はすみとしこ氏の「そうだ難民しよう」出版に抗議
はすみとしこ氏の漫画本「そうだ難民しよう」出版に抗議する記者会見が21日開催された。
私が寄せたメッセージ、読み上げていただいたようですが、改めて紹介して抗議に加わります。
難民を侮蔑し、在日外国人を差別・侮辱する内容を含む「そうだ難民しよう!」なる漫画本が公然と大手出版社から出版されることに強く抗議します。
シリア、イラクをはじめ世界中で戦争が続く今、日本がなすべきことは、戦禍から逃れてきた難民の方々を一人でも多く受け入れる決断をすることです。難民を侮辱し、尊厳を傷つける発言を到底許すことはできません。
この漫画本に描かれる民族的マイノリティの方々に関する表現は明らかに差別と偏見を助長し、嫌悪感をあおるものであり、いまも深刻な状況に置かれている民族的マイノリティの方々を一層深刻な差別・被害に追い詰める危険性をはらむもので、到底許されません。
差別と排外主義の行きつく先は、憎悪の連鎖、戦争、虐殺、生きる権利の否定であることは歴史の教訓です。私たちの社会はこうした潮流に対して決然とNOを言うべきです。
言論・出版界は後世の文化や価値観に多大な影響力を与えうる立場にある責任を自覚し、人権と尊厳に依拠し、多様性を尊重する文化を創造するべきです。
人を傷つけ、差別やヘイト表現に加担する、良心なき商売人に堕落することは恥ずべきことです。ヘイト・差別への加担はやめてください。もっと豊かな文化を私たちは創りだすことができるはずです。弁護士 ヒューマンライツ・ナウ事務局長
伊藤和子
ところで、12月21日のはすみ本に抗議する会見で、辛淑玉さんに、はすみ本で実害があったのか、具体的に教えろと質問が出たといいます。
実害が出てからでは本当は遅いのに、何をいっているのか、と思います。
「差別と排外主義の行きつく先は、憎悪の連鎖、戦争、虐殺、生きる権利の否定であることは歴史の教訓です」と書きました。ナチスもそうです。ルワンダの虐殺も、ヘイトスピーチが続いて憎悪が社会に充満したとき、虐殺という事態に歯止めなく突き進んだのです。そうなってからでは遅い。
そして、現にヘイトスピーチの実害は出ています。
私たちヒューマンライツ・ナウの限られた調査でも、明らかにヘイト本やヘイト・スピーチには実害があります。http://hrn.or.jp/activity/2105/ ヒューマンライツ・ナウ ヘイトスピーチ被害調査報告書
ヘイトスピーチはそれを受けた人々にいかに恐怖を与え、心の傷を残すのか。人権団体調査報告書を公表 @YahooNews
伊藤和子 http://bylines.news.yahoo.co.jp/itokazuko/20141201
よかったら是非読んでください。自分が踏みつけているものに鈍感であってはならないと思います。