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2018年12月29日 (土)

広河隆一氏に対する告発について

広河隆一氏に対する告発について

 1226日発売の週刊文春で、広河隆一氏から性被害にあった方々の告発記事が掲載されました国際的な人権にかかわるフォトジャーナリストとして著名な広河氏への告発は極めてショッキングな内容でした報道内容については、本人も一部をオフィシャルサイトで認めています。

高い志を持って広河氏を尊敬しフォトジャーナリストを目指してきた女性たちを性的に踏みにじる性暴力行為があったことを知った時には、ただ、ただ愕然としました。

私自身、人権に対する活動で広河氏と一緒に行動する機会のあった者として、その陰で行われていた人権侵害に今まで全く気づくことができなかったことを、被害者の方々に心からお詫び申し上げたいと思います。

私が広河氏に最初に会ったのは2010年頃でした。以後会う機会は年に1度か2度でした。Days Japanに訪問したのは2016年頃の一度だけでしたが、私は人権を守る観点に立ってフォトジャーナリストとして活躍する広河氏に対する尊敬の気持ちを抱いており、そのことを公にしてきました。そのことで、被害にあった方々が私に相談することを躊躇してしまっていた可能性もあるのではないかと思うと心から悔やまれます。

 当事者のご承諾をいただきましたので、私がこのことを知るに至った経緯をご説明します。

 記事掲載の直前に、被害者のお一人から、被害にあったこと、他にも被害に遭った方々がいること、信頼のおける方の取材に応じる形で告発する予定であることについて話を聞きました。

 話をお伺いする中で苦しかったのは、被害者の方々にとって、国際的な人権に関わる活動をしているという広河氏の社会的な立場が圧力となり、「自分が間違っているのではないか」、「告発することで、社会的に良い活動を潰してしまうのではないか」と考えてしまい、事態を明るみにするのが難しかったということでした。私自身、そうした圧力の一部であったのではないかと自責の念に駆られました。

 私は告発する女性たちの立場に立つことを明確にお伝えし、彼女の意思を尊重してきました。被害者の皆さんはそのとき既に、取材を通じて告発することを決められていました。

 私は、被害者に対するバッシングや、個人を特定されるなどといった二次被害が、報道直後に発生することのないように、できる限りのことをしながら、今日まで推移を見守ってまいりました。

 今もご相談を下さった方とはお話しており、ご本人の意思を大切にし、彼女たちを守れることは今後も、何でもしたいと思っております。

 今回の件ではいろいろな思いがめぐります。二度とこのような被害を出さないために、私自身考えなくてはいけないことが山ほどあります。被害に遭われた方々のことを思うと、広河氏と連携した活動に関与してきたことを通じて、加害者を助長させてしまっていたかもしれないことへの責任を痛感しております。

 そして、性被害をなくすことを一つの目的に掲げて活動しながら、未だ非力であることについても申し訳ない思いでいます。

 2019年、そして将来、夢をもつ女性たちが同様の性被害に苦しめられることを少しでもなくせるように、自分ができることを淡々と続けていくしかないと思います。ひとつひとつ、目の前のできることに丁寧に取り組んでいけたらと思っております。

まずは被害に遭われた方々が、少しでも安心し、その傷を癒すことができるよう、出来る限り寄り添った活動を続けていきたいと思っております。

 

20181229

伊藤和子

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