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2011年5月 8日 (日)

南相馬・飯館村で

先週末に郡山、南相馬、飯館村に行ってきました。現実が重すぎて感想がまとめられませんが、とりとめなく書いたものを公開いたします。

飯館村の状況が痛いほどわかるのは、ずっと村に張り付かれていたジャーナリスト・森住卓さんの以下のフォトブログです。本当によくわかります。

http://mphoto.sblo.jp/

===以下、私の書いたものです===

先週末に郡山、南相馬、飯館村に行ってきました。地元の方々がよくご承知のことも多いと思い、大変僭越ながら、感想をご報告します。

大変強く感じましたのは「国から捨てられる」という強い気持ちを持っていらっしゃる県民の方々のお話しでした。

南相馬等の避難地域から避難された方々の中には、一時避難先からさらに全国の旅館・民間住宅などに散り散りに飛ばされて、

いわば「コミュニティから切り離されて、丸裸にされて、放り出された」(おあいした方の表現)という状態の方々も多く、

避難地域でない場所の方々も、次第に避難地域の範囲が拡大して、自分たちもそうした境遇に遭うのではないか、

そのうち福島は消えてなくなるのではないか、と心配されて夜も眠れない、という心境だとお聞きしました。

特に高齢者、精神障がい者の方々は大変で、南相馬の精神障がい者の方々が、

精神障がい者施設から廃校になった学校に避難させられ、その後福島市内の温泉21か所に

ばらばらに送り込まれて誰もケアする人がいない、という状態になったとのこと。

他方、差別されたり、避難先で石をぶつけられて福島に帰ってきた人もいる、とのこと。

だから、「子どもだけでも早く避難させろ」という人がいるけれど、自分たちだって差別されるのではないかと怖いのに、

自分の手の届かないところに子どもだけ避難させるなんてとてもできないとのこと。

飯館村では、もう避難をしなければならない方向になっているわけですが、

コミュニティを維持したかたちでなんとか県内に移転を進められないか、と交渉しているとのことでした。

ただ、高齢者を動かせないとか、牛(飯館牛はブランド牛だとのこと)と一緒に暮らすと言って、てこでも動かない方々も少なくないようです。

高齢者施設は受け入れ先もなく、たらいまわしがお年寄りを危険にさらすので、「ここに残りたい」と思っていらっしゃるとのこと。

(私たちがおあいした飯館村の福祉会の方が先週のNHKのニュースウォッチに出られたそうです)

すべてを捨てて避難をして、国はなにかしてくれるのか、別の場所に行っても差別され、生活の値を断ち切られるだけではないか、

仕事もあり受け入れ態勢もある生活環境をすべて国がきちんと補償してくれるというならいいけれど、

そういう約束もないのに、余裕があって避難できる人はいいけれど、ここでしか暮らせない人は、移転なんてできない。

ということを、共通して訴えられました。

その一方で、放射能の危険性について「全然問題ない、安全だ」と思い込んで安心していたい、という雰囲気や、

避難した人たちに対して「見捨てられた」「裏切られた」という思いを抱いている方もいて、そうした雰囲気も心配になりました(土地を心から愛している人たちが見えない放射能を前にそうなってしまう心境はよくわかるのですが、、森住さんのブログに書かれています)。

コミュニティの維持とはっきりとした明確な補償の提示・生活手段の確保、こうしたことが早く実現しないと、動くに動けない、

という皆さんの思いはまさにそのとおりだと思いました。

以上、あまりの現実の重さに、どうしても話がまとまりません。

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