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2009年8月21日 (金)

未来のスーチーさんたち

 引き続きタイ・ビルマ国境のお話です。

 素晴らしい生徒たちに魅せられて、また、「1000本ノック」を思わせる質問攻めにあいながら、私は7日間、19クラスを生徒とともにすごし、国際人権法を教えたのでした。

 しかし、それでもまだまだ足りません。「先生はいつ帰ってきてくれるの」「今度国際人権法のクラスはいつあるの」という声に、帰国する際はとても心残りでした。ヒューマンライツ・ナウでは今後も継続して講師を派遣する予定でいますが、サポートをもっともっと強化し人権についてみんなの理解を深めたいと思いました。

 若者たちの先にある未来

 この学生たちは卒業してからどうするのでしょうか。みんなの顔はあどけなく、とてもかわいいのですが、みんなが、ビルマで困っている人々を助け、そして民主化を実現するために活動したい、というひたむきな思いを抱えていました。国際的なNGOで貧しい人々の支援の仕事に携わりたいという女性。ビルマにかえって弁護士として人権活動をしたいという女性もいました。卒業生のなかには、難民キャンプのなかにある紛争解決の委員会の責任者をつとめている男性もいました。「私たちの住む地域では本当に人権侵害がひどい、あまりにも多くの人権侵害。だから今人権を学ぶことがとても好き。帰国したら周りの人たちみんなにこの経験を伝え、私がみんなを教育するつもり」と話してくれた女性もいます。学生たちは実に様々な民族にわかれています。たとえばカヤン州から来ている四人の男子学生と話をしていたとき、彼らは「みんな民族が違う。そしてこのうち二人の民族は敵対していてたたかいを続けている」と言っていたので驚きました。

  しかし、そうした異なる民族の学生が集まり、一緒に学ぶことはとても意味があります。彼らは「自分たちはたたかいを望まない。自分たちの上の世代が今の民族の中心なので、戦争を続けているけれど、自分たちが民族のリーダーになる時代がきたら、民族間の和解を実現して、もう紛争はおこさない」と言ってくれました。この学校を卒業した人々が未来の民族・コミュニティのリーダーとなって、民族間の平和共存に道を開く、それがこの学校のひとつの目的なのかもしれません。「ピース・ロー・アカデミー」という学校名は、何よりも民族間の争いを越えた、平和なビルマの創造を目指しているのではないかと思います。

未来のアウンサンスーチーさん

 この学校の運営を担っているビルマ法律家協会の代表ウーテンウーさんは「この学校の卒業生には、今のアウンサンスーチーさんのような民主化運動をひっぱるリーダーになってほしい。これからのビルマには民主化運動を担うリーダーが一人ではなくたくさん育っていくべきだ。そんな未来のリーダーを育てるのがこの学校の目的なんだ」と語っていました。ウーテンウーさんをはじめ、資金難や様々な困難ななかでこの学校を守り運えしてきた人々はこの学校にビルマの未来の大きな夢を託しているのです。そして子供たちが知識をどんどん吸収し、成長していく姿こそが、ビルマの未来の希望の象徴なのです。

 ビルマの民主化をめぐる道のりはまだまだ困難が多くありますが、私たちも草の根からビルマの民主化運動の担い手たちを応援するこの大切な活動をつうじて、未来への種まきをしていきたい、との思いを新たにしました。

 ヒューマンライツ・ナウでは、この学校の支援を今後も続けていく予定ですので、みなさん、ぜひ応援していただけると幸いです。

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