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2009年6月 4日 (木)

ガザへの国連調査ミッションによせて

6月1日から、年末年始のガザ攻撃に関する国連の人権調査団がガザに入りました。

ヒューマンライツ・ナウでは、以下のステートメントを発表しました。国連の事務総長は真相究明に消極的で、怒りを感じていますが、今回の調査団が責任を明らかにする第一歩になればと思います。

ガザへの国連人権調査団派遣を正義実現の第一歩に

6月1日、リチャード・ゴールドストーン氏を長とする国連の事実調査団が20081227日から118日までのガザ攻撃・紛争に関連した国際人権・人道法違反行為を調査するため、ガザへの調査を開始した。

国際人権NGOヒューマンライツ・ナウは、この調査団の派遣を歓迎する。昨年12月から今年1月にかけてイスラエルが行った、パレスチナ・ガザ地区への攻撃では、1400名以上の人が命を失ったとされる。にも関わらず、国際人権法・人道法違反に関する責任は何ら調査されず、責任を問われることなく今日まで経過していた。

国連人権理事会の112日付決議がこの調査団の派遣を決定してからすでに5か月近くが経過しており、調査団派遣は長く待たれていた。

国連本部は、ガザに対する攻撃の際に国連施設が破壊されたのを受けて、調査機関「Board of Inquiry」を設置、国連施設への攻撃9件のうち、6件はイスラエル軍による意図的な国連施設への攻撃であったと結論付ける報告書を今年4月に提出した。

今回の調査は、国連施設に限らず、広く国際人権・人道法違反全般をカバーするものとなる。民間人攻撃、民間施設攻撃、白リン弾ほか非人道兵器の使用などにつき、公平中立かつ徹底した調査が行われることを期待する。

ヒューマンライツ・ナウは、紛争の両当事者が調査に対し完全な協力をすることを求める。とりわけ、イスラエル政府は、ガザ地区はおろか、調査団のイスラエルへの入国を拒否して調査を難航させてきた。 今回、調査団はエジプト政府の協力を得て、ラファよりガザに入っており、また、西岸地区やイスラエル領域での調査の目処は立っていない。ヒューマンライツ・ナウは、イスラエル政府に対し、非協力的な姿勢を改めることを強く要請する。

ヒューマンライツ・ナウは、調査団の調査が速やかに国連に報告・公表され、調査団の勧告が適切にフォローアップされることを強く期待する。

この点、ガザ紛争の真相究明に関するこの間の国連事務総長の行動は失望を禁じ得ないものであった。調査機関「Board of Inquiry」の報告書の提出を今年4月に受けたバン・キムン事務総長は、報告書全文を公表せず、要約のみを国連安保理に提出し、同調査機関が求めた11の勧告のフォローアップは何ら行っていない。とりわけ重大なのは、同報告書が、国連にさらなる国際人権・人道法違反を綿密に調査するよう求めたのにも関わらず、事務総長は「国連としてはもうこれ以上調査を行う予定はない」と明言したことである。国連施設への意図的な攻撃は、ジュネーブ条約に違反する戦争犯罪である可能性が高く、その際に発生した民間人の殺害も、ジュネーブ条約違反の可能性が高い。このような国際法の重大な違反の有無が問われている事態にあって、国連が、真相究明と正義の実現から瀬を向けることは到底許されない。

国際人権法・人道法違反が調査の結果明らかにされた場合、国連は正義の実現に向けて行動をすべきである。

ヒューマンライツ・ナウは、ガザへの国連人権調査団派遣が正義実現の第一歩となり、1400人もの尊い命を奪った責任の所在が明らかにされ、責任者の訴追、処罰、被害者への補償がされるよう、国際社会の強いイニシアティブの発揮を求める。

そして今なお続くガザ地区への復興物資も含めた物資搬入の封鎖を含む人権侵害が是正されることを期待する。

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