残虐兵器の残した傷跡と、責任を取らない大国の罪
イラク・ボランティアの高遠菜穂子さんからがブログで白リン弾に関して書いている。
http://iraqhope.exblog.jp/
レバノンで白リン弾について考えた。
レバノンの世界遺産バールベック遺跡のある町は、
2006年にイスラエル軍の空爆を受けた。
(イスラム教シーア派ヒズボラの本拠地のため)
イスラエル軍はこの攻撃で白リン弾を使用したことを認めている。
当時のハーレツ紙に、バールベックの医師が、
白リン弾の犠牲者と思われる複数のご遺体を病院で受け入れたとあった。
・・・・・・
いつも貴重な情報を提供してくれて感謝したい。
白リン弾、劣化ウラン弾、ダムダム弾さながらの新型残虐兵器・・・、ジュネーブ条約が禁止しているにもかかわらず、残虐兵器の犠牲になる人たちは後を絶たず、苦しみはずっと続く。
何の罪もない人たちが理不尽な被害に遭い続けるのだ。
しかし爆弾を落とした者の責任は全く問われない。補償もされない。
この構造を何とか変えられないものか。
イラク戦争やガザ攻撃の検証や国際犯罪としての刑事責任の追及が必要なのだ。
そのことを市民社会がいくら訴えても国際社会の壁があまりにも分厚い。
でも、私たち(HRN)も国連の協議資格をようやく取得したので、国連で何ができるか、
現場で事実調査や治療にあたっている人たち、被害者の方々とどう連携できるか、
もっと知恵をしぼって考えていきたい。
例えば、国連には人権特別手続という制度があり、拷問とか食糧の権利とかのテーマで調査をする特別報告者制度があるが、紛争下における残虐兵器による犠牲は、最も深刻な人権問題であるにもかかわらず、特別手続の対象となっていない。
軍縮マターになっているけれど、これは軍縮でなく人権マターである。
残虐な兵器を使わせない、国際的なウォッチドッグ体制を確立する必要がある。
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