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2009年8月 2日 (日)

インテレクチュアル

今日は、午後遅くから、登録してあった「アジア国際法学会東京大会」に参加してきました。

アメリカ留学中はAmerican Society of International Lawによく参加していたのですが、そういう機会が日本ではなかなかない。ついつい考え方が近視眼的、実際的、内向きになりそうなので、よい機会でした。

特に、NYU留学時代に教えていただいた、国際法のマルティ・コスケニアミ教授が参加されるということで、これはいかなきゃと思ったのです。

コスケニアミ教授は(すみません、かなりマニアックな話ですが)、国際法のクリティカル・シンキングという流れの旗手として国際的に有名で、伝統的な国際法的思考に対し、斬新な問題提起を常になされている方で、講義ではとてもエンターテイナー。この分野では、世界的にファンが多いのです。今日も素晴らしくするどい発言を、他のパネリストを怒らせないように紳士的に、かつ挑発的にされていて、圧倒的な存在感でした。

パーティーで久しぶりにお話をさせていただいたのですが、あっという間に「I am a big fun of you!」という人々に囲まれてしまい、大変な人気ぶり。

教授を見ていると、インテレクチュアルというのはこういう人なのだ、と改めて思います。

私が講義を受けた2004年はイラク戦争の直後、当時もブッシュ政権下で国際法は大変深刻な危機を迎えていました。そして、それ以降の5年間で、対テロ戦争の泥沼化、金融・経済危機など、世界はさらに混とんとしています。国際社会にとっては目を背けたくなるような困難な問題ばかりです。

しかし、彼の姿勢は常に変わらず、現実社会の諸問題によって動揺したり、その議論の鋭さが衰えたり、擦り減ったりすることがない。

かつ新しい進展を冷徹に分析し、自分の理論をより研ぎ澄ませ、発展させている。そして現代の問題を適格にとらえて発言をする。シニカルでありながら、将来への確固としたビジョンを失わない。

迷える時代にこそ、難問が山積であるからこそ、「あの人はこの状況をどう思うのか」と話を聞いてみたい存在、そういう人こそが本当のインテレクチュアルなのだ、と改めて思ったのでした。いわば不動に見えて進化を続ける北極星のような。深く感心してしまいました。

日本には実にそういう人が少ないように思います。良識的と言われる知識人の方々も目先のことに動揺したり、怒ったり、感情的になったりしているのですが、私も、師を仰ぎ見、眼先のことにふりまわされたり、擦り減りがちな自分を反省し、もっと研鑽をつまなければ、と思ったのでした。

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