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2014年11月26日 (水)

「女性活躍」って何?  都議会では、セクハラヤジ問題の調査委設置の請願が否決される。

6月に大きな問題となった塩村都議へのセクハラヤジ事件を覚えているだろうか。

塩村あやか都議(当時・みんなの党)が、晩婚化、晩産化に関連し、出産等の社会的支援に関して質問をしたところ、議場で「お前が早く結婚しろ」「産めないのか」などのヤジが公然と飛んだという、都議会内でのあってはならない、重大なセクハラ発言だ。

ところが、都議会では何ら対応が進まない。

ブラック企業大賞に特別枠でノミネートまでされるという恥ずかしい事態になったというのに、どこ吹く風のようだ。

都議会は先週、セクハラヤジ問題に関する調査委員会の設置などを求める請願を、否決したという。

東京都議会の議会運営委員会は二十一日、女性都議に発せられた女性蔑視やじの調査委員会設置を求める請願を、賛成少数で不採択とした。共産、民主、みんな(「かがやけ」に改称)、生活者ネットワークの各会派が請願の趣旨に賛成し、自民、公明、維新が反対した。

請願は「都議会の信頼回復のためには事実を調査・把握し、過程および結果を都民に公表することが必要」として、調査委の設置を求めた。

議運では、共産とネットの所属都議が「都議会の再発防止への道筋が見えないから、この請願が出された。やじ問題への都議会の反応は鈍いと言わざるを得ない」などと指摘。反対した都議の一人は取材に「議会として既に信頼回復に関する決議をしており、後は議員個人の良識に委ねるべき問題だ」と語った。

四千二百八十八人分の署名を添えて請願を提出した「公人による性差別をなくす会」の亀永能布子(のぶこ)さん(69)は「全国から予想以上に多い署名が集まったのに残念。人権を尊重する都議会にするため女性議員を増やしたい」と話した。

出典:東京新聞
セクハラが発生した以上、事実を特定・調査し、加害者と加害事実を特定し、適切な処置を講ずるというのはセクハラ対策のイロハのイ。私もあちこちで常々講演・研修などをしている当たり前のことである。

本件では、まず誰がセクハラ発言をしたか十分に特定されていないという問題があるので、都議会として調査委員会を設置し、発言者を特定することがまず必要である。私も6月にそのような提案をしたが、それって本当に民間では当たり前のことなのだ。

「塩村都議への都議会議場セクハラ事件・都議会は調査委員会を設置して発言者処分を」

⇒http://bylines.news.yahoo.co.jp/itokazuko/20140620-00036583/

この都議会、傍聴した人たちが、「都議会の傍聴でショックを受けました」という投稿を署名サイトChange.orgにしている。

昨日、都議会の議会運営委員会をはじめて傍聴してきました。結論からいうと、かなりショックを受けました・・・

・女性差別発言を行ったがまだ名乗り出ていない都議を特定すること

・問題解決のために調査委員会を設置すること

・すでに名乗り出ている鈴木あきひろ都議に対する辞職勧告決議を採択すること

・都議の差別発言を禁止する人権条項を制定すること

・自民党会派の吉野利明議長(当時)が差別発言をその場で制止しなかったことを反省し公に謝罪すること

・全都議がヤジについて自制するとともに公に謝罪すること

・全都議を対象として女性の人権に関する研修を行うこと

私にとっては、上に挙げた請願・陳情はどれもまっとうであって、いままさに都議会にとって必要なことなのではないかと思われました。

かち佳代子都議(共産・大田区)や西崎光子都議(生活者ネットワーク・世田谷区)らが採択を求める演説を行ったあと、採決に入りました。

自民党や公明党の会派は、上に挙げたすべての請願・陳情のうちどれひとつとして賛成しませんでした。

民主党の会派は、かなり抽象的な文言のものには賛成しましたが、具体的な対策の提言には賛成しませんでした。維新やみんなも同じようなものでした。

具体的な対策を含めて上記の請願・陳情のほとんどに賛成していたのは、大山とも子副委員長、かち佳代子委員、清水ひで子理事、西崎光子委員といった女性議員たちばかりでした。ただし都議会自民党の村上英子幹事長は終始冷ややかで、ときにその場の男性議員たちと同じくらい高圧的ですらありました。

そういうわけで、女性差別発言に関して多くの都民から寄せられた請願・陳情は、すべて不採択となりました。

数の力で押し切るのではなく議論を重ねて妥協点を模索する男性議員の姿は、残念ながらそこにはありませんでした。

これでは永遠に改革を望むことはできません。

出典:Change.org
いやー、本当にいたたまれなくなる記事。。せっかく時間を割いて傍聴に駆け付けたというのに、どんなにショックを受け、絶望感を感じたかと想像するにも余りある。しかし、こういう傍聴によって、都議会ではどんなことが行われているのか、政治家たちの本性がどこにあるのか、リアルにわかってありがたい。

傍聴の記事をみると、投票行動は請願の内容によって一様ではないようだが、東京新聞の報道によれば、

今回、調査委員会設置に関する請願に賛成したのは、

共産、民主、みんな(「かがやけ」に改称)、生活者ネットワークの各会派

反対したのは、自民、公明、維新

だそうだ。

ちなみに、社民党は都議会に議席がないという。

自民、公明は与党、維新は衆議院で野党第二党・40議席以上を保有する。

都議会でも当然、多数派を構成し、彼らが反対すれば、まっとうなセクハラ対策の提案も否決されてしまうということなのだ。

こうした投票行動、当然党の了解のもとにやっているのだろうから、都議会だけの問題とはいえない。

自民・公明による自公政権は、女性が輝く社会を標榜し、特に今年は女性閣僚を登用したりして、女性重視をアピールしてきた。

しかし、足元の議会で発生するセクハラのまっとうな解決に反対するのはなぜなのか。

加害者が自党にいるとすれば余計、庇うことなく、正々堂々とえりを正すべきではないのか。

セクハラ対策をきちんと行うことで女性が働きやすい職場環境、活躍しやすい政治環境を整えることにどうして反対なのか、全くわからない。

自民党が掲げる「女性活躍」っていったい何なのか。言っていることとやっていることがあまりにも違う。

このあたり、女性活躍法案をめぐって臨時国会周辺でいろいろと議論したかったことであるが、衆議院も解散してしまったので、各政党の「言ってることとやってることの違い」、女性の人権を保障してくれるのは誰か、ということを選挙で見極めるひとつの材料としたい。

しかし、あえて言うならば、民間であれば雇用機会均等法により、調査を行うのは当たり前のこと。

与野党、左右、保守かリベラルかの違いなど全く関係なく、実効性のあるセクハラ対策にすべての政党が賛成でなければならないはず。

欧米諸国ではこんな恥ずかしいことは起こりえない。

日本の政治が女性の権利やセクハラ防止に関する自覚・認識の低さに、猛省を促したい。

全然やる気もないのに「女性の活躍」などと言って女性を人気取りに利用しないでほしい。もしやるというのであれば、足元の一つ一つの出来事から、本気で取り組んでほしい。

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