組閣・人権政策はどうなる?
新内閣が発足した。
民主党政権は、自民党政権に比べて、人権尊重に積極的だ、少なくともそういうマニフェストを掲げてきた、というところについて、私は政権発足前は、肯定的な評価をしてきた。
そういう点では、人権尊重に関係のある法務省・外務省の動向をみてきたのですが、期待していただけに、この一年「結局何一つ前進がない、成果が残せていないじゃないですか」という思いを持ってきた。
取調べの全面可視化、政府から独立した人権擁護機関、個人通報制度の実現、民法改正、そのひとつも実現しない。そして死刑執行。千葉前大臣がそれまで持論として掲げ、経験もあった課題ばかりだったために大きな期待外れで本当に失望した。
そこで、今回の組閣にも、経済・安全保障などと並んで人権に関する部門、とりわけ法務省に関心をもっていたわけですが、
法務大臣に就任した柳田さんという方に、まったく法務委員会などの経験がなく、法務関係の経歴が皆無であることには驚きを隠せない。
法務省を政策転換に導くのにはよほどの知識と経験が必要だと思うのに、官僚任せになるのでは、と危惧される。これじゃ、自民党のころと変わらないじゃないですか。民主党にはたくさん弁護士出身議員がいるので、「なぜ?」
ここはしっかりした方に副大臣・政務官になってもらわないと大変なことになるので、今後の行方を注視したいと思う。
外務大臣は経済外交に注力するといっているが、外務省所管事項には人権・人道・難民などが深くかかわっているのであり、「人権外交」という視点もぜひ持ってもらいたいと思う。就任時にはタカ派を封印したというが、タカ派を進めれば、民主党を支持した国民の考えと外交政策が食い違うことになるであろう。
現在国連では「人道大国」という評判も今は昔。日本の貢献が少なくなり、日本の存在感は凋落の一途をたどり、発言権が著しく低下している。人権・人道面で、日本らしい国際貢献のあり方を発信してほしい。
一方、岡崎トミ子議員が少子化担当・国家公安委員課長になったのは、革新的な人事で、ぜひぱりぱりと、取調べの可視化や、女性の権利の政策を進めていただきたいと期待。
私が活動している、人権NGOヒューマンライツ・ナウでは、昨年の新政権発足時に人権政策に期待して以下の提言書を出していろいろと提言をしている。
関連する国会議員の議員連盟も活動を開始したばかり。今後、政権には、地に足をつけて人権政策に取り組んでいってほしいと思う。
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