「誰にこびることも、そんたくすることも、遠慮することもなく」という言葉の力
私たちはとても不安定な時代を生きている。
日本の首相は、国際法を無視して他国を侵略し、世界に理不尽をまき散らすトランプに公然と媚びている。私たちはみな、その場面を目撃したのだ。
https://digital.asahi.com/articles/ASV3M3CDWV3MUQIP01WM.html
それに違和感が集まると、元野党議員はこんな発言をする。
この狭い国で、閉ざされた言論環境にいると、耳に入る言葉はまるで、この国で女性として生きるには、媚びることが不可避なのでは?と思えてしまうかもしれない。まるで呪いのように。
元シールズの福田和香子さんはこんなふうに言語化した。
「エプスタインが「最も親しい友人」とまで呼んだ排外主義の白人男性を上目遣いで見つめる高市の姿には同情したよ。ここまでくるのに苦労したんだろうなぁって。だから嫌なんだ、初の女性総理って騒がれるのが。少なくとも日本では、こうしなきゃ生き残れないのよって教えてくれているわけ。あれが規範で、お手本で、成功例なんだよって。”初の”女性総理って騒ぐけどさ、目新しいことなんかひとつもありゃしない。彼女の在り方がすべての女の尊厳を踏み躙っているとは思わない。彼女と私は別の人間で、私はその事実に心底安堵する。ただ、示されたお手本にはがっくりするしかないってところ。
和香子さんのように言語化できずにモヤモヤしている人もいるだろう。
それでも、いたたまれないことが続く昨今。
特に、戦争に心を痛め,戦争反対というと「最悪」とか「気持ち悪い」とか、「ごっこ遊び」などと四方八方から矢が飛んでくる。
ガザでは2年強で3万8000人の女性たちが命を奪われたのに。
私たちと同じ女性たちが殺されているのに、まるで目を背け、黙っているのが正しい選択であるかのように。
そんなさなか、国連の中満泉事務次長が東大大学院の入学式で、女子学生に特別なエールを送った。
「どうか初志を貫徹してください。
誰にこびることも、そんたくすることも、遠慮することもなく、かといって無理に肩張ることもなく、私たち女性同士で助け合い、心ある男性たちとも同盟を組みましょう」
私は見た瞬間、涙が出そうになった。
今だからこそ、とても感動するメッセージ・エールだと思う。
中満さんが日本の議論を意識したかどうかはわからない。
でも、時に不安になる若い世代に、私は私でいい、私らしく生きればいい、そして時に孤立して1人ぼっちでたたかっているように思えることもあるかもしれないけれど、自分や社会の少数派だと思うかもしれないけれど、初志を貫けばいい、そして、ともに助け合える、と言ってくれた言葉には力がある。さすがだなあ。
戦争反対、という声を上げることに関しては、福田さんも声を上げているし、国会のデモは20代と30代の女性が多いという。自分の思いを大切に行動する若い女性たちが増えていることは素晴らしい。
ところで、中満泉さんのスピーチは、こちらが全文で、その全部に共感する。
「全世界の資産は21世紀を通じて増加を続けています。世界全体で見れば、私たちはより豊かになっているわけです。
特に、世界のビリオネアの富は2020年以降で81%も増加しました。しかし富裕層上位10%が世界の富の75%を保有し、同時に世界にはいまだに7億人ほどの人々が1日を2.15ドルで暮らす極度の貧困状態にあるのです。
このような格差・不平等の拡大は、例えば経済学者トマ・ピケティによれば、資本収益率が経済成長率を上まわり続けるために資産を持つものがさらに豊かになる、という経済システムの構造的な要因があるためです。」
「私たちの立っている分岐点とは、格差と不平等が固定化し拡大していく社会経済のあり方を見直し、誰一人取り残すことなく皆が豊かさの恩恵を受けることができ、結果的に安定した繁栄する世界を構築していく道を選ぶのか、それとも極端な社会の歪みを正すことなしに、多くの人々を困難な状況に置き去りにして、どこかで大きな破綻をもたらすリスクを持つ道を選ぶのかという分岐点です。」
本当にその通りだと思う。
中満さんは、国際政治のもっとも過酷な現場、国連で様々な危機に直面している。国連は日々、米国やイスラエル等の国連の理念や国連憲章を踏みにじられ、予算を削られ、毎日脅迫されているような日々だろう。
そんななかでももちろんだが、高い志を失うことなく、尊敬できる姿勢を貫いている。
特に、国連軍縮担当として、4月27日から開催されるNPT再検討会議は、過去2回合意に達することができず、今回合意できなければNPT体制自体の危機となりかねない。そんななかで、尽力されている。
NPT体制が崩壊するー核戦争に近づいていくリスクが高まる。
それを阻止する役割を果たすべきは、やっぱり唯一の戦争被爆国である日本なのではないか?
国そのものが忖度している場合ではないよ。
先日この件で、被団協の方と一緒に外務省に要請に行ってきました。
https://nuclearabolitionjpn.com/archives/12087
もっと日本の市民の間で、世論が高まることを期待したい。
記憶に新しいと思うけれど、トランプ大統領は4月7日に核兵器使用の威嚇をし、世界を恐怖に陥れた。
私は翌朝、こうつぶやいた。
やりきれない状況だ。
私たちは、世界の力を持たぬ人たちは、本当に理不尽な状況に置かれている。そして、とても大切な歴史の瞬間にいる。
私たちは微力だけれど無力ではない。
殺されないように、殺す側に加担することがないように、声を上げて、つながっていきたい。 (了)
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