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2017年10月28日 (土)

スランプ--情熱を取り戻す瞬間とは。

みなさんはスランプがありますか?
私も時々あります。それをつい最近、短期間だけれど経験したのです。
実はニューヨークから帰ってから、疲れもあって、「情熱が枯渇した」と自覚、2日ほど、
なんだかやる気がしなくなっていた。
私はそういうことに慣れていないのだけれど、情熱がないならそろそろ後進に道を譲ろうかな、十分やったしね、等と考えていたのだ。
22日に帰国して数日、選挙もそうだけど周辺でもいろいろあって、疲れもあったし。なのでした。
だいたいそういう時はどうするかというと、しばらく自分を甘やかして「大丈夫、君はまたすぐ元気になる、絶好調になる」とメッセージを送っているとしばらくして回復するということ。
だけど、ちょっと今回はやや深刻に思われた。

ニューヨークではすごーくたくさんのサポートをいただいて希望を感じたのだけれど、やはり世界がほんとうに厄介な状況で国際人権団体には受難の時代だとひしひしと感じた。
「私たちは世界を変えることができない」という映画があったと思う。
ICANのノーベル平和賞はとてもエキサイティングなニュースだけれど、世界の現実は厳しい。

ブッシュからオバマ、そしてトランプ、深刻化する国際紛争と人権侵害、排外主義、アジアでの市民社会スペースの抑圧・・など壁が厚いことを改めて感じる。
というわけで、いつもあう国際的なシンクタンクやNGOとの会合でも愚痴ばかりで生産的な会合にならないような気がして、(予算カット等の悲しいニュースばかり聞かされそうだったし)そうしたMTGをあまり入れずに帰ってきた。
9月の国連人権理事会のロビーでも、NGOのロビー戦略が複雑な外交に負ける場面を経験しており、それも世界的な人権に関する後退傾向と無縁ではなく、主体的に頑張ればどうなるものでもないことは明らかだった。
そう、トランプ政権以後の世界の壁に圧倒されていたのだ。
NYU大の恩師、私のスターであるフィリップ・アルストン教授にお会いした際、いろいろと問いかけると、いつも励ましてくださる先生から「世界全体で人権が後退する方向なんだよ」と慰めともつかない言葉をもらってしまう。
こうしたこと、この10年を振り返ってしまいどどっと疲れる要因であった。

他方で、ヒューマンライツ・ナウではこの間、AV出演強要、ユニクロ、ミキハウス、ワコール等で次々と突っ走ったこともだんだん形が見えはじめ、今後フォローアップをしつつもちょっとひと段落、という段階でもあったのだ。

そういうこともあり、内なる情熱が湧いてこないでいたところ、案外早く、転機は訪れた。
がーんときたのが、火曜日の詩織さんのFCCJでの会見だった。
フルバージョン動画を見たのはその翌日。
これはがつんときた。打ちのめされました。
こんなに聡明な女性が日本にいるということにとても驚いた。
そして、まだまだ日本社会に多くの不正義があり、若い人たちを苦しめている現状を改めて感じ、そしてそれに対して、若い女性が不正に屈せずに立ち向かう姿をまのあたりにして。。
怒りと感動と、いろんな感情があふれた。
彼女は直截には「あなたはどうするのか」と問いかけていなかったが、その勇気ある姿に私は「自分はどうするのか」と問いかけざるを得なかった。そういうものがあの会見にはあった。
直後に、2日ほどのスランプから回復し、私の頭と心がまた働き始めた。
一気に、エネルギーと情熱が回復した。
まだまだ引退なんて早いし、きつと私にしかできないことがあると思い直した。
詩織さんに感謝したい。


私はいつもそんな感じでふとしたきっかけにエネルギーをチャージする。
過去にはダイハード2を見て、とか、映画にがつんとやられるということは多い。
エレカシに出会って、とか、すごい鰻を食べて、ということで急に元気が出たこともある。
多くの場合、やはり強い人、強い女性の生き方に感動し、感化を受けて、スランプから立ち直ることがあるのだ。

そして思い出したのだが、ちょうど3年前の秋にも同じようなスランプがあった。
その時は、何の気なくネットサーフィンしていたら、衆議院議員予定候補(当時)だつた池内さおりさんという若い女性の動画を発見、とんがった子だな、と好奇心で見ていた。

スランプで家にいて時間があったのだ。
そしてその時、私はがつーんとやられたのを今でもすごく覚えている。
実をいうと、共産党系の若い女性活動家は学級委員タイプで、正論を言っているけど、肌合いがあわず苦手だった(^^)。多分少し意地悪な気持ちでその動画を見始めたと思う(最低ですね)。
ところが、彼女は違う、Differentだった。
こんなまっすぐな正義感のある若い女性がいるんだ、ということに驚き、感動した。
そしてすごいエネルギーをもらったのだ。

自分より若い女性の生き方からエネルギーをもらうというのはとても心地よいことだった。
私はその動画の出会いを覚えていたが、彼女はその直後の衆議院議員選挙で当選、
2015年9月に私がAV出演強要・違約金の判決をもらうと、事務所に同僚の斉藤和子議員、梅村さえこ議員と突然訪問してくれた。
そして議員レクをしたのだが、その後も「もっと女性の権利について働きたい、そういう議員になりたい」という熱いメッセージをもらって心を打たれた。
そうして彼女は2016年3月に国会で初めてAV出演強要被害に関する質問をしてくれた。その後政治が動くきっかけをまさにつくってくれたのだ。

今回の選挙、普通NGOの立場で誰にも推薦をしてこなかった私だけれど、池内さんに推薦のメッセージを寄せた。
その彼女が今度の選挙で当選できず、国会に戻ってこれなくてとても残念で悔しい。一緒に来た齋藤議員、梅村議員もそうだ。
さらに、親しくしていた塩村あやか元都議も民進・希望のごたごたで当選できなかったことも悔しかった。セクハラと戦い、あんなにがんばっていたのに。
そうしたこともスランプの一因であったと思う。
でも、ゆっくり休んでまたがんばってほしい、第一線で、あのエネルギーで、行動を続けてほしい、と心から思う。

この社会は女性に優しい社会でもなんでもない。世界は人権侵害を繰り返している、恐ろしいところだ。
すべては、無様な繰り返し(エレファントカシマシ「ズレてるほうがいい」)にさえ思える。

でも、不条理な世界で志高く生きる人たちがここかしこにいる。
特に若くて勇気ある女性たち、彼女たちの目が曇ることがないように、絶望してしまわないように、本当に希望のもてる時代を切り開いてもらうために、私もまだまだがんばることにしたい。


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