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2009年12月26日 (土)

イラク戦争の検証を求めるNGO要請書の提出

12月25日、NGO8団体で、日本政府のイラク政策検証のための独立調査委員会設置を求める要請書を政府および全政党に提出しました。
これはイラク戦争が開始した2003年以降のイラク政策に関する検証を求めるもので、すでにイギリス、オランダでは政府が検証を行うことを決定しています。

私が事務局長をしている団体 ・ヒューマンライツ・ナウもこの要請に加わりました。

イラク戦争・占領の過程での、クラスター爆弾、劣化ウラン弾、白リン弾などの非人道的な兵器の使用や民間人攻撃など、国際人 権・人道法に違反する可能性の高い行為に関する調査を求め、かつ戦争被害を把握したうえで、人権回復を基礎に置いた今後の援助政策を求める観点から、参加してます。 
昨日は、JVC谷山代表、JIM-Net佐藤事務局長と私が、外務省を代表して対応した外務省西村ちなみ政務官 に共同要請書を提出・要請しました。

実は、私、イラク戦争には以前より一方ならぬ関心を持ってみてきましたし、劣化ウランの被害にあった子どもたちのサポートをする活動もお手伝いしているのですが、最近は特に「イラクが忘れられていること」に胸がつぶれるような思いがします。

ときどき国連関係の会議や、人権に関する国際会議に参加するのですが、イラクのことが一言も語られず、まるで戦争が起きて多くの命が奪われたことすら忘れられたかのようだからです。

国連人権理事会には、イラクから代表がきて、イラクの人権侵害をなくすために各国の行動を求めるスピーチをしていますが、みんなが聞き流しており、キャンペーンを張る国際NGOもいません。だいたい出身国の政府がイラク戦争や占領に参加して今の状況をつくりだしている共犯者で、そうした政府に働きかけても何もしそうもないので、成果のあがりそうもない活動はNGOもお金や時間を割いてキャンペーンができないということのようなのです。

WHOは2006年、イラク戦争後に戦闘などによって死亡した人は15万から最大22万人にのぼる、と発表し、人口の1/7にあたる約400万人が家を追われ、大量の難民、国内避難民が今もいる、というのに。。。

イラクで起きたこと、そして現在進行形の人々の苦しみを忘れないで、何ができるかをぜひ考えていかなければと思います。 

2009年12月25日
内閣総理大臣 鳩山由紀夫 殿
外務大臣   岡田克也 殿
防衛大臣   北澤俊美 殿

NGOによる日本政府のイラク政策検証のための
独立調査委員会設置の共同要請書

私たちは、イラクの人々の支援および人権に関わるNGOの立場から、日本政府に対し政府のこれまでのイラク戦争やイラクへの人道復興支援に関する政策を
検証し、評価するための独立調査委員会を設置することを求めます。

2003年、ブッシュ政権はイラクに軍事攻撃を行い、日本の小泉政権(当時)はこの戦争を支持しました。その後、開戦時最大の根拠であった「イラクが大
量破壊兵器を所有している」という情報が誤りであったことが判明し、戦争を始めたブッシュ元大統領もこれを認めました。にも関わらず戦闘は拡大されイラ
ク市民の犠牲はさらに増加しました。日本においては「人道支援」の名目で自衛隊が派遣されましたが、2009年10月防衛省の情報開示により、イラクに
派遣された航空自衛隊の活動の大半が米軍などの多国籍軍の兵員・物資の輸送であり、軍事作戦に協力したことが明らかとなりました。

イラク戦争は世界最悪レベルの人道危機をもたらしました。WHOの推計では、15万人以上の民間人の命が奪われたといわれます。そして現在もなお、
264万6千人の国内避難民と190万人の難民が避難生活を送り、その多くが極度の貧困にあえぐなど、状況はむしろ深刻化しています。イラク戦争・占領
の過程では、クラスター爆弾、劣化ウラン弾、白リン弾などの非人道的な兵器の使用や民間人攻撃など、国際人権・人道法に違反する軍事行動が展開された可
能性が高いにも関わらず、何らの調査・責任追及も行われていません。そして、人権を奪われ、人道危機に苦しむイラクの人々に必要な国際的な支援が実現し
ているとはいえない状況にあります。

私たちは新政権に対し、こうした状況を直視し、日本政府が支持・支援してきたイラク戦争と占領政策・復興支援のあり方について真摯な検証を求めます。既
に英国では、イラク戦争参戦の経緯や軍事攻撃の合法性などについて検証する独立調査委員会が設置され、市民に開かれたかたちで調査が進められていま
す。
これまでのイラクに対する外交・援助政策について透明性のある客観的な検証を行うことは、日本国民に説明責任を果たし、国際社会に信頼される日本の外
交・援助政策を確立するために不可欠と考えます。多大な犠牲を余儀なくされたイラク国民に対しても説明責任を果たし、今後のイラクの支援のあり方を見直
すことが必要です。よって私たちは、以下のことを政府に要請いたします。

1.2003年のイラク戦争に至る経緯及びイラク戦争から現在に至る日本のイラク政策に関して検証を行う独立調査委員会を設置すること。
2.独立調査委員会は以下の条件を満たすものであること。
1)独立調査委員会は政府から独立した第三者機関とし、情報の開示と参考人への聞き取りを求める権限を付与されるべきこと。
2)独立調査委員会の調査活動に伴う討議と進捗状況報告は原則として公開とすること。
3)独立調査委員会の委員には調査内容に利害関係を有する人間を排すること。
3.政府は独立調査委員会の調査結果に基づいてイラク政策に関する評価を行い、その結果を政府見解として発表すること。
4.独立調査委員会の調査結果を踏まえ、かつ現在に至るまでの戦争被害の実態を把握し、真にイラクに必要とされる援助政策を策定すること。

【共同要請団体】
・日本国際ボランティアセンター(JVC)
・日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-Net)
・ヒューマン・ライツ・ナウ
・ピース・ボート
・地雷廃絶日本キャンペーン
・YWCA
・日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)
・ウラン兵器禁止を求める国際連合ジャパン(ICBUWジャパン)

写: 民主党   小沢一郎幹事長
   社民党   福島瑞穂党首
   国民新党  亀井静香代表
   日本共産党 志位和夫委員長
新党日本  田中康夫代表
   みんなの党 渡辺喜美代表
新党大地  鈴木宗男代表
   マスコミ各社

【連絡先】 〒110-8605 東京都台東区東上野1-20-6 丸幸ビル6階
日本国際ボランティアセンター(JVC) 代表理事 谷山博史
(電話:03-3834-2388 Fax:03-3835-0519)

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