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2019年5月 5日 (日)

映画「 主戦場」を見てきました。

映画「 主戦場」を見てきました。

ナショナリストと慰安婦問題に取り組む人々のインタビューからなり、論点がクリアにテンポよく整理されて圧巻。

教科書がわりに教育現場で上映してほしい。

日本人がこうした映画を作れなかったことが情けない気持ちもしました(悲)。

監督の事実認識に私はかなり近いものを持っていたので、自分の立ち位置を再確認する意味でも意義がありました。

いろんな見方や着眼点のある映画だと思いますが、私からはネタバレにならない程度に、少しだけ。

歴史修正主義者の話をじっくり聞き、人間として本当に許せないと思ったところは

・マローノ氏の慰安婦の方と慰安婦像を侮辱する聞くに堪えない発言、

・日本会議の加瀬氏が慰安婦問題をSillyと言ったこと

・韓国・中国の人は平気でうそをつくかのような差別的偏見 など。

イデオロギー以前に、人間としていかがなものなのか、とさすがに怒りを強く感じました。

また、元慰安婦の方の発言の変遷を「嘘をついている」かのように指摘する日系人の姿勢に、米市議会議員が怒りを露わにするシーンにはどきっとしました。現代日本に通底しているからです。

セカンドレイプが横行し、麻痺しそうな日本社会の現状を考えさせられました。

それと、とても気になったのは、日本の若い女性がインタビューに答え「慰安婦?わからない」 というような反応をするシーン。韓国のロケでも東京のロケでも違う若い女性たちが出てきて、とても似たような反応をするのです。

本当に習っていないのでしょうか。私は、バカなふりをするのを社会が彼女たちに強要しているように思えて悲しかったです。

この、日本の若い人、特に女性が政治的・ジェンダー関連でセンシティブな問題について、(本当に知らないのかもしれませんが)バカなふりを装わないと生きて生きづらい社会、というのが未来を考えて実に残念なところです。 しかし植村さんバッシングのような面前DV、性暴力についても伊藤詩織さんへのバッシングのようなことがある社会では、若い女性も怖くて言いたいことをいえないでしょう そうやって若い人たちを委縮させ、日本の若者、特に女性はセンシティブな問題を考えたりリスクをとって発言することを避ける文化が定着し、国際的にみても顕著な、人材の地盤沈下が起きそうで本当に残念です。(気のせいかもしれませんが、インタビューに答えた韓国の若者のほうが委縮がなく格段にのびのびして、自分の考えを持っていそうに見えました)。
 かくいう私も慰安婦問題についてちょっと発言しただけで、AV強要問題まで「反日の動き」などと杉田議員に国会で攻撃される被害にあいました こういう積み重ねが若い世代にボディブローのように効いてしまう影響は甚大 一日も早くこうした、歴史修正主義者による面前DVみたいな現状を変えないと日本の未来に希望はないと感じます。

そのようなわけで、非常に暗澹たる思いがしたのですが、
この社会の現実をしっかり認識するために、多くの人が見るべき映画であると思いました。

 

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