学界回顧に。
今日は、とても励みになる出来事が。
「法律時報」という法律の世界ではとても権威ある法律雑誌・毎年この時期に「学界回顧」という特集があります。そこになんと、私が昨年12月末に訳者として出版しました、「なぜ無実の人が自白するのか」を紹介していただいていたのです。本はこちら。
取り上げていただいたことを知らなかったもので、パラパラと手にしてめくっていて「そういえば私も本を出したんだから、取り上げてくれてもいいのになー。まあ、学者じゃないから無理だろうけど」と思っていたところ、なんと刑事訴訟法の書籍の最初のほうに、私の本の紹介が。。
しかもスペースを割いて、とっても肯定的に取り上げていただいていたのです。法律時報には、川崎英明先生に10月号で書評も書いていただいていまして、嬉しかったのですが、今日はこのように評価をしていただいたことが本当に嬉しかったです。
まあ、これは、そもそも訳書であり、スティーブン・ドリズィン先生などによるもともとの研究自体が画期的で素晴らしかったわけですし、また、この書籍で取り上げられた、名張毒ブドウ酒事件が、私が担当する事件ではありますが、多くの刑事訴訟法学者の先生方に研究され、注目され、わがことのように気にかけていただき、惜しみないご支援をいただいている事件である、ということが何よりも大きいわけですが、そうした応援的なお気持ちもありがたく、そして、やはり正当に業績を評価していただけることは嬉しいのです。
本書については「自由と正義」に村井敏邦先生、「季刊刑事弁護」に水谷則男先生にも書評を書いていただきましたので、本当にありがたく思っています。
いつも緻密に研究を積み重ねていらっしゃる刑事法研究者の方々の足元にも及ばないわけですが、こうやって、少しずつでも研鑽を積んで、着実に、地道に良い仕事を積み重ねて、司法制度や人権の改善に対して、私なりに貢献していきたい、と改めて思ったのでした。
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