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2011年11月 6日 (日)

TPP参加は並の愚策ではない。最悪の選択である。

TPP、私も元来反対でしたが(一時は、「早めに入ってルール作りに参加した方がいいんじゃないか」と思ったことすらある、恥ずかしながら)、最近ようやくまとまった勉強して、
あまりに危険だと今さらながら気づき驚愕と反省。
こんなものに参加したら、日本が破壊されてしまう! ということがわかった。

これは「反対」と思いながらそれでも「あーあ」という感じで通ってしまった様々な悪法とはわけが違う。
どうしても反対しないといけない、最悪の選択だ。

いまさら騒いでも遅きに失しているけれど、加入が決まってからでは遅すぎるのだ。よく考えてみないといけない。

多分、多くの方がよくわからないなあ、と思っているけれど、ちょっと調べてみてほしい。
わかりやすい資料はこれ。
http://luna-organic.org/tpp/tpp.html
初心者にもわかりやすい。是非読んでいただきたい。

そして、最近になってだんだんアメリカの本音が漏れ伝わってくるようになった
昨日の東京新聞一面に、TPP内部文書について書かれている。
内部文書によると、日本のTPP参加には米国が以前から求めている関税以外の規制改革が重要だそうだ。
それには、簡保や共済の規制改革、残留農薬などの食品安全基準、電気通信、法曹、医療、教育、公共事業などでも日本の「過剰な規制」が改革の対象となるとのこと。

つまり、アメリカから狂牛病、放射能汚染はじめ、危険な物質が入ってきても、アメリカ基準で緩和して、危険な食べ物や医薬品を受け入れなくちゃいけない。
アメリカの医療保険の参入の邪魔になる日本の国民皆保険制も解体の対象となる。法曹界も日弁連の規制に服さなくて良いことになるでしょう。一回TPPに入ったら、米国は「貿易障壁の完全撤廃」「規制緩和」を求めて対日要求をエスカレートし拒むのは到底困難となる。
一度入ったら丸裸にされるアリ地獄。アメリカはこれまでやりたくてできなかった日本の規制緩和をすべて実現するカードを握る。政府は、わかっているのになぜみすみす罠にはまる? 

明らかに、明らかに、国益に反している。


調べた限り日弁連はTPPに反対の意見表明をしていないようだ(はやく反対して! こんな重大なことなのに)。
さらに調べてみると、法律家の団体で反対表明していて詳しいのは自由法曹団の以下の意見書。
TPPに参加するアメリカの意図や、以下のくだりが本質を喝破していると思う。
「日本がTPPに参加した場合、市場拡大を目指すアメリカが『貿易障壁の撤廃』と称して、さらなる規制緩和を求めることは火を見るより明らかである。TPPがすべての『貿易障壁』の撤廃を目指している以上このアメリカの要求を拒むことは極めて困難となる。」

http://www.jlaf.jp/html/menu2/2011/20110726181414_5.pdf

それでもイメージわかない、という方、考えてみてほしい。
私の見たところ、米国の一番の狙いは、日本の国民皆保険制度の解体による外資系医療保険の参入だと思う。
行き詰る米国経済の打開のために日本に経済進出し、日本の市場を狙いましょう、という米国から見れば極めて合理的な戦略でしょう。しかし、みなさんもマイケル・ムーア監督の「シッコ」を見て、アメリカの医療制度に戦慄し、「日本でよかった」と安心したと思いますけれど、TPPに入ったら、日本が早晩あんな状況に陥ってしまう危険性が高いわけです。

「Michael Moore 監督/米国にない日本の素晴らしさ語る」
http://www.youtube.com/watch?v=MJ9rsYuF0OE

そう、考えてください。

健康保険がなくなっちゃう、高額所得じゃないと病院にもいけない、解雇されたり倒産したらもう健康保険から締め出されてしまう、そんなアメリカみたいな国になりたくなかったら、是非反対しないといけない。

いつも対米交渉が下手な日本。TPPという錦の御旗までとられて、対米要求を拒めるわけはない。
あなた参加したんでしょ、ルールに従いなさい、ということになる。

メディアは本当のことを言わない。だから勉強して、反対しなくちゃ。

戦後日本の、いろいろありつつも築いてきた市民の生活とそれを守ってきた規制。
そういうものを根こそぎ奪われ、弱肉強食がこれ以上進んでしまう。
市民にできるのは、ブログ、フェイス・ブック、ツィッター、街頭で騒ぐこと。
騒がないととんでもないことになってしまいます。

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