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2010年12月

2010年12月30日 (木)

新年もよろしくお願いします。

皆様へ

本年は大変にお世話になり、ありがとうございました。今年はずっと走り続けてきましたけれど、年末にエネルギー切れになりました。

これからしばし、パワーチャージにでかけてまいります。

さて、親しい方に送りました年賀状には以下のようにメッセージを書いています。

日頃のご厚情に心より感謝申し上げます。新年も弁護士活動と国境を越える人権NGO活動に尽力し、時代と向き合いつつ、夢をひとつずつかたちにする年にしたいと思います。皆様にとって素晴らしい年となりますよう。(以上)

世相が暗いとか、政治が混迷しているとか、そのなかでどうあらねば、ということを論評することは多くの方がやっていらっしゃると思いますので、私としてはもう少し明るく、抱負を書いてみました。

こんな時代こそ前向きに、皆様とご一緒に、将来に向けてひとつひとつの仕事を積み重ねていきたいと思います。

新年も是非、よろしくお願いいたします。

2010年12月25日 (土)

明日・ビルマ緊急報告会のお知らせ

11月のアウンサンスーチーさんの釈放&ビルマの総選挙の瞬間を取材していたジャーナリスト、そしてメータオ・クリニックの田辺さんをお呼びして、めったに聞けないビルマの実情についての緊急報告会を開催します。明日の開催ですが、是非ご参加いただけると嬉しいです。以下ご案内です。

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【ビルマ(ミャンマー):報告会のご案内】

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1226日・総選挙・スーチー氏解放後のビルマの状況

 現地取材ジャーナリストと医師が語る ~

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ビルマでは11月に総選挙が行われ、軍政が推薦した政党が圧勝したといわれていま

す。その直後に民主化運動のリーダー、アウンサンスーチー氏が解放されました。その間もタイ・ビルマ国境は戦闘状態でたくさんの難民が国外に押し寄せています。

フォト・ジャーナリストの丹羽理さんは、2010年11月に行われたビルマ国政選挙の前後を通して2週間ビルマ国内(主にヤンゴン)に滞在され、写真撮影をされました。現地の方とふれあい、アウンサンスーチーさんが解放される現場にも立会い、現場の人々の様子を写真に収められてきました。

選挙投票場の様子や、一般の方々が選挙期間中にどのようなことを感じていたのか

等、選挙期間中の生のビルマ情勢について、写真を見せていただきながらご報告いただきます。

また、田辺文さんはタイ・ビルマ国境のメータオ・クリニックに勤務され、少数民族を中心とするビルマの人々の苦境をつぶさに見てこられました。田辺さんには総選挙後のタイ・ビルマ国境の情勢についてもお話しいただきます。

ビルマ情勢にご関心のある方々は、ふるってご参加ください。

■日時:12月26日(日)15:30~18:00

■場所:JICA地球広場 401セミナー室

(東京メトロ日比谷線 広尾駅下車(3番出口)徒歩1分)

http://www.jica.go.jp/hiroba/about/map.html

■ 報告者

丹羽 理(フォト・ジャーナリスト)

田辺 文(医師)

■プロフィール

丹羽 理(フォト・ジャーナリスト)

DAYS JAPANなどに記事等を掲載。

今年11月、総選挙実施中のビルマを取材し、アウンサンスーチー氏釈放時の様子を取材。(ウェブサイト:http://satoruniwa.sites.livebooks.com/ )

田辺 文(医師)

2008年同僚や有志を中心に結成されたNGOメータオクリニック支援の会

http://www.japanmaetao.org/)に立ち上げメンバーとして参加。

2009年より12ヶ月の現地派遣され

外科病棟、および学校保健アウトリーチサービスのスタッフとして勤務。

現在整形外科医師として病院勤務の傍ら

NGOの日本事務局にて支援活動を行う。

■参加費 500円

■主催  特定非営利活動法人ヒューマンライツ・ナウ

■協賛  ビルマ市民フォーラム

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2010年12月19日 (日)

裁判員制度下で死刑求刑・無罪判決の意義

12月10日、鹿児島夫婦強殺事件・死刑求刑に対して無罪判決が言い渡されました。

死刑か無罪かを争う究極の選択に対して、裁判員が下した判断は「疑わしきは被告人の利益に」の原則に徹した無罪判決でした。

私も以前より注目してきた事件で無罪判決になるかどうか注目してましたが、10日の朝にメディアからコメントを求められて、本当に無罪判決が出たということで驚き、そして感動しました。

裁判員制度の本当の意義は、争いのある事件で、無罪推定原則に従って、良識に従って事実を認定することにあります。私自身、裁判員には、市民として曇りのない目で、裁判官から独立して、「疑わしきは被告人の利益に」の原則を本当に貫いて、判断をしてほしい、とずっとメッセージを送ってきました。

それが、初めての無罪を争う死刑求刑事件で、現実に裁判員が無罪判決というかたちで判断を下されたことに、本当に敬意を表したいと思います。

これまで、ずさんな証拠収集でも裁判官は検察の立証を有効にチェックすることなく、そのまま追認・黙認し、有罪判決を下してきた例は枚挙にいとまがなく、それが今回の鹿児島の事件の立証でも端的に表れているわけですが、裁判員制度のもとでは、それでは通用しないことになります。

検察は、上級審で争うことなく、市民の判断に従い、市民から向けられた証拠収集活動への疑問を今後の教訓として、今後の捜査の在り方を真摯に再考すべきです。

本来巨額の税金から給与を受けている裁判官こそが憲法の番人として、無罪推定原則に従って認定をする責務を有しているのに、裁判員制度になるまではこのような事件について有効なチェックがなされなかったというのは重大な問題と言わなければなりません。

裁判官も今回の判決を教訓にする必要があるでしょう。

今回の判決は、死刑求刑の重大事件も、裁判員裁判で適切な判断がなしうることを示したリーディング・ケースとして、今後の裁判員裁判の参考として生かしていくことが大切だと思います。

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20101210k0000e040021000c.html

鹿児島夫婦強殺:被告に無罪判決 死刑求刑裁判員裁判で初

 鹿児島市で09年、高齢夫婦を殺害したとして、強盗殺人罪などに問われた同市の無職、白浜政広被告(71)の裁判員裁判で、鹿児島地裁(平島正道裁判長)は10日、無罪(求刑・死刑)を言い渡した。判決は「現場から見つかった指紋とDNA鑑定の一致だけでは、被告を犯人と推認するには遠く及ばない。他の状況証拠を含め、犯人と認定することは『疑わしきは被告の利益に』の原則に照らし許されない」と述べた。

 裁判員裁判の全面無罪は2件目だが、死刑を求刑された被告に対しては初めて。判決は「現場保存が完璧だったのか、真相解明の捜査が十分に行われたかも疑問」と捜査の問題を指摘した。市民感覚を反映した判決が、検察側の立証に疑問を投げかけた形で、今後の捜査や裁判に影響を与える可能性がある。

 最高裁によると、死刑求刑に対する1審での無罪判決は75年以降4件しかなく、今回は08年の水戸地裁土浦支部以来。

 被告側が全面無罪を主張し、「犯人」かどうかが最大の争点だった。検察側は、現場となった被害者宅の掃き出し窓のガラス片やたんすなどから採取した指紋と掌紋、網戸から採取した細胞片のDNA型が、いずれも白浜さんのものと一致したことを挙げ「被告が犯人でなければ合理的な説明は不可能」と主張していた。

 判決はDNAについて「鑑定は信用できるが付着場所が断定できない。過去に網戸を触った事実にとどまる」と認定。たんすの指紋については「被告が過去に触った事実は動かないが、今回の犯行時に付いたものとは認めきれない」と述べた。ガラス片の指紋も「割れた後に付いたとは断定できない」とした。

 判決は、指紋とDNAについて捏造(ねつぞう)や偽装の可能性を訴えた弁護側主張を否定。「被害者宅に行っていない」とした被告証言も「うそ」と判断したが、「その一事をもって犯人と認めることはできない」と述べた。すべての検討結果を踏まえて、「本件程度の状況証拠で犯人と認定することは許されない」と結論付けた。

 裁判は、11月1日の選任手続きから、裁判員裁判としては最長の40日間の日程が組まれた。11月17日の結審後、これも最長の14日間(予定)の評議があった。証人尋問は捜査員ら27人にのぼり、裁判員初の現場検証もあった。判決後、裁判員と補充裁判員の8人全員が地裁内で会見した。【川島紘一、黒澤敬太郎、銭場裕司】

 上級庁と協議 鹿児島地検

 鹿児島地検の江藤靖典次席検事は「内容を十分に検討し、上級庁とも協議したうえで、適切に対応したい」と述べた。

 裁判員裁判の無罪判決

 裁判員6人と裁判官3人の評議で有罪か無罪か意見が分かれた場合は、多数決で結論を決める。ただ、被告に不利な判断(有罪認定)は、裁判員だけではできず、少なくとも1人の裁判官が賛成する必要がある。無罪を言い渡した今回の判決は(1)過半数(5人以上)が無罪を支持した(2)無罪意見は過半数に達しなかったが3人の裁判官全員が無罪を支持した--の2ケースが考えられる。

 起訴内容

 白浜被告は09年6月18日午後4時半ごろから翌19日午前6時ごろまでの間、鹿児島市下福元町の蔵ノ下忠さん(当時91歳)方に侵入し=住居侵入罪、金品を奪う目的で忠さんと妻ハツエさん(同87歳)の頭や顔を金属製スコップで多数回殴り、殺害した=強盗殺人罪=とされる。

Xmas 休暇の前に

先週はとにかく忙しく、私もすっかり参ってしまいました。

あっという間に年の瀬なので、とにかく年内にやらなければならないことが多すぎて、「守り」に入り、必要不可欠でない外部会議はすべてキャンセルして仕事に取り組んでいるところ。ブログもすっかりご無沙汰してしまいましたね。

「年内になんとかしたい」というクライアントの皆様のご要望に、もれなく対応させていただくべくがんばっております。

仕事と並んで、困ったのは、対外的な交渉。

先週は重要案件で外国の方々と交渉する機会が多く、日本でもEU関係者はじめ大使館関係者、アメリカの法曹関係者、ニューヨーク国連代表部の方々、バンコクの方々、などとどうしても年内に交渉を進めないといけないのに、みんな先週の早いうちからXmasをとってしまいます。

本国に帰国してしまい、1月中旬まで戻ってきません、などと言う方が多く、皆さんを捕まえるのに必死。先方も「年内になんとかしましょう」と動いてくださるのですが、時差があるために昼も夜も息つく暇もなく、朝起きると大量の英文メールが。早起きしては英文で回答して仕事や講演、地方出張にいく毎日でした。

ぼんやりしている暇はありません。そんなわけで、まだ年賀状は未着手で、今年名刺をいただいた方に新年のご挨拶ができるのか、、、

どうやら風邪を引いたようで、今週の展開が不安ですが、先週のスパートと、いずれにしても欧米の交渉相手の皆さんはXmas休暇になってしまったので、少しは落ち着くかもしれません。

早く、自分にご褒美できるゆったりとしたひと時を迎えたいものです。

2010年12月 9日 (木)

いよいよ12月9日、世界人権デーの イベントに是非。

いよいよ明日12月9日、以下の世界人権デーシンポを開催します。

昨日は、山花外務大臣政務官からビデオメッセージ、今日は千葉前法務大臣からメッセージをいただきました。

是非個人通報制度実現へのよい流れをつくりたい、と思いますので、是非みなさまご参加いただきますよう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ヒューマンライツ・ナウ主催 

世界人権デー記念シンポジウム

    今こそ人権条約機関への個人通報制度の実現を

~世界標準での人権救済に道を開こう~

http://hrn.or.jp/activity/event/post-82/

●日   時/ 129日(木)18302030(開場1815

●会   場/ 青山学院大学 6号館 1階 法廷教室

人権侵害を受けた個人が裁判所に救済を求めても、裁判所が訴えを認めてくれない、そんなときに、国連の人権条約機関に個人が人権侵害の救済を求めるシステムがあることをご存知ですか?

日本が批准している自由権規約、人種差別撤廃条約、拷問等禁止条約、女性差別撤廃条約には、このような個人の人権救済申立を認める「個人通報制度」があり、世界の多くの国々がこうした制度を受け入れています。

世界のあちこちで、国内の裁判所では救われなかった被害者が、「個人通報制度」を通じて人権侵害から救済され、人権政策が見直されていますが、日本はまだこの制度を受け入れず、世界標準の人権保障から取り残されているのが実情です。人権を侵害された個人の通報を受けて条約機関が日本政府に改善を促すことは,その個人の人権の救済につながるだけでなく,日本の行政や司法全体の改善につながります。

現政権を担う民主党は、個人通報制度の実現をマニフェストに掲げており、その実現が注目されます。今こそ、「個人通報制度」の早期実現にむけた具体的ステップを踏み出すべきです。

本シンポジウムでは、いつかではなく,今,個人通報制度を実現するには,どうすればよいか、個人通報制度が実現されると,具体的に日本の社会はどう変わるのか,各分野の第一線で活躍する方々を迎えて,議論したいと思います。多数の皆様のご参加を心よりお待ちしております。

≪ご 挨 拶≫  山花郁夫氏(外務大臣政務官)

≪報  告≫  国連の人権救済システムと「個人通報制度」 

ヒューマンライツ・ナウ

≪発  題≫     

     林 陽子氏(弁護士 女性差別撤廃委員会 委員)

 ◇パネルディスカッション

     岩沢雄司氏(東京大学教授・自由権規約委員会委員長)

     林 陽子氏(弁護士 女性差別撤廃委員会 委員)

     松浦純也氏(外務省人権条約履行室室長)

     阿部浩己氏(神奈川大学法科大学院教授・ヒューマンライツ・ナウ理事長)

◇オープン・ディスカッション

      ~国家議員からの発言、当事者の発言など

   コーディネーター   東澤靖 氏 (弁護士 ヒューマンライツ・ナウ理事)

  挨拶  後藤弘子( 千葉大学教授 ヒューマンライツ・ナウ副理事長)、新倉修(青山学院大学教授 ヒューマンライツ・ナウ顧問)

     参加/  資料代 500円  ※人数把握のため、できる限り事前のご予約をお願いいたします。

 (連絡先)ヒューマンライツ・ナウ事務局 

メール < info@ngo-hrn.org > または FAX<03-3834-2406

主 催  特定非営利活動法人ヒューマンライツ・ナウ

協 賛  国際人権法学会

≪ゲスト・パネリスト紹介≫

・山花郁夫氏

外務省政務官。2000年衆議院議員初当選。民主党副幹事長、政調副会長など歴任。現在3期目。

20098月衆院環境委員会筆頭理事、党国対副委員長。20109月から現職。

・岩沢雄司氏

東京大学法学部教授。2007年より自由権規約委員会委員、2009年より同委員

長。アジア開発銀行行政裁判所副所長、国際法学会常務理事、国際人権法学会理事

・林陽子氏

弁護士。2008年以降、女性差別撤廃委員会委員、社団法人自由人権協会(JCLU)理事、

女性法律家協会副会長、内閣府男女共同参画会議「女性に対する暴力専門調査会」委員、国連特別

報告者、早稲田大学法科大学院教授などを歴任。

・松浦純也氏

外務省総合外交政策局 人権人道課人権条約履行室長。

・阿部浩己氏

ヒューマンライツ・ナウ理事長、神奈川大学法科大学院教授。

・東澤靖氏

ヒューマンライツ・ナウ理事、弁護士、明治学院大学法科大学院教授。

別件逮捕ではないのか。

「別件逮捕」とは、「本件」の取調べ目的で、逮捕の要件を満たす他の事件(別件、通常は本件より軽微な事件)について被疑者を逮捕することであり、本丸の事件の証拠が薄弱な場合に通常用いられるもので、違法・不当な逮捕である。

ウィキリークスのアサンジ氏の逮捕の報を聞いて、真っ先に頭に浮かぶのはこの「別件逮捕」という言葉である。日本の冤罪事件で使い古された古典的な違法逮捕の手法が国際的に用いられたのか、と驚かされるような思いすらした。

 内部告発者の声を届ける者をここまで露骨に叩きのめすのか。

 世界がスウェーデン政府に圧力をかけて逮捕に至らせた本当の目的、つまり、「本件」は外交機密・軍事機密の暴露ということであろうが、仮に戦争犯罪行為が人々に知らされないまま遂行されているのを暴露するのだとしたら、戦争犯罪行為と軍事機密の暴露はどちらが罪が重いのか、仮に構成要件に該当しても正当行為に該当して違法性が阻却される場合もあるのではないか、よく検討してみなければならない。

逮捕状を出したのはスウェーデン政府であり、アサンジ氏は早晩スウェーデンに送還されるであろう。

スウェーデンは人権先進国であり、身体拘束にあたっても被疑者取調べにあたっても人権尊重が徹底し、「無罪推定」原則が堅持される国として国際的に高い評価を受けている。私たち日本の法律家もこうしたプラクティスに憧憬の念の抱き続け、日弁連として何度も視察に訪れたものである。

そしてスウェーデンは、「ノン・ルフールマン原則」を貫いていることで知られる国でもある。この原則によれば、「テロとの戦い」の名のもとに拷問を行ったり、死刑制度を存置する国に、自国の拘束下にある者を引き渡してはならないことになるだろう。

アサンジ氏への容疑がどの程度確実なものであるかは知る由もない。しかし、途方もないほどの外交圧力など様々な問題は予想されるものの、スウェーデンがこうしたこれまで世界に誇ってきた刑事司法手続や引き渡しに関する国際原則を、アサンジ氏のケースでも堅持・保障するかをきちんと監視していきたいものである。

2010年12月 8日 (水)

武器輸出三原則緩和を断念

政権運営のためということがあるのだろうけれど、私としてはとてもほっとしています。

菅首相には是非昨日発言したことを今後とも堅持していただきたいと思います。

http://news.nifty.com/cs/domestic/governmentdetail/yomiuri-20101207-00876/1.htm

政府は7日、原則としてすべての武器と関連技術の輸出を禁じた武器輸出3原則の緩和について、新たな「防衛計画の大綱(防衛大綱)」への明記を見送る方針を決めた。

 菅首相が連携強化を目指す社民党が明記に反対していることに配慮したものだ。緩和の明記に積極的だった北沢防衛相も譲歩する考えに傾いた。首相は7日、防衛相と首相官邸で会談し、明記を見送る方針を確認した。

 政府は当面の代替案として、新大綱に〈1〉国内での防衛装備品の自前調達が、3原則で禁止されている共同開発・生産による調達より費用が2倍以上必要〈2〉現状では国内の防衛産業の技術維持や育成に支障――などの問題点を列挙する。将来的な緩和に余地を残すため、3原則緩和を「今後の課題」と位置付け、政府内で議論を継続する方針だ。

http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819481E2E5E2E19C8DE2E5E3E0E0E2E3E28297EAE2E2E2

政府は7日、月内に閣議決定する新たな防衛計画の大綱(防衛大綱)に、すべての武器や関連技術の輸出を原則として禁ずる武器輸出三原則の見直しを明記しない方針を決めた。菅直人首相が同日午後、首相官邸で北沢俊美防衛相と会談し、合意した。首相は社民党に政権運営での協力を求めており、同党が三原則の堅持を強く求めていることから、三原則見直しの明記を断念した。

 首相は7日夜、首相官邸で記者団に、防衛大綱をめぐる武器輸出三原則の取り扱いについて「基本理念をしっかり守る姿勢で対応したい」と堅持する意向を示した。

2010年12月 6日 (月)

福島さんにがんばっていただきたい。武器輸出三原則

先日お伝えした武器輸出三原則の見直しの問題、民主党は賛成が多数派になっているようで、本当に失望というしかない、、

しかし菅首相は最終決断しておらず、明日、福島瑞穂さんが党首会談をするという。瑞穂さん、本当にがんばっていただきたい。

これは、以前もブログでコメントした通り、経済の面から国を「戦争に依存する国」にするもので、取り返しがつかない愚策である。福島さんもそう言っている。

そして、戦地で人を殺す兵器を日本からつくってよいのか、罪もない人々を殺す手段を日本が他国に輸出してよいのか、ということでもある。日本が、私たちが紛争下での罪もない民間人の殺害に加担することにつながりかねない、本当に重大な問題だ。

http://www.47news.jp/CN/201012/CN2010120501000424.html

福島党首、武器三原則堅持求める 6日の党首会談で

 社民党の福島瑞穂党首は5日、千葉県八千代市での街頭演説で、北沢俊美防衛相らが目指す武器輸出三原則見直しに関し「菅直人首相に『見直しは駄目だ』と、がつんと言う」と述べ、6日の党首会談で堅持を求める考えを示した。

 三原則をめぐり福島氏は2日の党常任幹事会で、見直すならば来年の通常国会で審議される2011年度予算案への反対も辞さない姿勢を示している。首相の対応次第では今後、福島氏が予算案を「人質」に三原則堅持を求める可能性がある。

 街頭演説で、福島氏は「日本の武器を海外に売るかどうかの岐路だ。いったん軍需産業に依存したら、戦争がないと生きていけない社会になる」と懸念を表明した。 また、「自民党政権もやらなかったことを、民主党がやるのはおかしい」と批判。党首会談では社民党が主導してきた労働者派遣法改正案についても「来年の通常国会での成立を、首相にものすごい勢いで迫りたい」と述べた。

ショートカット

実は9月に髪をばっさりと切ってショートカットにしたんですね。

ブログその他の写真も以前のままにしてますが、先日毎日新聞に私のOpinionを写真つき掲載していただいたのを見た方々から、「あれ、どうした」と聞かれたりしていますが、そうなんです、切りたくなって、切ってみたのです。

髪型はすぐれてジェンダーなイシューなのか、母親をはじめ女性はショートになったほうがよく似合うといってくれますが、男性はそうでもないのが不思議なところ。

自分でもしばらくは「これでよかったんだろーか」と思っていたのですけれど、だんだん慣れてきました。

なにも、たてがみのように髪をなびかせなくてもいいかなー、と思い始めたわけです。

そんな矢先、雑誌Storyの表紙モデル、

私たちの世代のファッション・リーダーである富岡よし子さんも、ついに「断髪」してショートにしたことを最新号にて発見。そうなんです、「断髪」なのです。わかる。

今後は同誌も、ショートによく似合うファッションを提案・指南してくれそうです。

2010年12月 4日 (土)

12.2は「今こそ取調べの可視化を」市民集会

 12.2夜は、「待ったなし、今こそ取調べの全面可視化を」という市民集会に参加していました。

 こちらは共催団体の日弁連のほうで関与していたんですけれど、私が事務局長をしているヒューマンライツ・ナウ、そして私の担当事件である名張事件のサポーター・グループも、実行委員会に参加して、集会を企画してきたんですね。

 トークでは、私もよく知る冤罪関係者にほぼ、フル出場していただきました。

 なんと450人以上参加していただいたようで、嬉しい驚き。ツイッターで中継してくださる方もいました。

http://togetter.com/li/74803

新聞報道だけじゃわからないことまで伝えてくれる、やっぱりツイッター、すごいですねええ。

実は最近「今こそ」というイベントをよく企画していることを改めて自らの傾向として自己発見しているんですが、

11月以降でも、今こそ民法改正、そして12月2日は今こそ取調べの全面可視化、そして

来週12月9日はヒューマンライツ・ナウで今こそ個人通報制度の実現を

http://hrn.or.jp/activity/event/post-82/

と続くんですけれど、それはなぜか。

いずれも、可視化、民法改正、個人通報、すべて野党時代の民主党の政策なんですね。

まあ、現政権に無理を言っているわけじゃなくて、一年程前までに言ってたことをちゃんとやってね、とリマインドしているだけなんです。

 それも、世界的に見て画期的なことでも斬新なことでもなんでもなく、他の国を見渡してももう実現したり問題になっていないような、初歩的なレベルの話なんですね。。さっさと実現して、さらに先端的な改革も議論したいのです(例えば私の考える刑事司法改革のなかで、可視化は初歩の初歩に過ぎない)。

 政権とったら市民運動なんかしなくても、すいすいと実現するはずだと思っていたこれらの問題。

 ところが民主党政権で全然実現せず、市民社会が「今こそ」と言ってもぜーんぜん政治にはそうした熱がないのです。

 みんなをまとめてしばしば民主党・政府ロビーにいっている私としては、あらら、官僚に取り込まれてしまったのか―――、という議員さんの言葉に驚いたり失望したりして、

 ちょっぴり疲弊気味の今日この頃、、

なのですが、

 やっぱり市民のみなさんの声がこうだ、それがまっとうなんですよ、ということを伝えていくしかない、と、こういう元気のでるイベントをやるとつくづく思うわけですね。

ですので、是非来週のこちらのイベントも足を運んだり、中継してくださる方が一人でも増えると嬉しいのです。

http://hrn.or.jp/activity/event/post-82/

よろしくお願いします。

2010年12月 3日 (金)

週末は、ジェンダー法学会で報告させていただきます。

明日、あさっては、私も理事をしております、ジェンダー法学会の学術大会があるのですが、明日、日本の男女共同参画政策を検討する、ということでご報告をさせていただきます。直前アップですみませんが、よろしければ、千葉でおあいできますと嬉しいです。

第8回学術大会プログラム

【場所】千葉大学・西千葉キャンパス

【1日目】
12月4日(土)13:30-17:30 シンポジウムⅠ 「男女共同参画政策の現状と課題――基本法10周年」 
(コーディネーター・司会):吉田容子(弁護士)、中里見博(福島大学)
   企画趣旨説明 中里見博
  1 男女共同参画政策の総括的検討(総論) 伊藤公雄(京都大学)
  2 男女共同参画政策とCEDAW勧告 伊藤和子(弁護士)
  3 ポジティブ・アクション 彼谷環(富山国際大学)
  4 女性に対する暴力 柳本祐加子(中京大学) 

【2日目】
12月5日(日) 個別報告  Ⅰ 10:00-10:50  Ⅱ 11:00-11:50
A 司会:広渡清吾(専修大)
 Ⅰ 石田若菜(中央大学院)「移民によるFC/FGMに伴う刑事責任は文化的背景を理由に減軽されうるか
    ―アメリカにおけるCultural Defenseの法理を手掛かりとして―」
 Ⅱ 三輪敦子(世界人権問題研究センター専任研究員)「裁判におけるジェンダー主流化の試み
   ―フィリピンにおけるジェンダー正義賞(Gender Justice Award)の経験から―」 

B 司会 吉田克己(北海道大学)
 Ⅰ 久保田裕之(公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構)「性の法・ケアの法・共同生活の法
   ―クイア理論と依存批判からみる日本の家族法 ―」
 Ⅱ 瀬々敦子(京都府立大学)「次世代育成支援の観点からのバリアフリー条例の分析」 

12:00~12:30  第8回総会(会員のみ)
12:30~13:30  昼食休憩

13:30~17:10 シンポジウムⅡ「労働とジェンダー」
   (コーディネーター):林弘子(福岡大学)、浅倉むつ子(早稲田大学)、長谷川京子(弁護士)
   司会:長谷川京子、新谷眞人(日本大学) 
   企画趣旨説明 林弘子
   1 ジェンダー平等と新自由主義 三浦まり(上智大学)
   2 同一労働同一賃金と同一価値労働同一賃金 林弘子(福岡大学)
   3 均等法の課題    今野久子(弁護士・早稲田大学)
   4 雇用形態と均等待遇 川田知子(亜細亜大学)

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