転載歓迎 被災者保護の国際ガイドライン
こんにちは。ここのところ、被災地をめぐり、陸前高田、大槌、南相馬、郡山、飯館村などで、ヒューマンライツ・ナウとして、被災者の皆様の人権状況の調査に当たったり、被災者の方々の法律相談に乗ったりしていました。
本日は仙台からようやく帰宅しました。その様子、Facebookなどに単発でいろいろと情報提供させていただいています。
今日は、被災者保護の国際ガイドラインなどのお知らせです。
私たちヒューマンライツ・ナウでは、これまでアジア地域の深刻な人権問題の調査や提言をしてきましたけれど、東日本大震災そしてその後の被災者の方々の苦悩、というこれまでの活動地域と同じくらい、いえそれ以上に深刻な人権問題が起きている今、ヒューマンライツ・ナウとして、被災者の方々を取り巻く問題について、人権の視点から提言したり、活動をしていこう、ということになりました。
特に、この分野では、国際的な被災者保護の基準・ガイドラインが確立していますので、そうしたことを踏まえて日本でいま必要なことをぜひお伝えしていこうと、思っています。
現在市民社会がたくさん被災者支援に入っていらっしゃいますが、政策提言分野はとても手薄なように思います。特に、国際的に確立された人権の基準を日本やアジア地域で実現しよう、というのはそもそもヒューマンライツ・ナウのミッションですので、それをこの被災という分野でやっていこう、人権の視点から政策提言をしていこう、と思っています。
そこで、国際的なガイドラインを多くの支援関係者の方々に知っていただければと思っています。転載も是非! よろしくお願いします。また、ヒューマンライツ・ナウとしてのこうした国際基準を踏まえた政策提言もしています。
以下、メールマガジンからのご紹介です。
【1】緊急支援にあたる国際機関からなるIASCが2011年1月に発表した、
「自然災害発生時の被災者保護に関する運用ガイドライン」
を急きょ仮訳し、発表いたしました。
http://hrn.or.jp/activity/topic/post-99/
東日本大震災から1か月以上経過していますが、被災者の人権・
保護という点で課題が多くあります。
ヒューマンライツ・ナウでは、このたび、緊急支援にあたる
国際機関からなるIASCが2011年1月に発表した、被災者保護、
脆弱な人々への配慮に関する運用ガイドラインの仮訳を行いました。
政府、自治体・NGOなど被災者支援にあたるすべての方々にご考慮
いただければと思います。
(仮訳に当たっては、ホワイト&ケース法律事務所に多大なご協力
をいただきました。)
なお、このガイドライン等を参照して、ヒューマンライツ・ナウ
としての意見表明を以下の通り行っておりますので、ご参照くだ
さい。
http://hrn.or.jp/activity/topic/post-93/
http://hrn.or.jp/activity/project/cat11/post-95/
【2】「福島原発周辺住民に対する不当な差別に関するステートメント」
を発表しました。
http://hrn.or.jp/activity/topic/post-97/
【3】「【緊急声明と要請】子どもに「年20ミリシーベルト」を強要する
日本政府の非人道的な決定に抗議し、撤回を要求する」
に賛同し、団体として署名しました。
http://hrn.or.jp/activity/topic/20/
【4】「親と別離状態の上に法的な保護者もいない
子どもたちの保護に関する指針」の暫定仮訳を公表しました。
http://hrn.or.jp/activity/Child%20Guideline%20_jp.pdf
をご確認ください。
今回の震災で多くの子どもたちの親が死亡したり行方不明になっており、
子どもたちの将来についてどのような支援をしていくかが問われています。
今回HRNが緊急に、暫定版の仮訳を公表したのは、過去の国際的災害
の経験を踏まえて、国際赤十字等の団体が発表した、
保護者を失ったり別離状態にある子どもへの保護・対応の指針です。
日本で現在発生している事態に対しても、こうした指針を尊重・
参照した解決がなされることを期待します。
この指針に基づき、ヒューマンライツ・ナウは以下の見解を
公表しています。
http://hrn.or.jp/activity/topic/post-96/
HRNでは今後とも、人権の観点から被災者への支援・救助、そして
復興政策について政策提言を続けていきますので、是非よろしく
お願いいたします。
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