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2012年10月

2012年10月31日 (水)

10月31日・第二回・日本に対する国連人権審査

国連の人権に関する主要機関である国連人権理事会は、来る10月31日、日本に対する国連人権審査を行います。
これは国連人権理事会が2005年に発足してから二度目にあたる日本に対する審査であり、すべての国連加盟国を審査する制度の一環として行われる普遍的定期的審査(UPR)と呼ばれる審査です。

ヒューマンライツ・ナウは、この国連人権理事会の普遍的定期的審査(UPR)手続のために、日本の人権状況に関する情報を国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)に提出しました。
http://hr...n.or.jp/activity/topic/hrn-15/

ヒューマンライツ・ナウでは、民主党政権の公約であった人権条約の個人通報制度が実現していないこと、政府から独立した人権擁護機関が設立されていないこと、女性差別立法の法改正が、第一回審査における日本政府の公約にも関わらず実現しなかったこと、刑事司法手続の問題とえん罪事件の実情等について情報提供し、再度の勧告を各国政府に求めています。
同時に、東日本大震災および福島第一原発事故後、被災者や原発事故の影響を受けた人々に対する人権が十分に保障されていないこと、特に、福島原発事故後の子ども等に対する命と健康を確保するための国の責務が十分に果たされてこなかったことを人権問題として提起し、この問題に関し、日本政府に是正を求める質問・勧告をするよう各国政府に求めています。

日本の人権状況の現在を考えるうえで大切な手続きですので、是非関心を持っていただき、また、出された勧告の今後の履行について皆様に注目をいただきたいと思います。

2012年10月28日 (日)

福島・11月に、国連「健康に対する権利に関する特別報告者」が来日調査ミッション

福島第一原発事故後、一年半以上が経過しましたが、周辺の広範な地域に居住する人々の健康は果たして適切に守られているのか、予想される被ばくリスクに対し、深刻な健康被害を防ぐための政府の措置は講じられているのか、深刻な懸念が表明されています。
 国際人権NGOヒューマンライツ・ナウは、市民団体等とともに昨年、国連人権高等弁務官事務所と、国連の独立専門家にあてて、この問題に関する事実調査ミッションの派遣を要請する書簡を送りました。
http://hrn.or.jp/eng/activity/area/japan/request-of-a-country-visit-to-japan-by-un-special-rapporteurs/

 こうした動きを受けて、今年11月15日から26日まで、国連「健康に対する権利に関する特別報告者」のアナンド・グローバー (Anand Grover) 氏らが来日、原発事故後の放射能影響下にある、子どもをはじめとする周辺住民の「健康に対する権利」の実態調査を行うことになりました。
東京・福島等において様々な聴き取り調査を行う予定です。
国連「健康に対する権利に関する特別報告者」は、2002年の国連決議によって発足した特別手続により、国連人権理事会によって選任される独立専門家であり、世界中の健康に対する権利の侵害や問題状況に関し、事実調査・勧告を行っています。
 今回は福島原発事故・東日本大震災以降の健康を取り巻く状況を調査する予定であり、日本に対して勧告を出すことが予想されています。
 日程の詳細は公表されていませんが、特別報告者は政府機関、福島県等に対する聴き取りを行う予定であり、併せて、福島在住者、避難者(自主避難者を含む)に対する聴き取りや市民社会との会合も希望されています。
 ヒューマンライツ・ナウは、原発事故後の周辺の住民に対する政府・県の施策が、国際水準からみて著しく不十分かつ問題があり、対応が遅れていること、人々が健康不安に苦しみ、かつ声を上げにくい状況に置かれていることを指摘し、改善を提言してきました。今回の調査を通じて、国連から国際水準に基づく適切な提言がなされ、現状の改善につながることを期待しています。

(※ なお、この件で、イベント・報告会・シンポジウムの開催等に関するお問い合わせをいただいておりますが、今回は調査を目的とした訪問であり、集会・講演等は予定されておりません)。
国連「健康に対する権利に関する特別報告者」およびアナンド・グローバー氏(Anand Grover)については、以下のウェブサイトをご確認ください。
http://unsrhealth.org/

今回の国連調査ミッションは国連による独立・中立のものですが、ヒューマンライツ・ナウは、市民社会、影響を受けている被災者の方々との橋渡しの役割を果たしていきたいと思っています。
また、適宜、調査プロセスの取材対応の可否、特別報告者による記者会見の予定等の情報をお伝えしてまいります。

11月17日開催「世界こどもの日」チャリティウォーク&ラン2012

スポーツの秋到来ですね。
国際人権NGOヒューマンライツ・ナウでは、
11月17日(土)に
チャリティ・ラン&ウォークを開催します。
エントリーの第一次締め切りが10月末なので
ご案内します。

この企画の収益は、HRNの人権保護活動に充てられます。
ご家族・カップル揃って楽しめますし、秋の大マラソン大会の
リハにも良いと思います。

ぜひ、ふるってご参加下さい!


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***★ヒューマンライツ・ナウ主催

      「世界こどもの日」チャリティウォーク&ラン2012

                         開催のお知らせ★***
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毎年11月20日は、「世界子どもの日」。

国連が世界中の子どもたちの相互理解を促進し、
子どもたちの福祉を増進させることを目的として1954年に制定しました。

ヒューマンライツ・ナウは、この国際的な「世界子どもの日」を記念し、
チャリティーウォーク&ランを企画しました。

世界中では、今この瞬間にも、紛争・飢餓・人身売買・環境破壊・教育の
機会の剥奪などの被害にあっている子どもたちが多くいます。

子どもたちへの想いをウォーク&ランに変えて、
より安全で平和な世界を築きたいという想いを行動に移しませんか?

皆様のご参加、お待ちしております!

●開催日:2012年11月17日(土)午前開催 ※雨天決行

●開催場所:皇居周縁(集合・日比谷公園)

●種目: 5kmウォーク / 5kmラン / 10kmラン

●当日スケジュール(予定):
 開会式   5㎞ウォーク 9:00 / 10㎞ラン  9:40 / 5㎞ラン  9:40
 スタート  5㎞ウォーク 9:40 / 10㎞ラン 10:10 / 5㎞ラン 10:20
 閉会式  11:30

※最終のスケジュール等の詳細は、お申込者に11月上旬に
 メールでお届けする参加通知書にてご確認ください。

●参加費用
  大人   5000円
  学生   2000円(中学生以上)
  小学生  1000円
  未就学児 無料
  *なお未就学のお子様は、エントリーしている保護者の同伴としてご参加ください。


●申込期間:~2012年10月31日(水)まで

●申込方法:大会公式ウェブサイトよりご確認ください。
        →http://hrn.or.jp/run/

●主催:特定非営利活動法人ヒューマンライツ・ナウ

ヒューマンライツ・ナウ(HRN)は、
2006年に弁護士・学者・ジャーナリストなどが中心となり、日本国内に
発足した国際人権NGO団体です。世界の深刻な人権侵害に対して
現地調査・報告・アドボカシー を活動の柱としています。

※今企画の収益は、HRNの「子どもの権利プロジェクト」をはじめとする
人権保護活動に充てられます。


☆当日ボランティアスタッフを大募集しています!
毎年、ご参加のランナー・ウォーカーが楽しく、快適に、安全に過ごせるように、
受付・誘導・応援・イベント準備など、様々なお仕事を元気にこなしてくださる協力者を大募集!
縁の下の力持ち、大会運営に興味があるという方は是非ご応募ください。

「当日ボランティア」という名前ですが、実際は事前に下記の日程の参加が必要になりますので、
今から予定を空けておいてくださいね。
お申し込みはrun@hrn.or.jpまで、一次〆切10/31までとさせていただきます!

◆参加が必要な日時
・11月3日(土)当日ボランティアスタッフ説明会(13:00-15:00)
・11月10日(土)現地レクチャー(9:00-12:00)
・11月17日(土)大会当日!(7:00-13:00)

※集合場所など詳細は、ご応募いただいた方にご案内差し上げます。
※基本は上記3日程、すべてご参加いただくようにお願いしておりますが、
どうしてもご都合がつかない日時がある場合はご相談ください。

◆参加条件
・大会の主旨に賛同し、ランナー・ウォーカーを楽しく、安全にサポートすることを全力で取り組んでくださる方。
・健康状態の良好な方。
・無償
・大会オリジナルTシャツプレゼント!

◆件名を「当日ボランティア募集」と記載の上、下記の応募に必要な情報をお書き添えいただき、
run@hrn.or.jpまでお送り下さい。

お名前)
フリガナ)
携帯電話)
メール)
すべての日程に参加できる) Yes or No
(※Noの場合駄目な日時を明記してください)

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◆問合せ先◆
 ヒューマンライツ・ナウ事務局内
チャリティーウォーク&ラン大会実行委員会
  TEL:03-3835-2110 Email: run@hrn.or.jp

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2012年10月25日 (木)

明日、メディア懇親会のご案内

明日、10月26日、ヒューマンライツ・ナウのメディア懇親会を開催
しますので、是非ご参加ください。
特に、来月11月15日からの、福島に対する国連事実調査団
(健康に対する権利)の来日についての報告に、ご注目ください。
是非お待ちしております。

国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ メディア懇親会のご案内

報道各位

平素より大変お世話になっております。
国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ(HRN)です。

弁護士・研究者・ジャーナリストなどが中心となり、国境を越えた
人権活動を行っております。

このたび、メディアの皆様を対象に、当団体の活動内容や最近の
世界情勢をお伝えする記者レクと、懇親会を開催いたします。
どうぞふるってご参加ください。


■国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ 記者レクの御案内

日 時:2012年10月26日(金)17:30~19:30

場 所:クリエイティブOne秋葉原ビル8F ラウンジスペース
     (東京都台東区上野5-3-4
      同ビル7FにHRN事務所がございます。)

内 容:
    1 HRN団体概要と最近の取り組みのご紹介

    2 ミャンマー(ビルマ)の動向と、HRNの取り組み

   3 カンボジア現地調査報告「人々から土地が奪われている」

   4 福島原発事故後の被災者支援、国連特別報告者の来日について

   5 「世界子どもの日」チャリティーウオーク&
ラン2012開催のお知らせ

    など、他にもその段階での最新の話題をお伝えできればと検討しております。

また終了後、周辺のお店にて19:30~懇親会を予定しております。
こちらもあわせて、ご参加くださいませ。

※参加費:実費
  (懇親会のみのご参加も可能です。お気軽にお問い合わせください)


申し込み方法:
ヒューマンライツ・ナウ事務局(info@hrn.or.jp)まで、
「10/26(金)記者レク・懇親会参加希望」とご記載の上お送りください。

皆様のお越しをお待ちしております。

2012年10月23日 (火)

先週の最高裁判決を受けて、明日開催します。「『一人一票』に最高裁から変えていく」

先週の一票の格差に関する最高裁判決、皆さま注目されていますか?

今後の民主主義や選挙制度改革を考えるにあたって重要と思います。
私としても、もうちょい勉強しなきゃと思ってます。

ヒューマンライツ・ナウでは、なんと明日! 24日の水曜日に、
この「一人一票」の憲法訴訟の立役者・伊藤塾の伊藤真弁護士と
ビジネスロイヤーの久保利英明弁護士をゲストに、
この問題を詳しく語るトークイベントを開催することになりました。
多くの若い人にきてもらいたい、という講師の意向もあり、
学生・修習生・修習予定者の会費がディスカウントになりました。是非ご参加ください。


10/24"HumanRightsCafe"
「『一人一票』に最高裁から変えていく」
久保利 英明さん×伊藤 真さん

ヒューマンライツ・ナウでは、第一線で活躍する著名人・
専門家をゲストにお迎えして、新聞やニュースで話題の
社会問題をテーマに語り合うトークイベント
"Human Rights Cafe"をスタートしました。

現場で活躍するゲストならではのリアルで迫力あるトーク、
パイオニアとして困難な道を切り開いてきた生き様など、
「世の中を変えたい!でもどうやって?」と思っている
みんながパワーとヒントをもらえる刺激的なイベントです。

ヒューマンライツ・カフェ第2回目は、企業法務の第一人者
である弁護士の久保利英明さん(ヒューマンライツ・ナウ運営
顧問)と「憲法の伝道師」・伊藤塾塾長としておなじみの弁護士、
伊藤真さん(ヒューマンライツ・ナウ理事)をお迎えします。

衆議院の解散が迫る中、注目が集まっている「一票の格差」
について、白熱トーク!

日頃の忙しい仕事の傍ら、一票の格差の違憲性を問う憲法訴訟に
取り組んでいるお二人から、この訴訟の最新情報、最高裁での
活動、訴訟に取り組む思い、そしてひいては人権と憲法に
対する熱い想いまで語っていただきます。

また、第一線で活躍するお二人の生き方やパワフルに行動し
道を切り開く秘訣にも迫っていきます。
質疑応答・ゲストとの交流の時間ももうけます。
パワーとヒントがたくさん詰まったゲストとのライブトーク、
多くのみなさまのご参加をお待ちしています!


日 時 ≫ 2012年10月24日(水)19時~21時

場 所 ≫東京都新宿区市谷本村町10-5
     JICA地球ひろば セミナールーム600号室
     JR市ヶ谷駅徒歩10分

スピーカー ≫

久保利英明氏
(ヒューマンライツ・ナウ運営顧問、弁護士、日比谷パーク法律
事務所代表、金融庁総務企画局参事、大宮法科大学院大学教授)
1944年生まれ。東大法学部卒。東大在学中に司法試験に合格し、
アフリカやインドを放浪後、弁護士登録。ビジネス弁護士の草分け
として株主総会運営やコーポレートガバナンス(企業統治)などの
分野で活躍。M&Aや知的財産法務の第一人者でもある。
第二東京弁護士会の会長なども務めた。

伊藤 真氏
(ヒューマンライツ・ナウ理事、弁護士、法学館法律事務所所長、
伊藤塾塾長、法学館憲法研究所所長)
1958年生まれ。東大法学部卒業後、司法研修修了と同時に弁護士
登録。真の法律家の育成を目指し、1995年「伊藤真の司法試験塾
(現 伊藤塾)」設立。2002年日本国憲法の理念・精神を研究する
「法学館憲法研究所」設立。2009年からは「一人一票実現国民
会議」の発起人となり、日本に真の立憲民主主義を実現すべく
活動している。

参加費 ≫ 一般:2500円 HRN会員:2000円
学生・司法修習生、修習予定者:1000円

【参加申込】

事前申込みをお願いします。定員になり次第、申込み〆切します。
HRN事務局まで、氏名、連絡先、「10/24カフェ参加希望」と明記し、
メール(info@hrn.or.jp)またはFAX(03-3834-1025)でお申し込み
ください。皆さまのご参加をお待ちしております。

2012年10月21日 (日)

誤認逮捕・その後の補償は?

PC遠隔操作事件で、神奈川県警は誤認逮捕を認めて、保護観察処分を受けた少年に謝罪したという。

http://jp.wsj.com/Japan/node_533358

ただ謝罪をすればよいというわけではないだろうから、今後どう補償するかが問題となる。

少年補償法によれば、刑事補償法に準じて拘束された日数に応じて補償がなされる。

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H04/H04HO084.html

しかし、保護観察処分は拘束を伴わないわけであるから、処分前の身体拘束だけが補償対象となるにとどまる。

以前、2003年に東京で発生した誤認逮捕事件を担当したことがあるが、この際は警視庁が誤認逮捕の被害に遭った女性の自宅に訪れて謝罪、その後、100万円を東京都が被害者に賠償金として支払うことで示談が成立した。

こちらの請求金額満額であった。

この件は、私と都知事の石原慎太郎氏の間で示談書も取り交わしている(記者発表もして、記事にもなったな、当時)。

もちろん大変画期的なことであるが、その時に感じた疑問は「このような不起訴事案・誤認逮捕はやまほどあるというのに、なぜこの事件だけこのような示談になったのか」ということである。

弁護士の活動で誤認逮捕を明らかにし、不起訴に持ち込む事件は多々あるが、警視庁と示談をしたのはこの一件だけである。

私が弁護人として不起訴を勝ち取った事件の中には、被疑者補償という手続により、補償金が認められたケースもあるが、この規程も

拘束一日当たり1000円から12500円という少額なものであり、さきほどの金100万円とは大きな開きがある。

http://www.kensatsu.go.jp/kanren_hourei/h_higisha.pdf

誤認逮捕という部類ではないものの、昨年、墜落出産により子どもが死産となった件で出産した女性を殺人罪で東京地検が逮捕するという案件があった。この案件もとんでもないえん罪であるから、がんばって不起訴を勝ち取ったのであるが、東京地検はその後、不起訴裁定書すら公開せず、被疑者補償も何の理由も示さず行われなかった。

えん罪・誤認逮捕は日々行われているが、たまたま明るみに出て、メディアで騒がれた氷山の一角のような事件のみ、迅速で相当な補償がなされ、そうでない事件はそのまま、謝罪すらない。

誠に恣意的に運用されている、というのが実務家としての率直な感想であり、改善を望む。
もちろん、以前経験した誤認逮捕事件同様、相当な補償がすべての被害者に対してなされるべきである。

秋葉原VS原宿 街をにぎわす女の子たち

私の事務所は秋葉原で、家から渋谷をとおって通勤している。
そこで、秋葉原にいる女の子と渋谷や原宿にいる女の子の違いを比較して観察すると面白い。
秋葉原にいる女の子は本当にアニメから抜け出てきたみたいでかわいい。
その子たちがチラシを配ったり売り込みをするので、男たちはみないかにも嬉しそう。
私から見ても完璧にかわいくきまっている女の子集団が出没するので、楽しい街であることは間違いない。
特に土日は、街自体もテーマパークのようである。

しかし、気が付いたのは、秋葉原で現れる女の子たちが、誰から見ても好感がもてるような髪型・服装にすごく厳密に計算されていて、画一的に規格化されていること。
特に、男の子がこうあってほしい、と思う願望をそのまま切り取ったような少女趣味の女の子、アニメに出てくる素敵な女の子なのだ。
彼女たちは自分の意思で装ってるのではなく、プロデュースする人間が、男の目から見てかわいく見えるスタイルを綿密に計算し、男性のニーズや美意識からみて完璧なスタイルを決定し、彼女たちに装わせている。
プロデュースする側が綿密に男性ニーズを計算した結果の成功なのだ。
それに引き換えると、原宿駅周辺にいる女の子たち、竹下通りにいる女の子たち、渋谷駅周辺の子たちはどうだろうか。
詳細に描写するのは控えたいけれど、以前のヤマンバ・ギャルやら、自己流のロリコンファッション、けばけばしいダンス・コスチュームなど、
みんながまゆをひそめるような女の子を見かける。女性からも好かれないだろうし、男性に好かれるとも思われない。
彼女たちは自分たちのためによかれと思って、自らのプロデュースで装っている。
抑えきれない欲望、自意識と自己顕示欲、私は私という意識が彼女たちをしてそのように装わせているのであろう。
私も高校生当時はよく原宿に行っていたが、しがらみにがんじがらめの地元では自己を解放できない。
休みの日に原宿にきて、普段はなりをひそめている本当の自分を解放するのだ。
その意味で、彼女たちは他人の戦略ではなく、自己の決定で、テリブルではあるが、装っている。
だから、感じがよいのは圧倒的に秋葉原の女の子だけれど、人為的な彼女たちより、原宿などにいてまゆをひそめてしまうような女の子たちも応援したくなる。

ある種、ジェンダーな問題ですよね。

男の戦略に乗っかって従順に従い、女が成功するとしても、それは本当の成功といえるのか。
自らの戦略で突っ走り、四面楚歌になって失敗しても、女が自力で立ち直って傷つきながら自分の道をごまかさずに進んでいくほうが幸福なのか。
とはいえ、多くの女性は現代社会において、みんなに受け入れられつつ、賢く自分を追及していこうとするものなので、決して二者対立ではないことが多い。
秋葉原に来ている女の子たちも、職業として演じているわけだしね。

心配なのは、秋葉原にいる男の子たち。
アニメに出てくるような女の子をこよなく愛しているけれど、本当の女は、アニメどおりではなく、ひとりひとり違う。
自分の意思で装ったり行動すれば、男の子たちの願望通りにはいかない。
あの街で増幅されている、現実離れした女の子たちに対する幻想が、多くの男子をリアルな恋愛から遠ざけているように思えてならない。

PC遠隔操作で改めて明らかになった、捜査機関がつくりだすえん罪

ウイルスに感染したパソコン(PC)などから犯罪予告が書き込まれ4人が逮捕された事件で、警察・検察当局は、神奈川県警に逮捕され保護観察処分を受けた男性(19)の処分取り消しに向けた検討を始め、検察当局は、ほかの3人についても、不起訴あるいは起訴の取り消しを検討しているという。片桐裕警察庁長官は、18日の記者会見で、誤認逮捕の「可能性が高い」と言及、警視庁など関係都府県警は関係者への謝罪を検討しているという。

http://mainichi.jp/select/news/20121019k0000m040128000c.html

私が注目したのは、この事件において、いったんは否認していた少年が、最終的には犯行を認めたことだ、つまり嘘の自白をさせられたのである。

この事件を通じて、例えば足利事件のような大事件のように大々的に報道されないけれど、隠れたところで、虚偽の自白とえん罪が横行していることが改めて明るみに出たといえる。

そうなのだ、比較的軽微な事件、社会的にさほど注目されていない事件でも、犯罪の容疑をひとたび警察からかけられた人が、やむをえず罪を認めて処罰・処分に服すことはいたるところにある、というのが弁護士としての実感である。

日本の有罪率は、なんと99.9パーセントの有罪率。被告人側からみれば、ほとんど勝てないゲームなのだ。

警察が目をつけた事件、特に逮捕された事件は、否認したままで無罪判決を勝ち取る可能性がとても低い、だから、仕方なく、大きな権力に逆らっても仕方がないと、諦めて自白をする人は、たくさんいる。

逮捕されている人は、はやく認めて自白しないと、早期釈放されない、これを「人質司法」という。

それに、反省してないということで重い判決を受ける可能性も高いのだ(こういう件を結構見てきた。涙)。

そんなことにならないように、自白しない不利益を考えて、人知れず屈辱的な妥協を余儀なくされ、屈服させられている人達がいるのだ。

プライドのある普通の人間なら誰しも、やってないことはやっていないと言おう、と思って抵抗するはずだ。

しかし、取調べの過程で追い詰められ、屈服させられる。捜査官の脅し文句や利益誘導があることは想像に難くない。

しかし、そういう人たちの姿は明るみに出ない。だって、言っても仕方のないことだ、ただ誰にも知られず、自分も忘れたいのだ。逮捕されたことも、屈してしまったことも、、、

今回の事件はこうして日常的につくりだされているえん罪事件があること、誰もが巻き込まれかねないことを改めて示した。

警察は過去にさかのぼって誤りがなかったか、調べる方針だという。

是非やってほしい。罪もないのに、罪を認めさせられた人がたくさん出てくるのではないか、と私は予測する。

警察としては誤りがあったか否かを調査するだけでは足りない。なぜ誤りが起きたのか、なぜ無実の人が自白をさせられたのか、きちんと調べて結果を公表してほしい。

こうした誤りをなくすには、警察がいまだに頑強に抵抗している取調べ過程の全面可視化しかない。

そして、被疑者が否認するといつも被疑者が嘘をついていると疑ってかかり、無実の可能性を真剣に検討しようとしない警察・検察の姿勢も改めるべきだ。

週刊朝日の人権感覚は論外

週刊朝日の橋下氏批判記事。あまりの人権感覚のなさに驚愕した。
「ハシシタ 救世主か衆愚の王か 橋下徹のDNAをさかのぼり本性をあぶり出す」という週刊朝日の記事。
被差別部落出身であるとか、親の職業や行動にさかのぼって、橋下氏がDNAレベルで危険だというのだから。
橋下氏をファシズムという人がいるが、このような報道こそユダヤ人が劣っているというナチスと同じやりかたであり、本当に危険な発想であり、明らかな差別であって背筋が凍る。

私ははっきりいって、橋下氏の政策のほとんどを支持できない。
政治手法も独裁的、人権感覚に欠け、許しがたいことが多々ある。
しかし、それなら、政策や政治家としての行動を堂々と批判すればいい。
どんなに嫌いでも、その政治姿勢に危惧を抱いたとしても、血脈にさかのぼって攻撃し差別を助長する等論外である。

こうした記事をそのまま掲載するなど、最低限の人権感覚が著しく欠如しているとしか思えない。

週刊朝日は連載を中止し、謝罪の意思表示をしている。

http://www.asahi.com/national/update/1019/TKY201210190469.html

週刊朝日の河畠大四編集長は、「差別を是認したり、助長したりする意図は毛頭ないが」と言っているが、仮に原稿読んで、差別の是認や助長につながるとまったく思わずにスルーして掲載していたとすれば、それこそ言論機関としての資質・人権感覚はどうなのか。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121018/k10015852531000.html

驚いたことに、この間、週刊朝日をかばい、橋下氏を批判したり揶揄する人たちが いて、その人たちの多くが、橋下氏の政策に危機感を募らせる「リベラル」と言われる人たちであることに大変失望した。

絶対にあってはならないことは、誰に対してもあってはならないと思う。

平気で差別を助長する人、そうした企画を取り上げて恥じない人、最低限の人権感覚のない人は、そもそもリベラルと名乗る資格がないし、リベラルとはいわない。

こんな下劣なやりかたでなく、正々堂々と橋下氏の行動を検証・批判する説得力のある言論をこそ期待する。

ジャーナリズムのやることはもっとほかにあるはずだ。

2012年10月 7日 (日)

福島県 健康管理調査は一から見直しを

福島県健康管理調査の検討委員会をめぐる問題が連日報じられている。

驚くべきことに、昨年5月の検討委発足後、約1年半にわたり秘密会が開かれ、委員が発言内容をすり合わせていたという。毎日新聞、今回は執念の追跡で偉い!

http://mainichi.jp/select/news/20121003k0000m040155000c3.html

福島県も、ようやく、進行表を作成して意見調整をしていたことを認めた。予め調整された台本に基づいて本番の議論を行う、これではまさに「やらせ」と言われても仕方がない。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121005-00000125-mai-soci&1349443255

私自身、検討委員会の議事録を読むたび、あまりによどみなく予定調和的な進行がなされており、「まるで台本があるみたいだ」と思っていたが、そこまでやっていたとは。。

そして、その意見調整された内容は、人々を健康被害から守る方向ではなく、それと逆行する内容である。内部被曝の影響を過小評価する発言、最近明らかになった子どもの甲状腺がんについて、原発事故とは関連がないという発言、放射能の人体影響についての過小評価し、安全性を強調する意見、年間100ミリシーベルト以下の低線量被ばくについては人体影響がないとする共通認識。それが繰り返し、共通認識として議論されているのである。

何を必死でそこまで隠して、「放射能は健康に影響がない」というスタンスを押し通して、健康影響を必死に否定しようとしているのか。不信はいよいよ募る。

この調査は、福島県が「東日本大震災やその後の東京電力福島第一原子力発電所事故により、多くの県民が健康に不安を抱えている状況を踏まえ、長期にわたり県民のみなさまの健康を見守り、将来にわたる健康増進につなぐことを目的とした「県民健康管理調査」を実施」するというもの(県庁ウェブサイト)

当初はみんなが歓迎したはずだ。

しかし、今では福島の人々の悩みを一層深刻にしている大きな一因である。

最初に実施されたことは、全県民を対象に質問票が配らられたこと。

しかし、質問票は事故後の行動だけを尋ねるもので、体調を尋ねる問診票はなく、県民の怒りを買って、回答率は20%台にとどまっていた。

そのやりかたはあくまで「疫学調査」であり、県民は「モルモットにされている」という不信感を持っている。

住民が再三に要望している尿検査、血液検査などは実施されず、内部被ばく検査も含まれていない。

唯一見るべき検査項目と言えば、18歳までの子どもに対する甲状腺検査くらいであるが、

子どもに対する甲状腺検査も3年がかりで終了するという極めて遅い対応である。

そして大人にはまともな検査はないのだ。

今年3月の中間的な公表によれば、それまでに甲状腺検査をした子どもの35パーセント以上に甲状腺の所見(結節やのう胞)が見られたという。チェルノブイリ事故後に多くの子どもが甲状腺疾患、特に甲状腺がんになったことを考えると、とても心配な数字である。

ところが、県は、結節について5.1ミリ以上、のう胞について20.1ミリ以上でない限り安全という基準を独自につくり、それを下回る大きさの所見については二次検査の対象とせず、早くて2年後の次回の検査まで待っていてくれ、というのである。

しかし、子どものがんの進行がはやいことを考えれば、そんなに待たずに早期発見・早期治療が望ましいのは当然である。

親の気持ちからはとても2年間待っていられる心境ではないし、人道的にも問題である。

そのうえ、この調査を実施している福島県立医大の山下俊一副学長らは、甲状腺学会の医師全員に対し通知をおくり、上記方針を説明したうえで、心配した子の親から相談が来ても、「どうか、次回の検査を受けるまでの間に自覚症状等が出現しない限り、追加検査は必要がないことをご理解いただき、十分にご説明していただきたく存じます」と通達している。

このようにして、セカンドオピニオンを封じているのだ。実際、この通達の影響で、セカンドオピニオンを求めて診療を受けようとする人々が各地の医療機関で診療拒否にあっているという。

そして、所見の出た子どもの甲状腺の状態を知りたい、として親たちがエコー画像等の開示を求めても、県は開示を拒絶しているというのである。

これでは、検査を理由に、医療を受ける権利が侵害されているに等しい。

(詳しくは、ヒューマンライツ・ナウの意見を参照ください

http://hrn.or.jp/activity/project/cat11/shinsai-pj/fukushima/post-164/)

また、委員の構成も低線量被ばく問題を重視する委員は含まれていないことから、私たちは委員構成の再検討を求めてきた。

(こちらの報告書の最後の勧告部分 http://hrn.or.jp/activity/project/cat11/shinsai-pj/fukushima/201111/)。

しかし、県は私たちの要請に対し、委員の構成を変えるつもりもないし、年間100ミリシーベルト以下の低線量被ばくが危険だと考える専門家はごく少数である、と回答した。(http://hrn.or.jp/activity/project/cat11/shinsai-pj/fukushima/post-157/)

さらに、県が甲状腺の検査画像すら公開しないことについて、ガイドライン違反ではないか、と厚労省に質問したが、厚労省は私たちに回答を拒絶しており、厚労省として是正するつもりもないようである。

(http://hrn.or.jp/activity/project/cat11/shinsai-pj/fukushima/post-164/)

・・・しかし、ここにきて「やらせ」による隠ぺい体質が改めて明らかになった。

そもそも、検討会の趣旨は、県民調査の適正を独立した専門家が審査するというものであるはずであり、第三者性も独立性もなければ何らのチェック機能を果たせないことは明らかである。

検討会、そして県民調査の体制そのものを抜本的に見直す必要がある。

やらせは誰の発案で誰が関わって実施したのか、全面的に解明し、責任者の責任を明確にすべきだ。

責任を負う者の辞任・解任等の処置も伴うべきである。

ところで、この県民調査は本質を明らかにしていないが、実施過程をみれば前述のとおり、疫学調査として実施されていることは否定できない。

疫学調査であれば、疫学倫理指針に基づき、倫理審査委員会を設置し、公正中立な審査がなされるよう委員を選任し、疫学調査に関係している委員は審査に関与してはならない。

http://www.niph.go.jp/wadai/ekigakurinri/rinrishishin.htm

ところが、健康管理調査の検討委員会は、この倫理審査委員会としての要件を満たしていない。甲状腺検査を委託された福島県立医大の副学長の山下俊一氏(同大学放射線医学県民健康管理センター長)が検討委員会の座長なのである。そして、意見調整を事前にしているということであれば、独立した審査の態をなしていないことは明らかである。

まずは、検討委員会の構成は抜本的に改められ、独立した構成に変えることが急務であろう。

そして、放射線による健康影響は福島県だけの問題ではないことに鑑みれば、国が主体となった調査委員会が設置されるべきである。

また、住民の意見や要望を反映させるメカニズムをつくることも必要である。

そのうえで、県民から懸念が広がっている甲状腺検査について、速やかな改善を行う必要がある。

さらに根本的な話として、「管理調査」を改め、健康被害を防止し早期治療することを目的とし、必要な検査項目を網羅した、住民の権利としての定期的な無料健康診断制度として再出発することが求められている。

2012年10月 3日 (水)

オスプレイ配備はあまりにひどい。

先週土曜日にヨーロッパ出張から帰国した私は日曜日に京都で講演、翌日10月1日は裁判で朝から鹿児島に出張というスケジュールをこなしていた。
台風一過の輝くような朝、京都から鹿児島に降り立ち、空港でラジオを聞いていたら、陽気な女子アナが「え、種子島にオスプレイが飛んでるう?」「うそでしょ」・・・なんて会話している。まさか。しばらくして真面目な声で「種子島上空を・・」と読み始めた。そうか、同じころに同じ方向に向いて飛んでいたのか。身近なところにノーマークでオスプレイが通る恐怖にぞっとした。
そして、しばらく日本を離れているうちに、あれだけ反対運動が明確な配備反対の意志を示したというのに、強行配備されてしまった、という現実にあっけにとられた。沖縄の人たちのことを考えると、胸がはりさそうになる。あれだけ沖縄の人々がみんなで反対し、県知事、市長も含めて総意を示しているのに、強行配備されてしまった現実を、本当に信じることができない。民主主義とはなんなのだろうか。
全国知事会も反対の声明を出しているのに、沖縄がこれだけ反対しているのに、政府は平然と「安全宣言」を行い、それによって配備が可能となった。
こんなことが本当に許されるのだろうか。

昨年の9月(1年前)、そういえば私は機会があって沖縄に行った。たまたま与党(!)の国会議員が一緒だったこともあり、普天間基地について宜野湾市役所の担当の方が丁寧に説明してくださった。誠実で切々とした説明はしかし、とても許せないような内容だった。
本当に民家のまんなかにある危険な基地。日米で、普天間に関して、飛行経路に関する協定や安全協定などを締結しているという。しかし、明らかにこれを無視した飛行形態が常態化しているというのだ。
私は横田基地の騒音訴訟の弁護団に参加していたのだが、横田基地でも日米合意を無視した飛行がしばしばある。しかし、話を聞いている限りにおいて、普天間における合意無視というのは、東京にある横田基地の比ではない、ほとんど反故にされ、無視されているような状態だった。ところがそれを日本政府は是正しようとしない。明らかに沖縄差別だ、沖縄を犠牲にしているのだ、と改めて怒りを覚えた。
何か、オスプレイの飛行に当たっては安全に配慮する等と言っているようだが、これまでの違反の実態からみて信用できる話ではない。
何より考えるべきは、オスプレイは、ハワイやニューメキシコでは住民が反対して、飛行できないということだ。米国本国では、住民の声や安全を尊重して、オスプレイを飛行させることができないというのに、どうして日本ではこれだけの反対や懸念を無視して、これほど危険なのに飛行させるというのだろう。日本人は同じく尊重されるべき人間だと思っていないのだ。
アメリカは日本人を見下し、沖縄の怒りや懸念をまったく一顧だにしない。
「もうこんなところでは暮らしていけない」と追い詰められたように住民がコメントするのをテレビでみた。もし、住民が出て行かざるをえなくなり、米軍が居座ることになるとしたら、、、彼らの生まれ育った土地なのに、どうしてこんなことになるのだろうか。
住民を犠牲にし、どこまでもイエスと言い続けなければならない屈辱的な二国間関係でよいのだろうか。
政府には、国民の利益や安全を守る責務がある。真剣に考え直してもらいたい。

2012年10月 2日 (火)

ドメスティック・バイオレンス・ 女性の3人に1人が夫の暴力を受けている。

私が日頃取り扱っているケースのなかで、ドメスティック・バイオレンスの案件は大きな割合を占める。

内閣府の調査によると、女性の約3人に1人は配偶者から被害を受けたことがあり、約10 人に1 人は何度も受けているという。

http://www.gender.go.jp/e-vaw/chousa/images/pdf/h23danjokan-gaiyo.pdf

しかし、そのうち、4割はどこにも相談していないという。そして、暴力を受けても半数の女性が離婚を選択しない。その理由の一番は、子どもがいるから、子どものことを考えて別れられない、という。

私のところにくる人たちは最初のハードルを越えて、別居・離婚に踏み出した人たちがほとんど。離婚したら経済的にもちろん大変かもしれないけれど、たった一度しかない人生なのに、一生涯、暴力や恐怖に支配されて生活をする、一番大切な家、そして家庭で、毎日脅えて暮らさないといけない、ということでは取り返しがつかない。

それに、第三者が介入しないまま何のサンクションも受けないでいると、DVは既成事実化し、密室の中でどんどんひどくなる。早く、そんな支配された人間関係から自分を解放して、まずは別居してほしいと思う。離婚条件は、子どものこと、今後の生活のことを考えて、じっくり詰めていきましょう。

私の経験から見て、DV被害者は、誰にも相談しない理由はさまざま。自分で選択した結婚を失敗に終わらせたくない、自分が暴力を受けていることを人には悟られたくないという心情、自分が受け止めてあげないと相手は生きてゆけないという共依存関係、周囲からDVを二人で隠そうとする共犯関係、暴力をふるう時以外は優しい人だからいつかは変わってくれるという幻想、他人に相談して相手を刺激したらとんでもないことになるという恐怖などから、親にも相談しないし、だれにも悟られないようにするケースが少なくありません。

いじめと似ていて、自分が深刻な被害を受けているのに、そのことを誰にも言えなくなる。密室で暴力をふるわれていると、自分自身それに値するような価値のない人間のように思えてしまい、自分のことを親兄弟にも隠すようになる。

そういうスパイラルに入ってしまう前に、なんとか私たち支援者の声が届くとよいと願わずにいられません。是非周囲の人、例えば親兄弟や友人が、些細な変化、例えばおどおどするようになったとか、家に縛られたり隠しごとをしている様子などを察知して介入してほしい。

不思議なことに、夫は暴力で妻を巧妙にコントロールしているので、暴力を受けながらも、妻のほうが結婚生活を維持したいと必死にすがりついて夫におどおどと従っているケースも多く、さながらマインドコントロールのようなケースも多い。

素敵な女性たちばかりなのに、まるでゴキブリのような不当な取り扱いに甘んじている。「出ていけ」「すぐに戻ってこないともう終わりだ」と居丈高に理不尽な要求をつきつける夫におろおろする妻のマインドコントロールを解いてあげて、「別居します」「実家に戻ります」というメッセージを送る決断をさせる、すると途端に夫はあたふたとするが、後の祭りである。

とにかく、説明などいらないから、まず家を出て正常に呼吸ができる場所、まともに脅えないで自分で考えることができる場所に移動することをお勧めします。

一方、弁護士として気になるポイントは、こちらのデータ。

http://www.gender.go.jp/e-vaw/data/dv_dataH2407.pdf

配偶者暴力相談支援センターや警察に対する相談は増えているのだけれど、「保護命令」の件数ががくんと減っているのだ。

DV法が出来た時の熱気を考えるとこれは本当に残念な事態である。

「保護命令」とは、DV被害者をさらなる暴力から保護するために、相手方に接近の禁止や電話連絡の禁止等を求める命令で、厳密な立証が求められず、警察への相談の事実あるいは配偶者暴力相談支援センターへの相談の事実が明らかであれば、陳述書等の立証によって簡易迅速に命令を出して、被害者を保護しようとする制度である。

ずっと暴力に耐えてきた人たちはDVの証拠なんて残していない。多くの人は結婚生活を維持したいのだし、暴言を録音したり、けがの痕を写真撮影したりして、後で見つかったら殺されるかもしれない。そして、最後の最後になって、余裕もなく、逃げ出すのだから。そんな女性たちを救うために、立証のハードルの低いDV法が出来たのだ。

しかし、、、最近、そうした経緯が若い弁護士にあまり伝わっていないので、申立てを躊躇する弁護士も少なくないらしい。

それに、なんと相談センターが「この事案で保護命令は無理」と被害者に言ったりするケースも出てきたという。被害者が泣いて私の事務所に訪れ、私が受任して、保護命令をもらったことも少なからずある。相談センターが裁判所のようにふるまい、被害者の権利救済をあきらめさせるなんて本当によくない。

一方、裁判所も、全国的にもまちまちだが、意味もなく発令を渋り、理由もないのに取下げろというケースもあるようだ。私はそういう事案ではがんがん抗議して決定を求めるけれど、裁判官に取下げを示唆されると取下げてしまう人も少なくない。

また、当事者の中には、マインドコントロールが続いていて、保護命令など出して相手を刺激したくない、という人もいて、男性の弁護士のなかにも「相手を刺激しないように」と調停ですらDVを主張しない人もいるという。こうしたことすべてが、保護命令件数の低下を生み出しているのだろう。

ところが、おうおうにして(なぜなのか、本当に不思議なのだが)DV夫はDVの事実を全面的に争い、徹底抗戦してくる。そんな場合、なぜ機会があったのに保護命令を取らなかったのか、ということが問題となる。マインドコントロールの延長で「相手を刺激しないように」配慮して法的手続を進めていっては、相手の機嫌を損ねない範囲の解決しかできない。

この分野も、権利をめぐってたたかい、権利行使することなくして、適切な解決は期待できない。せっかくつくったDV保護命令という制度が活用されるように、法律家や支援者、そして当事者の方も、どんどん申立てをしてほしいと思う。

2012年10月 1日 (月)

領土問題・村上春樹さんに共感

尖閣・竹島をめぐって国際的緊張が高まっている。
日本国内でもナショナリズムの機運が高まり、政治家たちは、より勇ましく吠えるリーダーであることを競い、それを人々も渇望しているようで、危険である。
中国や韓国においても、繰り返される反日教育や反日キャンペーンが今の事態につながったように思える。
中国、韓国でも貧富の差が拡大し、多くの人々が貧困にあえぐ中、外に目を転じる政策であったのかもしれない。

「征韓論」などが典型的なように、国内の不満をそらすために、政治家たちはいつも対外的な侵略や隣国への敵対心をあおり、愛国心を高揚させる。
国が危機的であればあるほど、国民が困窮すればするほどそうである。
しかし、それは危険な賭けである。あおりたてた張本人も引っ込みがつかなくなり、あおられた人々ももっと断固とした行動を望み、誰も止められなくなってしまう。そしていきつくところは武力の行使である。

その最たるものがナチスのヒトラーではないか。
第一次大戦後疲弊したドイツが、国内の不満を国政に向けるのではなく、もう一度ドイツ人として誇りを持つために、対外的な侵略と排外主義・差別を政策とした。それはとどまるところの知らない侵略と人権侵害を生んだ。
ヒトラーは最後に自分は何ら恥辱や迫害にまみれることなく、責任をとることなく、自殺をした。
膨大な死と侵略行為、ホロコースト等での残虐な人権侵害だけが残された。
傷付いたのは普通の人々だった。

まだ萌芽かもしれないけれど、今、日本、韓国、中国で起きつつあることに、そうした危険性を感じる。
みんながクールダウンしないと、本当に危うい方向に進んでしまわないか、と懸念する。

そんなことをうつうつと考えていた時に、村上春樹さんが最近朝日新聞に寄せたエッセイに接した。
私が漠然と感じていたことを的確に、凝縮した形で言葉にしてくれたもので、とても共感した。

http://japanese.joins.com/article/459/160459.html?servcode=A00§code=A10

(引用)「1930年代にアドルフ・ヒトラーが政権の基礎を固めたのも、第一次大戦によって失われた領土の回復を一貫してその政策の根幹に置いたからだった。
それがどのような結果をもたらしたか、我々は知っている。
政治家や論客は威勢のよい言葉を並べて人々を煽るだけですむが、実際に傷つくのは現場に立たされた個々の人間なのだ。安酒の酔いはいつか覚める。
しかし魂が行き来する道筋を塞いでしまってはならない。その道筋を作るために、多くの人々が長い歳月をかけ、血の滲むような努力を重ねてきたのだ。そしてそれはこれからも、何があろうと維持し続けなくてはならない大事な道筋なのだ。」

政治化や論客は威勢の良い言葉を並べればすむが、現場で傷付くのは個々の人間。
敵対心をあおる政治家たちは戦地にいって傷付くことはないのだ。


また、大江健三郎氏らは、声明を発表。

「声明では日本の独島と尖閣諸島の領有権主張に関し、「韓国、中国が、もっとも弱く、外交的主張が不可能であった中で日本が領有した」と指摘。独島については、「韓国民にとっては、単なる『島』ではなく、侵略と植民地支配の起点であり、その象徴である。そのことを日本人は理解しなければならない」と反省を促した。」
という。
http://japanese.joins.com/article/443/160443.html?servcode=A00§code=A10

率直に言えば私自身は、このような視点が欠けていたし、まだ判断できない部分がある。
しかし、注意して傾聴しなければならない意見ではないかと思う。
きちんと判断するために、もっとこういう人たちの声が聞きたい。
歴史にさかのぼって、事実に照らして、きちんとした論議が聞きたい。
今、怖いのは、このような主張をする論者に対して、「非国民」ともいいかねないようなバッシングの風潮があること。ノーベル文学賞を受賞した大江氏が先陣を切らなければなかなか公の場でこのような発言をすることすら難しい状況にあるのではないだろうか。
時代が遡ってしまったように思う。
日本が成熟した民主主義国といえるのであるならば、冷静に、誰もが委縮することなく、領土問題、歴史問題について、自由に議論ができる空間が保障されなければならないと思う。

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