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2017年5月

2017年5月24日 (水)

共謀罪可決で沸き起こる、強い違和感

5月23日、衆議院本会議で、いわゆる共謀罪(テロ等準備罪)が可決しました。
共謀罪は、犯罪の実行のはるか以前の「話し合い」の段階の行為を処罰しようとするもの。内心を処罰することにつながりかねないことから、戦後、単なる共謀は原則として処罰しない、という大原則が確立し、運用されてきました。
ところが、今回の法案では、一気に277種類にも及ぶ罪について、「話し合い」の段階の行為が処罰対象となるというのです。まさにショックドクトリン。一気呵成に責めているわけです。

政府は、「組織的犯罪集団」の行為を罰するもので、「一般人には関係ない」と強調しますが、「組織的犯罪集団」とはとてもあいまいな言葉。政府は、NGOや労働組合などであっても当局が団体の性質が変化したと判断すれば、捜査・処罰の対象となりうるとしています。
そう、労働者や市民団体が狙われる危険があるのです。
単なる話し合いが罪となり、捜査の対象となると、私たちひとりひとりの内心の自由、表現の自由が脅かされる危険が高まりますし、プライバシー侵害も心配です。。

こんな法案、当然代議制民主主義のプロセスできちんとチェックしないといけないはずです。

ところが、政府与党は議会軽視。
衆議院の質疑は法務大臣の迷走答弁で時間が過ぎ、なんと30時間で審議打ち切り、採決になってしまったのです。本来、277の犯罪ひとつひとつに十分(一犯罪に30時間でも足りない!!)時間をかけて議論すべきはず。あまりに拙速です。

そして、国会に上程される前にも、市民社会や国民との十分なコンサルテーションもありませんでした。
この法案、ぎりぎりまで法案は示されず、突然閣議決定されて、3月に上程されたのです。
有識者会合があったわけでも、パブリックコメントに付されたわけでも、地域公聴会が開かれたわけでもない、こんな重要な法案なのに、市民の意見を聞くプロセスもありませんでした。

そんななか、5月18日、国連の人権理事会の選任した「プライバシーの権利」に関する特別報告者であるジョセフ・カナタチ氏が、事態を深刻に懸念して安倍首相に書簡を送り、プライバシー権侵害の懸念を払しょくするよう求めました。ところがこれを受けた政府対応は驚くべきものでした。

菅官房長官は、特別報告者の懸念を強く否定、「恣意的運用の虞は全くない」と言い切り、そもそも書簡を送ったことに「強く抗議した」そうです。さらに国連特別報告者は国連を代表せず、個人の見解を言うに過ぎない、と言い張ったというのです。

菅義偉官房長官は22日午前の会見で、人権状況などを調査・監視する国連特別報告者が「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案はプライバシーや表現の自由を制約するおそれがあるとの書簡を安倍晋三首相に送ったことについて、「不適切なものであり、強く抗議を行っている」と述べた。

菅官房長官は「特別報告者という立場は独立した個人の資格で人権状況の調査報告を行う立場であり、国連の立場を反映するものではない」と強調。「プライバシーの権利や表現の自由などを不当に制約する恣意的運用がなされるということはまったく当たらない」との見方を示した。


https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170522-00000039-reut-bus_all


まさに色をなして強く抗議したわけですが、そういう姿勢こそ、強権的で怖いのだ、ということに気が付かないのでしょうか。これが日本のメディアなら、「不適切」と言われて震え上がってしまい、萎縮してしまうでしょうが、国連特別報告者は一切ひるまず、再反論をしています。

菅長官については私もブログで取り上げている通り、AV出演強要問題に取り組むことを決断するなど、最近の嬉しいニュースにもかかわられていただけに残念です。

実は日本は昨年、国連人権理事会の理事国選挙に立候補、「国連特別報告者と対話、協力していく」との公約を掲げて、当選し、今や理事国となっています。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000175307.pdf

世界に理事国は47か国、世界的に高い人権の水準を国内でも維持することが期待されるポジションです。

世界の人権基準に照らして疑問を呈されたら、真摯に受け止め、立ち止まってしっかり検討し、対話を尽くすべきでしょう。「なんで日本だけ狙い撃ちされるのか? 」などと激怒するのではなく、冷静に対話して世界に範を示すことが求められているわけです。
それが「強く抗議」とはおよそ外部からの批判を受け付けない強権的な姿勢ではないでしょうか。
そして、恣意的濫用の危険がない、と言い張るのも危険です。

権力は誤りうる、だからこそ謙虚に、市民や国連の声に耳を傾けてこそ暴走を抑止する、そうした自制の意識が全く見られません。

このまま、この法案が通ってしまったら私たちの自由はどうなるのか、本当に心配な状況です。

今からでももっと声をあげ、大きくしていく必要があります。


同じ5月23日、イギリスのマンチェスターで痛ましいテロがありました。一部に「だから共謀罪が必要」という声もあります。
しかしそうでしょうか。
考えてみると、イギリスやフランスは、日本より厳しいテロ対策や処罰を認めているのです。それでもテロが後を絶たないのはなぜでしょうか。
ナチスのヒトラーが人権をはく奪する全体主義社会をつくり、欧州各地を占領した、最悪の恐怖政治のなかでも、レジスタンス運動は広まりました。
さらにテクノロジーが進化した今日、仮にどんな監視社会をつくり、自由をはく奪してもテロを完全に防ぐことはできないでしょう。
私たちはどこまで自由を制約する社会に舵を切るのでしょうか。

共謀罪のように一般人を監視し自由を奪うことが果たしてテロの抑止や平和で安全な社会の構築につながるのか、犠牲者の方々のご冥福を祈りながら、立ち止まってよく考える必要があるはずです。

2017年5月19日 (金)

5月22日イベント 高遠菜穂子氏×雨宮処凛氏 私たちは今どこに立っているのか


共謀罪、衆院委員会採決・・ひどすぎますね。そんなか、開催しますよ。

明日からも顔をあげてがんばりましょう。

ヒューマンライツ・ナウでは、5月22日(月)にイラクで
活動するエイドワーカーの高遠菜穂子氏と、作家で活動家の
雨宮処凛氏をお招きしてトークイベントを開催します。

2003年イラク戦争以来イラクに関わり続け、最前線での支援を
続ける高遠菜穂子さん、若者の生きづらさを問い続け反貧困の
活動の先頭に立つ雨宮処凛さん、お二人をゲストに、最新の
イラクの実情に学び、トランプ政権下での米国、そして
私たちの足元での自由や生存について語っていただきます。

日本では深化する貧困問題の実相や共謀罪、世界に広がる
軍事主義傾向など、私たちはどこに立っているのでしょうか。
最前線で活躍するお二人から多くの示唆をいただきたいと
思います。是非、ご参加ください!


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆イラク緊急報告と対談◆
高遠菜穂子氏×雨宮処凛氏 私たちは今どこに立っているのか
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■日時:2017年5月22日(月)18:30~21:00 (開場18:15)

■会場:専修大学 神田キャンパス1号館 地下1階 14教室 
     101-8425 東京都千代田区神田神保町3-8
     http://www.senshu-u.ac.jp/univguide/profile/access.html#kanda

水道橋駅(JR西口)より徒歩10分
(水道橋駅西神田の信号(五叉路)を渡って右へ、次の角を左へ、
 直進すると右側に地下1階の入り口に続くスロープがあります)

神保町駅(地下鉄/都営三田線、都営新宿線、半蔵門線)出口A2より徒歩5分
九段下駅(地下鉄/東西線、都営新宿線、半蔵門線)出口5より徒歩5分
(専大前の信号を渡って右へ、2つ目の角を左へ進むと、
 右斜め前に地下1階の入り口に続くスロープがあります)

■参加費:1,000円 (学生500円)

■参加申込:下記フォームに、お名前、連絡先をご入力のうえ送信して下さい。
(https://docs.google.com/forms/d/1Li5G9ANcYjV7kLgkUx7DsA6KJ8zLJBzlDEspkh7ubiw)

※参加フォームからの申込が出来ない場合は、
ヒューマンライツ・ナウ事務局へ、
件名を「5/22イラクイベント参加希望」として、
お名前、電話番号、ご所属(任意)をお送り下さい。

※人数把握のためできるだけ事前の参加申込にご協力
いただきますよう、よろしくお願いいたします。

■スピーカーご紹介
雨宮 処凛 氏
作家・活動家。「反貧困ネットワーク」世話人、「週刊金曜日」
編集委員、フリーター全般労働組合組合員、「こわれ者の祭典」
名誉会長、「公正な税制を求める市民連絡会」共同代表。
2007年に出版した『生きさせろ!難民化する若者たち』(太田
出版/ちくま文庫)は、JCJ賞(日本ジャーナリスト会議賞)を受賞。
著書に『プレカリアートの憂鬱』(講談社)、
『雨宮処凛の闘争ダイアリー』(集英社)等、多数。
最新刊は『14歳からの戦争のリアル』(河出書房新社)。

高遠 菜穂子 氏
エイドワーカー。イラク支援ボランティア。1970年、北海道
生まれ。大学卒業後、会社員を経て地元で飲食店経営に携わる。
2000年よりインドの「マザーテレサの家」、2001年からタイ、
カンボジアのエイズホスピスでボランティア活動に専念。
2003年5月からイラクでの活動開始。2004年4月にイラク・
ファルージャで「自衛隊の撤退」を要求する現地武装勢力に
拘束された。解放後、日本国内で「自己責任」バッシングを
受ける。現在もイラク人道・医療支援活動を継続中。
「イラク戦争の検証を求めるネットワーク」呼びかけ人。
著書に『戦争と平和 それでもイラク人を嫌いになれない』
(講談社)、『破壊と希望のイラク』(金曜日)など、
共編訳に『ハロー、僕は生きてるよ。ーイラク最激戦地から
ログインー』(大月書店)。

<主催・お問い合わせ>
ヒューマンライツ・ナウ事務局 info@hrn.or.jp
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認定NPO法人 特定非営利活動法人
ヒューマンライツ・ナウ
110-0005 東京都台東区上野5-3-4クリエイティブOne秋葉原ビル7F
Fax 03-3834-1025 http://hrn.or.jp

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2017年5月 9日 (火)

あなたは悪くない。

今日ある方とお話ししていて改めて思ったこと、あまり上手く伝えられていないので、ここで書こうと思います。
私は、いろんな事件の被害にあう女性たちの事件に取り組んでいるのですが、
多くの方が諦める前にうちの事務所に来てくれたからよかったけれど、もう少しで泣き寝入りしそうだった人もとても多いのです。

AV強要の被害者は自分が悪いと自分を責めがちである、ということは最近知られるようになってきました。
しかし、それはAV強要だけではないんです。

私のところに来る女性たちは自分が被害にあったことを恥じています。
性暴力やセクハラ、DV、自責の念に駆られています。
被害者を被害者として大切にし、尊重する風潮や仕組みがないから、そして被害者につらい仕打ちがしばしば待っているから、そうした思いは増幅されてしまいます。

例えば交通事故ですら、被害者の方は、なぜ自分が事故にあってしまったのかと自分を責め続ける。100%相手が悪くても責めてしまうのです。
そして保険会社からの提案がとても低額だったりすると、精神的に参って、自分の被害はこの程度なのかと悲しくなって、はんこを押してギブアップしまったりする。思う壺です。

私、ある案件で、賠償金200万円だと言われた被害者の方がご相談に来て、訴訟をしたらほどなく2000~3000万円の解決になったりしたことがあります。そういうことが何度もあります。
あるとき、保険会社の弁護士さんに、「そんなにすんなりこちらの要求をOKされるなら、提訴前になぜ1000万単位の提案をしなかったのですか」と聞いたことがあります。すると、「権利の上に眠る者は保護に値しない」ということですと代理人弁護士は答えた、とても印象に残っています。
泣き寝入りを見越して低い提案をすることもある、そしてそれが有効であることもある、ということでしょう。
おかしい!!!!!
だけど、だからこそ、もっと当然の権利のために行動する女性に増えてほしいと願います。
自信をもって前を向いて。
必要なら、隣で私は走りますよ。
交通事故以外にも、泣き寝入りをさせられそうなケース、自分が悪いと思っているケースをたくさん見てきました。
「私がこんなひどい仕打ちを家族から受けるのは私の性格に問題があるからでしょうか」
「私がいつも暗い顔をしているから夫に暴力をふるわれるのでしょうか」
「こんなに立て続けにひどいことばかり起きるのは、自分に何か至らないところがあるからでしょうか」
何が彼女たちをそんな心境に追い詰めたのでしょう。。。。ため息が出ます。
いいえ、加害行為は100%相手が悪いのです、あなたのせいではありません。
だから、裁判所で是正しましょう、あなたがこれ以上不利益を甘受するいわれはありません。
私は言い続けてきました。
そして出るところに出ればかなりの確率で勝ちます。
なぜかというと憲法や法律で定められた当然の権利すら自分は獲得できないと諦めてしまう女性の方が多いからでしょう。
よく自己評価が低いのいう言葉がありますが、日本では、自分に認められ、保障される権利への評価がとても低いものだと思い込まされている女性が多い、当然そういう意識を作り出している環境や風潮があるからです。
私はひどい仕打ちにあっていることについてその性質が人権侵害であると認識すれば、「人権侵害」と言います。それを大げさだという人もいます。
しかし、日本では人権という言葉は使わないのでドキッとする人も多いかもしれませんが、「人権」という言葉を使わないといろんなことをあきらめてしまうのではないかと思うのです。

自分が悪い、または自分が無力だ、と思い込まされている女性たちには、あなたは悪くない、そう伝えたいと思います。

フランス大統領選挙 雑感

フランス大統領選挙。
私が「ベルばら」の時代からあこがれ続けてきました、自由、平等、博愛の国フランス。
ルソー、フランス革命、パリコミューン、対独レジスタンス、サルトル、5月革命etc
私に様々な理想というものを教えてくれた国でした。自由や個人主義、リベラルであること、孤独と勇気など。

最近は失望することばかりで、オランド大統領など蛇蝎のように嫌っていた私ですが、
今回ばかりは心底心配しました。

結果としては、極右が指導者にならなくて安堵です。

https://mainichi.jp/articles/20170508/k00/00m/030/103000c

分断、排外をなくすために力を尽くしてほしいと思います。
同時に、これが解決ではありません。マクロン氏には、労働者の声にきちんと耳を傾けてほしいです。
私はEUの体現する人権的価値には賛成ですが、経済面では大いに問題があると考えています。
各国を緊縮で苦しめるEUのあり方は早急に再考をすべきです。
EUは、選挙結果を手放しに喜ぶべきでは決してありません。

ところで、まったく別の話に脱線ですが、マクロン氏については、年の差婚が大いに話題になっていますね。

http://withnews.jp/article/f0170425004qq000000000000000W03510101qq000015091A

私はこの夫人のブリジッドさんの表情に注目しました。
25歳年上というブリジッドさんは若々しく、自信に満ち溢れている印象が素晴らしいですね。
自由で意思が強く誇り高い女性だということが一目で伺えます。
私が影響を受けた映画にスーザン・サランドン主演の「僕の愛しい人だから」がありますが、その映画をちょっと思い出させました。
スーザン演じるダイナーのウェイトレスをしている40代くらいの女性は、若い金持ち男性と付き合い始めますが、年上の彼女は、それでも「私は私」という強いプライドを持っていて誇り高い。
家がめちゃくちゃなんですが、それも含めて自分だということで決して卑屈になったり、彼の顔色を窺ったり、おどおどしたりしない。
年下の男性は、その堂々とした彼女らしいごまかしのない生き方に真実を見て、心から彼女を尊敬し、愛するという話ですね。
ブリジットさんはとても魅力的に見えますが、年の差婚を貫く過程で、絶対彼の顔色を窺ったりせずに堂々と、のびのびと自分らしく生きてきたに違いない、と見えます。

私もパートナーとの関係は、そのようにしていこう、と若いころに心がけるようになり、いつしかすっかり板についてそれが自然になっています。

年の差婚ではありませんが、夫は私をある意味、尊敬しているように見受けられます。
ちなみに、大事なのは傲慢やわがままであることと自信があることは全然違うということです。
平たく言えば、いい意味のアサーティブ。

是非日本の女性の中にもそういう人が増えていくといいなあ、と願わずにいられません。

ただ、フランスでは、大統領とパートナーの関係が日本にはない斬新な感じなことについつい目を奪われがちなのですが(サルコジもオランドもなぜか大変もててましたね)、実は政治はむちゃくちゃということが最近続いてますので、しっかり政治をみていきましょう。

2017年5月 6日 (土)

今年のアースデー

今年のアースデー、ファッション×人権のフォトアクションキャンペーンを展開、とてもたくさんの方にご参加いただき、本当にありがとうございました😊
その際の様子、ヒューマンライツナウのFacebookや、新しく開設したインスタグラムでご紹介してます。
是非見てくださいね♬

Img_2659


Img_2661

「IMG_2660.JPG」をダウンロード

アースデーではこんなコスチュームも着てみました!アジアの山岳民族のものですよ。
楽しかったです。
「IMG_2672.JPG」をダウンロード

2017年5月 4日 (木)

アロマのデフューザー

なんだか喉がガラガラ。春だというのに。。
そこで下北沢の無印良品で、前から気になっていたアロマデフューザーを購入しました。
すると!!!

それまで、加湿器にアロマの香を落としたりしていましたが、やっぱりこちら、全然違います。
今、ユーカリの香を使っているのですが、効果はてきめんです。

とても癒されますーー。

いつも商品を見て素通りしてましたが、やっぱりこれは買ってよかった(^^)

今日は吉コレ

5月4日、本日開催される吉祥寺コレクションで、
なんとモデルとして参加させていただくことになりました☆
今年は一般からモデルを募るトレンドらしく、
バッグ・デザイナーでお友達の吉田美子さんにお声掛けいただきました。
今年3回目で、はるなあいさんも登場されるとのこと。
吉祥寺はほとんどわが街のようによくいく大好きな場所ですが、こんな機会をいただき嬉しいですね。

ぶっつけ本番なのですが、楽しみです(^^)お時間あったらいらしてくださいね。

Photo_2


ファッションレボリューションが止まらない。あなたの服はだれが作ってる?

GWはいかがお過ごしですか?
4月22日にヤフーに配信した文書ですが、ご紹介します。ちょっとイベント情報が古くなってしまいましたが、是非何か感じていただけると嬉しいです。

■4月24日はファッション・レボリューション・デー。
この原稿を書いている今日4月22日ははアースデー。地球のことを考えよう、ということで、1970年に米国で始まった取組み。東京でも今日と明日、代々木公園で大きなアースデーイベントが開催されます。
そして、その翌日、4月24日はなんでしょう。ファッションレボリューションデーです。
新しく始まった、ファッション産業の仕組みを変えられないか? という国際キャンペーン・デーです。
私たちの着ている服はどこで、だれが、どんなふうにしてつくられているのだろう?子どもが泣いていたり、環境を汚染したりしていないだろうか。そんなことをひとりひとりが考え直し、エシカルなライフスタイルにつなげることでファッションを通じてファッション産業の構造を変え、地球の課題も解決していこう、そんな思いで、世界中で取り組みがされています。

■ 4月24日にバングラデシュで起きたこと。
実は、二年前にファッションレボリューションデーについて詳しく紹介させていただきました。
ファッションレボリューションデーに考える。あなたの着る服が少女たちの搾取労働で成り立っていたら・・?
2013年4月24日、バングラデシュのダッカ郊外にあった縫製工場の入っていたビル・ラナプラザ・ビルが倒壊して、その工場で働いていた1000人以上の労働者たちがなくなったのです。多くは若い女性たちでした。
明らかになったのは、彼女たちが働いていたとても危険で非人道的な労働環境。しかし、そこで作られていた製品はなんだったでしょう。 私たちがよく目にする、ベネトンのきれいなブランド製品、ZaraのブランドInditexなど、世界の名だたる有名ブランドの服だったのです。
私たちが何気なく着ている、もしくは気にいって勝っている服は、実は日本やイタリア、イギリスなどではなく、私たちの想像を超えて、遠いアジアの国に発注され、そこでは、圧倒的に多い若い女性たち、さらに少女たち、少年たちを含む現地の労働者の人たちが驚くほどの低賃金で、過酷な環境で、つくられている可能性があるのです。どうしででしょう。その方が安いから。そのほうが私たちも安い服を買うことができ、ブランドも利益を得ることができるからです。しかしそのしわよせで、だれかが不幸な思いをしているとしたらどうでしょうか。
さらにさかのぼると、服をつくる「コットン」の存在があります。農薬を使いすぎて地域に環境汚染や健康被害をもたらしていたり、児童労働によって支えられていたり、コットン農場の現実はとても深刻です。
グローバル経済がもたらした世界中に広がるサプライチェーンのどこかで苦しんでいる人たちがいる、しかし、末端で消費をし、利益を得ているのは、ほかならぬ私たちです。
そのことを私たちが知り、「何かを始めよう」「なんとかその構造を変えられないか?」と考えるところから一歩が始まります。

■ 欧米の動き
ラナプラザの悲劇を受けて、欧米では、H&M、ZARA、GAP、ベネトンなど、超有名なブランドの責任を問う消費者やメディアの声が大きくなりました。ラナプラザビルの工場に生産を委託していたブランドはまず、亡くなった方の遺族やけがをした被害者の方に公正な賠償を支払うこと。各ブランドのショップ店頭で抗議をする市民たちの運動が盛り上がり、「自分たちには関係ない」と責任を回避していたブランドも、公正とはいえませんが、賠償金の拠出を行うようになりました。
そして、各ブランドは、生産委託をすることにより、利益を得ている立場にあり、生産工場での人権侵害に対して責任がある、という意識が欧米では浸透しました。2011年に国連人権理事会では、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」が採択され、企業は生産調達・サプライチェーンにさかのぼって人権に配慮する責任がある、ビジネスを通して発生した人権へのマイナスの影響に対応すべきだ、ということが明確に宣言されたのもきっかけとなりました。
これを受けて、

1 生産工場を公開する(サプライヤーリストの開示)、
2 児童労働をしない、公正な賃金を支払う、長時間残業をさせない、労組の自由を認める、などの基本的人権尊重を約束した工場にしか発注しない(コード・オブ・コンダクトの締結)、
3 定期的に監査を行う。
4 監査結果を公表し、消費者、社会への説明責任を果たす
5 最低賃金でなく、生存を確保できるような「生活賃金」を保障する
6 安全で搾取的でないコットンを使う

といった取り組みが進んでいます。最初は消費者や市民団体の突き上げで、半ばいやいややっていたかに見えた企業が多かった印象がありますが、今では、自社の方針として率先して「地球によいこと」「人権保障」「持続可能性」などを掲げ、公正なビジネスで生産者も含めてハッピーにしている、地球にやさしいソリューションを実現する、というよき価値(バリュー)を大切なブランド価値として積極的に売り出し、他社との差別化をはかり、成功している企業があります。
それでも市民団体や消費者からは、「宣伝文句だけでなく、本当にやっているのか?」と厳しいチェックが入る、それが現状です。

■ 日本でも変化が起きようとしている?
日本では、2015年にヒューマンライツ・ナウとSACOMが展開したユニクロ・キャンペーンで、ユニクロの中国、カンボジアなどの委託先工場でも、深刻な労働環境の問題があることが明らかにされました。
ユニクロの親会社であるファーストリテイリングは、改善のアクションを打ち出しましたが、それでもその内容は、欧米のグローバル・ブランドの対策に比べて不十分なものであったため、その後も様々な問題が発生し、2016年秋にはカンボジアにおける労働者(労働組合員)の大量解雇の問題で、主要発注元であるユニクロが結社の自由を尊重したイニシアティブをとっていないとして、欧州のキャンペーン団体Clean Cloth Campaign(CCC)を巻き込んだキャンペーンが開始されました。
画像
世界各地で店頭アクションが予定されていたこともあってか、アクションの開始からまもなく、労働者の復職が実現し、紛争が全面解決するにいたりました。
2017年2月には、ユニクロが主要生産工場のリストを開示する、という、サプライチェーン透明化の第一歩を踏み出しました。これは日本では他のブランドに先駆けた動きであり、工場を公開することで、社会的な監視の目を光らせることもできるし、そこで問題が起きた時にブランドが他人のふりをすることができなくなります。
他のブランドもこれにならってくれることを期待してやみません。
とはいえ、これは公正な労働環境を実現するための第一歩。私たちは引き続き改善を求めています。
ユニクロ:主要取引先工場リスト の公開を歓迎し、一層のコンプライアンス推進を期待する。

■ 日本でも消費者・社会の動きを元気にしたい。
こうしたなか、日本の消費者の動向が世界的にも注目されています。
品質にも流行にもとても敏感な、日本のファッショニスタたちが、「この服はどこで、だれがつくっている」「自分たちにできることはなんだろう」と考え、品質と併せて人権配慮やコンプライアンスにも敏感になってくれれば、ファッション産業の構造も、地球規模の課題も解決するのに大きな影響を与えることができます。
そんななか、日本でも新しい素敵な動きが始まっています。2015年くらいから、ファッションレボリューションデーのイベントが開催されるようになり、今年も企画があります。飽きっぽいと言われがちな日本でもこうした取り組みが定着しつつあることはとても心強いことです。しかも、ファッションの中心地原宿を起点に、セレブを巻き込んで、という本格的な取り組みになりつつあります。
ご案内をいただいたのがこちらです。

【世界初!原宿の"街"をひっくり返せ!】4/22(土)映画上映&トークショー #whomademyclothes?
https://www.facebook.com/events/263199424140355/
「これからのファッション」をテーマにした映画&トークショー

低価格・合理性を追求するあまり、2013年4月24日にバングラデシュの衣料品工場ラナ・プラザで崩壊事故が起き1,100人以上の労働者が亡くなりました。 このようなことが二度と起きないようにロンドン発の国際的なムーブメント、ファッションレボリューションウィークでは自分の洋服の生産背景を考えるきっかけを提供しており、2016年は述べ90カ国参加人数7万人以上が参加しました。 洋服を裏返しタグの写真を撮影し、その服のブランド名と「#whomademyclothes」(私の服は誰が作っているの?)というハッシュタグを添えSNSで投稿を行うというシンプルな運動です。 ※SNS投稿 参加著名人(日本国内)4月10日現在 伊勢谷友介/鎌田安里紗/今井華/田中里奈/鈴木あや/斎藤夏海/赤澤える/伊郷レナ/ 安井レイ/サンドバーグ直美/四角大輔/高岩遼(SANABAGUN)/遠藤栄理香/曽原義智/青山あみ/末吉里花/小野りりあん/松島エミ/alexaluczack/伊藤ニーナ/呂敏/吉木ちさと etc...

是非、セレブとともに、みなさんも参加されてはいかがでしょう?
この「ファッションレボリューション」のキックオフイベントと、映画「トゥルーコスト」の上映会が、多彩なゲストを招いて、本日開催されるそうです。

▼ファッションレボリューション
会場:田中千代ファッションカレッジ(渋谷・原宿駅から徒歩8分)
日程:2017年4月22日(土)13:30~17:30
主催:一般社団法人エシカルタウン原宿

私たちヒューマンライツ・ナウも、本日と明日、代々木公園でアースデーに出店、ファッションレボリューションデーにちなんで、「悲しみでつくられる服は着たくない」等のメッセージボードで皆さんと一緒に写真を撮影していただく、フォトアクションキャンペーンを展開します。

Photo

是非、お立ち寄りいただき、フォトアクションに参加してください。

また、吉祥寺の街でも、5月4日に開催される吉祥寺コレクションに連動し、吉コレ参加デザイナーの鶴田能史さん、吉田美子さんとともに考えるファッションレボリューションデーイベントが開催されます。

まずは、「知る」ことから見えてくることがあります。是非参加してみてください。

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