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2017年6月17日 (土)

山城さんのこと、沖縄のこと


ジュネーブでは、沖縄の平和活動家・山城さんと再開しました。
日本で大きく報道されているとおり、今沖縄で起きていることを訴えに国連人権理事会にこられたのです。
Okinawa_group


山城さんには、昨年9月に高江でお会いして以来。
非道な警察権力の横暴に立ち向かい、リーダー的な役割を連日果たされていました。

その後山城さんが逮捕され、5か月拘束。あまりにもひどいです。私たちも、共同声明を出しました。

山城さんは、1分半の発言時間を使って、NGOとして沖縄の状況を国連で訴えました。
とても力強い発言で、国連の会議場にひときわ声が響き渡り、大きな注目を集めました。
平和活動家の魂のこもった発言だということがわかり、演説後も多くの人が話しかけたり、激励したりしていました。
この1分半の国連での発言、私たちもいつも毎回国連人権理事会でやっていることですが、あまりインパクトがないと言われることもしばしばです。
ところが、山城さんの発言は全くそれとは違いました。発言の抑揚、まごころからの叫び、会場は静まり返りました。
1分半の発言が、人の心を打つ、そんな演説のしかたがあるんだと、私は驚き、学びました。
まさに人権活動家の真摯な発言がそこにはありました。


その後、日本政府の反論が行われ、会場は凍り付いた雰囲気になりました。
政府は、辺野古基地建設は、危険すぎる普天間飛行場を移すためだ、高江については訓練が必要、とし、
山城さんの逮捕は刑事訴訟法に基づく、等と説明したのですが、それを前提としても、
米国の危険な基地が日本の沖縄にあり、人々を苦しめていること、
住民が反対する建設が強行されていること、リーダーを逮捕したことはわかるわけで、会場の人々の心に刻まれたことでしょう。

米軍による基地占領、米軍による攻撃、侵略、干渉、代理戦争、多くの国が悲しみをもって経験し、悲しみと怒りをこらえながら生活しています。外交官のなかにもそうした背景を持ち、よりよい世界の構築のためにジュネーブで尽力している方々がいます。
そうした人々の共感を呼んだことでしょう。
サイドイベントにも多くの方が訪れ、真剣に耳を傾けられていました。
サイドイベントで流された映像は沖縄で起きている非道な現実を鋭くアピールする内容で、私も改めて憤りを強くしました。
Photo


山城さんとお話する機会は限られていましたが、やはりオーラがあり、カリスマ的で、大きな人、誠実な活動家であることがちょっと接するだけでもわかります。

山城さんにおあいして、ネルソン・マンデラが獄中にいた際に、看守たちがみなマンデラの人柄に心酔し、感化され、尊敬の念を抱いて、いつまでも忘れずに記憶し続けていたというエピソードを思い出しました。

どんな困難な状況に直面していても、明るく、おおらかに、優しく、志をもって、毅然と日常生活を営む、そうした活動家のありようは人々に自然と自分の生き方を問い直させることでしょう。

改めてお人柄に深く感銘を受け、私はとても多くのことを学びました。
代表団の皆様お疲れ様でした。
私たちも微力ながら、沖縄における人権侵害を克服しようと格闘されている皆様のお力になれるようにしていきたいと思いを新たにしました。


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