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2011年2月 7日 (月)

中東の民主化と米国の影

チュニジアに続いて、エジプトでピープルズ・パワーが社会を変えつつある。とても感動的な光景である。変革が実現するにはまだ時間がかかるだろうし、人権侵害も報告されている。悲劇的な弾圧などがおきることなく、対話で政権移譲プロセスが実現することを望みたい。

  しかし、こういう動きは世界で苦境にある人々を限りなく励ますものだ。先ほども、ビルマ人の若い子に、ビルマも早くチュニジアやエジプトみたいなプロセスに進むといいね、と話していたところだ。

どうやら、アメリカがムバラク大統領側に傾かないようだ。フィリピンのマルコス独裁を支持し続けたアメリカがピープルズパワーの前についにマルコスを見放した時が思い出される。

しかし、アメリカがマルコス独裁を支持していたことはぞっとするような話だが、未だに中東各国では、アメリカが石油、テロとの戦い、中東和平など利害関係のなかで、サウジアラビアなど、抑圧体制にある国々を支持し、「人権侵害国に軍事援助をしない」との国内法にもかかわらず、巨額の軍事費援助をしている。このことはきちんと問われなければならない。

ヒラリーの演説は悪くないが、アメリカは中東の抑圧的国家を利用してきたこれまでの態度を全面的に変えることができるか、が問われるところだろう。

私は中東の民主化が進むこと、そして大国の影響がこれらの国のあり方をゆがめないことは、究極的には中東和平も含む地域の安定やテロの根絶にもつながる方向性だと思っている。

http://mainichi.jp/select/opinion/jidainokaze/news/20110206ddm002070109000c.html

同志社大教授・浜矩子氏

この点で気掛かりなのが、アメリカの対応だ。中東和平とテロとの闘いという二つの側面において、アメリカはアラブ世界の独裁者たちに依存してきた面が多分にある。そのよしみで、民主化を求める中東市民の声にアメリカが冷たくするようであってはならない。

http://www.nhk.or.jp/news/html/20110206/t10013882551000.html

アメリカのクリントン国務長官は、ドイツで演説し、反政府運動が広がっているエジプトをはじめとした中東各国に対し、国民の要求に応え、民主化を速やかに押し進めるよう訴えました。

クリントン国務長官は5日、ドイツのミュンヘンで開かれている安全保障問題を話し合う国際会議で演説し、「中東では、民主化という名の嵐が吹き荒れている。しばらくは持ちこたえられるかもしれないが、今のような体制は長くは持たないだろう」と述べました。そのうえで、「開かれた政治体制を築いていかなければ、国民と政府の溝はますます深まり、国が不安定化するだけだ」と述べ、エジプトなど、反政府運動が広がる国に加え、サウジアラビアなど中東諸国に対して、民主化を速やかに推進するよう訴えました。一方、緊迫した状態が続くエジプト情勢についてクリントン長官は、政権を速やかに移行させる必要性を改めて強調しながらも、「誰かがリーダーとしてあらわれるのには時間がかかる」とも述べて、政権の移行に一定の時間がかかることに理解を示しました。クリントン長官の発言の背景には、エジプト国内での抗議デモが、4日の金曜日を経てやや沈静化し、反政府運動が長期化する様相を示し始めたことを受けて、アメリカ政府としても状況を慎重に見極めようというねらいもあるものとみられています。

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