あなたは悪くない。
今日ある方とお話ししていて改めて思ったこと、あまり上手く伝えられていないので、ここで書こうと思います。
私は、いろんな事件の被害にあう女性たちの事件に取り組んでいるのですが、
多くの方が諦める前にうちの事務所に来てくれたからよかったけれど、もう少しで泣き寝入りしそうだった人もとても多いのです。
AV強要の被害者は自分が悪いと自分を責めがちである、ということは最近知られるようになってきました。
しかし、それはAV強要だけではないんです。
私のところに来る女性たちは自分が被害にあったことを恥じています。
性暴力やセクハラ、DV、自責の念に駆られています。
被害者を被害者として大切にし、尊重する風潮や仕組みがないから、そして被害者につらい仕打ちがしばしば待っているから、そうした思いは増幅されてしまいます。
例えば交通事故ですら、被害者の方は、なぜ自分が事故にあってしまったのかと自分を責め続ける。100%相手が悪くても責めてしまうのです。
そして保険会社からの提案がとても低額だったりすると、精神的に参って、自分の被害はこの程度なのかと悲しくなって、はんこを押してギブアップしまったりする。思う壺です。
私、ある案件で、賠償金200万円だと言われた被害者の方がご相談に来て、訴訟をしたらほどなく2000~3000万円の解決になったりしたことがあります。そういうことが何度もあります。
あるとき、保険会社の弁護士さんに、「そんなにすんなりこちらの要求をOKされるなら、提訴前になぜ1000万単位の提案をしなかったのですか」と聞いたことがあります。すると、「権利の上に眠る者は保護に値しない」ということですと代理人弁護士は答えた、とても印象に残っています。
泣き寝入りを見越して低い提案をすることもある、そしてそれが有効であることもある、ということでしょう。
おかしい!!!!!
だけど、だからこそ、もっと当然の権利のために行動する女性に増えてほしいと願います。
自信をもって前を向いて。
必要なら、隣で私は走りますよ。
交通事故以外にも、泣き寝入りをさせられそうなケース、自分が悪いと思っているケースをたくさん見てきました。
「私がこんなひどい仕打ちを家族から受けるのは私の性格に問題があるからでしょうか」
「私がいつも暗い顔をしているから夫に暴力をふるわれるのでしょうか」
「こんなに立て続けにひどいことばかり起きるのは、自分に何か至らないところがあるからでしょうか」
何が彼女たちをそんな心境に追い詰めたのでしょう。。。。ため息が出ます。
いいえ、加害行為は100%相手が悪いのです、あなたのせいではありません。
だから、裁判所で是正しましょう、あなたがこれ以上不利益を甘受するいわれはありません。
私は言い続けてきました。
そして出るところに出ればかなりの確率で勝ちます。
なぜかというと憲法や法律で定められた当然の権利すら自分は獲得できないと諦めてしまう女性の方が多いからでしょう。
よく自己評価が低いのいう言葉がありますが、日本では、自分に認められ、保障される権利への評価がとても低いものだと思い込まされている女性が多い、当然そういう意識を作り出している環境や風潮があるからです。
私はひどい仕打ちにあっていることについてその性質が人権侵害であると認識すれば、「人権侵害」と言います。それを大げさだという人もいます。
しかし、日本では人権という言葉は使わないのでドキッとする人も多いかもしれませんが、「人権」という言葉を使わないといろんなことをあきらめてしまうのではないかと思うのです。
自分が悪い、または自分が無力だ、と思い込まされている女性たちには、あなたは悪くない、そう伝えたいと思います。
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