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2015年4月 5日 (日)

H&Mに関する過去の投稿につきまして

以前の私の記事で、「服はZARA、さらにH&Mに期待」という記事があります。

http://worldhumanrights.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/zarahm-c47a.html

そう、確かに、米国留学生活当時にZara、H&Mのファッションに出会い、ヘビーユーザーだった時期があります。
ただ、その後2013年ころからワードローブを一新し、あまり購入しなくなりました。

しかし、2013年のラナプラザ事故、そして昨年その現場を訪れて、女工さんたちの置かれた状況に心を痛め、
ナオミ・クラインの「ブランドなんかいらない」(No Logo)を読んだりする経緯が私個人としてはあり、
団体ヒューマンライツ・ナウとしても「ビジネスと人権」の取り組みを開始し、
海外に製造拠点を置いているファストファッションの裏側でのことを考え、とても慎重になりました。

このたびカンボジアの工場の問題で記者会見をいたしましたが、ユニクロと並んでH&Mのサプライヤーも大変過酷な労働搾取をしている深刻な疑いがあることがわかりました。
こちらのステートメントと資料をご覧ください。
http://hrn.or.jp/activity/event/41/
同時にヒューマン・ライツ・ウォッチが最近発表した同種報告書にも同様にH&Mの事案が取り上げられています。
http://www.hrw.org/sv/node/133360

もとよりブランドには改善を求めていく姿勢であり、不買運動を展開するものではありません。

しかし、こうした事態を知りつつ、これらブランドをただただ肯定的に推奨する文書をそのままにしておくのもよくない、と思うに至りました。

そこで、単にブログを削除してしまうのは簡単ですが、過去の自分の甘い認識も事実として隠さずお伝えすべきだと思いましたので、冒頭にコメントをつけたまま、残しました。
「こちらの記事は2008年に投稿したものです。2014年以降、私はファストファッションに関する調査を行い、その裏側を知り、改善を求める活動をしていますので、ファストファッションを推奨することはもうしていません。しかし、単に削除するのでなく、2008年当時の私の認識はこうであったということを事実としてとどめておくことには意味があると考えていますので、冒頭にこのようなコメントをつけたまま残すことにいたしました(2015年4月4日) 」

皆さんには是非、ブランドのタグなどをみながら、慎重に考えて消費行動をとってほしいと思っています。

何を装うか、ファッションはその人の哲学を表すと言うこともあります。
この厳しい世の中、できるだけうまくやりくりして安い価格のものを買う知恵や工夫は大切。
でも一方で、安くておしゃれなものに惹かれるとき、それが私たちと同じように夢を抱いて一生懸命に生きている女性たち、アジアの近くの国の女性たちの過酷な奴隷労働によって成り立っているのとしたら? 
アジア地域の少女たちが、ようやくきちんとした仕事を見つけたけれど、それが過酷な工場労働だったのでとてもついていけず、不本意に少女売春に戻ってしまうとしたら?
そんなこと気にせず、買うだけでいいのでしょうか? 
果たしてそれが本当のおしゃれなのか、是非一緒に考えていきたいですね。

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