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2010年10月

2010年10月31日 (日)

後退?第三次男女共同参画基本計画

内閣府が現在策定中の第三次男女共同参画基本計画。福島前大臣の時代になかなか先進的な計画ができあがっているな、と思って政府の取り組みを見直しかけていたところ、、、

1025日の基本問題・計画専門調査会の配布資料として、基本計画案が配布され、それがウェブアップされましたが、重要な課題が空欄になってペンディングにされていて、驚きました。

http://www.gender.go.jp/danjo-kaigi/kihon/siryo/ki62-1.pdf

ひとつは政治に対する女性の参画に関するポジティブアクション(9ページ)

もうひとつは民法の女性差別規定を改正すること(16ページ)

以前のペーパーで明確にうたわれていた、民法改正とポジティブアクションが空欄になっているのです。

このふたつの項目は、2009年の国連女性差別撤廃委員会による日本審査で出された改善勧告に入っているうえ、特に重要なので、2年以内にフォローアップ報告をするように特に求められた勧告。

それが、今後5年間の男女共同参画の基本計画iにいったんは入っていたのに、消えてしまったとしたら???

まったく残念なことに、政府は、きちんと目を光らせて監視していないといったいどこにいくのか本当にわからない。そーっとこんなことが進んでいるなんて。

後退をさせないように、市民社会として、こういうことを曖昧にさせないようにしましょう。

2010年10月29日 (金)

パレスチナ収穫祭

ハロウィンが大好きな私は、東京でハロウィンの大騒ぎがないのが、とても物足りない今日この頃。ハロウィンほど楽しいお祭りはないというのに。

そんななか、寒いけれど、今はパレスチナではオリーブの収穫の時期だそう。

「オリーブの樹法律事務所」をやっております、私にとっても関心のあるところです。今も人権状況が大変厳しいパレスチナ、そのことを考えていただくイベントが企画されています。

明日なので、ご案内します。

でも、なんだか明日は寒そう。お越しいただく場合、ぜひあったかくしていらしてくださいね。風邪などひかぬよう。

<転送・転載大歓迎>
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10.30 パレスチナ収穫祭
オリーブから考えるパレスチナ問題
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破壊される家、奪われ続ける農地、
それでも、オリーブを育てるパレスチナの人びと

【日 時】  10月30日(土) 13:30 ~ 18:30 (13:00開場)
        明治学院大学本館10階大会議室 (東京都港区白金台1-2-37)
        アクセス:http://www.meijigakuin.ac.jp/access/
【資料代】  一般800円 学生500円 (ワン・ドリンク付)
◎ 事前の予約は必要ありません。
◎ 第1部から第4部まであり。いずれの部からご参加いただいても結構です。

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パレスチナでは長年にわたる軍事占領によって、数多くの検問所の設置、入植地と入植
者専用道路の建設、分離壁の建設、許可証システムによる移動の制限などがあり、村や
町ごとに分断され、生活が麻痺させられています。また、パレスチナ人の家や農地が奪わ
れて生活が破壊され続けています。こうした厳しい状況でも、多くの人びとが農業を続け未
来につなごうとしています。

日本のNGOは、日常的に起きているパレスチナでの人権侵害の現実をさまざまな形で世
界に伝え、パレスチナへの支援の輪を拡げ、国際的な圧力をかけようとしています。また
人びとの生活や教育、保健、農業などを支え、地域開発に関わっています。フェアトレード
という形でパレスチナとつながる企業も存在します。

パレスチナの収穫を祝い、現地の人びとと一緒に希望を作り出すために、こうした団体が
一堂に会するイベントです。

10月はパレスチナではオリーブの収穫時期。オリーブやワイン、そして映像を通して、パレ
スチナ人が直面しているさまざまな問題を考えてみませんか?

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【第一部】 13:40~14:10  紛争からの復興は・・・: 映像で見るガザ地区 
2008年12月27日から22日間、イスラエル軍による空爆と地上戦にさらされたガザ地区。封
鎖された状況が続くガザの状況や現地での活動を報告します。
報告:パレスチナ子どものキャンペーン/日本国際ボランティアセンター

【第二部】14:15~15:35  映画『The Iron Wall(鉄の壁)』上映&解説 
(監督:モハメッド・アルタル/2006年/60分/制作:パレスチナ農業復興委員会、平和と
民主主義のためのパレスチナ人)
イスラエルによるパレスチナ占領から43年。『The Iron Wall(鉄の壁)』は、占領下のパレス
チナ に建設されたイスラエル入植地、「分離壁」(The Iron Wall)の状況、そしてパレスチナ
の人びとや中東和平プロセスに与えた影響について、複数の平和活動家、有識者のイン
タビューを交えて描いたドキュメンタリー映画。
上映後、イスラエルによる入植政策と分離壁について解説があります。

【第三部】 15:50~17:00  映画『オリーブの木がある限り』上映&トーク・イベント  
映画『オリーブの木がある限り』(フランス/2007年/23分)
壁と経済封鎖にパレスチナ人の生活は苦しさを増している。そんな中でも農民はオリーブ
の木に「ここに生きている」という自らの存在を託し、一家総出の収穫作業に汗を流す。そ
の農民と協働するNGO「パレスチナ農業復興委員会(PARC)」と、国境を越えフェアトレード
でつながる様子を紹介する。
トーク・セッション:パレスチナ・オリーブを生産する人びととフェアトレードの取り組み
小林和夫さん(オルター・トレード・ジャパン)
宮澤由彦さん(セーブ・ザ・オリーブ)
皆川万葉さん(パレスチナ・オリーブ)

【第四部】17:30~18:30  パレスチナ収穫祭  
10月はパレスチナでオリーブが収穫される時期です。パレスチナ産のビール、ワイン、オ
リーブ、また映像と音楽に触れながら、パレスチナを語り合うパーティです。
・オルター・トレード・ジャパン、セーブ・ザ・オリーブ、パレスチナ・オリーブ各社がビール、
ワイン、オリーブなどを販売します。
・パレスチナ料理、ワイン、ビールは有料。その他スナック類は無料((マイコップ、マイ皿、
マイ箸持参大歓迎)。

◆お問い合わせ◆
アムネスティ・インターナショナル日本
東京都千代田区神田錦町2-2 共同ビル(新錦町)4F
Tel:03-3518-6777  Fax:03-3518-6778
http://www.amnesty.or.jp/    camp@amnesty.or.jp   

パレスチナ子どものキャンペーン
東京都豊島区目白3-4-5 アビタメジロ603
Tel:03-3953-1393 Fax:03-3953-1394
http://ccp-ngo.jp/   ccp@bd.mbn.or.jp

◆主催◆
社団法人アムネスティ・インターナショナル日本/特定非営利活動法人アーユス仏教国際
協力ネットワーク/特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター(JVC)/日本聖
公会東京教区「エルサレム教区協働委員会」/日本YWCA/特定非営利活動法人パレス
チナ子どものキャンペーン/パレスチナの子供の里親運動/ピースボート/特定非営利
活動法人ヒューマンライツ・ナウ/明治学院大学国際平和研究所(PRIME)


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2010年10月28日 (木)

英語の論文を執筆中

「日本の刑事裁判について英語で論文を書いてください」といういくつかの依頼を受けて論文執筆中です。

さかのぼれば、2005年の米国留学中に、日本の刑事裁判の問題点や冤罪事件、裁判員制度導入までの経緯を論文に書いたのですが、そういう論文がほとんどなかったらしく、アメリカの研究者に注目され、回し読みをしていただいていました。

それで、その論文をベースに、現在依頼を受けて2本の論文を書いていますが、驚くのは日本の刑事裁判のめまぐるしい変化と検察スキャンダル・冤罪があまりにもここのところ多いこと。

アップデートが多すぎるため、今日もあまり眠れそうもなく、締切はずるずると伸びる一方です。

でも本来これは学者の仕事では? 研究者の皆様、よろしく頼みますよ。。

2010年10月27日 (水)

明日、ビルマの皆さんとプロテスト

明日は随分と寒いみたいですね、私は仕事で名古屋出張なのですが、そんななか、こんな企画もあるんです(だから、ヒューマンライツ・ナウの若手弁護士やボランティアさんに参加してもらいます)。

ちょっと注目して、よかったら足を運んだりしていただけると嬉しいです。

それと、こういうの、街頭の皆さんが応援してくれるとすごく嬉しく励まされるのです♪ この東京では、そんな素敵で暖かい人に会う機会がたくさんあります。明日もそんな方に参加者の面々があえるといいな。

2010年10月27日(水)  非民主的なビルマ総選挙に対する抗議行動のご案内

ビルマ軍事政権は、2010年11月7日に総選挙を実施し、民主化プロセスを締めくくろうとしています。しかしながら、アウンサンスーチーさんを含む
2,100人以上の政治囚は依然解放されず、民主化勢力や少数民族などすべての関係者が参加した形での対話も実施されていません。軍政の基盤強化につな
がる非民主的な内容を盛り込んだ2008年新憲法も改正されておらず、この総選挙は明らかに非民主的で公正さを欠いています。

選挙を目前に控え、ここ日本でも、ビルマの2008年新憲法や総選挙関連法が非民主的かつ不当であることをアピールし、総選挙の不当性、アウンサンスー
チーさんをはじめとする全政治囚の即時解放、すべての関係者が参加した形での軍政との対話実現などを訴え、デモ行進を行います。加えて、日本政府に対し
ても、民主化問題、人権問題についてビルマ軍政に毅然とした態度で望むより一層の外交努力を求めて、アピールしたいと思います。

なお、ビルマ人2010年総選挙ボイコット委員会(在日ビルマ人民主化活動家の団体30団体)は、2010 年総選挙を認めることはできないことをあら
ためて宣言し、ボイコットをアピールします。

■日 時:2010年10月27日(水)  14:00~15:00 集会
15:00~16:00 デモ行進
■場 所:
(1)集会:三河台公園(東京都港区六本木4-2-27)
地図:http://www.city.minato.tokyo.jp/sisetu/koenyuen/koen/azabu/
mikawadai/index.html
(2)デモ行進ルート:三河台公園→日比谷公園

■参加団体:

(特活)ヒューマンライツ・ナウ
ビルマ人2010年総選挙ボイコット委員会(在日ビルマ人民主化活動家の団体30団体)
ビルマ日本事務所
連合
ビルマ市民フォーラム
社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
ヒューマン・ライツ・ウォッチ
ビルマ情報ネットワーク

★       この抗議行動は、世界各地で行われる総選挙への抗議行動に連帯して実施するものです。
世界各地の抗議行動については「ビルマ・パートナーシップ」ウェブサイト
http://www.burmapartnership.org/solidarity/)からご覧いだけます。

▼各国の抗議行動

10月24日11時~  ビルマ大使館前での抗議行動(韓国、ソウル)
10月26日12時~  記者会見(韓国、ソウル)
10月30日16時~  フォトセッション(シンガポール)
11月5日17時~   デモ行進 (サンフランシスコ)
11月6日15時~17時 ビルマ大使館前での抗議行動(日本、東京)
11月7日9時~16時 ビルマ大使館前での抗議行動(日本、東京)
13時15分~ 「Breaking the Silence」上映会(ドイツ、ベルリン)
14時~    抗議行動(スウェーデン、ストックホルム)
15時~    抗議行動(フランス、パリ)

その他、香港、マレーシア、インドでも、抗議行動が予定されています。

2010年10月23日 (土)

コンゴ 女性に対する暴力に立ち向かう

先月のジュネーブ人権理事会でも大問題になっていたコンゴ民主共和国における「紛争の武器」としてのレイプの横行。それに対して女性たちが立ち上がったという。大統領夫人が主導したということで政治的思惑もないわけではないだろうが、注目に値する動きですね。

こういう記事、ぜひもっと日本でも取り上げていってほしい。

※ なお、コンゴを含むアフリカ情勢については「ルポ 資源大陸 アフリカ(白戸圭一著)」(東洋経済新報社」が最近の私のお勧めです。

http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/101023/mds1010231801002-n1.htm

年間数万人規模の女性がレイプ事件の被害者になるというアフリカ中部のコンゴ(旧ザイール)で、抑圧されてきた女性たちが自身の尊厳を求め自ら声を上げ始めた。コンゴでは今夏、反政府武装勢力による数百人規模の女性への集団レイプ事件が発生。さらに治安維持を目的に展開していた政府軍によるレイプや殺人事件までが発覚している。国連平和維持活動(PKO)のミッションも蛮行を食い止められないなか、女性たちは性暴力の停止に向け動きはじめている。(黒川信雄)

 「われわれは犯罪への無関心に対し戦わなくてはならない。犯罪者には刑罰を与えなくてはならない。そして女性に再び尊厳を取り戻させるのだ」

 フランス通信(AFP)によると17日、コンゴ東部の南キブ州で、1700人あまりの女性らがデモ行進を行い、長年続く女性への抑圧に反発の声をあげた。

 反政府武装勢力が活発に活動を続けるコンゴ東部では、兵士による女性や子供らを狙った集団レイプ事件がたびたび発生している。今年7月30日から8月3日には、隣国ルワンダの反政府武装勢力や民兵組織の兵士らによる数百人の女性や子供に対する集団レイプ事件が発生。被害者らは村を占拠した兵士らにより、家族や隣人らの目の前でレイプされたという。

 さらに同地域ではその後、住民を守るはずの政府軍により、女性へのレイプのほか略奪、殺人事件が発生していた事実が判明。国連のマーゴット・ワルストロム事務総長特別代表(紛争下の性暴力担当)は10月14日、「反政府武装勢力が事件を起こした地域で、今度は政府軍により同様の事件が引き起こされた可能性があるという事実は、想像することも、受け入れることもできない」と会見で語り、激しい怒りをあらわにした。

コンゴは2002年に内戦が終結。しかし東部では武装勢力の活動が依然として活発で、政情が不安定なままだ。

 そのためPKOの国連コンゴ安定化ミッション(MONUSCO)が派遣され、50カ国以上の国々から世界最大規模の約1万8000人あまりの兵士や警官らがすでに展開されている。

 2008年には、02~03年に民兵を率いて紛争に介入し、性的暴力を行ったとして人道に対する罪などの容疑でベンバ元副大統領がブリュッセルで拘束され、国際刑事裁判所(ICC)に移送された。19日、ICCはベンバ元副大統領が主張していた控訴棄却の訴えを却下し、ようやく裁判が行われることが決まり、暴力停止へ向けた国際的な取り組みも進められている。

 それでも事態の悪化に一向に歯止めをかけられないのが実態で、国連も国際社会から「機能不全に陥っている」として非難を浴びている。

 犯行の対象となる女性たちは家族を守るために犯行におとなしく従うことも少なくないという。拉致され、性的奴隷として従軍させられることもあるといい、国連の力が及ばないなか、兵士に狙われた女性は何の抵抗もできないのが現状だ。昨年コンゴ国内でレイプされた女性の数は1万5000人以上にのぼったとされ、コンゴは「レイプの首都」(ワルストロム氏)などと揶揄(やゆ)されている。

 17日のデモ行進はコンゴのジョゼフ・カビラ大統領の妻が主導。デモ行進が犯罪に対しどこまで抑制効果があるかは不透明だが、中東のテレビ局アルジャジーラに対し、被害者の女性らの治療を行う病院の医師は「われわれは何年にもわたりこの問題にかかわってきたが、ようやく国際社会がわれわれに対し関心を持ち始めている」と期待を寄せている。

メディア掲載~ 提言直言 アジア外交 人権を位置付けて

中国人権活動家の劉暁波氏に対するノーベル平和賞授与発表を受けての、私の論説が信濃毎日新聞、「提言直言」に掲載されましたので、ご紹介します。



◆ 提言直言(伊藤 和子氏)
▽ アジア外交 人権を明確に位置づけて

ノーベル平和賞が中国人権活動家の劉暁波氏に授与される。劉氏は中国国内で民主化を求める非暴力の活動を続け、その言論を理由に懲役11年を宣告されて
獄にいる。中国で自由を奪われている活動家は劉氏に限らず、今回の受賞は、中国で多くの人権活動家が弾圧を受けていることに改(あらた)めて警鐘を鳴ら
した。同時に、今回の受賞は、世界第2の経済大国となった中国に、人権問題でも責任ある役割を果たすよう強く求めたものだ。
日本では、劉氏受賞の決定と相前後して発生した尖閣諸島問題を巡り、「中国とどう向き合うか」の議論が活発だが、対中強硬路線か経済重視の協調か、近視
眼的な国益論に終始している観がある。
しかし、経済・軍事で力を増す中国は国内に深刻な人権問題を抱えている。対外的にもミャンマーなど世界の人権侵害国に多額の経済援助を進め、後ろ盾の役
割を果たしている。開発独裁を続ける国を抱えるアセアン、著しい貧富の格差のもと軍事化が進む南アジアも含め、今後世界への影響力を確実に増すアジアが
人権尊重や民主主義を尊重する地域となるのか、世界が懸念している。
日本は、人権・人道・平和を標榜(ひょうぼう)する国にふさわしい役割をアジアで積極的に果たすべきだ。外交に人権を明確に位置づけ、地域で苦境に立つ
人々への貢献を大局的に考える必要がある。人権外交は、価値を踏絵に対立をあおるものではない。劉氏らの釈放やミャンマー問題も含め、内外の人権課題に
関する中国への意見表明と対話を、躊躇(ちゅうちょ)せず強化してほしい。
中国全土には、土地・環境・労働問題など苦境にある人々のために活動する草の根の人権活動家も多数いる。日本にはこうした市民社会の努力を助ける役割も
求められている。

 日本・韓国・中国・北朝鮮を含む東北アジア地域への国連人権高等弁務官事務所招致にも日本は積極的になるべきだ。(いとう・かずこ 国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ事務局長、弁護士)
(了)

2010年10月18日 (月)

ジュネーブ人権理事会・決議の舞台裏

この間にひきつづき、先月のジュネーブ人権理事会の報告、今回は少しディープな舞台裏のお話です。

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国連人権理事会報告  3
人権理事会・決議採択の舞台裏
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前回に引き続き、ヒューマンライツ・ナウの伊藤事務局長が、9月22日より、ジュネーブで、国連人権理事会第15回期会合にオブザーバー参加した報告をお伝えします。
今回は、どのようにして人権理事会の決議が出されるのか、そしてそこでNGOがどのような役割を果たすのかについてご報告をしたいと思います。
以下に書いてあるのはかなりが雑感ですが、是非雰囲気をご理解いただければと思います。

1  国連人権理事会は三週間開催されますが、早ければ第一週、そして主に第二週目から、採択される決議案をめぐって理事国の活動や、NGOの活動などが活発に展開されるようになります。

   人権理事会で採択される様々な決議はまず、「スポンサー」、すなわち提案国や提案国グループによって決議の案が示されます。

  提案国らは、人権理事会の正式会合の傍ら、ジュネーブの国連欧州本部内で「非公式なコンサルテーション」会合を公開で開催し、そこに各国政府やNGOを招待して決議案を提示し、参加者の意見をもとに決議が多数で採択されるよう修正を図り、意見を持つ国の政府と交渉を繰り返し、採択に向かいます。
    例えば日本は今回、例年同様「カンボジアの人権に関する技術協力に関する決議」の提案国となり、決議案を示して「非公式なコンサルテーション」会合を開催して決議案を確定するという作業をし、決議が採択されました。また、日本は今回、ハンセン氏病とその家族に関する差別の撤廃に関する決議案を提案し、採択されました。
   また、パレスチナの人権問題の決議については、後述するイスラム諸国会議機構(OIC)が提案国になる場合が多いといえます。
2  NGOは、こうした会合に参加して情報を収集し、その場で意見を言う機会がある場合もありますが、多くの場合は提案国や、決議に反対の場合は考えを同じくすると考える各国政府に働きかけて、決議の内容をよりよいものにしたり、決議の採択を阻止するなどの活動を会議の合間に行います(これが国連の会議中やその間に会議場のロビーで行われることから、彼らの活動は「ロビー活動」と言われるのです)。

  影響力のあるNGOはこうしたコンサルテーションにこまめに出席し、情報収集し、各国の態度についても観察し、情報収集しています。
    ジュネーブを本拠とするNGOは、毎朝欧州国連本部で配布される人権理事会と非公式会合の予定表を見て、これは重要と思われる会合に片っ端から参加して情報収集する、という大変地道な活動を展開しています。

  決議をめぐる非公式のコンサルテーションでは決議案が配布されますので、それを入手して情勢を分析し、NGOの本部と連絡をとりあって、態度を決め、ロビーの方向性を決めるのです。
   こうして情報収集に努めているため、各国よりもNGOのほうが情報をよくつかんでいることも少なくありません。情報通となったNGOは各国政府に求められて情報を提供して信頼を得る一方、自らの意見を各国政府に伝えていきます。そして、理事国とNGOがパートナーシップを組んで、人権のために役割を果たそうとするケースも多く見られます。
    また、国連協議資格を有するNGOは国連人権理事会の会議場で公式に発言する機会を保障されており、また、理事会の会期中に「サイドイベント」を開催することもでき、そのような方法で今最も注目すべき人権問題に関する注意を喚起するなど存在感を示し、各国政府の投票行動に影響力を与えます。

  特に、重要な問題については、こうしたNGOが「共同声明」を発表して理事会の会議場で発言をして市民社会の一致した意思を示し、アピールを行います。ヒューマンライツ・ナウは現在協議資格申請中ですが、一日も早く協議資格を取得して、こうした活動に加わりたいと考えています。
3  国連加盟国は、イスラム諸国会議機構(OIC)、アフリカ連合、ヨーロッパ連合、非同盟諸国連合などのグループをつくって意見表明をしているところが少なくありません(国連の正式な地域グループと必ずしも一致していない)。
   日本は地域グループではアジア・グループに入りますが、主に「JUSCANZ」というグループ、つまり日本、米国、カナダ、オーストラリア、ニュジーランドというグループにも参加しています。こうしたグループごとに結束して意見集約を図って発言し、投票行動が決められることがしばしばあります。
   人権理事国では、先進国と途上国の間で対立が根深い状況です。
   現象的にいえば、EUなどが特定の国の深刻な人権状況について議題として取り上げ、決議を採択したいと考えて行動するのに対し、アフリカ諸国やOICはこうした特定国の人権状況について議題にすることに消極的です。
     ただ、パレスチナ問題についてはこうした姿勢が逆転し、途上国がパレスチナ問題の人権理事会決議に賛成するのに対し、先進国は棄権や反対の態度を表明する傾向があります。
    こうしたなかで、途上国が数において多数を占めるために、特定国の人権問題の決議については、一部の例外を除いて特定国の人権状況に関する決議は通りにくい状況にあります。
    そのため、例えばビルマやイランなど、深刻な問題を抱えている国の人権問題に関する討議の舞台が人権理事会でなく国連総会になり、後者のほうがより強力な決議が採択されることが少なくありません。

   一方、今回もそうでしたが、パレスチナ問題に関する決議が人権理事会で採択される場合、欧米諸国が反対か棄権に回り、日本も棄権に回る傾向があります。しかし、それでは、人権侵害の当事者から、人権理事会の決議はパレスチナ問題に関しての一致した国際社会のメッセージとはいえない、と受け止められることになりかねず、決議のインパクトは薄いものとなってしまいます。
   こうした投票行動を正当化するため、それぞれの国が当然のことながら様々な説明をしています。
     しかし、私は、スーダンやスリランカ、ビルマなど、アフリカやアジアの人権問題に対してあれほど熱心に取り組むヨーロッパ諸国やアメリカが、パレスチナ問題では「決議が一方的だ」などとして消極的なのは、人権に関するダブルスタンダードとの非難を受けてもやむを得ないと考えています。また逆もしかりです。

    国際人権NGOの多くは、どの国の人権問題であっても、ダブルスタンダードに陥ることなく理事会の場で取り上げるように求めていますが、それを実現していくのはなかなか困難です。
    こうしたなかで、独自の動きが注目されるのは、近年人権分野での前進が著しいラテン・アメリカ諸国です。今後ラテンアメリカ諸国が普遍的かつ公平に世界の人権問題に取り組み、キャスティング・ボードを持つことが期待されます。
     そうしたなか日本はどうでしょうか。確かに、日本はカンボジアの人権問題に関する決議など、地味ではあるが重要な課題に取り組んで役割を果たしているということができます。
     しかし、ガザの問題をはじめ、本当に対立の根深い人権問題について調整役のイニシアティブを発揮する姿はあまり見られません。また、全体の議論をリードするというより、周囲の様子を見て自らの投票行動を決める、という場面が少なくないように思います。
     政権交代の前後で、こうした態度はさほど変化がないように見受けられます。
こうした日本の姿勢は、国内的な人権保障政策が高いレベルと見識に基づいているとはいえない状況や、国際的な人権の議論に対応した国内での議論の未成熟を反映したものではないかと思います。
    日本の人権政策を内政・外交とも転換して人権を主流化し、欧米と途上国の対立の間にあって揺れる人権理事会にあって、公平な解決を求めるイニシアティブを発揮していくことが期待されます。
                                     (第三回報告 以上)

2010年10月17日 (日)

平和学会で

ここのところ、随分、寒くなってきましたね。秋は研究会にあちこち呼んでいただいておりますが、11月8日に、日本平和学会のパネルで

対テロ戦争と人権に関して、お話しをさせていただく予定です。

http://www.psaj.org/modules/news/article.php?storyid=28

この学会には参加したことがなく、メンバーでもないので、どんな方々がどんなことをされているのか、拝見するのも楽しみです。

2010年10月16日 (土)

おかげさまで。

おかげさまで、先日のインド報告会は満員で大成功に終わりました。ユニセフの平林さんのお話し、すごくよかったです。HRN側の報告も迫力で、私は特に補足することもないくらい。

食い入るように聞き入る若い人たちの熱気もすごかったので、何かが変わっていきそうな予感がします。これからも児童労働へのフォーカス、続けていきたいと思います。ぜひよろしくお願いします!!

今週末は英語の論文2つの締め切りで缶詰ですが、連日忙しかったのでぐったり。

昨夜はパートナーと「食べて、祈って、愛して」最終回を見てきましたけれど、あまり面白くないので映画館でうとうと。

ジュリア・ロバーツ×ハビエル・パルダムというキャストは楽しみだったのですが、見てみると残念な感じな映画でした。インドやバリでもっと深遠な体験ができたのかと思いきや。

今度はもっといい映画を見よう!

2010年10月14日 (木)

10月14日 ユニセフ平林代表を迎えて インド児童労働調査ミッション報告

 チリでは炭鉱から次々と人が解放されて、素晴らしいですね。

 一方、チリよりも身近な国では、危険極まりない炭鉱労働で続々と子どもたちが命を落としているのにまったく顧みられていません。

 ネパール、バングラデシュ、インドの10歳のくらいの少年たち。

 最悪の形態の児童労働です。まったく光が当てられていない人権侵害です。

そこで・・・既にご案内しましたけれど、明日、ヒューマンライツ・ナウが今年5月から6月にかけて行ったインド児童労働調査ミッションの報告会を下記の通り、開催することになりました。

 ゲストスピーカーとして、ユニセフ東京事務所代表の平林 国彦さん、調査団に同行取材されたフォトジャーナリストの豊田 直巳さんをお迎えします。

 調査ミッションはネパール、バングラデシュから人身取引などでインドに移動し、最悪の形態の危険な児童労働に従事させられ、次々と命を落としている10代初めの子どもたちの実態にフォーカスしました。

 この実情を変えるために何ができるか、ゲストスピーカーおよび会場の皆様と一緒に考える機会としたいと思います。

直近のご案内で恐縮ですが、可能でしたら是非是非ご参加ください。

現地調査プレスリリースは以下の通りです。

http://hrn.or.jp/activity/area/cat25/-hrn/

会場の都合と資料の関係で、事前申し込みをなにとぞよろしくお願いします。

皆様の御参加をお待ちしております。

申し込み先   info@ngo-hrn.org

  

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*ヒューマンライツ・ナウ 子どもの権利プロジェクト 現地調査報告会

『地の底で働く子どもたち ~知られざるインド児童労働の実情』

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●日 時/2010年10月14日(木)18302030(開場1815

●場 所/青山学院大学 総研ビル11階 19会議室

●資料代/500円

●主催 特定非営利活動法人ヒューマンライツ・ナウ

ヒューマンライツ・ナウ(HRN)子どもの権利プロジェクトは

今年531日から62日にかけて、

北東部メガラヤ州の州都シロンに拠点をおく

インパルスNGOネットワークと共に、

メガラヤ州のジャインティア丘陵の炭鉱とその周辺における

児童労働について調査団を派遣しました。

狭くて暗い坑道での過重労働、滑落や地下水による事故も多発し、

命を落とす事も少なくない環境―――

事実調査の結果、調査団は、極端に危険かつ残酷な環境で児童労働が

広く行われている悲惨な現実を目の当たりにしました

こうした労働に従事させられているのは、多くが周辺国のネパールや

バングラデシュから人身売買でインドに連れてこられた子どもたちです。

この知られざる児童労働の実態について、調査団による報告会を開催し、

事態改善のために何ができるのかをみなさんと一緒に考えたいと思います。

ゲストスピーカーに、長くインドに関わってこられた

ユニセフ東京事務所代表の平林国彦さんをお迎えし、

現地の写真なども多数まじえて、日本から何ができるかを議論する機会とします。

皆さま、是非ご参加ください!

≪ゲストスピーカー≫

◆ 平林 国彦さん  ユニセフ東京事務所代表

◆ 豊田 直巳さん フォトジャーナリスト

HRN報告者≫

久保田 明人 弁護士。HRN子どもの権利プロジェクト。

多良 俊照 フリージャーナリスト。HRN子どもの権利プロジェクト。

伊藤 和子 弁護士。HRN事務局長。

※詳細はこちら

http://hrn.or.jp/activity/event/1014/

2010年10月12日 (火)

国連人権理事会報告 続報 決議などについて

9月の末に参加した国連人権理事会の報告・続報です(HRNメールニュースより)。

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国連人権理事会報告  2
今回の国連人権理事会で討議・決定された事項について
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ヒューマンライツ・ナウの事務局長伊藤が、9月22日より、ジュネーブで、国連人権理事会第15回期会合にオブザーバー参加した報告をお伝えします。

1       新たな特別手続
今年9月13日から10月1日まで開催された第15会期の人権理事会では、いわゆる「特別手続」(Special Procedures)の新しい任務に関する決議が採択されました。
「特別手続」は国連の人権活動において最も重要な活動のひとつで、現実に発生する人権侵害に対処する一連の人権擁護活動です。特定国の深刻な人権問題に対する調査・検討を行う国別手続と、世界的規模で発生する特定の人権問題を一国に限定せずに扱うテーマ別手続の二つを「特別手続」と総称し、「特別報告者」などの独立専門家を任命して活動が行われています。

今回の人権理事会では、「集会結社に関する特別報告者」という新たなテーマ別特別手続が、人権理事会の決議により開始されることが決まりました。

これまで表現の自由に関しては特別報告者がいたのですが、新たに「集会結社」についても特別報告者が任命されることになり、労働組合活動の自由や、民主化運動団体の結成、デモなどの自由などに関しても国連が監視をしていくことになります。
これは大きな前進と評価することができるでしょう。 日本も、この新しい任務を作ることに関する決議についての63の提案国に名前を連ねています。
また、「女性に対する差別的な法律に関する特別報告者」という新しい特別手続が提案されました。これは、女性差別なくすために、世界各国で実際に存在する女性差別的な立法に主に焦点を絞ってその実情を調査して改善を求めていくことを主たる任務とする特別報告者として提案されました。
しかし、この提案については、イスラム諸国から「自分たちをターゲットとしているのではないか」という強い危惧もあり、最後まで採択が危ぶまれていました。
この問題に関しては理事会の場面でも様々な意見が討議され、理事会の水面下でも交渉が展開されたようです。そして、最終的には、女性に対する差別的な法律および実務をテーマとする、地域バランスを考慮して選出される5人の独立専門家からなる、任期三年の作業部会を結成する、という手続にすることで決着し、決議が採択されました。
http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=10405&LangID=E

日本も民法に女性差別規定が存在しますが、あからさまな女性差別が法律上規定されている国々で、まず立法から変えるというのは積極的な提案です。これまで女性の権利に関しては、「女性に対する暴力特別報告者」が活動してましたが、これだけでは女性差別すべてをカバーできていなかったため、新しい作業部会の設置は大きな前進といえ、歓迎されています。作業部会の今後の役割に期待したいと思います。

2       特別手続の任務更新
また、人権理事会では従前から存在する特別手続についての議論もなされました。テーマ別特別報告者については任務が更新されていくことに特に問題がありませんが、国別特別手続に関しては、「できる限り国別手続をなくしていこう」という動きも理事国の間で有力であることから、特に人権侵害の危険性が大きい国では、国別手続が今後も更新されるよう求めていくこともNGOの大きな役割です。
ヒューマンライツ・ナウは、スーダン、カンボジアに関する特別手続きについて意見を日本政府に出しています。
HRNの発表した意見には、近年のカンボジアでの言論弾圧による野党政治家・人権活動家への懲役判決への懸念、現職大統領への国際刑事裁判所(ICC)の逮捕状を無視してジェノサイド・人道に対する罪の不処罰が続くスーダンの人権状況への懸念が含まれています。
http://hrn.or.jp/activity/area/cat32/post-75/

いずれの特別手続きについても、特別報告者の任務が更新されました。
http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=10407&LangID=E
また、以前から続いている特別手続について、特別報告者の交代も行われました。
NGOのひとつの活動として、優秀な人権活動家を特別報告者として推薦する、という活動がありますが、今回それがひとつ実を結び、アルゼンチン出身の著名な人権活動家Juan Ernesto Mendez氏が、拷問に関する特別報告者に新たに選任されました。

3   人権理事会とOHCHRの「対話強化」決議
他方、今回、人権理事会の決議案として、「人権理事会と国連人権高等弁務官事務所の対話強化に関する決議案」が提案されました。これに関しては、大変大きな問題があることが判明し、ヒューマンライツ・ナウとしては、これに賛成しないよう日本政府に求める要請を行いました。
最終的にこの決議については提案国であるキューバが決議の提案を撤回して終了しました。
4       ヒューマンライツ・ナウの活動
ヒューマンライツ・ナウが日本政府に対して行った要請は以下のとおりです。
http://hrn.or.jp/activity/area/cat32/post-75/
これは人権理事会開催中に政府に送り、またジュネーブでも担当の日本政府代表部の方に渡して要請をしました。
また、パレスチナ問題に関しては、別途団体としての態度表明をしています。
http://hrn.or.jp/activity/area/--/
また、ヒューマンライツ・ナウとしては、国連人権理事会の議題ではなく、国連総会の議題ではありますが、大変重要な課題であるビルマに対する国連独立調査委員会設置に関して、ジュネーブにいる外交官に対してもロビー活動を展開しました。
http://hrn.or.jp/activity/topic/post-74/

カンボジア、パレスチナなど、ヒューマンライツ・ナウが取り組む問題に関しては別途機会をつくってご報告したいと思います。
(第二回報告 以上)

2010年10月10日 (日)

あなたの連休は?

連休はいかがお過ごしですか。

私は、先々週はジュネーブ、先週は大阪でしたが、今週の連休は土日がやっと東京に落ち着き、月曜日は名古屋です。

この連休は何しているかというと、まあ、おおむね名張毒ぶどう酒事件のお仕事ですね。

といっても、この事件に注目いただいている方から見れば、とても地味な仕事なんですね。

この事件ではいつも大変地を這うような地道なことを繰り返していて驚かれるわけですが、

なんといっても、人生とは地味・地道な仕事をこつこつと積み重ねることですから。それ以外にはありません。

一日も早く死刑台から生還してもらうように。。。

なんて自分の仕事の話になってしまいましたけれど、

Have a nice week end!

2010年10月 9日 (土)

ノーベル平和賞 劉暁波氏

ノーベル平和賞を 劉暁波氏が受賞した。

世界には今も言論活動を理由に投獄され、自由を奪われている人たちが数多くいる。

勇気をもって人々のために自由を求めただけで、暗い獄中で筆舌に尽くしがたい不当な目にあっている。そうした良心の囚人たちに大きな励ましを与えたことだろう。民主化・人権尊重への道のりがいかに険しくても。

委員会に敬意を表したい。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20101008/t10014480901000.html

ノーベル平和賞 劉暁波氏

ことしのノーベル平和賞の受賞者に、北京で1989年に起きた天安門事件以来、中国の民主化を訴え、現在は、共産党の1党支配を批判する文書を発表したことで有罪判決を受け、服役中の中国人作家、劉暁波氏が選ばれました。

ノルウェーのオスロにあるノーベル平和賞の選考委員会は、日本時間の8日午後6時、ことしのノーベル平和賞の受賞者を発表しました。選ばれたのは、1989年の天安門事件の民主活動家で、作家の劉暁波氏(54)です。劉氏は、おととし、中国の民主化の必要性を訴え、共産党の1党支配を批判する「08憲章」と呼ばれる文書を起草してインターネット上に発表したことが、国家と政権の転覆をあおる罪に問われ、懲役11年の判決が確定し、現在、中国東北部の遼寧省の刑務所で服役しています。劉氏の受賞をめぐっては、賞の選考にかかわるノルウェーのノーベル研究所の所長が、ことし6月、中国政府の幹部から、劉氏を選べば中国との関係に影響が出るとして、圧力とも受け取れる警告を受けたと伝えられています。中国外務省の姜瑜報道官は、先月28日の会見で、劉暁波氏は「中国の法律を犯し、刑罰を科された人物であり、その行為はノーベル平和賞の趣旨に反するものだ」と述べ、劉氏の受賞の可能性が出ていたことに強く不快感を示しており、中国政府が、今後、反発を強めることは必至の状況です。1980年代半ば、北京師範大学に在学中から文筆活動を始めた劉氏は、中国の民主化の重要性を訴える知識人の代表的存在として知られるようになり、ノルウェーやアメリカの大学から講師や研究者として招かれました。1989年の天安門事件の際には、滞在中のアメリカから急きょ帰国して民主化を求める学生運動に参加し、運動が武力で鎮圧されると、中心人物の1人として身柄を拘束されました。劉氏は、その後も中国国内で政治改革を訴える評論などを発表し続け、これに対し、中国の当局は劉氏を日常的に監視したり、身柄を拘束したりしました。おととしには、中国共産党の一党支配を批判し、直接選挙の実施などを求める「08憲章」と呼ばれる文書を起草し、およそ300人の学者や弁護士らと共同でインターネット上に発表しました。中国の検察は、劉氏がこの文書を起草したほか、過去にも共産党を批判する文章を発表して政権と社会主義制度を打倒しようとしたとして、国家の転覆を扇動した罪で起訴しました。裁判で劉氏は無罪を主張しましたが、ことし2月、懲役11年の有罪判決が確定し、現在、東北部遼寧省の刑務所で服役しています。

国連人権理事会の報告 その1

先月の終わりころはジュネーブにいたわけですが、せっかくなのでその模様をうちのNGOの関係者のみなさまなどにシェアさせていただくことにしました。

メルマガに連載で流す情報ですが、こちらのブログでも紹介させていただきます。

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いつもお世話になります。
9
22日より、ジュネーブで、国連人権理事会第15回期会合にオブザーバー参加しました。
日本にいるとなかなか伝わらない世界の人権問題の議論を傍聴し、国際人権NGOと共同で様々なロビー活動にも参加するなかで、日本は大いに取り残されて
いることを実感しました。
遠い国・スイスでの国連の会議で議論して決められた国際的な人権の動きを、日本国内で実施するのを怠っている分野も見受けられます。
そこで、皆様に国連の議論の一端を、何度か連載のかたちでご紹介させていただくこととします。
ヒューマンライツ・ナウのロビー活動なども含め、世界その報告をお伝えします。
ぜひ、皆様からのご感想や様々な課題のフォローアップへのご協力もよろしくお願いいたします。

ヒューマンライツ・ナウ事務局長 伊藤和子

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国連人権理事会報告  1
普遍的・定期的審査に関して
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9
23日、国連人権理事会は、普遍的・定期的審査(いわゆるUPR審査)に関する一般的討議を行いました。UPRは、国連全ての加盟国が、理事国を含
む国連加盟国によって人権状況を4年に一度レビューされ勧告を受ける制度で、審査を受けるという、人権理事会で新しくできた人権審査制度です。
(
概要はhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinken_r/upr_gai.html)を参照してください。

2008
年に始まった制度も折り返し地点の2年を過ぎ、よりよい運営が模索されています。
一般討議では、現在進んでいる国連人権理事会の見直しのプロセスの一環として、UPR制度の改革・改善に関する議論が行われました。
UPR
審査は、特定国の人権問題が恣意的にやり玉に挙げられるのではなく、全ての国が平等に人権状況を審査されるという点で積極的に評価をされ、人権状
況の改善の役だっているとの評価もある一方、有効性が疑問視される場面もあります。
その原因のひとつは、審査を受ける国が、事前に根回しをして、審査の際に発言をする「スピーカー・リスト」を友好国で埋めてしまい、人権状況に批判をし
そうな国の発言を排除しようとする傾向があることです。議論の中では、そうした行為をなくして真に公正な審査とするために、「スピーカー・リスト」の在
り方を改善しようという提案がなされています。
また、UPR審査の結果出される勧告が抽象的なものが少ないため、対象国の人権状況を具体的に改善するために活用しうる勧告になっていない点を改善しよ
う、という提案も出されました。
また、なんといっても、UPR審査で勧告を受けても、それを実現しないことが最大の問題であるとして、どうやって勧告を実施させていくか、勧告に従わな
い国にどう対処するか、を人権理事会としてきちんと議論する必要がある、とのことが真剣に討議されました。

こうした討議のなかで、既にUPRを受けた国々の代表団から、UPR審査で受けた勧告に基づいて、人権条約や選択議定書の批准、国内人権行動計画の策
定、市民団体と提携したフォローアップ・メカニズムの確立など、人権状況を前進させているとの報告がいくつも出されました。2008年に審査を受け、以
2年が経過した国の多くが、UPRを受けた人権状況の改善について次々と報告をしており、中には、フォローアップに関して自主的に「中間報告書」を公
表した国もあります。
実は日本も20085月にUPRの審査を受けましたが、他の国のような成果はまったくあがっておらず、政府として受諾を行った勧告について何ら成果が
上がっていません。
フォローアップに関するNGOとの協議も行われていませんし、中間報告も行っていません。その点では、UPR審査から2年が経過して積極的な変化が生ま
れている他の国々に比べて著しく遅れをとっているという残念な結果です。
日本政府が受け入れた勧告には、人権条約の選択議定書の批准、国内人権機関の設置、女性差別規定の撤廃なども含まれています。
今後、日本の市民社会としても、UPRのフォローアップ、中間総括を求めていくことが今後の課題として重要だと痛感しました。他のNGOの皆様とも連携
して、政府への交渉を進めたいと思います。
(
第1回ご報告・以上)

なお、2008年のUPR審査を受けたHRNの見解は以下の通りです。

http://hrn.or.jp/activity/product/report/200895/

日本が国連などから是正を求められている人権問題はこんなにたくさんあります。

http://hrn.or.jp/activity/product/report/-/

2010年10月 7日 (木)

視点・論点でお話しさせていただいたこと

金木犀がどこでも薫り高くて、大好きな季節です。

春は沈丁花、秋は金木犀の香りがとても好き。

さて、昨夜のNHK視点・論点、見ていただいた方、ありがとうございました。

そこでお話しした内容をご紹介します。

● ○ ● ○  ◎  ● ○  ◎  ○  

今日は、今年726日に初めての判決が下されたカンボジア特別法廷についてお話したいと思います。

 カンボジアでは、1975年から1979年まで、いわゆるポル・ポト派と言われるクメール・ルージュ政権の支配のもと、強制労働、虐殺、拷問などの人権侵害が行われ、100万人以上の人々が殺害された、と言われています。

カンボジア特別法廷は、国連とカンボジア政府の合意に基づいて、こうした深刻な人権侵害を行ったポル・ポト政権の元幹部ら最も責任のある者を裁く目的で設置され、2006年に活動を開始した特別刑事法廷です。

紛争や深刻な人権侵害を経験した社会が、再建の過程で、過去に発生した人権侵害の真相を究明し、その責任者を裁く活動は、過ちを二度と繰り返さない社会を構築していくために、とても重要です。

 旧ユーゴやルワンダの内戦後の国際法廷、そして、2002年から始まった国際刑事裁判所は、いずれも過去の残虐な人権侵害を裁くために設置されて活動してきました。また、アパルトヘイト後の南アフリカや、軍事独裁政権が多くの人命を奪った経験を持つラテンアメリカ諸国は、国内に特別調査委員会を設置して、過去の人権侵害の真実を究明し、再発防止策を確認しています。

アジアでも、ネパール、スリランカ、アフガニスタンなど、内戦の過程で罪もないたくさんの人が虐殺される経験をした国が近年でも少なくありません。しかし、人権侵害の責任は何ら問われず、人権侵害や紛争の再発の火種は残されたままです。

その意味で、30年以上前の人権侵害の不処罰を克服しようとして開始されたカンボジアの特別法廷の取組みは今後のアジアの平和構築にとっても大きな影響を与えるものといえます。

当初、国際社会は、カンボジアにおける司法の独立の欠如などから、この法廷の実現に少なからず懐疑的でしたが、日本は、法廷設置費用の半額近くを負担するなど法廷の実現に大きく貢献し、人的にも日本の検察官が外国人上級審判事として任命されました。平和構築に関わる人権分野に日本が貢献することはまだ珍しく、注目に値するといえるでしょう。

私たちヒューマンライツ・ナウは、この法廷が、被害者が願うような、公正で正義の実現される裁判に近づくように、現地カンボジアのNGOと協力しながら、政治的干渉や腐敗を監視して、是正を求めるなどの活動をしてきました。また、「被害者に正義を」と題する意見書を国際的に公表し、人権侵害の被害者たちが「当事者」としてこの法廷に参加すること、そして被害にみあった補償がなされることを求めてきました。その結果、カンボジア特別法廷では、人権侵害の被害者が当事者として直接法廷に参加する権利が実現し、裁判所には被害者に対する金銭以外の補償を命ずる権限が付与されました。

法廷は、この4年間、何度も腐敗や政治的干渉などの問題に直面しましたが、ようやく1件の審理を終え、今年726日、初めての判決を言い渡しました。残虐な拷問が行われたことで悪名高い「トゥールスレン収容所」の元所長のカン・ケ・イウ被告(67)が、12000名以上の命を奪った拷問・処刑などに責任があるとして、人道に対する罪などで有罪とされ、禁固35年の刑が言い渡さました。

法廷が様々な障害を乗り越えて、初の有罪判決に至ったことは、不処罰の歴史を克服し、被害者にとって正義を実現する第一歩といえるでしょう。

カンボジアで開催されたこの法廷に対する国内の関心は非常に高く、連日約300人、のべ約3万人が傍聴に訪れました。その中には若者も多く、この法廷は過去を若い世代に語り継ぐ場としての役割も果たしました。

法廷では、22人の被害者が、時に言葉を詰まらせながらも人権侵害の実情や苦しみを語りました。法廷と並行して、全国各地でたくさんの市民団体主催の公聴会が開催され、多くの被害者たちがそれぞれの地域で、自分の経験を語りました。これまで人権侵害の再発を恐れ、心の傷を負ったまま沈黙を守ってきた人々が被害を語り始めたことは、カンボジア社会の平和構築にとってきわめて重要な経験といえます。

何より判決が送った、「重大な人権侵害を行った権力者はいつか処罰される」というメッセージは、権力者から再び同じ人権侵害を受けるのを怖れて何も言えずに暮らしてきた人々に大きな意味を持つものといえるでしょう。

しかし、法廷をめぐる今後の課題も山積しています。

法廷はまだ一人の有罪判決を出したにすぎず、ポル・ポト派元最高幹部であるヌオン・チア、イエン・サリ、キュー・サムファン、イエン・チリトは身柄を拘束されたまま、公判がまだ開始されてもいません。最も責任を負うとみられているこの4名の事件の真相を究明し、公正な判決が下さない限り、法廷はその使命を果たしたとはいえません。身柄拘束の長期化や幹部らの年齢を考慮すれば、4名の公判は一日も早くはじめられる必要があります。関係者の最大限の努力を求めたいと思います。

さらに、この4以外の元幹部たちに対する捜査も始まっていますが、カンボジア政府は、これ以上の訴追の拡大に消極的な姿勢を示しています。しかし、政府が訴追の拡大に政治的圧力をかけるようなことは、司法の独立を脅かす政治介入であり、許されません。

一方、今回の判決は、被害者に対する補償措置の点でも大きな問題を残しました。

法廷が命じた補償措置は、被告が公判中に行った謝罪の言葉を、法廷のウェブサイトに掲載しただけです。裁判に参加した当事者はあまりにも期待とかけ離れたこの判決に失望しています。

今回の裁判では、金銭的な補償は、制度として認められていません。しかし、被害者たちは、ポルポト政権下の人権侵害の過ちを二度と繰り返さないためのあらゆる方策を尽くすこと、例えば、人権侵害の実態を記録する資料館や教育施設の設置、慰霊塔の建立、教科書への記述、さらに精神的トラウマへのケアなどを求めています。法廷には、こうした被害者たちの声を反映した、適切な補償措置を再考してほしいと思います。

他方、当初3年の予定で予算が組まれていたこの法廷の財源は、設置から4年がたった今、不足に陥っています。法廷が資金難のために打ち切られることがないよう、国際社会の継続的な支援も求められています。

日本を含む国際社会には、カンボジア法廷の運営や補償措置実現のための財政的な支援を行うこと、そして、法廷への政治的干渉や圧力、腐敗などに明確に反対し、公正な裁判が実現するよう役割を果たすことが求められます。

一方、現在のカンボジアの人権状況も憂慮すべきものです。この9月に入り、野党のリーダーが政治的表現を理由に懲役10年の判決を受け、人権団体のメンバーも同様の理由で懲役刑を宣告されるなど、言論の自由が政権の意向で弾圧され、司法が言論弾圧の一翼を担っている状況があります。カンボジア特別法廷に注目が集まる影で、国内の人権抑圧が進行しているのです。

日本を含む国際社会には、現在起こっている深刻な人権侵害にも機敏に対応し、歯止めをかける役割が求められています。

私たちもNGOの立場から、現地の人々と連携し、引き続きカンボジア法廷に被害者の声を反映させる活動を続けるとともに、現在の人権問題に声をあげていきたいと思います。

2010年10月 6日 (水)

今日のNHK「視点・論点」でお話しします。

東京に戻ってきました。本日はすでに収録してありますけれど、

以下の番組で「カンボジア特別法廷」についてお話をさせていただきますので、

ぜひよろしければご覧くださいますよう。

◆NHK 教育テレビジョン 「視点・論点」

106日(水)22:50 - 23:00 放送予定

2010年10月 5日 (火)

大阪で面白い人たちにお会いして

大阪出張の機会に、面白い国際活動をしている人を紹介していただき、会いに行った。

 どうも東京の普通の弁護士と話していると、私が一きわ突出して国際人権活動をしているように言われるわけで、そういう人は私をして、「もうちょい普通の弁護士らしくすべきか?」なんて一瞬でも考えさせちゃったりするわけですが、どうしてどうして、世の中には涼しい顔で私よりフットワーク軽くディープな活躍をされている突き抜けた弁護士や教授や経営者がおられる。そういう人に会うのが大好き。

私は自分より過剰な人、変わった人、物好きな人、度はずれた人、桁の外れた人とあうのが大好きで、自分の活動筋肉が鍛えられて元気になる。

そしてそういう機会は東京より東京以外の方が多い。地方にいくと「こんなに面白い人、変わった方がいるんだー」と嬉しくなることが少なくないのだ。

東京はローカルな社会からはみ出した、稀代の変わり者が生息する地のように見えて(そういうところが東京の魅力だと思って東京暮らしを続けてきたわけなのだが)、みんないつの間にか形にはまってしまったのか。中央集権の弊害で、バランスのとれた無難な人材ばかりになりつつあるのだろうか、あるいは、東京の生存競争が厳しいことの反映かもしれない。残念なことだ、、

そして突出した人の生息する場所という点では、大阪はとりわけそうであると改めて思う。夜に講演でお会いした聖職者の皆さんもいずれ劣らぬ個性的な人権派の方ばかりで嬉しかった。

また時々行きたいです〜♪

明日は大阪で講演します。

ジュネーブから帰国して家に帰ったのもつかの間。日曜日から大阪にきています。

日曜日は女性の権利に関する講演会をほかの団体と共催させていただいた関係で、昼から大阪。 

明日は講演なので、せっかくなのでいろいろと用事をしてしまおうということで宿泊。会合に参加したり、営業したり、交友を深めたりして、大阪の人情に感動することしきりです。

ひたすらクロワッサンばかり食べていたジュネーブとは一転して、皆様の素晴らしいご配慮で美食も楽しませていただきました。 I Love Osaka

宿泊先はミナミ。ディープな大阪を楽しもうということで、道頓堀川とか見て喜んでいましたが、今日も近所で火事があったみたい、大丈夫かな。さて、明日は以下の講演をさせていただきます。そう、ジュネーブでも見てきましたガザ問題です。

※イベントご案内※

≪「法」から問い、歩むパレスチナ≫

イスラエル軍によるガザ大侵攻(2008年末から)、
ガザ支援物資輸送民間船へのイスラエル軍の襲撃・殺傷(本年5月末)などなど
激化するパレスチナでの暴力。
しかし、それらを「法」で止めようと尽くす人たちもまた、そこに。
その目立たぬ尽力が照らす事実と真実を土台に、私たちのなすべきことを、
そして、私たち自身の問われていることをも、ともに考え、学びましょう。

講師にお招きするのは、ガザ大侵攻の戦争犯罪を調査した
「ゴールドストーン報告書」の作成責任者への直接インタビューも行った弁護士さんです。
それら報告書の語るパレスチナの実態、それらの作成の意義、
それらをパレスチナ支援に具体的に生かす方途、
また、それらが映し出す私たち自身の姿、などをお話しくださいます。

どなた様も、お気軽にお越しください。

●講師: 伊藤 和子さん
(NPO法人「ヒューマンライツ・ナウ」事務局長、弁護士)

●10月5日(火)
夜6時半~8時半

●大阪クリスチャンセンタにて
大阪市中央区玉造2丁目26-47
電話(06)6762-7701)
※JR/地下鉄の玉造(たまつくり)駅から西方面

●参加費: 無料
(当日、カンパをお願いいたします)

●主催: 日本基督教団大阪教区社会委員会

関連して、ヒューマンライツ・ナウの出したステートメントは以下の通りです。

http://hrn.or.jp/activity/area/--/

2010年10月 1日 (金)

元特捜部長ら逮捕

このニュース、前代未聞のことだ。

今回は、最高検が徹底してやろうとしているように見受けられる。

アメリカでもイギリスでも、誤判の徹底検証が進んでいるが、日本も今回膿をだし、必要な改革を実現できるのか。

大阪地検特捜部だけの「とかげのしっぽ切り」で終わってはならない。

再発防止策を公表し、再発が不可能となるような制度改革につなげるべきだ。

http://news.nifty.com/cs/headline/detail/kyodo-2010100101000641/1.htm

前大阪特捜部長ら2人逮捕へ

  大阪地検特捜部の押収資料改ざん事件で最高検は1日、証拠隠滅容疑で逮捕した主任検事前田恒彦容疑者(43)のデータ書き換えが故意だったと認識しながら隠ぺいしたとして、犯人隠避の疑いで前特捜部長大坪弘道容疑者(57)=現京都地検次席検事=と、前副部長佐賀元明容疑者(49)=現神戸地検特別刑事部長=の逮捕状を取った。
容疑が固まり次第、逮捕する方針。

地の底で働く子どもたち 10月14日事実調査ミッション報告会

最も光の当たらない場所で、最も援助や関心が届きにくい地域で、苦しみながら命を落としていく子どもたちがいます。そんな子どもたちの実情を知っていただき、これからのアクションを考える報告会を開催します。ぜひご参加くださいますよう。

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 ◇ヒューマンライツ・ナウ 子どもの権利プロジェクト主催◇
    『地の底で働く子どもたち
        ~知られざるインド児童労働の実情』

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ヒューマンライツ・ナウ(HRN)子どもの権利プロジェクトは、
今年5月31日から6月2日にかけて、インド北東部メガラヤ州の
州都シロンに拠点をおくインパルスNGOネットワークと共に、
メガラヤ州のジャインティア丘陵の炭鉱とその周辺における
児童労働について調査団を派遣しました。

狭くて暗い坑道での過重労働、滑落や地下水による事故も多発し、
命を落とす事も少なくない環境―――
事実調査の結果、調査団は、極端に危険かつ残酷な環境で児童
労働が広く行われている悲惨な現実を目の当たりにしました。

こうした労働に従事させられているのは、多くが周辺国のネパール
やバングラデシュから人身売買でインドに連れてこられた子ども
たちです。

この知られざる児童労働の実態について、調査団による報告会を
開催し、事態改善のために何ができるのかをみなさんと一緒に
考えたいと思います。

ゲストスピーカーに、長くインドに関わってこられたユニセフ
東京事務所代表の平林国彦さんをお迎えし、現地の写真なども
多数まじえて、日本から何ができるかを議論する機会とします。
皆さま、是非ご参加ください!


≪ トークゲスト ≫
◆ 平林 国彦さん ◆
1994年、筑波大学で医学博士号取得。筑波大学病院などで心臓外科医
として勤務後、約10年間、国立国際医療センター(現国際医療研究
センター)国際医療局に勤務し、ボリビア、コロンビア、インド、
インドネシア、ホンジュラス、ウズベキスタン、南アフリカ、ベトナム
等の病院での技術指導、保健省での政策立案支援などを担当。JICA
専門家・WHO短期コンサルタントなどを経て、2003年からユニセフ勤務。
アフガニスタン、レバノン、東京事務所での勤務を経て、2008年から
インド事務所副代表を務める。2010年4月からユニセフ東京事務所代表。

≪ 報 告 者 ≫
◆ 豊田 直巳さん ◆
フォトジャーナリスト。1983年よりパレスチナやアジア、旧ユーゴ
スラビアなどの紛争地をめぐりそこに暮らす人々の日常を取材。
今年5月31日から6月2日のHRN北東インド児童労働調査団に同行。
日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)会員。2003年、平和・
協同ジャーナリスト基金賞奨励賞受賞。著書『イラクの子供たち』
『パレスチナの子供たち』『大津波アチェの子供たち』(以上、第三
書館)、『「イラク戦争」の30日』『子どもたちが生きる世界はいま』
(七つ森書館)、『イラク 爆撃と占領の日々』(「岩波フォト・
ドキュメンタリー 世界の戦場から」岩波書店)『戦争を止めたい~
フォトジャーナリストの見る世界』(岩波ジュニア新書)など。

◆久保田 明人/弁護士。HRN子どもの権利プロジェクト。

◆多良 俊照/フリージャーナリスト。HRN子どもの権利プロジェクト。
        専門は北東インド、ビルマ等の少数民族。
        著作『入門ナガランド』(社会評論社)など。

◆伊藤 和子/弁護士。HRN事務局長。国際会議でインド・メガラヤ
       州で児童労働に取り組むインパルスNGOネットワークの
       メンバーと出会い、児童の炭鉱労働に関する協力を依頼
       される。これを契機にインド調査ミッションを結成、参加。


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●日 時/2010年10月14日(木)18:30~20:30(開場18:15)

●場 所/青山学院大学 総研ビル11階 19会議室
      < http://www.aoyama.ac.jp/other/access/aoyama.html >
正門入ってすぐ右側の建物。「青山学院大学人権研究会」の看板が目印です。
JR山手線・東急線・京王井の頭線「渋谷駅」宮益坂方面出口より徒歩10分
地下鉄「表参道駅」B1出口より徒歩5分

●資料代/500円
     ※人数把握の為、なるべく事前のご予約をお願い致します。
      (Email:info@ngo-hrn.org / Fax:03-3834-2406)


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*問い合わせ先*
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 特定活動非営利法人 ヒューマンライツ・ナウ

 〒110-0015 東京都台東区東上野1-20-6 丸幸ビル3F
       Tel:03-3835-2110 Fax:03-3834-2406
 Email:info@ngo-hrn.org ウェブサイト:http://hrn.or.jp

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スイスからコペンハーゲン、東京

9月30日朝、ジュネーブからコペンハーゲン経由で帰国しました。

ジュネーブはとにかく各国政府や国連関係の方々、国際人権NGOのみなさんと会議に次ぐ会議で、スーダン、カンボジア、ビルマ、コンゴ、パレスチナ等々の人権問題の人権理事会決議や国連総会決議への対応に関するロビーをしていました。

パレスチナ問題の国際社会の対応には、失望することしきり。日頃人権問題に熱心で、いろんな分野で同調することも少なくない欧米諸国の外交官が、この問題では手のひらを返したように冷たくなると、ダブルスタンダードを感じます。

ちなみに現地で出したステートメントはこのような感じ。ガザ問題以外はなんとかうまく落ち着くことのではないでしょうか(決議は今から10月1日までに採択予定)。

http://hrn.or.jp/activity/area/cat32/post-75/

http://hrn.or.jp/activity/area/--/

そんなわけで、観光の暇はなかったのですけれど、国連の方からのフランスの田園暮らしのおうちへのご招待を受けてちょっとなごみ、それと帰国途中に飛行機から見たスイス・アルプスの、雲のじゅうたんのうえに、峰々が輝く素晴らしさに感激しました。

飛行機では一転、赤ちゃんの夜泣きでまったく眠れず、寝不足・・・。東京に到着するや否や、月末ということもあり、休む間もなくお仕事。

会議をはしごしました。国連大学ビルで、ヒューマンライツ・ナウのメンバーでユニセフ東京の平林代表を訪問して児童労働の問題で意見交換。すごく知識と経験の豊富な方で、勉強になりました。

さて、明日はカンボジアの人権問題でTVの収録をさせていただきますが、この寝不足のまま、大丈夫かなあ。。。

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