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2010年1月

2010年1月30日 (土)

いよいよ大詰め名張事件、反論書を提出しました。

獄中から無実を叫び続けて何十年にもなる冤罪事件、名張事件、私も弁護団の一員になっていますが、最高裁で大詰めとなっています。弁護団の出した新証拠について、最高裁が検察側に答弁書の提出を求め、昨年検察官が答弁書を提出。これに対する反論書を完成させ、昨日提出となりました。

記者レクでもお話したのですが、検察側が出した、「専門家」の意見書は論理的に破綻していることを、以前から証言に立っていただいているお二人の専門家に意見書を出していただいて、明らかにしました。この検察側の「専門家」、一度も証言にも立ったことがないわけで、実験結果などの裏付けもない「意見」が(誤りが明らかなのに)最高裁で重視されることが絶対にあってはならないと思っています。

(メディアの方々) 最高裁の提出に思いがけずたくさんの記者の方々が集まっていただきました。おいそがしい中、ありがとうございました。また、遅い時間の設定にも関わらず記者レクにもご参加いただき熱心に聴いていただきありがとうございました(昨日は急用で記者レクに遅れて参加して失礼いたしました)。今後ともなにとぞよろしくお願いいたします。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100130-00000006-mai-soci

http://www.asahi.com/national/update/0129/TKY201001290194.html

1961年に三重県名張市でブドウ酒に農薬が入れられ、女性5人が死亡した名張毒ブドウ酒事件で、再審を求めている奥西勝死刑囚(84)の弁護団は29日、最高裁に意見書を提出した。弁護団によると、事実上の最終意見書で、最高裁は双方の主張を踏まえて再審請求に対する結論を出す見通しだ。

 最高検は昨年10月、「弁護側の主張への反論があれば、提出するように」との最高裁の求めに応じ、書面を出していた。弁護団の野嶋真人弁護士は提出後、「検察側の書面は毒物の問題に力を入れていたので、こちらも反論した。最高裁は速やかに再審開始決定をして欲しい」と話した。

 奥西死刑囚は取り調べでいったん自白したが、公判では一貫して否認。死刑が確定した後も、再審を求め続けており、現在審理されているのは第7次再審請求。名古屋高裁が05年に再審開始を認めたが、同高裁の別の部が翌年に開始決定を取り消したため、弁護側が最高裁に特別抗告している。

2010年1月28日 (木)

うれしい再会

今日は嬉しい再会の多い日でした。

朝は来日中の国連人権オフィス(OHCHR)のフランス人のスタッフの方と再会。9月のジュネーブ以来です。

で、夕方は、日弁連の取調の可視化に関する市民集会をやりまして、ひさしぶりに足利事件の菅家さん、布川事件のお二人-杉山さんと桜井さん-に再会しました。

冤罪事件を弁護している私にとって、彼らはいわばファミリーのように、親しみを感じてしまう、とてもいい方々ですし、、私たちの取り組んでいる名張事件もわがことのように心を寄せて心配し、応援してくれるのも嬉しい。足利事件の佐藤弁護士にもおあいしました。

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100128k0000m040070000c.html

で、集会は250人も参加されて大変な熱気で成功しましたが、冤罪被害者の方々のお話を聞くにつけ、取調の過酷さに胸が締め付けられます。取調の可視化をなんとしても早く進めなければ、と思います。

二次会にちょっとだけお邪魔した後、来日中の国連・北朝鮮の人権に関する特別報告者のムンタボーン教授にご相談があり、再開しました。教授はこんな方。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/22/1/0115_05.html

私がかねてより大ファンの国際的に大活躍の、タイ人の人権の専門家なのですが、夜遅くお邪魔したというのに、明日朝早いというのに、本当ににこやかに親切に接していただき、ビールまでごちそうしていただきました。人権活動に対する真摯で公平無私、そして決しておごることのないムンタボーン教授の姿勢には、いつも本当に感動して、心が洗われます。素晴らしいです。

そうですね、今日おあいした方々は、私にとって「あの人とあうと元気になる」という方々だったのです。

民意を斟酌しなければならない理由はない??

平野官房長官の発言、呆れてものがいえません。

「民意を斟酌しなければならない理由はない」なぜ? 民主主義の国にあって、選挙の結果政権についた者の言うべき発言ではない、何を勘違いしているのでしょうか。

政治家としての資質に欠けているとしか到底思えない、許せない発言で、この一言で辞任すべきでしょう。絶対信用できません。

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)を米軍キャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市辺野古)に移設する日米合意は、名護市長選で反対派市長が誕生したことで実現困難となった。しかし、平野博文官房長官は25日の記者会見で「(選挙結果を)斟酌(しんしゃく)しなければならない理由はない」と発言。合意履行を求める米側への配慮とみられるが、地元や与党内からは反発が噴き出した。鳩山政権が招いた県外移設論の着地点は見えない。

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100126ddm001010002000c.html

http://mainichi.jp/photo/archive/news/2010/01/26/20100126k0000m010134000c.html

2010年1月26日 (火)

広尾でお金の使い道を考える♪

21日に、広尾で「どこに行ってる?私のお金」というシンポジウムにパネリストとして参加。

私たちの預けているお金が、人権侵害や非人道兵器に使われていたら、、というお話で私自身勉強になりました。

以前ご紹介したClive Owen主演の「The Bank」(原題 International)で描かれていた世界が典型ですが、でも実は身近な話なんです。預金はどこに預けるか、私たちが選択肢を握れるので、今後いろんなアクションが展開できそうで楽しみです。

さっそくツイッターで中継してくださる方もいました。

http://d.hatena.ne.jp/hsksyusk/20100121/1264085990

スーチーさんが釈放される?! 信じたいけれど

こんなニュースを発見。ネットでは話題になってます。信じたいけれど。。。

http://www.irrawaddy.org/article.php?art_id=17651


" Suu Kyi Will Be Released" Home Minister       By BA KAUNG Monday, January 25, 2010

 

The detained leader of Burma's main opposition party, the National League for Democracy (NLD), Aung San Suu Kyi, and her deputy, Tin Oo, will be released this year, the Burmese Minister for Home Affairs Maj-Gen Maung Oo reportedly told local officials in Kyaukpadaung Township last week.

According to a Reuters report, Maung Oo made the statement on Jan. 21 at a gathering of local officials in the central Burmese town.

“We heard that Daw Suu will be released in November this year and U Tin Oo on Feb. 13,” said NLD spokesman Khin Maung Swe. "Maung Oo also said that the NLD is not so bad and should be listened to."

Detained Burmese pro-democracy leader Aung San Suu Kyi, center, exits the Inya Lake Hotel after meeting with US Assistant Secretary of State Kurt Campbell in Rangoon on November. (Photo: AP)

“We welcome the news. But this is not politically significant since the elections would already be finished when Aung San Suu Kyi is released,” said Win Tin, an NLD leader, adding that if Suu Kyi is not released until after the elections, the chances are lowered of the NLD participating in the current political process.

According to sources in Kyaukpaduang Towship in Mandalay Division, Maung Oo said at the meeting that the election will be free and fair and that polls will not be rigged.

Both Suu Kyi and Tin Oo, the deputy chairman of the NLD, are currently under house arrest. Nobel Peace Prize laureate Suu Kyi had her house arrest extended in August for briefly sheltering an American citizen who swan uninvited to her lakeside home in Rangoon.

Maung Oo played a role at the end of Suu Kyi's trial, theatrically entering the courtroom to read aloud a statment from junta chief Snr-Gen Than Shwe that commuted Suu Kyi's sentence from three years' hard labor to 18 months under house arrest, which runs from May 2009 to November 2010.   

Tin Oo has been under house arrest since May 2003 when Suu Kyi and many of her party members were attacked by a government-sponsored mob in the village of Depayin in Sagaing Division.

Burmese junta chief Snr-Gen Than Shwe reaffirmed earlier this month that an election will be held this year. The Japanese newspaper Asahi Shimbun, recently reported that the election will be held on Oct. 10, citing a Burmese military source.

Some observers said the Oct. 10 date provided by the Asahi source was plausible, given the junta's superstitious attachment to auspicious numbers. By holding the election on the 10th day of the 10th month in 2010, the regime leaders believe their victory is assured.

オバマ政権一周年・週刊金曜日に掲載

アメリカ・オバマ政権の人権政策、特にグアンタナモ基地や愛国者法の問題について、週刊金曜日にちょっとした論文を出しました。ほかの論者の方も書いています。

http://hrn.or.jp/activity/20100122Guantanamo-shukankinyobi-s.jpg

中身は、というと、とにかくえんえんと事実を書いています。

ちなみに一年前に書いた期待はこんな感じで、対比してみると、がっかりする部分のほうが多い。

http://hrn.or.jp/activity/media/20090213/

事実を書くと、まったく失望することばかりなのですが、

オバマ政権に期待して、一昨年の当選時にはあんなに感動していた私としては、あのきらきらした夢見る頃を過ぎて現実が見えてきた今も、やっぱりオバマ大統領にはがんばってほしいと思う、過去の大統領に比べればずっとずっとましな人なのだから、、、(と最近ムーア監督の「キャピタリズム」を見て再び思った)

批判しながら、それでも頑張ってまともな方向に進んでほしい、アフガニスタンでの人殺しももうやめてほしい、という期待を込めて書いたつもり。

2010年1月24日 (日)

名護市長選の結果

普天間問題、民意が示されましたね。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100124-OYT1T00692.htm?from=navlp

沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設受け入れの是非が最大の争点となった同県名護市長選は24日投開票され、受け入れに反対する新人で前市教育長・稲嶺進氏(64)(無=民主、共産、社民、国民推薦)が、容認派で自民、公明両党の支援を受けた現職・島袋吉和氏(63)(無)を破って初当選した。

 鳩山首相は選挙結果を普天間移設先決定の判断材料にすると明言しており、受け入れ反対派の稲嶺氏が勝利したことで、名護市辺野古に移設するとした2006年の日米合意の実現は極めて困難となった。市長選の結果は、在日米軍基地の再編計画全体の行方にも影響を与えそうだ。

 当選後、稲嶺氏は「辺野古の海に基地を造らせないと皆さんに約束した。信念を貫く」と決意を語った。

 稲嶺氏は選挙戦で、普天間の新たな移設先について、「沖縄県内でのたらい回しは沖縄の基地整理・縮小の流れに反するので、あってはならない」とし、「県外・国外移設」を求める考えも訴えた。

 普天間移設問題をめぐり、鳩山政権は昨年12月、名護市辺野古沖の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部への移設計画を白紙化し、移設先を新たに選定する方針を決定。鳩山首相は今年5月末までに結論を得るとし、その際には、現行案の移設先である名護市長選の結果を判断材料とする意向を表明したため、米政府も高い関心を寄せてきた。

 名護市は、日米両政府が1996年に普天間飛行場の全面返還に正式合意後、移設先として浮上したが、地元の賛否は受け入れをめぐって激しく割れた。97年には賛否を問う市民投票が行われ、反対票が過半数を超えたが、98年以降に行われた3回の市長選では移設容認派の候補が勝利した。今回は、民主党が昨年9月に政権交代を果たした結果、「県外、国外移設」に期待する県民世論が再燃した中での選挙戦となった。

 稲嶺氏は名護市への移設反対を前面に出したほか、陣営が政権交代による鳩山政権とのパイプの太さを強調。「基地とリンクしない振興策」を訴えて、景気低迷に苦しむ市民に浸透した。

 島袋氏は、移設問題については「過去3回の選挙で決着済み」だとして選挙戦で積極的に触れず、これまでの地域振興策の実績を訴えたが、及ばなかった。

 投票率は76・96%で、06年の前回選挙(74・98%)を上回った。

独占インタビュー! ゴールドストーン氏

驚いたことに、独占インタビューをさせていただきました。こちらのトップです。

http://hrn.or.jp/

http://www.ngo-hrn.org/eng/index.html

一年前のガザへの軍事行動に対する国連独立調査団の団長をつとめたゴールドストーン判事と、実は昨年11月、ウィーンで偶然おあいして、せっかくなので「インタビューしたいんです」とお願いしたところ、快くOKをいただきました。聞いてみたところ、「10月以降世界中のどのメディアにもNGOにも取材を断ってきたけれど、あなたたちは例外」とのこと。

なぜ私たちを例外にしていただいたのか、よくわかりませんが、期待に応えてがんばらなくては、と思っています。で、世界中の国際人権団体に情報提供をしているところです。

風邪にはトマトと鷹の爪

私にとって冬は、一年の中でも不活性の時期で、よくいえば鋭気を養っている、ということなんですが、いま、どうしても風邪が抜けませぬ。そんななか、マイブームはトマトと鷹の爪。

トマト・リゾットにトマト鍋、ペンネ・アラビアータなど、トマト、にんにく、鷹の爪をキーワードに食べ物を選んで、元気をつけようとしています。そしてハーブ、オリーブオイルに赤ワインもこの系統の料理の決め手ですね。まだ風邪の撃退には至っていませんが、効果は結構大きい。元気出ます。私はいったんこうと決めると食べ続ける傾向のある人なので、家でも外でも、しばらく続きそうです。

みなさまもお体にきをつけて。

2010年1月21日 (木)

可視化の議論、こんなことでよいのか。

私は可視化法案を推進してきましたけれど、以下のような動きには心底がっかり、というか軽蔑してしまいます。これまでいくら働きかけても今国会では難しい、とみんなが重い腰だったこの法案が一転こんなふうに扱われるとは。まさに党利党略で、人権のことを考えた真剣な議論とは思えず、悲しいですね。国を実際に動かしている政治家のレベルはこの程度なんでしょうか。

【なりふり構わぬ民主、検察威嚇も見え隠れ、可視化法案 】

     政府・与党には異論も。

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100121/stt1001210006000-n1.htm

 民主党が取り調べを録音・録画する刑事訴訟法改正案(可視化法案)の提出を突然打ち出したのは、小沢一郎幹事長の資金管理団体の土地購入事件が重大局面を迎え、検察当局への牽制(けんせい)を狙ったためのようだ。党執行部は「捜査情報の漏洩(ろうえい)(リーク)問題対策チーム」を発足させるなど、なりふり構わぬ“暴走”を続けており、政府側は困惑を隠さない。可視化法案が政権内の新たな火種になる可能性もある。(山田智章)

 「連日過剰な報道が繰り返されるが、国民もようやく本質がなんであるか気づきつつある。可視化法案を出すべきだという意見をいただいている。執行部もきちんと対応していきたい」

 輿石東(あずま)参院議員会長は20日午前、参院議員総会で唐突に可視化法案の提出をぶちあげた。平田健二参院国対委員長も同日午後の記者会見で「できるだけ今国会で成立する方向で検討するのは当然だ」と語った。

 もともと可視化法案について、中井洽(ひろし)国家公安委員長・拉致問題担当相が昨年10月の記者会見で法案提出まで2年かかるとの見通しを示しており、政府・与党の今国会提出予定法案リストにも入っていなかった。

 にもかかわらず、輿石氏が可視化法案を持ち出したのは、法案を検察当局の揺さぶり材料にしようとした可能性が大きい。ある党幹部は「衆院選のマニフェスト政権公約)に沿っているだけだ」ととり繕うが、別の党幹部は「幹事長室がすべて音頭をとっている。検察への対決姿勢のひとつだ」と打ち明ける。

 輿石氏は、16日の民主党大会で小沢氏から「幹事長の表向きの仕事は任せる」との指名を受け、党務ナンバー2にのし上がった。よほどうれしかったとみえ、その後は小沢氏擁護に奔走。19日は東京・赤坂の小沢事務所を訪ね、「党は一致して支える」と激励。報道

成田空港滞在78日、中国人権活動家に面会

今日、民主党の牧野聖修議員と一緒に、中国人権活動家の馮正虎(ひょうせいこ)さんに面会してきました。この方は中国から入国を拒否され、日本に送り返されてきたので、抗議をして空港の入国審査前の制限エリアで生活を続けているとのこと。

まさに日本と中国のはざまでどこにもいけない状況なのです。彼についてはこんな記事が。

http://mainichi.jp/select/world/news/20100120ddm007030092000c.html

 日本政府が何をしてくれるわけではないので、制限エリアのベンチで毎日寝ているそうで、お風呂にも入れず、制限エリアのトイレの水で生活しているようで、健康的にも人道的にも大変問題があります。

 ただ、彼の状態をネットで知った人々が、日本入国の際に差し入れをしてくれるそうで、ビスケットなどの食べ物はあるそうですが、それでも温かいお弁当などが食べられない状況だということ。驚きました、本当に。

日本に入国すれば保護が受けられるかもしれませんが、日本にいったん入ると「帰国したい」という彼の希望が遠のいていく難しい問題になるので、あえて帰国するまでとどまるというのです。

日本政府にはそうした状況も踏まえつつ、もっと人道的な措置を求めたいものです。

ところで、自分の国に帰国するのは、世界人権宣言でも認められた当然の権利。中国政府は理由の如何を問わず、自国民の入国を拒否するようなことはしてはならないはず。

日本政府も中国との親密関係ばかりが目立ちますが、中国の人権問題が深刻なのは明らかなのですから、人権問題についてタブーにせすに中国政府に正面から要請してほしいと思います。

馮正虎(ひょうせいこ)さんには、法的なサポートが必要な場合は連絡してね、と言って別れました。この件、国連人権担当官にも掛け合ってみるつもりです。

2010年1月11日 (月)

明日のお知らせ・紛争予防・紛争解決のセミナー

  私が充電をしていました年始ですが、そんな年始早々から、たくさんの方がNGOヒューマンライツ・ナウに入会していただいたり、メールマガジン申し込み、取材・講演のお問い合わせ、海外からインターンの申し込みなどいただいていたことがわかり、驚きと感謝。

 既にボランティアさんと関西グループの皆様は新年早々、定例ミーティングをやっていただいていて、素晴らしい。

ありがとうございます。今年もよろしくお願いします!

 さて、以下のセミナーも参加申し込みをたくさんいただいていますが、こちらのブログではご紹介していなかったので、ご紹介させていだたきます。明日なんですけれど。。。申込なしで参加できます。

 人権を守ることを通じて紛争を防ぎたい、平和を実現したいというのは私のバックボーンにある考え方なので、私自身、楽しみにしている企画です。可能でしたらぜひご参加ください。

◆国際人権セミナー~人権の視点から見た紛争予防・紛争解決~◆

(特活)ヒューマンライツ・ナウでは、2010112日(火)に、

英国エセックス大学ヒューマンライツセンターのディレクターである

ジョン・パッカー教授を招いて、国際人権セミナー「人権の視点から

見た紛争予防・紛争解決」を開催いたします。

講師のパッカー氏からは、国連及び欧州安全保障機構(OSCE)で

人権及び紛争予防に関する専門家として、イラク、アフガニスタン、

ビルマ、コソボなどでの人権侵害や紛争予防に携わった豊富な経験

もとに、効果的な紛争予防における人権の役割とその限界、

紛争予防・解決において、人権NGO、法律家、そして日本政府が

担うべき役割などについてお話いただきます。

●講師:ジョン・パッカー氏

(英国エセックス大学教授・同大学ヒューマンライツセンターディレクター)

●パッカー氏の主な経歴

1987年から1991年までILOUNHCRのコンサルタント。

1991年に国連人権センター(現在の国連人権高等弁務官事務所)

人権担当官に就任し、イラク、ビルマ、アフガニスタン等における

重大人権侵害や司法の独立などについての調査を担当。

1995年から2004年まで、欧州安全保障機構(OSCE)の法律顧問

同機構の少数民族問題特別代表事務所(HCNM)のディレクター

歴任。その後、「静かな外交による紛争予防イニシアチブ」

(Initiative on ConflictPrevention through Quiet Diplomacy)

コーディネーター(2004年から20079月)、200710月より現職。

マイノリティライツ・インターナショナル(MRG)、居住権と立ち退き

センター(COHRE)などの理事を長年にわたって務めるなど、

国際的な人権NGOとの結びつきも強い。

http://www.essex.ac.uk/human_rights_centre/staff/profile.aspx?ID=212

●日時 2010112日(火)

午後630分~午後830分(開場 午後6時)

●会場 青山学院大学青山キャンパス 6号館1階 第4会議室

交通/JR山手線・東急線・京王井の頭線「渋谷駅」宮益坂方面出口より徒歩10

地下鉄「表参道駅」B1出口より徒歩5

●参加方法 参加費無料・直接会場へお越し下さい。

※事前申込は不要ですが、人数把握のため、できるだけ事前にメー

ル等で後記の問い合わせ先までご連絡いただけると幸いです。

●通訳 あり

●主催 (特活)ヒューマンライツ・ナウ / 青山学院大学人権研究会

2010年1月 6日 (水)

今年の注目

今年は何が起きるでしょうか。私がいま、注目していることはこんなことです。

1  普天間基地問題

 なんといっても、これです。沖縄の人々の被害を軽減するために、アメリカと対等に交渉できるか、鳩山政権への期待はとにかくここにかかっていると私は思います。

2  民主党政権の人権改革

 取調の全面可視化、人権条約の個人通報制度の実現、民法改正、政府から独立した人権擁護機関の設置、これらは千葉法務大臣が就任の際に公約したり、その後前向きな意向を示した課題ですが、今のところあまり目に見える進展がありません。

 日本を人権に開かれた、近代的な国に(その意味では普通の国に)するためにずっと前にやっておくべきことぱかりですが、これくらいはやっていただかないと、と新政権に期待しています。

 また、今年からはじまるビルマ難民の第三国定住にも注目。

3  名張毒ぶどう酒事件

 私的には、とても優先順位が高い(心情的にはナンバーワン)問題。私の取り組んでいる死刑再審事件です。無実の死刑囚奥西さんはもう84歳です。今年、最高裁の決定が出されると予想していますが、なんとしても、再審無罪にしなければ!!! とかたときも心から離れず、思い続けて行動しています。そして今光があてられつつある冤罪被害者の経験を、冤罪の起きない制度改革につなげていきたい。

4 NPT再検討会議(5月 ニューヨーク)

NPTは、核不拡散といって非核保有国を監視するだけでなく、とにかく核保有国が核軍縮を進めなければ話になりません。そのための再検討会議です。

 五年前はちょうどNY留学中で、参加していましたが、ブッシュ政権下で惨憺たるものでした。しかし、今年はオバマ政権が核軍縮に前向きですので、前進があることを期待。それと、核だけでなく、劣化ウラン兵器についても議論を進めてほしいものです。

5 ICC再検討会議(5月、ウガンダ)

 戦争犯罪などを裁く国際刑事裁判所が2002年にスタートして、7年たち、その条約の内容を再検討しようという締約国会議です。知られていませんが、実はこれが重要。

 まず、侵略を罪として裁くことを正式にスタートできるかどうか、そして侵略の定義をどうするか、が議論されます。これが決まれば、今後の侵略戦争を抑止する大きな力になるはず。

 また、戦争犯罪に核兵器、クラスター爆弾、劣化ウランの使用を含めよう、という提案も出ています。NPTとあわせて非人道兵器の被害根絶のために注目すべき動きです。

6  派遣法改正

 日本に戻りますが、これもぜひやってほしい。登録型派遣の原則禁止! 違法派遣の正規雇用義務化など。

7  中東和平

 中東パレスチナ和平がどう進展するか、そして、一年前のガザ攻撃について、戦争犯罪の責任がきちんと追及されることになるのか、注目しています。

8  ビルマ総選挙

 ビルマでは総選挙が行われる、と軍事政権が宣言しています。しかし、アウンサンスーチーさんはじめ、2000人もの政治囚が拘束されたまま。自由のない選挙では民主化の名に値しません。日本からNGOとして状況を監視し、真に開かれた選挙で民主化が実現するよう、ロビー活動などの支援を展開したいと思います。

9  ブッシュ路線をオバマは継承するのか? グアンタナモ基地問題、アフガン戦争、イラク検証。

  オバマ政権に対する期待はかなり薄れつつある昨今。アフガニスタン増派はどうなるのか。武力行使が新たな人権侵害の犠牲を生み、報復を拡大させることになるでしょう。

 テロ容疑者への拷問・無期限拘束で一躍国際的批判を浴びたグアンタナモ基地収容所は、政権公約に反して、1年で閉鎖されない見通し。仮にグアンタナモが閉鎖されて国内移転してもテロ容疑者の無期限拘束は継続されるかもしれません。

 オバマ政権下では悪名高き愛国法も延長されそうな勢い。本当にブッシュ路線を転換できるのかが問われています。

 他方、イラクの人々の戦争被害は忘れ去られたままです。イラク戦争の検証や、前政権の戦争犯罪に関する独立した調査・訴追も重要な課題です。日本でもイラク政策の検証を進めていきたい。

10 そして経済

 事務所を訪れる方々も、経済状態が悪い方々が多く、本当に身につまされます。

 しかし成長戦略などをしゃかりきに考えることはどういう方向なのか、人々をより追い詰めていくのではないか、バブル崩壊後の状況や小泉改革の状況を分析して、よく考えないといけません。鳩山首相は年頭に、経済のために人が犠牲になるのでなく、人々のために経済がある、という転換をすべきだ、と言っていて、理念は大変素晴らしいなと思いました。しかし、それを現実にするにはどうしたらよいのか。簡単に答えが出ず、私自身も考え込んでしまうテーマですが、この機会にみんなでじっくり考える必要がありそうです。

2010年1月 4日 (月)

今年もよろしくお願いします。

皆様、新年をいかがお過ごしでしょうか。今年もなにとぞよろしくお願いいたします。

昨年は父が逝去しましたので、新年の年賀状でのごあいさつを差し控えさせていただき、お早々と賀状をいただきました皆様には申し訳ありません。今年も変わらぬおつきあいをよろしくお願いします。

さて、今年は父の逝去後、あっという間にいろいろなことが起きて、公私ともにあまりに忙しすぎたので、新年はしばらく充電したいと思います。とはいえさすがにロングバケーションをとる余裕はないので、一月半ばには始動と考えています。クライアントの皆様には今週からのスタートとならず、ご不便をおかけいたします。

 NGOヒューマンライツ・ナウは、8日よりスタート、12日にはセミナーの開催も予定しておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。

  最近は、あまりにめまぐるしく、いろいろなことが起き、そのたびいちいち惑わされ気味ですが、それではいけない、じっくりと本質を見極めて、自分にしかできない貢献をしていかなければ、と先人の書物に触れるにつけ思います。

  大局的に先を見通して、じっくりと人生を進みたい、努力・研鑽したい、そして楽しみたい、と思います。そして、冬の間は大きな方向性をきちんと考えたり準備する期間にしたいものです。

  今年は実現したい願い、そしてNGOヒューマンライツ・ナウおよび弁護士業務においていろいろな課題や日程が控えていますので、鋭気を養った後は、力を尽くして、ひとつひとつ確実に実現していきたいと思います。

  2010年というのは、子どものときにはすごい未来社会、未来都市になっていると思っていた年ですので、その年を迎えたというのは感慨深いものです。人類は、そして私たちは、今の危機を抜け出し、賢く考え抜いて選択し、よい時代をつくっていくことができるか、正念場にあるのではないでしょうか。

 2010年がみなさまにとって、実りに多い一年になりますように、祈念しています。

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