女性と遺言(ゆいごん)・大切な財産と思い出を守り、受け継ぐこと
2015年から、相続税の制度が変わり、控除額が少なくなり、結果的に「増税」ということになります。
詳しくはこちらのウェブサイトをご参照ください。
http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/property/144.htm
要注意なのは、これまで「相続税なんて関係ない」と思っていた人たちでも、相続税を支払わないといけなくなるということ。うっかりしていられないんですね。
世間はいろいろと浮きだっているようです。
朝日新聞記事: 相続税増税が2015年1月に迫り、新たに課税される可能性がある人たちが対策に走っている。無縁だった中流層でも、都市部に家を持つ世帯を中心に対象が広がるためだ。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11523613.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11523613
私たちの事務所でも、年が明けたら、クライアントの皆様にわかりやすいご説明やセミナーをご用意しようかな、と考えております。
これを機会に、是非相続や遺言について、そして大切な財産と思い出を守り、受け継いでいくことについて考えていただけるといいですね。
・どんなお葬式にしたいのか、遺骨はどうしたいのか。
・遺産をどんなことに使いたいのか、誰に譲りたいのか。
・大切な人に伝えたいメッセージはなにか。
・生きている間に、財産をどんなふうに安全に管理していくのか。
などといったこと。
財産をきちんと子どもたちに残すために、早めに専門家と話し合って、対策をとることが大切になってきます。そこでは遺言が鍵になります。
遺言を残すことで、子どもたちの醜い相続争いも防ぐことが出来ます(本当に相続の争いってとても神経をすり減らし、人間不信に陥りそうな手続なんですよ!)
遺産の一部を日頃「素晴らしいな」と思っている民間団体などの活動に寄付することも素敵だと思います。
認定NPO法人や公益財団法人への寄附は、課税対象額からの控除が可能になるというメリットもあります。
そして何より、あなたらしい遺言を書いたり、ビデオメッセージを残したりすることで、あなたの想いを後の残すことができます。
遺言書は、「公正証書遺言」という、公証人の前で作成するものをお勧めしています。これは後で、有効だ、無効だ、という消耗な争いを避けるためにも、素人考えで無効な遺言になってしまうのを防ぐためにも、とても確かな方法です。
でもそれだけではちょっと無味乾燥。もう少し想いを伝えたいのではないでしょうか。
私は昨年こちらの「嫌な女」という小説を読んでみたのですけれど、
http://www.amazon.co.jp/%E5%AB%8C%E3%81%AA%E5%A5%B3-%E5%85%89%E6%96%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%A1%82-%E6%9C%9B%E5%AE%9F/dp/4334765769
主人公の一人は女性弁護士なんですね。
特に嫌な女というわけではないけれど、いまひとつ魅力に乏しい人だなあ、なんて思いながら読み進めていったのですけれど、だんだん味わい深い弁護士になっていくんですね。
その仕事として、遺言書の作成と同時につくるビデオメッセージがあります。
遺言書に付随して、想いを伝えるメッセージなのです。
私はこれは素晴らしい、と思い、私たちの事務所でも取り入れています。
遺言と同時に作成するビデオメッセージがあれば、遺言の内容は嘘じゃないか? という後の憶測や争いを残すことなく、あなたの真意を残された人たちに伝えることが出来ます。
日頃言うことが出来なかった、愛する人たち、少し疎遠になってしまったけれど、大切に思っている人たちへの想いなども、伝えることが出来ます。
亡くなってしまってから公開されるので恥ずかしくなく、思い切って伝えることもできます。
遺言が、最後にあなたの生き方が現れるようなものだといいですね。この世界に残すあなたの最後のメッセージ。
また、墓場まで持っていきたい秘密を守るためにどうするか、というようなこともありますよね、
例えば、マディソン郡の橋みたいなあなただけの秘密があり、遺族でない人を通じて秘密に伝えたいとき、どうする?? というような場合、信頼できる遺言執行者を指定して、対応をお願いすることもできます。
財産を残し、相続争いを防ぐための相続対策とあわせて、大切な思いを家族や愛する人たち、もっと多くの人たちが受け継いでいけるような遺言やメッセージのあり方を、これを機会に考えてみていただけるといいなと思います。
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