深刻化する国際紛争と人権侵害、排外主義、アジアでの市民社会スペースの抑圧・・など壁が厚いことを改めて感じる。
というわけで、いつもあう国際的なシンクタンクやNGOとの会合でも愚痴ばかりで生産的な会合にならないような気がして、(予算カット等の悲しいニュースばかり聞かされそうだったし)そうしたMTGをあまり入れずに帰ってきた。
9月の国連人権理事会のロビーでも、NGOのロビー戦略が複雑な外交に負ける場面を経験しており、それも世界的な人権に関する後退傾向と無縁ではなく、主体的に頑張ればどうなるものでもないことは明らかだった。
そう、トランプ政権以後の世界の壁に圧倒されていたのだ。
NYU大の恩師、私のスターであるフィリップ・アルストン教授にお会いした際、いろいろと問いかけると、いつも励ましてくださる先生から「世界全体で人権が後退する方向なんだよ」と慰めともつかない言葉をもらってしまう。
こうしたこと、この10年を振り返ってしまいどどっと疲れる要因であった。

他方で、ヒューマンライツ・ナウではこの間、AV出演強要、ユニクロ、ミキハウス、ワコール等で次々と突っ走ったこともだんだん形が見えはじめ、今後フォローアップをしつつもちょっとひと段落、という段階でもあったのだ。

そういうこともあり、内なる情熱が湧いてこないでいたところ、案外早く、転機は訪れた。
がーんときたのが、火曜日の詩織さんのFCCJでの会見だった。
フルバージョン動画を見たのはその翌日。
これはがつんときた。打ちのめされました。
こんなに聡明な女性が日本にいるということにとても驚いた。
そして、まだまだ日本社会に多くの不正義があり、若い人たちを苦しめている現状を改めて感じ、そしてそれに対して、若い女性が不正に屈せずに立ち向かう姿をまのあたりにして。。
怒りと感動と、いろんな感情があふれた。
彼女は直截には「あなたはどうするのか」と問いかけていなかったが、その勇気ある姿に私は「自分はどうするのか」と問いかけざるを得なかった。そういうものがあの会見にはあった。
直後に、2日ほどのスランプから回復し、私の頭と心がまた働き始めた。
一気に、エネルギーと情熱が回復した。
まだまだ引退なんて早いし、きつと私にしかできないことがあると思い直した。
詩織さんに感謝したい。


私はいつもそんな感じでふとしたきっかけにエネルギーをチャージする。
過去にはダイハード2を見て、とか、映画にがつんとやられるということは多い。
エレカシに出会って、とか、すごい鰻を食べて、ということで急に元気が出たこともある。
多くの場合、やはり強い人、強い女性の生き方に感動し、感化を受けて、スランプから立ち直ることがあるのだ。

そして思い出したのだが、ちょうど3年前の秋にも同じようなスランプがあった。
その時は、何の気なくネットサーフィンしていたら、衆議院議員予定候補(当時)だつた池内さおりさんという若い女性の動画を発見、とんがった子だな、と好奇心で見ていた。

スランプで家にいて時間があったのだ。
そしてその時、私はがつーんとやられたのを今でもすごく覚えている。
実をいうと、共産党系の若い女性活動家は学級委員タイプで、正論を言っているけど、肌合いがあわず苦手だった(^^)。多分少し意地悪な気持ちでその動画を見始めたと思う(最低ですね)。
ところが、彼女は違う、Differentだった。
こんなまっすぐな正義感のある若い女性がいるんだ、ということに驚き、感動した。
そしてすごいエネルギーをもらったのだ。

自分より若い女性の生き方からエネルギーをもらうというのはとても心地よいことだった。
私はその動画の出会いを覚えていたが、彼女はその直後の衆議院議員選挙で当選、
2015年9月に私がAV出演強要・違約金の判決をもらうと、事務所に同僚の斉藤和子議員、梅村さえこ議員と突然訪問してくれた。
そして議員レクをしたのだが、その後も「もっと女性の権利について働きたい、そういう議員になりたい」という熱いメッセージをもらって心を打たれた。
そうして彼女は2016年3月に国会で初めてAV出演強要被害に関する質問をしてくれた。その後政治が動くきっかけをまさにつくってくれたのだ。

今回の選挙、普通NGOの立場で誰にも推薦をしてこなかった私だけれど、池内さんに推薦のメッセージを寄せた。
その彼女が今度の選挙で当選できず、国会に戻ってこれなくてとても残念で悔しい。一緒に来た齋藤議員、梅村議員もそうだ。
さらに、親しくしていた塩村あやか元都議も民進・希望のごたごたで当選できなかったことも悔しかった。セクハラと戦い、あんなにがんばっていたのに。
そうしたこともスランプの一因であったと思う。
でも、ゆっくり休んでまたがんばってほしい、第一線で、あのエネルギーで、行動を続けてほしい、と心から思う。

この社会は女性に優しい社会でもなんでもない。世界は人権侵害を繰り返している、恐ろしいところだ。
すべては、無様な繰り返し(エレファントカシマシ「ズレてるほうがいい」)にさえ思える。

でも、不条理な世界で志高く生きる人たちがここかしこにいる。
特に若くて勇気ある女性たち、彼女たちの目が曇ることがないように、絶望してしまわないように、本当に希望のもてる時代を切り開いてもらうために、私もまだまだがんばることにしたい。


2017年10月11日 (水)

10月12日 国際ガールズデー イベントを開催します。

今日は国際ガールズデー。
女の子を応援する日として国連で決められました。
女の子たちが未来のリーダーになっていく。そんな時代を作っていきたいと思います。
でも、女の子には様々な悩み、羽ばたくための障害、特には翼が折れてしまうことも。
そんな彼女たちを応援したいと思って、明日はこんなイベントを企画してみました。
是非皆様いらしてくださいね。
挫折や悩みのない女性はいません。第一線で活躍する自立した女性たちにお話しを伺ってみてください。
私も学びたい。


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◆国際ガールズデー・トークイベント◆
2017年10月12日(木) 開催
考えたい、女性にとっての「自立」とは?
~私たち、もっと先に行けるかも~
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10月11日は国連で定められた国際ガールズデー。
少女のエンパワーメント・特に教育と地位向上のために
この日は世界中で様々なイベントが開催されています。

この機会に、女性が自立し、働くこと、
そして「好きを仕事にする」を実現して、第一線で
輝いている女性たちの話を聞いてみませんか。

ファッションデザイナーの上迫美恵子さん、
弁護士で元アナウンサーの菊間千乃さん、
そして、産婦人科医の江澤佐知子さん。
女性差別ってあるの?
苦しいことはどうやって乗り越えてきたの?
夢をかなえるには?などなど。
これから前向きに生きていきたい女性たち、
少女たちに是非ご参加いただきたいと思います。

当日は、若い女性たちによる参加型ワークショップも
予定されていますので、是非お楽しみに!
スタッフ一同、お待ちしています。

★国際ガールズデーとは?
「女性」であることと「子ども」であること。
この2つの面から、女の子は日常的に差別や
暴力などの対象となりやすい傾向があります。
そのため、女の子の教育機会の保障と社会的地位
向上のために、2011年12月に制定されました。
「女の子の日」を記念し、世界各国で女の子の人権
向上を目指して様々なイベントが行われています。

<イベント概要>
日時:10月12日  18:00~21:00
会場:青山学院大学(青山キャンパス)
   総研ビル(正門の右となり)11階 第19会議室
   150-8366 東京都渋谷区渋谷4-4-25
<アクセス>
JR山手線、東急線、京王井の頭線「渋谷駅」宮益坂方面出口より徒歩約10分
地下鉄各線「表参道駅」B1出口より徒歩約5分
<施設案内>
http://www.aoyama.ac.jp/outline/campus/aoyama.html#anchor_11

参加費:大学生・一般 1,000円/中高生 500円

◆スピーカー◆ 

上迫美恵子氏 デザイナー

島根県浜田市出身。18歳で上京しファッションデザイナーに。
原宿のMILKでデザインの仕事をスタート。セツ・モードセミナーで
スタイル画を、文化服装学院でカッティングを学ぶ。1975年
株式会社ノーマ・ジーンを設立。プレタポルテ MIEKO UESAKO
ブランドのほか、数多くの歌手、タレントのステージ衣装制作、
CM、テレビ映画衣装などを手掛ける。1994年よりMIEKO UESAKO
SPORTSをスタート。ゴルフ用品を皮切りに、ゴルフウエアもデザイン。
ヘッドカバーは,20万個を売れる大ヒットに!来日していたクリントン
元大統領が銀座の店にくるなど海外にも沢山のファンがいる。
2006年よりゴルフブランドNoisy Noisyをスタート。広尾、名古屋、
インターネットショップ(韓国語、英語対応)をオープン。2014年
Spring / Summer からMU Sports Korea, Müciのディレクターに就任。

江澤佐知子氏 産婦人科医・社会企業家

東京都大島町出身。小学校時代、「なるほど!ザ・ワールド」を観て
世界を股にかける人生を決意。尊敬する父同様産婦人科医となる一方
で2001年米国アンチエイジング専門医取得、2005年スウェーデン
王室よりアマランタ賞受勲。医学博士取得後、今までできなかった
大好きなことを全て実行、船舶とパイロット免許取得し、2009年
NASA/JAXA宇宙飛行士選抜女性唯一のファイナリストとなる。
同年スコットランド政府主催グローバルスコット会員授与、2010年
成し遂げる女性の象徴ヴーヴ・クリコウーマン受賞、NPO医療情報
広報局を設立。2012年早稲田大学法学部に再入学し医学博士の
テーマを法学視点から研究。双子出産を経て現在同大学法学博士
課程で研究を続行中。臨床医を主軸に、産業医、企業顧問、NPO
活動、講演活動など幅広く活躍し、そのチャレンジングな生き方で
多くの女性を元気にしている。

菊間千乃氏 弁護士

東京都世田谷区出身。小学校時代からアナウンサーになることを
目指し、1995年早稲田大学法学部卒業後,アナウンサーとして
フジテレビに入社。以後、「笑っていいとも」「発掘!あるある
大事典」「めざましテレビ」「とくダネ」などの情報バラエティー
番組を担当。2005年4月アナウンサーの仕事と並行して、大宮
法科大学院大学(夜学)に入学。弁護士を目指し、受験勉強に専念
するため2007年12月フジテレビを退社。2010年新司法試験合格。
現在は、弁護士として労働問題、不動産関連、エンターテイン
メント等を含め、幅広く企業法務を担当。
2016年よりヒューマンライツ・ナウの運営顧問を務める。

<申込方法>
●参加申込フォーム(以下URL)よりお申込みください。
https://docs.google.com/forms/d/1-uJNNOmL_HB-_5qNNxDBDKMQ-p6vgEKfS14XTPDfKF8

●上記からお申込みができない場合は、Eメールにて、
ヒューマンライツ・ナウ事務局(info@hrn.or.jp)へ、件名を
「10/12 ガールズデー 参加希望」として、
お名前、ご連絡先をご送信下さい。

※当日参加も受け付けていますが、人数把握の為、
できる限り事前のお申込みにご協力いただけますよう、
よろしくお願いいたします。

<主催>
青山学院大学人権研究会
認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウ

<お問い合わせ先>
ヒューマンライツ・ナウ事務局 Email:info@hrn.or.jp


2017年9月24日 (日)

詩織さんのこと、私たちは今もともにある。


詩織さんの検察審査会申立てに対して、不起訴相当との判断が、異例の早さでなされた。
もっとしっかりと審査するのかと期待していただけに、強いショックを受けた。。
報道からは、検察審査会の判断過程が明らかにされず釈然としない。
江川しょうこさんが議決書を謄写されたようだが、
以下のように綴っておられる

詩織さんの訴えに対して、検察審査会が不起訴相当の議決をしたと報じられていたので、どういう理由なのか見に行ったけど、議決書はペラ一枚で、理由らしい理由も書かれておらず……。審査補助員の弁護士も就かなかったみたいだ。

https://twitter.com/amneris84/status/911526657172766720

詩織さんと山口氏のコメントが紙面に登場した。

https://mainichi.jp/articles/20170923/k00/00m/040/105000c

山口氏はこの案件は完全に終結したと言い、将来の報道を封じるような言明をしている。
しかし、そうだろうか。
詩織さんが納得しない限り、この件での終結はないのではないか。
民事賠償の可能性は未だにあるわけだし、
何より、検察審査会はこれでよいのか、性犯罪捜査はこれでよいのか、
将来にわたって議論されるべき多くの問題をはらんでいると思う。
それを封じられることがあってはならないと思う。
私たちは、詩織さんの問題提起を決して忘れたり無にしてはならないと思う。

そして、これだけは言っておきたい。

私の心はあなたのことを思って涙を流しています。
こんな司法を放置してきたことをあなたに申し訳なく思います。
でも悔しさを抱えながら、前に進むしかありません。
多くの人の心は、あなたとともにあります。
#Fighttogetherwithshiori

2017年9月17日 (日)

【ご案内】9月21日 香山リカ氏×伊藤和子 「私たち、裁判してみました! 」物いう女性応援プロジェクト

みなさまへ

日頃、誰かの権利に関わるイベントのご案内をさせていただいておりますが、
今回は自分に関わるイベントをご紹介させていただくこと、お許しください。

私事ですが、今年6月に池田信夫氏に対する名誉棄損訴訟で勝訴いたしました。
この裁判を巡っては、多くの方に関心と応援をいただいていましたが、
実は、はっきりとした裁判のご報告の会等をしていないこともあり、
このたび、開催することにいたしました。
この企画は、私と前後して、名誉毀損裁判を経験されている精神科医の香山リカさんとご一緒に企画しました。
「物いう女性は叩け」という風潮を笑い飛ばい、皆さんが元気になれるイベントにしたいと考えております。
当日は代理人弁護士もいらっしゃいます。是非、ご参加いただけると嬉しいです。
裁判の詳細はこちらのブログ、そして以下の記事にも冒頭、少し紹介しています。
https://news.yahoo.co.jp/byline/itokazuko/20170816-00074490/

ここで紹介した「裁判女子会」の第一弾になります。
是非、みんなで言いたいことを言っていきましょう、というイベントにしたいと思います。

パーティー形式で気軽なかたちで開催いたしますし、多士済々、ご参加を表明いただいております。
是非楽しい会にしたいと思いますので、ご参加下さい。
男性も歓迎です。

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「私たち、裁判してみました!」もの言う女性応援プロジェクト 
日時  2017年9月21日 19:00~ 
場所 Galaxy 銀河系 〒150-0001 東京都 渋谷区神宮前5丁目27-7
入場料 2000円
お申込みは、info_hatsugen@yahoo.co.jp

 お名前・携帯番号のご記入をお願いいたします。
9月18日(月)申し込み締め切り
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ネットや集会で自分の意見をハッキリ話す女性が増えてます。
でももの言う女性への誹謗中傷、バッシングも目立ちます。勇気を出して発言する女性たちを応援しようとイベントを開催します。1回目は香山リカさんと伊藤和子さんの名誉毀損訴訟についてご報告します。
パーティー形式ですので、是非楽しい会にしたいと思います。皆様のご参加をお待ちしています。

スピーカー  
香山リカ氏(精神科医)
伊藤和子氏(弁護士・ヒューマンライツ・ナウ事務局長)
二人の弁護団のみなさま

Facebook イベントページはこちらです。
goo.gl/EjWPH3

東京都台東区上野5-3-4クリエイティブOne秋葉原ビル7階
ヒューマンライツ・ナウ事務局長 弁護士 伊藤和子

2017年9月 4日 (月)

女性のための法律相談・再開いたします。

おはようございます。
AV出演強要問題等でこのところ多忙を極めてい手お休みしていたのですが、
女性のための法律相談、秋から再開いたします。

https://www.facebook.com/events/271512290010342/?acontext=%7B%22ref%22%3A%223%22%2C%22ref_newsfeed_story_type%22%3A%22regular%22%2C%22feed_story_type%22%3A%22117%22%2C%22action_history%22%3A%22null%22%7D

いろいろ心の痛むニュースが多すぎます。女性たちの被害がたくさんありますよね。

少しでもお力になれればと思います。

2017年8月25日 (金)

拡散希望!!この夏、AV出演強要被害を防ぎたい。プロモーション動画「あなたがいやなら断ることができます」を公開。

■ アダルトビデオ出演強要被害を防止するプロモーションビデオが完成
 「モデルにならない?」「タレントにならない?」と街で若い女性をスカウトし、AV出演や性的撮影を強要する被害。
夏は特に被害が起きやすい季節です。
  こうした被害を被害を防止するために、啓発プロモーション動画・
 「あなたがいやなら断ることができます」が8月8日付で完成、ユーチューブ動画として公開されました。
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Youtube →  

https://youtu.be/GxacJRbfmT0

   (プロモーションビデオ・画面はくるみんアロマさん)。
  紹介ページはこちらです。「あなたがいやなら断ることができます」が完成、公開します。
  このプロモーション動画は、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウが、AV出演強要被害を実名で告発されたユーチューバーのくるみんアロマさんとのコラボで昨年12月から進めてきたもの。
 出演いただいたのは、登場順に、

堀潤さん(ジャーナリスト/NPO法人8bitNews代表)、
倉垣まどかさん(女優)、
小菅怜衣さん(女優)、
矢崎希菜さん(女優 高校二年生)、
上杉勇輝さん (俳優) 、
原拓麻さん(俳優・モデル)、
末原拓馬さん(俳優・脚本家、劇団「おぼんろ」主宰)、
くるみんアロマさん(ユーチューバー)、
小川たまかさん(ライター)

の皆さん。若く有望な俳優・女優の皆さんが協力してくれました。
そして、Yahoo個人のオーサーとしても活躍されているジャーナリストの堀潤さん、ライターの小川たまかさんもメッセージを寄せて下さっています。

■ 一人でも多くの若い人、一人で苦しんでいる人に届けたい。
 AV出演強要被害は、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウが調査報告書を公表して問題提起し、被害者の方々も声をあげて社会問題として表面化しました。
 意に反して性行為を含む過酷な撮影を繰り返し強要し、その一部始終を撮影して販売し、半永久に販売・拡散する、その被害はあまりに深刻で、自殺者や、心にPTSDを負う被害者がいることが明らかになっています。
 内閣府が今年はじめ、約2500人を対象にした調査でも、73人が望まぬ性的撮影をさせられていたことが明らかになっています。
 これを受けて、今年5月には、政府が包括的な対策を発表しました。
 しかし、まだ対策は実態に追いついていないと実感しています。
 そのなかでも特に重要な課題のひとつは、被害防止の啓発活動です。ビデオでは、被害の事例、悪質業者の強要の様子、被害にあわないため、被害から抜け出すための方法などの情報を提供しています。
 ここで私たちが特に伝えたいのは、

タイトル:  「あなたがいやなら断ることができます」というコアなメッセージです。
同時に、「あなたは悪くありません」「あなたには幸せに生きる権利があります」
「あなた自身が大切にされない場所に居続けるべきではありません」などの言葉も伝えたいと思います。
また、支援団体のご協力を得て相談先も明記しています。
一人でも多くの若い人たちに、このビデオのメッセージが届くよう、是非拡散していただきたく、よろしくお願いいたします。

■ 多くの方の応援&コラボで実現
このプロモーション動画は、ヒューマンライツ・ナウが、AV出演強要被害を実名で告発されたユーチューバーのくるみんアロマさんと語り合うなかで構想され、2016年12月からJapan Givingで開始したクラウドファンディングで共感して下さった皆様からいただいた温かいご寄付によって実現の運びとなりました。
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  ひとりでも被害者が出るのを防ぎたい、一人で困って誰にも相談できない方に想いを届けたい、と考え、試行錯誤を重ね、伝えたいメッセージをひとつひとつ言葉にしてシナリオをつくりました。
  幸運なことに、株式会社ジェイツ・コンプレックスの甲斐浩次様をディレクターとするクリエイターの方々が撮影・制作を御厚意でお引き受けくださり、素晴らしいチームワークで完成まで進めてくださいました。
   そして、ジャーナリストの堀潤さん、ライターの小川たまかさん、そして若く有望で、心ある俳優の方々のご協力を得て完成に至りました。ひとりひとりの皆様から本当に素晴らしい演技&メッセージをいただきました。
心よりお礼申し上げます。

■ 「あなたがいやなら断ることができます」は若者みなさんに伝えたい。
  この動画のタイトル「あなたがいやなら断ることができます」を見て、企業向けにも作ってほしいというコメントをいただきました。
  そして私自身、「このタイトルには普遍性がある」と改めて痛感しました。
  若い人たちを過労死、過労自殺に追い詰めてしまうブラック企業、そして学生さえ不当拘束するブラックバイト、デートDV、今の日本で「断る」ことができない若い優しい人たちと、そうした若い人たちを利用して利益を得ようとする人たちをめぐる人権問題が至る所に起きています。
  追い詰められて自殺する前に、あなたにはNoと言い、解放される自由がある、このことも、動画を通じて、たとえAV強要とは関係ない状況に置かれた方々にも知って感じてほしいと思います。
  
   Youtube →  

https://youtu.be/GxacJRbfmT0

   紹介ウェブページ→ 
http://hrn.or.jp/news/11813/
 
   AV出演強要被害調査報告書→ 
http://hrn.or.jp/news/6600/


ネットで事実に反する誹謗中傷を受けたらどうしますか? やってみると簡単。池田信夫氏への名誉棄損訴訟

暑い夏。。いかがお過ごしですか。私は休暇旅行からようやく戻ってきました。
休暇前に書いたヤフー記事を多くお読みいただいています。
この裁判、本当にいろんな方から応援いただきありがとうございました。
こちら、転載のうえ報告させていただきます。
この体験談を通じて同じことで悩んでいる方がエンパワーされると嬉しいなと思って書きました。

Photo

「物言えば叩かれる」の風潮を変えましょう(画像は事案とは関係ありません)

■ 広がるフェイクニュース、ネット上のデマや中傷
  インターネットが普及し、特にSNS利用が浸透するなか、ネット上の誹謗中傷、名誉棄損は深刻になりつつあります
  記憶に新しいところでは、ヒラリー・クリントン氏が大統領候補の当時、「クリントン氏らが首都ワシントンのピザ屋に拠点を置き、児童への性的虐待や児童売買に関与している」との偽ニュースが流れ、大統領選挙にも一定の影響を与えたというのです。
  全く根も葉もないニュースなのに大量に拡散され、人々が信じることになり、大統領選挙にまで影響する、とても怖いことです。
  日本でもネット社会で、同様な被害が増えています。デマでも根拠がなくてもどんどんしつこく攻撃すればよい、という風潮が広がっているようです。
  私も弁護士という職業柄、特に女性の方から心無い誹謗中傷や名誉棄損を受けた! ということで、ご相談を受けたり案件を担当したり、ということをしてきましたが、なんと自分も被害にあうことになったのです。

■ 池田信夫氏に対する裁判
  私事で恐縮ですが、多くの皆さんの悩みとも関係することなので、紹介いたします。
  私は池田信夫氏という評論家の方に名誉棄損の訴えを起こして、この6月に東京高裁で勝訴判決をもらいました。
弁護士ドットコムニュースが伝えてくれています。

経済評論家の池田信夫氏にインターネット上で虚偽の情報を流されて、名誉を傷つけられたとして、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウの事務局長をつとめる伊藤和子弁護士が損害賠償などを求めた裁判の控訴審判決で、東京高裁は、計約57万円の損害賠償の支払いを命じた一審東京地裁判決を変更し、計約114万円の支払いを命じた。判決は6月22日付。
きっかけとなったのは、児童買春などの調査で来日した国連の特別報告者、マオド・ド・ブーア・ブキッキオ氏が2015年10月、日本記者クラブでの記者会見で発言した内容だ。ブキッキオ氏の発言は「日本の女子学生の3割(30%)は現在、援交をやっている」と訳されたが、「13%」の誤訳だったとして、のちに訂正された。
伊藤氏が(1)ブキッキオ氏がNGO関係者から聞き取りをおこなっていたこと、(2)その会合に参加したことをツイッターで報告したところ、池田氏は「(伊藤氏が)『日本の女子学生の30%が援助交際』などのネタを売り込んでいる」などとツイッターやブログで批判した。

出典:弁護士ドットコムニュース
   第一審の東京地裁判決は昨年11月に出ていたのですが、賠償額があまりにも少ない。そこで弁護士さんの勧めもあり、東京高裁に控訴をしたわけです。その結果、東京高裁では、賠償額が倍増しました。
  それでも私の請求額から比べると少なく、謝罪広告も認められなかったので不満ではありますが、最高裁までやるということはせずに判決は確定しました。
  そして、その後、池田信夫氏は賠償額を耳をそろえて全額支払われました。
  結論からいいますが、

根拠のないデマを言われた名誉棄損裁判ですから、相手は訴訟にまともに反論できず、やってみると簡単だった
、ということになります。

■ 私が池田信夫氏に裁判を起こすことになった経緯。
   2015年10月下旬に、国連児童ポルノ等に関する特別報告者が来日し、この方が開いた記者会見で、日本の女子高生のなかでの援助交際の比率について13%が援助交際をしているなどと言及し、その後撤回するということがありました。
   この一連の動きに関連して、ツイッターで20万人以上のフォロワーを持つ池田信夫氏が国連特別報告者に虚偽の報告をしたのは私であるとの、事実に基づかない情報を何度もしつこく流したのです。
   その経緯は、このヤフーニュース個人で以下に詳細に説明しています。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/itokazuko/20151101-00051024/

   ちょうど、国連特別報告者が日本の女子高生の13%が援助交際をしていると発言した、というニュースが駆け巡り、世論が「誰がそんなことを?」と関心や怒りが高まった瞬間に、突然何の根拠もなく、池田氏が私が情報元と決めつけ、20万人以上のフォロワーに拡散されたわけですから、多くの人がそれを信じて、私を信用できないなどと言い出したのです。
  まさに根も葉もない「炎上」、こわいなと思いました。
  こうした行為は明らかに名誉棄損であり、私が国連に対し虚偽の事実を報告している、という誤解が生まれることは、弁護士であり、国際人権NGOの事務局長をしている私の信用を失墜し、業務にも影響が及びます。
  そこで私は、2016年4月に、池田信夫氏を被告として、東京地裁に名誉棄損訴訟を提起したのです。

■なぜ提訴したのか。
  こう振り返ると、とんとん拍子ですぐに裁判をしたのか、と思われますが、実は、すぐに訴訟をしようという話にはなりませんでした。
  医者の不養生みたいな話で、私自身、弁護士としてたくさん提訴してきましたが、自分が原告になるのは初めての経験、やはり自分が裁判をするとなるといろいろ躊躇を覚えるものです。
  弁護士費用は弁護士にとっても出費ですし、自分も裁判するとなると勝つために何年間も裁判最優先にしないといけない、自分で自分のことについて訴訟するのも気が重い。
  また、「池田氏なんか相手にしないでほしい」「伊藤さんはいろんな活動で忙しいのに、裁判まで時間を割かれるともったいない。そんな時間があるならもっと有効に活用してほしい」などと言われました。
  私も、「裁判長引くかなあ・・・面倒だあ・・・」と思っていたのです。
  そんな時、以前から親しかった佃克彦弁護士と弁護士会の懇親会で会う機会があり、佃先生が引き受けてくれることになりました。これはラッキーでした。 佃先生は名誉棄損分野の第一人者で、書籍も出されており、大変信頼してお任せしています。
参考・

https://gunosy.com/articles/RPLOg

■ 提訴した直後に起きたこと
  提訴されたことに池田氏はGW頃に気付いたらしく、Twitterでさらに誹謗中傷を始めました。
  このような訴訟はスラップ訴訟だ、という論旨で、不当訴訟だと大キャンペーンを開始し、さらに、私を名指しして「法廷内外で協力して、害虫を駆除しよう。」とTwitterで述べ、それをリツイートする人もいたのです。
  弁護士が弁護士でない人を提訴することがスラップ訴訟になるなら、弁護士が権利を侵害された場合何もできなくなり、弁護士は憲法上の裁判を受ける権利を奪われるということになりますが、まったくおかしな話です。
  また、人間を害虫になぞらえて駆除しようという言論は、ルワンダのジェノサイドやナチス時代の迫害でも使われたものであり、まさに異常な状況でした。
  そこで、こうした表現も不法行為に該当するということで、追加提訴をして追加賠償を求めました。東京地裁、東京高裁とも、この件についても不法行為と認め、賠償を命じています。

■ ところが提訴後は、、あっけない裁判
   提訴直後のリアクションが激しかったので、一体どんな裁判になるか、と思っていたのですが、裁判は証人尋問も行われず、あっさりと結審し、判決になりました。
   

スラップ訴訟で訴訟自体失当である、という主張はありませんでした。 
  
   
そして、池田氏は、真実性の証明をしませんでした。

   真実性の証明というのは、名誉棄損言動として訴えられた言動が、公共性を有し、真実であれば、名誉棄損は成立しないことになるので、「いや自分の発言は真実なのだ」と主張することで、名誉棄損で訴えられた場合は通常これを行うのです。
   この場合であれば、私が
  「『日本の女子学生の30%が援助交際』などのネタを売り込んでいる」のは事実であるということを証拠に基づいて主張、立証するということになります。
  ところが、池田氏はこの主張をすることを放棄したのです。
  そして、出てきたのは、仮に伊藤弁護士がそのような情報を提供したと言ったとしても、それ自体は伊藤弁護士の社会的信用を低下させるものではないので、名誉棄損ではない、というような珍説と言っては失礼かもしれませんが、裁判所から排斥される主張を展開されてきたのです。
  そうなりますと、裁判は早いです。数回で結審、判決となりました。私は出廷することは一度もなく、陳述書だけ準備しました。
  裁判の物理的・心理的負担はほとんどゼロです。
  そもそも根拠もない、証拠もないデマを言われた場合、名誉棄損の訴訟をすれば、根拠のないことを言いたい放題言った人間は、反論のしようがない、証拠も出せないため、裁判はすぐに終わり、勝訴できる、
  これが今回得られた大変ポジティブな教訓だったと言えるでしょう。
  そして、賠償金が低いと思ったら控訴をすればいいのです。
  
根拠のないデマを言われた名誉棄損裁判の場合、簡単に勝てる、ということを是非お伝えしたいと思います。

  中には政治的に難しいケースもあるでしょうし、すべてのケースに当てはまらないかもしれませんが、何の根拠もない不当な非難や侮辱、攻撃に対しては、やはり泣き寝入りするのではなく、自分の権利のために裁判を利用することを皆さんにお勧めしたいと思います。 
   そして、安易に根も葉もない発言を続ける論者の方や安易にそれを拡散する方にも、そういうことを続けると制裁を受けます、賠償金を支払うことになります、ということをこれを機によく注意していただきたいと思います。

■ 泣き寝入りより権利行使したほうがいい。 
  私も当初提訴するか迷っていたわけですが、結果から見ると、やはり権利を侵害されたら救済手段を求めるというのが大切だと改めて思いました。
  「権利の上に眠る者は保護されない」、これは法学部に入ったばかりの頃に勉強する有名な格言ですが、改めて思い出しました。
  人には常々そのようなお話しをしている私も自分が直面して実感したわけです。
  法学部に入って最初の頃に読む本に「権利のための闘争」というイェーリングという人の本があり、

自己の権利が蹂躪されるならば,その権利の目的物が侵されるだけではなく己れの人格までも脅かされるのである.権利のために闘うことは自身のみならず国家・社会に対する義務であり,ひいては法の生成・発展に貢献するのだ.

出典:

https://www.iwanami.co.jp/book/b248600.html

  というメッセージが有名ですが、まさにそうだと思います。
  と言いますのも、私の裁判経過を見ていた女性の方々から提訴時や判決時にたくさんのメッセージをいただき、「励まされた」「みんながやられっぱなしでもんもんとしていたが、すっきりした」「私も提訴してみる」等という方が多かったのです。
  同じ人物の被害にあっているという方にも何人もおあいしました。
  実際、こうした方の中にはその後、法的手段に訴えて、和解したり、裁判したり、解決される、という方がいるのを知っています。
  本当に、根も葉もない中傷の場合、相手の氏名等が特定されていれば、簡単に法的手段をとり、勝訴することができるはずですので、困っている方には是非お勧めしたいと思います。
  そして、そのためにも、弁護士はもっと敷居が低くならないといけないと痛感いたします。

■ 女性やマイノリティがターゲットにされやすい、物言えば叩かれる風潮
  私の場合、池田氏に一度もあったこもなく、なぜ、根拠もないのに断定するのかも全く意味不明でした。
  ところが、特にSNS上では、ある程度名の知られた人物が、自信たっぷりに断定口調で、「これが犯人」と事実無根でも名指しすれば、多くの人が「何か根拠があるのだろう」「きっと面識があり正しい人物評なんだろう」と思われ、拡散されたり信じられたりしていくのです。普通の方は、識者と言われる人が何の根拠もなく人を名誉棄損したり誹謗中傷するようなことはまさかすまい、と思うからでしょう。
  ところが、現実には、特にそうしたことがまかり通っているのです。
  こうした名誉棄損、意図的なデマ、誹謗中傷は、被害は男女問わずあるようですが、特に女性には深刻なように感じています。
  日本では、2015年にはシールズという学生グループのうち女子学生たちが、事実に反する名誉棄損や、とても性的に屈辱的な誹謗中傷を受けるという被害にあっていました。若いのに、突然多くの人の注目を集めるようになってしまった女子学生、免疫も準備もできていないのに、突然多くの人たちから誹謗中傷されるわけです。特にTwitterですと、匿名の誰だかわからない人間からの執拗な非難。抗議しようにもどこの誰かもわからない。気味が悪いし、社会的に発言したり、社会運動をしようとしても嫌になってしまいますね。
  また、女性の政治家の方たちも、タレントさんたちなど、執拗な被害にあっている人たちがいます。
  一言でいうと、物言う生意気な女は叩け  ということでしょうか。
  このように女性がターゲットになりやすいというのは、世界的にも広がっている現象のようです。
ヨーロッパ諸国では「女性に対するヘイトスピーチ」と定義づけ、すでにヨーロッパ評議会としても対策を講じることが決定し、各国で取り組みが始まっています。
   男性でも被害に苦しむ方もいると思いますが、なかなか反撃ができない、法的手段に訴えないであろう、とみなされた人やマイノリティが対象になりやすいように思います。そして、反論したり、法的手段に訴えたりしないと、どんどんエスカレートしていくでしょう。
  そして、こうしたことは、だれにでも開かれたインターネット空間等で行われているわけですから、見ている者も怖くなります。
  物言えば批判の域を超えて大々的に叩かれる、デマや性的な誹謗中傷される、という言論空間では、若い世代が委縮して物が言えなくなってしまうでしょう。
  良い政治家も育たない、民主主義も育たない。日本社会の健全な発展を阻害するものであり、残念なことです。
  提訴時に私はこちらのブログにこのように書きました。
  

最近、社会的発言をする人、人権や自由に関する現在の日本の空気に危機感を抱き、政府のありように物申す人、権利を行使しようとする人に対し、インターネット上で事実に反する悪質な誹謗中傷や侮辱がなされるケースが増え、物が言いにくい萎縮した環境ができつつあります。特に女性がそうした誹謗中傷や侮辱のターゲットになりやすい状況があります。
  もちろん、インターネットその他での自由な言論は大切ですが、事実に反する個人への誹謗中傷はかえって言論を萎縮させるもので、言論空間にとってもマイナスです。
  私としては、この問題を法的に解決していくことが、同様の問題に悩む方々を励まし、社会にも一石を投じることになるのではないかと考えました。特に若い世代の人たちのためにも、現在の言論環境を少しでも改善するために行動したい、という思いもあります。

出典:ブログ
  このように簡単に勝訴できたことをご報告することを通じて、多くの方に泣き寝入りしたり委縮したりしないで、行動してもらいたいと願ってやみません。
  これから、「裁判女子」という言葉をはやらせたり、「裁判女子会」などをやってみたいと思います。
  そして、物言う女性は叩かれる、権利を主張するマイノリティは叩け、というような由々しき風潮をなくしていきましょう。
【参考】
 池田氏への名誉棄損訴訟 一審東京地裁判決 → 
http://mimosaforestlawoffice.com/documents/20161125_hanketsubun.pdf

 池田氏への名誉棄損訴訟 二審東京高裁判決(確定) → 
http://mimosaforestlawoffice.com/documents/20170711_kousoshin.pdf

2017年5月 9日 (火)

あなたは悪くない。

今日ある方とお話ししていて改めて思ったこと、あまり上手く伝えられていないので、ここで書こうと思います。
私は、いろんな事件の被害にあう女性たちの事件に取り組んでいるのですが、
多くの方が諦める前にうちの事務所に来てくれたからよかったけれど、もう少しで泣き寝入りしそうだった人もとても多いのです。

AV強要の被害者は自分が悪いと自分を責めがちである、ということは最近知られるようになってきました。
しかし、それはAV強要だけではないんです。

私のところに来る女性たちは自分が被害にあったことを恥じています。
性暴力やセクハラ、DV、自責の念に駆られています。
被害者を被害者として大切にし、尊重する風潮や仕組みがないから、そして被害者につらい仕打ちがしばしば待っているから、そうした思いは増幅されてしまいます。

例えば交通事故ですら、被害者の方は、なぜ自分が事故にあってしまったのかと自分を責め続ける。100%相手が悪くても責めてしまうのです。
そして保険会社からの提案がとても低額だったりすると、精神的に参って、自分の被害はこの程度なのかと悲しくなって、はんこを押してギブアップしまったりする。思う壺です。

私、ある案件で、賠償金200万円だと言われた被害者の方がご相談に来て、訴訟をしたらほどなく2000~3000万円の解決になったりしたことがあります。そういうことが何度もあります。
あるとき、保険会社の弁護士さんに、「そんなにすんなりこちらの要求をOKされるなら、提訴前になぜ1000万単位の提案をしなかったのですか」と聞いたことがあります。すると、「権利の上に眠る者は保護に値しない」ということですと代理人弁護士は答えた、とても印象に残っています。
泣き寝入りを見越して低い提案をすることもある、そしてそれが有効であることもある、ということでしょう。
おかしい!!!!!
だけど、だからこそ、もっと当然の権利のために行動する女性に増えてほしいと願います。
自信をもって前を向いて。
必要なら、隣で私は走りますよ。
交通事故以外にも、泣き寝入りをさせられそうなケース、自分が悪いと思っているケースをたくさん見てきました。
「私がこんなひどい仕打ちを家族から受けるのは私の性格に問題があるからでしょうか」
「私がいつも暗い顔をしているから夫に暴力をふるわれるのでしょうか」
「こんなに立て続けにひどいことばかり起きるのは、自分に何か至らないところがあるからでしょうか」
何が彼女たちをそんな心境に追い詰めたのでしょう。。。。ため息が出ます。
いいえ、加害行為は100%相手が悪いのです、あなたのせいではありません。
だから、裁判所で是正しましょう、あなたがこれ以上不利益を甘受するいわれはありません。
私は言い続けてきました。
そして出るところに出ればかなりの確率で勝ちます。
なぜかというと憲法や法律で定められた当然の権利すら自分は獲得できないと諦めてしまう女性の方が多いからでしょう。
よく自己評価が低いのいう言葉がありますが、日本では、自分に認められ、保障される権利への評価がとても低いものだと思い込まされている女性が多い、当然そういう意識を作り出している環境や風潮があるからです。
私はひどい仕打ちにあっていることについてその性質が人権侵害であると認識すれば、「人権侵害」と言います。それを大げさだという人もいます。
しかし、日本では人権という言葉は使わないのでドキッとする人も多いかもしれませんが、「人権」という言葉を使わないといろんなことをあきらめてしまうのではないかと思うのです。

自分が悪い、または自分が無力だ、と思い込まされている女性たちには、あなたは悪くない、そう伝えたいと思います。

2017年3月22日 (水)

AV出演強要問題 感慨無量。政府が局長級会合

昨日のニュースです。
ずっとずっと被害者の皆さんとともに進めてきたこの問題
AV出演強要問題。
ここにきて急に動きだし、政府が局長級会合を開催、本格的な対策に乗り出したというニュースが報道されたのです。
ああ、ついにここまでたどり着いたんだなあ、と感慨無量です。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170321/k10010919021000.html

女性のAV出演強要被害 政府が緊急対策へ

3月21日 12時52分

政府は、本人の意に反して女性がアダルトビデオに出演させられる被害などが相次いでいることを受けて、対策会議の初会合を開き、新たな被害を生まないよう、月内に緊急対策を取りまとめることを確認しました。

政府は、女性が本人の意思に反してアダルトビデオに出演させられたり、女子高校生との添い寝を売り物にする「JKビジネス」で性的被害を受けたりするケースが相次いでいることを受け、関係府省の局長級による対策会議を設置し初会合を開きました。

この中で、菅官房長官は「本人の意に反してアダルトビデオへの出演を強要するのは重大な人権侵害だ。特に年度当初は進学や就職などに伴って若者の生活環境が大きく変わる時期であり、こうした被害にあうリスクが高まることが予測される」と述べました。

そのうえで、菅官房長官は「新たな被害者を生まないための必要な広報や啓発、取締りの強化、万一被害にあった方を支援するための相談体制の充実を直ちに行う必要がある」と述べました。

会議では、若者の生活環境が変わる新年度に適切に対応できるよう、月内に緊急対策を、また、5月中旬までに政府としての取り組み方針を取りまとめることを確認しました。

20170322_5


「本人の意に反してアダルトビデオへの出演を強要するのは重大な人権侵害」

これは、私たちが昨年3月3日の報告書で初めてこの問題の深刻さとして主張し、訴えてきたことです。
その当時は、びっくりされたり、批判もたくさん受けたけれど、がんばって訴え続けてきました。
私は被害者の方々の涙を誰よりも見てきたから、負けられなかった。

こんなにもひどい人権侵害、どうしても解決しなくてはと思ってきました。

昨年は被害者の方々とともに、悲しい思いや怒りを感じることも多かったです。
最初、猛烈なバックラッシュがありました。身の危険を感じるほど。。
世論が変わったのは、勇気ある被害にあった女性たちが声をあげたからです。
彼女たちの訴え、思い、尊厳、プライド。。。その素晴らしさに感動してきました。

そして、今年1月からは連日、短期決戦だと思い、いろんなところにロビーに行き、涙が出るほど悔しい日もありました。
手当たり次第、知っているところはどこでも出かけていきました。
何がよかったのかはわからないし、不十分だったと思うけれど、こんなにはやい展開で政府が動きました。

昨年3月の報告書公表、6月の閣議決定、2月に政府調査の公表、3月の政府会合と、政府がここまで迅速に対応するのは異例なことではないかと思います。画期的なことです。
そして、私たちの調査報告書の「勧告」としてまとめたことの多くが政府の方の口か述べられているのです。
一瞬信じられない思いがしました。

それも、被害のあまりの深刻さが政府をして無視できない事態だったからではないでしょうか。

権力者でない場所に身を置くと、いつもいろんなことで、負けること、抵抗しても押し切られてしまうことも多いですよね。
だけれども、抽象的、理念的に戦うのでなく、現実に社会を一歩でも二歩でも変えたい、具体的に人々が本当に困っていることを解決したいと思い、自らアジェンダを設定して課題を訴え、解決しなくてはと思ってきました。
今回、私たちが提起した問題が、社会問題として急速に認識され、提案した解決策が実現する方向になったことは本当に感慨深いものです。
信じれば起こる。

私はずっと、光のあてられない人権侵害に光をあてて、何も言えない被害者に代わって声を上げる活動をしてきたいと思ってきました。
そして、一度生を受けた以上、世界、そして日本で最も苦しんでいる女性たちのために貢献できる弁護士でありたいと思い続けてきました。
今、そうした活動が実を結び、政治が動いたことは、弁護士として、人権活動家として、本当に感無量です。

これからもいろんなことがあると思うけれど、今日の気持ちは覚えておきたいと思います。
支援・応援をいただいた皆様、支援団体、当事者の皆様、メディアの皆様、政治家の方々、心より御礼申し上げます。

でも、問題はこれから。
この問題で被害にあい、悲しむ人がもういなくなるように、被害にあった方々が保護され回復される仕組みができるように、これからも力を尽くして、がんばっていきます。

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