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2014年9月27日 (土)

女性の活躍って。。。

今年の秋は、「アベノミクスと女性の活躍」に関連した講演の依頼が続いてる。
なんで私のところに依頼が来るかわからないけれど、とりあえず引き受けて、女性差別撤廃条約と日本のギャップなどについて話しているけれど、果たして女性の活躍ってどうなの?

「女性の活躍」とか言われても、どうしても腑に落ちなかった。
女性閣僚のおそまつさはさておくとしても、目の前のクライアントの女性たちが置かれた壮絶な実情とか、「慰安婦」に対する政府あげてのヘイトスピーチとかとあんまりにもかみ合ってないし。
で、考えた。
活躍推進自体が悪いわけじゃない。
でも、やっぱり、そこで対象となるのは「活躍」「成功」の土俵に上がった女性達だけ。
そういうひとたちが活躍しないよりはしたほうがいいのかもしれない。それに続く人たちもいるかもしれない。
だけれど、それって本当に一握りの人たち、野心家だったり、親が教育熱心だったり、サポートに恵まれていたり、たまたま運が良かった人たち、そりゃ努力した人たちだろうけれど、いろんな条件のなかで「勝ち組」に分類された人たちだけだ。
その勝ち組を「活躍」させる。
だけど残った圧倒的多数の人たちは??
正社員とか起業家とか有資格者じゃないとそもそも対象にならないのではないの?

雇用環境は益々厳しくなっている。
女性たちの多くは非正規で明日が見えない不安定な生活を送っている。
いつ派遣切りされるかわからない。
生活保護の申請にいったら風俗に行けと言われた人もいるし、生活のために風俗で働いている女性達がたくさんいて、たくさんの問題を抱えて生きている。
騙されてAVに出演させられたり、お金のためにやむなくそういうことをする女性たち、JKビジネスの被害にあう少女たち、多くの女性が貶められて搾取されている。
家を立ち退けと言われて追い詰められて、子どもを殺してしまったお母さん。。
困難を抱えている女性たちに支援が届いていないのがとても歯がゆい。

そんな日本。
でもさらに女性達が生きづらい施策がどんどん進められようとしている。
そんななかで「活躍」

一部の人だけ都合よく利用して「活躍」させるんじゃ問題の解決にならない。
差別と貧困の構造をなくして、みんなが、しゃかりきに頑張りすぎたり何かを犠牲にしなくても、普通に活躍できる環境を整備しないと、女性の間のカースト格差が単に広がっていびつな勘違い女が生まれていくだけになってしまう。
 おかしな「活躍」モデルに縛られてうまくいかず、精神を病んだり落ち込んでしまう人たちも出てくるかもしれない。政府に称賛されるような「活躍」をしない限り落伍者だと思うような人がでてしまうリスクだってある。
 
 「活躍」「成功」というスポットライトを無理やり誰かにあてるような施策じゃなく、みんなが生かされる、生きやすい社会を私たちは求めている。

 そして、私たちが本当に求めているのは、貧困とか差別とか搾取に苦しんでいる、目の前にいる具体的な女性たちのために行動する政府だ。
一部のひとだけでなく、例外なくすべての女性の平等と人権擁護のために真剣に取り組む政府や施策なんだ。


・・・というわけで、ひっかかってたことがようやく言語化でき、すっきりしました。

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