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2016年6月 1日 (水)

(続) 安倍政権が監視しているとの報道・FACTA編集部に話をきいてきました。

1 やっぱり監視メモはあった。
5月20日発売のFACTA誌に、国連特別報告者デビッド・ケイ氏と私が監視されていた、という報道があり、私としては大変驚きました。
私の最初の反応はこちらです。

http://worldhumanrights.cocolog-nifty.com/blog/2016/05/facta-8493.html

その後、FACTA編集部にお電話して、「流出したメモを見せてもらえませんか。」「取材した方に詳しくお話しを聞かせてもらえませんか」「永田町で出回っているというのはどの政治家の方にお聞きすればいいでしょう?」とお聞きしました。
編集部では、
「取材源を守る必要から、入手先もお話しできませんし、メモをお渡しすることはできませんが、メモがあることは事実です。」と言われました。
取材源秘匿・・・そういわれてしまうと何とも言いようがありませんね。
そして、「このメモは一部であり、全部ではありません」と言われました。

2 なぜ急に決まったMTGを知っているのか。

この話のなかで新しい情報といえば、

・伊藤は4月○日、ケイ氏に面会した

ということです。これは深刻なことです。
 国連特別報告者が誰にいつ会うのか、というのは、外務省など政府側には伝えないことになっていますので、政府は私が何月何日にケイ氏に会うのかというのは知らないはずです。
 政府が知りえない事実ですし、公表している事実でもありません。
 手帳をみると、確かにその日にケイ氏に会っていたわけですが、これは前々から予定していたわけでもなく、当日たまたま時間のやりくりができたので、ご挨拶をした、というような状況でしたし、面会した場所も事前に決まっていなくて、直前に連絡が入って会う、という状況でした。
 というわけで、私やケイ氏の周辺の人を時々刻々監視していない限りは、到底知りえないはず、ということになるのです。
 今回、私・ないしNGOヒューマンライツ・ナウ自身は、コーディネートを担当したわけではなく、また、報道機関でもありませんので調査対象でもありません。
単にメディア広報を依頼されてお手伝いした、という状況でした。
参考
http://hrn.or.jp/news/6848/

ですので、私自身監視されるのは不愉快ですが、特に不利益があるわけでもない、ということもできます。
他方で懸念されるのは、調査に応じたジャーナリストの方々・市民団体の方々との面談まで監視されていたのではないか、ということです。

3 ジャーナリストまで監視?

ケイ氏の記者会見を報じた朝日新聞報道によれば、

ケイ氏は日本政府の招きで11日から訪日。政府職員や国会議員、報道機関関係者やNGO関係者らの話を聞き、「特定秘密保護法や、『中立性』『公平性』を求める政府の圧力がメディアの自己検閲を生み出している」と分析。「ジャーナリストの多くが匿名を条件に面会に応じた。政治家からの間接的圧力で仕事を外され、沈黙を強いられたと訴えた」と述べた。
http://www.asahi.com/articles/ASJ4M4GBTJ4MUTIL02Q.html

国連広報センターが公表したケイ氏のステートメントの和訳でも
http://www.unic.or.jp/news_press/info/18693/
 

「多くのジャーナリストが、自身の生活を守るために匿名を条件に私との面会に応じてくれましたが、国民的関心事の扱いの微妙な部分を避けなければならない圧力の存在を浮かび上がらせました。彼らの多くが、有力政治家からの間接的な圧力によって、仕事から外され、沈黙を強いられたと訴えています。これほどの強固な民主主義の基盤のある国では、そのような介入には抵抗して介入を防ぐべきです」
と書かれています。
圧力を受けて沈黙を強いられ、仕事から外された経験を持つメディア内部の人が匿名を条件に調査に応じた、という以上、会社には知らせずに極秘で面談したことと思われます。
もし、政府がケイ氏の動向を監視し、私との面談だけでなく、ケイ氏が来日中にあつた調査対象者、特にどのジャーナリストと面談したのか、ということを監視し、リストアップし、報告をまとめあげていたとすれば、それは極めて由々しいことと言わなければなりません。

4 再度FACTAへ

私はもう少し真相に迫りたいと思い、私は先週FACTA編集部を訪れてお話しをうかがう機会がありました。
発行人兼編集主幹が応対してくださり、再度、上記の話を再確認してくださり、「メモはあります」「率直に言ってあなたのことはメモに書かれていましたよ。それは確かです」と言われ、編集部の方が言われたことを繰り返されました。
  とはいえ、「メモは一部」ということですので、調査全体が監視対象であった可能性自体は否定できないのではないかと思い、私は大変危惧しています。

5 なぜ国連調査に協力する人を監視するのか、なぜ監視が問題なのか。 

ヒューマンライツ・ナウでは、もちろん日本以外の国の人権状況についても活動しているわけですが、人権侵害が深刻な国において、国連に情報提供をした人権侵害の被害者や市民団体の方が報復に会うということが大きな国際問題になっています。たとえば中国では、国連における人権審査のNGO報告書を作成している弁護士が逮捕され、長期拘束されていますし、国連での人権問題の審査に関するトレーニングに参加した人権活動家が政府に拘束されたまま後日死亡するということもありました。http://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=14394
人権活動家への攻撃が続いていたフィリピンでは2007年国連調査団に協力した女性が後で殺害されました。
 そこで、国連でも、こうした報復およびそれにつながる政府の行為があってはならないとする決議が採択されています。
 日本政府は、こうした決議に賛成する姿勢をとってきましたが、今回の動きはそうした方針から逸脱するものです。そもそも国連調査団の調査を監視するというのは人権侵害を世界から懸念される人権後進国のする行動と同じです。
 このようなことを政府がするのであれば、国連への調査に協力しようとする人たちに多大な萎縮効果をもたらす可能性があります。

6 外務省に質問したが、回答なし

そこで、私は、以下のメールを外務省人権人道課あてに送りました。

先週発売の雑誌に、ケイ氏の訪問時にNGO側の動きを内閣官房・内閣情報調査室が監視していたということがふれられており、ヒューマンライツ・ナウ事務局長=私が監視されていたとなっています。 当該記事を添付させていただきましたので、ご確認いただけますと幸いです。

これがもし事実だとすれば大変由々しきことであり、大変懸念しております。
FACTAを通じて問い合わせを進めておりますが、外務省においてもご存じのことがあれば教えていただけないでしょうか。
また、内閣官房・内閣情報調査室にお問い合わせいただき、ご回答をいただけないでしょうか。

国連特別報告者の調査に協力した者に対して政府が監視をし、その後殺害や拘束等の報復措置が取られるということを諸外国で私も長らく見てまいりました。
まだ私だけであればともかく、今回の調査で聞き取り対象となった方々が誰なのか、その動静などを政府が情報収集し、秘密であることを条件に調査に応じられた方々に今後不利益が及ぶとなると影響は甚大なのではないかと考えます。
また、今後の国連特別報告者の調査ミッションにも同様のことが起きるとなれば、
国連としての十分な調査ができなくなる可能性があります。

人権人道課におかれては人権を保護促進する日本の窓口であると私たちは認識しておりますので、事態の深刻さに鑑み、ぜひ真摯にご対応いただきたく存じます。

まだ外務省から返信はもらっていません。
真相はこのままでははっきりとわからないことばかりです。
ぜひメディアには調査報道をしていただけるとありがたいです。

※ FACTA編集部の申し入れにより一部書きかえました。

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