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2009年5月

2009年5月24日 (日)

イラクを語る高遠さんたち

金曜日は、先日お知らせした高遠菜穂子さんたちのイラク報告会に行ってきました。

高遠さんは2004年に拘束された「人質事件」以来初めてイラク入りしたってことで、

当時、高遠さんの代理人をしていて、パッシングの嵐のなかを怒ったりおろおろしつつ、不眠で乗り切っていた私としては、ぜひとも参加したく、駆けつけたのでした。

日本人は、平和運動をしている人でも、とかくある傾向は、政府がイラク、アフガンetcと自衛隊を派遣するところの目先の話にだけ心を奪われて、派遣されちゃったり撤退しちゃったりするとすっかり忘れてしまう、飽きっぽいというか、自衛隊との関係で物事を考える、一国平和主義的な傾向があるのですけれども、

ひとつの国で平和をつくることにこだわり続け、支援を続けているのはすごいなあ、と改めて思うのでした。高遠さんが援助を続けているアンパール州では、イラク人の手で、丸腰で、米軍と交渉して撤退してもらい、平和を作りつつあるということ。

この日は、他に、森住卓さん、シバレイさん、佐藤真紀さんという面々でした。

自衛隊も撤退し、米軍も撤退する方向のイラクに対して、これから、これまでの反省に立って、どんな平和貢献・復興支援をしていくのか、が日本に問われているわけで、その方向からの提案に私も加わっていきたいと思うのでした。

アウンサンスーチーさんたちすべての政治犯の釈放を グローバル署名

政治犯収容所に連行されて、裁判にかけられているノーベル平和賞受賞者でビルマ民主化運動のリーダーであるアウンサンスーチーさん。

裁判で有罪になれば獄につながれてしまう。

20年近い前に行われた選挙の結果、ビルマの人々の選出されたリーダーであり、本当はリーダーとして国を統治しているべき人なのに、軍事政権が民意を否定して、このような事態になっているのです。しかし、スーチーさんだけではない。2000人近い人々が自由を求めただけで政治犯として暗く衛生状態の悪い政治犯収容所で長年拘束されているのです。

民主化と自由を求める人々をぜひ日本からも応援しましょう。スーチーさんは「あなたの自由を私たちの自由のために行使してください」と言っています。

以下、ヒューマンライツ・ナウのウェブサイトより。 www.ngo-hrn.org

グローバル署名を世界の人々と一緒に取り組んでいます。

署名は明日までになっていて、日本からも約1万筆の署名が集まっています。

ビルマ・グローバル署名キャンペーン
—888,888の署名を集めよう!—
Free Burma’s Political Prisoners Now!

今すぐビルマの政治囚の釈放を!
FREE BURMA’S POLITICAL PRISONERS NOW!

2009年3月13日、「ビルマ人権の日」に当たるこの日、署名キャンペーン「Free Burma’s Political Prisoners Now!」が始まりました(5月24日まで)。4月21日現在、世界5大陸32カ国で199の在外ビルマ人団体やビルマの民主化を求めるグループが参加しています。
これは、国連の播其文事務総長に対して、ビルマ軍政に全ての政治囚を釈放させることを事務総長自身が最重要課題とするよう、求めるものです。

キャンペーンでは、今年2009年5月24日(アウンサンスーチー氏の自宅軟禁をこれ以上延長できない、とビルマの法律上定められた期限)までに 888,888筆の署名を集めることを目標にしています。“888888”という数字は、ビルマで過去最大の民主化運動が燃え上がり、そして軍事政権によって弾圧された1988年8月8日(ビルマ人にとっては忘れられない日です)を象徴したものです。

軍事政権が長く続くビルマでは、人権の抑圧が激しく、政治活動の自由や表現の自由はほとんどありません。その結果、現在2,100人以上の政治囚がビルマ各地の刑務所に捕らわれています。軍事政権は、昨年5月の「憲法草案に対する国民投票」など、「見せかけの民主化」プロセスを進めていますが、アウンサンスーチー氏も指摘するとおり、全ての政治囚の即時・無条件釈放がなければ、本当の民主化プロセスとはいえません。

ビルマ(ミャンマー)の人権状況・政治囚について

日本では、在日ビルマ人各団体のほか、ビルマの民主化を目指して活動するNGOが協力して、この署名キャンペーンに取り組んでいます。
政治囚の釈放には、皆さん一人ひとりの力が必要です。ビルマの民主化と政治囚の釈放を願う世界中の人びと共に、ぜひ声を上げていただきますよう、皆さまのご協力をどうぞよろしくお願いいたします。


署名用紙による参加

キャンペーンの詳細

* 期間: 2009年3月13日〜5月24日
* お問合せ先: fbppn.japan@gmail.com
* キャンペーン本部: Free Burma’s Political Prisoners Now!(英語)

私たちも署名に賛同しています

相原久美子(参議院議員)、川田龍平(参議院議員)、近藤昭一(衆議院議員)、今野東(参議院議員)、中村哲治(参議院議員)、那谷屋正義(参議院議員)、白眞勲(参議院議員)、平岡秀夫(衆議院議員)、福島みずほ(参議院議員)、藤谷光信(参議院議員) (4月13日現在/敬称略/五十音順)

2009年5月22日 (金)

高遠菜穂子さんほか、緊急イラク報告会

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  ★ ★ ★ 緊急イラク帰国報告会 ★ ★ ★

 ~「隠された虐殺」から5年後のファルージャ、

     「知られざる虐殺」のラマディをたずねて~

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 写真家の森住卓、ジャーナリスト志葉玲、イラク支援

 ボランティアの高遠菜穂子が5年ぶりにイラクを訪れた。

 2003年以降、”スンニ三角地帯””最激戦地”

 ”アルカイダの拠点”とされた西部アンバール州は、

 ファルージャ、カイム、ハディーサ、ラマディと

 米軍による大量殺戮がくり返された悲劇の地。

 掃討作戦による民間人死者数は数万ともいわれるが、

 日常的に狙撃された市民の数は想像をはるかに越えていた。

 高遠菜穂子が隣国ヨルダンに通いながら5年間に完了した

 プロジェクトの軌跡を辿りながら、森住卓と志葉玲が

 破壊の爪痕と変わりつつある町を写真と映像でとらえた。

●日 時:2009522日(金)

     開場1800/スタート18:30

●場 所:明治大学リバティタワー1階 1011教室

 <明治大学駿河台キャンパス> 東京都千代田区神田駿河台1-1

 JR中央線・総武線、東京メトロ丸ノ内線/御茶ノ水駅 下車徒歩3

 東京メトロ千代田線/新御茶ノ水駅 下車徒歩5分 

 都営地下鉄三田線・新宿線、東京メトロ半蔵門線/神保町駅 下車徒歩5

●資料代:500

●共 催:イラクホープネットワーク/現代史研究会

裁判員制度がはじまる。

今日から裁判員制度がスタートする。私にとっては、特別の感慨である。

裁判員制度について、私はいろいろと課題を提起し、批判をしてきたけれども、それでも、

長年夢見てきた、市民の刑事裁判への参加がようやく実現するのだから。

私は陪審論者で、弁護士会で長年、市民の司法参加の導入を求めて活動してきた。1990年代には「変わったことをやっているね」などと言われていたのが、2000年から始まった司法改革の中で課題に上り、そして「裁判員制度」が実現することになったのだ。

なぜ、市民の司法参加を求めてきたのか。

私は弁護士になってから、検察の有罪立証をただなぞるだけの形骸した刑事裁判に心底絶望してきた。

特に私の担当する無実の死刑囚・奥西勝さんが、ただ自白をしたというだけで客観証拠が無実を示しているのに、死刑台から生還されないことが許せなかった(今、この瞬間も怒っている)。

無実を叫ぶ死刑囚をまるで虫けらのように言い分をろくに聞かず、簡単に不服申し立てを棄却し、有罪を言い渡し続ける刑事裁判官の態度に怒りを抑えられない。

そしてこんな刑事裁判を許し、今も冤罪を生み出し続けていることが耐えられない。刑事裁判は絶対に変わらなくてはならないと切実に思ってきた。冤罪で泣いている人たちは無数にいるというのに、司法がそれを救済できず、私たち弁護士も99.9%の有罪率のもとで本当に無力なのだ。

それを変えるには、「裁かれる側」である、権力をもたない市民が司法参加していだたくしかないと、私はずっと思って、活動してきた。

裁判員制度はいままでに指摘してきたとおりまったくパーフェクトではない。でも、ひとたび始まったら、主役となるのは、市民の皆さんである。裁判官も簡単にはコントロールできないだろう。

市民のみなさんが法を形成していくことになる。

以前みたアメリカ映画の「評決」に、ポール・ニューマン演じる弁護士が、医療過誤事件で巨大病院を訴え、圧倒的に不利な立場に立たされながら、最後の弁論で、陪審員に働きかけるシーンがある。「You are the Law」と働きかける。

私たちは自分たちの思い通りにならない社会のなかで生きているが、今日だけはあなたたちが正義を決定できる、あなたたちが法なのだ、というのである。それに応えて、陪審員たちは大病院に対し巨額の賠償を命ずる判決を出し、正義を実現する。

 複雑な現代社会では、民主主義を採用しているというのに、実際は権力のある者、力とカネのある者がこの社会を支配し、私たち市民は何も現状を変える力を持たないように思えることが少なくない。しかし、そんなパワーを持たない市民にも、正義だと思うことを判断し、それが社会を変えるパワーを持ちえることがあるのだ。市民による逆転ホームランのような、民意の鮮やかな表明。

そんなことが日本でも積み重ねられていくことによって、私たちの社会は少しずつでも変わっていけるのではないだろうか。刑事事件だけでなく、行政事件、民事事件にも市民参加を実現してほしいと思う。

この制度を発展させ、問題点を直視してそれを正していけるのも、今までの絶望的な刑事裁判を根本から変えていくのも、ほかならぬ裁判員になっていく市民の方々ひとりひとりの良心、勇気、行動にかかっていると思う。

とても難しい船出だけれども、ぜひよろしくお願いいたします。

2009年5月20日 (水)

いいなあ、日本の元気

この間、海外からのゲストがきていたので、彼女の観光も兼ねて、浅草や京都へ行く役得を得ました。

浅草では三社祭がやってました。お祭りは、こんな元気のない時代でも、みんなが一生懸命お神輿をかついで練り歩くことで、担いでいる人のエネルギーが発散され、それが飛び散った周りの見物人までものすごいパワーをくれ、とても明るくなるもの。

みんないなせなはっぴや、着物をきたりして大きなうちわをおあいでみたりして、なんとも風情があるもの。

こんな時代だからこそ、昔からの知恵である、「お祭り」というものの良さを再発見させられ、しばし感動。

そのあとは週末に京都へ。朝の短時間だったけれど、清水の舞台へ。ここでもいつもとってもパワーをもらうのです。毎年必ず一度は仕事の合間に立ちたいと思っているところ。

特に今回は24年ぶりの御開帳で素晴らしい観音様を拝んできました。

しかし、印象深かったのは、清水の近くにある、恋の神様・地主神社。豚インフルエンザの影響はまだこのときは及んでいなかったのか、ものすごい数の修学旅行生が清水周辺に詰めかけて、その明るいこと、明るいこと!!

 話を横で聞いていても、女の子たちの頭の中は、男子たちのこと、恋愛のことでいっぱい、というのがわかる。そして、恋の成就、恋愛運の向上、幸運な結婚などを願ってこの地主神社にくるのです。お守りなどもばんばん売れていく。。。

 海外ゲストと一緒に「みんなまだ愛を信じているのね!」と感動してその様子を見守っていました(何も私たちが愛を信じるのをやめてしまったわけではないんですが)。

 恋に夢見るおびただしい人数の学生たちのパワーに圧倒され、こんな時代の雰囲気を吹き飛ばすような明るさを感じて、いいなあ、と思ったのでした。

2009年5月19日 (火)

今すぐアウンサンスーチーさんの釈放を!

私の最も尊敬する女性のひとり、ノーベル平和賞受賞者にして、ビルマ民主化運動のリーダーであるアウンサンスーチーさん。

10年以上前の総選挙でビルマのリーダーとして選ばれたのに、軍事政権によって自由を奪われ、自宅軟禁されていた。

今、彼女はビルマの悪名高き政治犯収容所に拘束され、罪に問われている。彼女の家に一人の男性が泳いで渡ったというだけで。

NHKニュース

スー・チーさんの審理始まる

http://www.nhk.or.jp/news/k10013055131000.html

ミャンマーの軍事政権は、当局の許可を得ずに外部の人間と接触したとして、民主化運動の指導者、アウン・サン・スー・チーさんに対する本格的な審理を開始しましたが、今後の審理の進め方も明らかにしないまま非公開で行い、スー・チーさんの弁護団は、審理が長期化するのではないかと懸念を強めています。

ミャンマーでは、先週、自宅軟禁中のスー・チーさんが、当局の許可を得ずに外部の人間と接触したとして起訴され、ヤンゴン市内の刑務所にある裁判所で、18日から本格的な審理が始まりました。刑務所の周辺は、治安当局によって厳重に封鎖され、弁護士の出廷が認められたものの、審理は非公開で行われ、起訴事実の説明を中心におよそ3時間半にわたって行われました。今後の審理の進め方は明らかにされず、スー・チーさんにも発言の機会はありませんでしたが、審理の後記者会見した弁護士は、スー・チーさんから「自分が元気だと皆に伝えてほしい」と伝言を受けたことを明らかにしました。審理は、19日も行われますが、弁護団は、審理が3か月程続く可能性もあるとの見方を示し、スー・チーさんの自宅軟禁の期限が今月27日に迫るなか、軍事政権が審理を長期化し、スー・チーさんの拘束を続けるおそれがあるとして懸念を強めています。

(引用はここまで)

今日から始まった彼女の裁判は明日も続く。世界が彼女の釈放を求めている。

日本でもビルマ大使館前で在日ビルマ人の人たちと日本のNGOがグローバル・アクションを展開した、世界のアクションに呼応して。その行動は明日も続きます。

私のNGOヒューマンライツ・ナウでも、以下のステートメントを出し、日本政府にに申し入れ、そして今日は、グローバル・アクションに参加しました。

ぜひ皆さんもどこかでなにか声をあげ、または祈ってください。

「あなたの自由を私たちの自由のために行使してください」(アウンサンスーチー)

For Immediate Release

ビルマ民主化指導者アウンサンスーチー氏のインセイン収容所への連行に抗議し、国際社会の緊急な対処を求める。

514日、ビルマ軍事政権は、ノーベル平和賞受賞者であるビルマ民主化指導者アウンサンスーチー氏を軟禁中の自宅から連行し、付き添いの女性二名とともにヤンゴンのインセイン収容所に拘束した。軍政は、5月初旬にアウンサンスーチー氏が、同氏周辺の湖を泳いで自宅に忍び込んだアメリカ人男性と接触したことが、自宅軟禁の条件に違反したとして、同日、同氏を起訴、518日に初公判を開くとしている。

アウンサンスーチー氏の健康状態は極めて悪化していると伝えられ、悪名高きインセイン政治犯収容所の過酷な収容条件がさらに同氏の状況を悪化させることが危惧される。

 民主化リーダーであるアウンサンスーチー氏に対する自宅軟禁は、何らの正統な根拠もない違法な民主化弾圧・恣意的拘禁であり、国連人権理事会決議(2007102)など国際社会は一致して、同氏の即時釈放を求めてきた。軍政はこれに応じず、昨年527日にアウンサンスーチー氏の軟禁期限が切れたにも関わらず、何らの根拠もなく軟禁を一年延長すると宣言し今日に至ったものである。

 このような違法な自宅軟禁の条件に違反したことを理由とする訴追が不当であることは明らかである。

 軍政の意図は、今年527日の後もアウンサンスーチー氏の拘束を続け、2010年に実施が予定されている総選挙における民主化勢力の活動を封じ込めようとするものであることは明らかである。このような状況での総選挙が到底公正なものとなりえないことはいよいよ明瞭となった。

 東京を本拠地とする人権NGOヒューマンライツ・ナウは、ビルマ軍政のこの言語道断の処置に強く抗議する。

国際社会は、ビルマ軍事政権に対するこの間の微温的態度を変更し、今回の軍政の暴挙に強く抗議し、アウンサンスーチー氏に対する拘禁・自宅軟禁延長を命ずる一方的判決が敢行されないよう、ビルマ軍政に対し一致したプレッシャーをかけることが求められている。

ヒューマンライツ・ナウは日本政府を含む各国政府にこの問題に関する迅速かつ明確な態度表明と、最大限の外交努力をするよう要請する。             

             

                                以上

2009年5月15日 (金)

Asian Activist-α 2009 ”  世界を変えようとする女性たち

以前もお伝えしたかと思いますが、いよいよ今週末、以下のイベントを開催します。

すでにゲストのナンディーニ・ラオさんが来日、メディアインタビューを精力的にこなし、「開発と女性議員連盟」の会合でみもスピーチをして感動を呼んでいます。

ぜひ皆さんも土曜のひと時参加されて、どんな困難にも前向きにいきるインドの女性活動家に触れて、元気をもらい、かつ日本や世界で女性が踏みつけにされないために私たちに何ができるか、考える機会にされませんか?

参加をお待ちしています。

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“ Asian Activist-α 2009 ”  世界を変えようとする女性たち

        ~インド・女性に対する暴力への挑戦~

      日時・516日(土) 13:00開場 13:30開始

     会場・青山学院大学 青山キャンパス6号館1

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 『Activist-α』(アクティビスタ)。人々のかけがえのない人権が守られる

ように積極的に活動する、未来のリーダーとなる女性活動家たちです。

 いま、アジアに生きる女性たちの多くが、人権を否定されています。

理不尽な暴力、踏みにじられる心、自由に生きることへの恐怖。その事実に

正面から光をあて、問題克服を目指し、世界を変えようとするActivist-αたち。

 今回は、深刻なDVが広がるインドで暴力に抗して果敢に活動するActivist-αを

ゲストとして、日本から世界的に活躍する女性たちとともに今後の課題を語り

合います。 彼女たちの活動と現実に耳を傾け、溢れるエネルギーを感じ、

日本と世界の現状を変えるために私たちができることを考えてみませんか?

【日時】 516日(土) 13301730

第一部 13301600

●記念講演 「インド・女性に対する暴力への挑戦」

   ナンディーニ・ラオ (インド・女性NGO Jagori コーディネーター)

●シンポジウム

   ナンディーニ・ラオ (インド・女性NGO Jagori コーディネーター)

   林 陽子 (弁護士、女性差別撤廃委員会委員)

   大崎 麻子 (開発政策、ジェンダー専門家)

コーディネーター:伊藤和子 (弁護士、ヒューマンライツ・ナウ事務局長)

第二部 16001730 ※軽食・ドリンク付き

●インド舞踊

   インド舞踊団 コンテンポラリー・ナティヤム・カンパニー

  そのほか第二部では呼びかけ人などによるトークを予定しています。

総合司会:道あゆみ(弁護士)

閉会挨拶:阿部浩己(神奈川大学教授、ヒューマンライツ・ナウ理事長)

【 会 場 】

青山学院大学 青山キャンパス 6号館1階 (東京都渋谷区渋谷4-4-25

JR線、東急線、京王井の頭線「渋谷駅」宮益坂方面出口より徒歩約10

・地下鉄「表参道駅」B1出口より徒歩約5

【 参加費 】

事前予約:1500円/当日参加:2000円(資料、軽食・ドリンク付き)

  ※第一部のみご参加の方は、資料代500円にて入場できます。

    ご予約時にその旨お伝えください。

【参加方法】

メール < info@ngo-hrn.org > または FAX < 03-3834-2406 > にて

ヒューマンライツ・ナウ事務局までお申込ください。 人数把握のため、

できるだけ事前のご予約をお願いいたします。(5/10事前予約締切)

【 主 催 】 特定非営利活動法人 ヒューマンライツ・ナウ(HRN

【 後 援 】 株式会社ラッシュジャパン

 * ラッシュジャパン チャリティプログラム < http://www.lush.co.jp >

ボディクリーム「チャリティポット」の商品代金2,200円(税込)は消費税を除いて

すべてチャリティに用いられ、ラッシュを通じて草の根活動団体に寄付されます。

知られざる問題に地道に取り込み、ユニークでオリジナリティあふれる方法で

未来を切り開く活動を、ラッシュはこれからも積極的に支援し続けていきます。

【呼びかけ人】

有馬真喜子(ジャーナリスト)/上原ミスミ(LUSH JAPAN取締役)/

岡田恵介(Japan Times顧問)/戒能民江(お茶の水女子大理事副学長)/

久保利英明(弁護士)/郡司真弓(We21事務局長)/近藤恵子([特活]全国

女性シェルターネット共同代表)/佐藤安信(東京大学教授)/園部逸夫(元

最高裁判所判事、弁護士)/野火杏子(コンテンポラリー・ナティヤム・カンパ

ニー主催)/マエキタミヤコ(サステナ代表)/目黒依子(国連女性の地位委

員会日本代表)/山下泰子(国際女性の地位協会会長・文京学院大学教授)

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 *Activist-α』(アクティビスタ)とは、

  人々のかけがえのない人権が守られるように積極的に活動する、

  世界を変えようとする女性アクティビストたち。ヒューマンライツ・ナウは、

  アジアで女性の権利のために活動し、未来のリーダーとなる女性アク

  ティビストを「Asian Activist-α」と呼び、その活動をサポートしています。

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≪スピーカー/ゲスト紹介≫

●ナンディーニ・ラオ氏 インドのNGOJAGORI(「目覚めた女性たち」を意味

する)のコーディネーターとして、インドの女性の権利擁護のためにシェルター、

キャンペーン、政策提言と幅広く活動。暴力に直面した女性のための支援プロ

グラム、DV被害女性らのグループカウンセリングも開催。女性の権利に関する

トレーナーとしても活躍。インドではDVなど女性に対する暴力が深刻で、

持参金を払えないために女性が生きたまま夫に焼き殺されるなどのDV殺人が

続出。暴力に反対する女性たちの粘り強い活動が2005年、先駆的なDV法の制定に

結実、JAGORIは大きな役割を果たしてきた。その挑戦と、いまなお女性たちが

直面する今日の課題を語る。

●林 陽子氏 1983年に弁護士登録(第二東京弁護士会)、女性差別撤廃

委員会委員。弁護士として、性暴力、人身売買被害者の支援を行い、婚外子

差別に関する住民票・戸籍続柄裁判、職場や大学でのセクシャル・ハラスメント

裁判などに取り組む。Asia Pacific Forum on Women LawDevelopmentAPWLD

本部マレーシア)の運営委員(1990-1996)、内閣府男女共同参画会議「女性に

対する暴力専門調査会」委員、国連人権小委員会委員代理(2004-2006)などを

歴任し、現在は女性差別撤廃委員会委員を務める。シンポジウムでは女性に

対する暴力根絶のために女性差別撤廃条約が果たす役割について語る。

●大崎麻子氏 1997年に国連開発計画(UNDP)ニューヨーク本部資金渉外局に

入局。19989月から200410月まで開発政策局貧困削減/ミレニアム開発

目標(MDGs)部にてUNDP/日本WID(開発と女性)基金のマネージメントおよび

UNDPのジェンダー主流化政策の立案と実施を担当。現在、フリーの専門家と

して、国際機関、省庁、開発援助機関、NGO、研究機関などで活動中。シンポジ

ウムでは開発の視点から社会的コストとしての女性に対する暴力について語る。

●コンテンポラリー・ナティヤム・カンパニー インド舞踊家・野火杏子氏が主宰

する、インド舞踊団・教室。インド公演多数を含む、テレビ、コマーシャル、舞台、

イベント出演、振り付けなど多方面で活躍中。野火杏子氏の近著として「踊るヨガ

 インド舞踊で体の内側から美人になる」。200811月のイベント(ヒューマン

ライツ・カフェ)に引き続き、インド舞踊を披露。

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ヒューマンライツ・ナウとは≫≫≫

国境を越えて世界の人権に取り組む日本発の国際人権NGO。アジアを中心に

各国の人権侵害に光を当て告発し、状況を変えていく活動をします。

ヒューマンライツ・ナウ女性に対する暴力プロジェクトは、毎年現地に調査団を

派遣、アジア各国のNGOとともに暴力根絶のための政策提言を行い、アジアに

おける女性の人権のウォッチドッグの役割を果たそうとしています。

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■同時開催■   ヒューマンライツ・ナウ関西

  “ Asian Activist-α 2009 ”  世界を変えようとする女性たち

     日時・517日(日) 1330開場 1400開始

◇講演会 14001630

●記念講演 「インド、女性に対する暴力への挑戦」

   ナンディーニ・ラオ (インド・女性NGO Jagori コーディネーター)

●パネル・ディスカッション

   ナンディーニ・ラオ (インド・女性NGO Jagori コーディネーター)

   米田 眞澄 (神戸女学院大学准教授)

   DV被害者サポーター

コーディネーター:雪田樹理(弁護士、ヒューマンライツ・ナウ)

会場/トーコーシティホテル梅田(大阪市北区南森町1-3-19

    ・地下鉄谷町線南森町駅出口2番上(大阪駅(梅田)より所要時間5分)

    ・JR東西線大阪天満宮駅すぐ

◇交流会 17001900 会場/インド料理 New Mehfil (ニューメイフル)

【 参加費 】 講演会:300円 交流会参加費:2,000

【参加方法】 メール< hrn_kansai@yahoo.co.jp >にてヒューマンライツ・ナウ関西

         までお申込ください。当日参加も歓迎いたします。

         ※交流会に参加ご希望の方はその旨お書き添えください。

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  特定活動非営利法人 ヒューマンライツ・ナウ  < http://www.ngo-hrn.org/ >

   〒110-0015 東京都台東区東上野1-20-6 丸幸ビル3F

   Tel03-3835-2110  Fax03-3834-2406  Emailinfo@ngo-hrn.org

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2009年5月13日 (水)

働く女性の法律相談所- 敷金

今日は、ある女性誌の誌上法律相談の取材を受けていました。

若いOLの方に好評と聞いて嬉しく思っています。

さて、よく聞かれる質問にこのブログでも回答したほうがよいかしら、と思い、今日も聞かれたあのテーマを取り上げます。

賃貸アパート・マンションの引っ越しのときにクリーニング代を敷金からひかれてしまい、戻ってこない、というものです。

これに対しては、  
平成17年12月16日 最高裁判所第二小法廷 判決(平成16(受)1573 敷金返還請求事件、原審 大阪高等裁判所)が、

通常の損耗に関する補修・クリーニング代は賃料によって支払済みなので、特別な合意がない限り、敷金からクリーニング代などを引くことはできない、という判断をしています。

「賃借人は,賃貸借契約が終了した場合には,賃借物件を原状に回復して賃貸人に返還する義務があるところ,賃貸借契約は,賃借人による賃借物件の使用とその対価としての賃料の支払を内容とするものであり,賃借物件の損耗の発生は,賃貸借という契約の本質上当然に予定されているものである。それゆえ,建物の賃貸借においては,賃借人が社会通念上通常の使用をした場合に生ずる賃借物件の劣化又は価値の減少を意味する通常損耗に係る投下資本の減価の回収は,通常,減価償却費や修繕費等の必要経費分を賃料の中に含ませてその支払を受けることにより行われている。そうすると,建物の賃借人にその賃貸借において生ずる通常損耗についての原状回復義務を負わせるのは,賃借人に予期しない特別の負担を課すことになるから,賃借人に同義務が認められるためには,少なくとも,賃借人が補修費用を負担することになる通常損耗の範囲が賃貸借契約書の条項自体に具体的に明記されているか,仮に賃貸借契約書では明らかでない場合には,賃貸人が口頭により説明し,賃借人がその旨を明確に認識し,それを合意の内容としたものと認められるなど,その旨の特約(以下「通常損耗補修特約」という。)が明確に合意されていることが必要であると解するのが相当である。

---というわけで、そういうきっちりした特約にサインしたのでない限り、敷金は全部返してもらえる、ということになります。

 事務所に相談にに来た方には、この最高裁判例をコピーして、「これで大家さん、管理会社と交渉して」とアドバイスしていますが、こちらにアップしておくことにします。ぜひ活用してみてください。

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主    文
原判決を破棄する。
本件を大阪高等裁判所に差し戻す。
         
理    由
 上告代理人岡本英子ほかの上告受理申立て理由(ただし,排除されたものを除く。)について
 1 原審の確定した事実関係の概要等は,次のとおりである。
 (1) 被上告人は,地方住宅供給公社法に基づき設立された法人である。
 (2) 第1審判決別紙物件目録記載の物件(以下「本件住宅」という。)が属する共同住宅旭エルフ団地1棟(以下「本件共同住宅」という。)は,特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律(以下「法」という。)2条の認定を受けた供給計画に基づき建設された特定優良賃貸住宅であり,被上告人がこれを一括して借り上げ,各住宅部分を賃貸している。
 (3) 被上告人は,平成9年12月8日,本件共同住宅の入居説明会を開催した。同説明会においては,参加者に対し,本件共同住宅の各住宅部分についての賃貸借契約書,補修費用の負担基準等についての説明が記載された「すまいのしおり」と題する書面等が配布され,約1時間半の時間をかけて,被上告人の担当者から,特定優良賃貸住宅や賃貸借契約書の条項のうち重要なものについての説明等がされたほか,退去時の補修費用について,賃貸借契約書の別紙「大阪府特定優良賃貸住宅and・youシステム住宅修繕費負担区分表(一)」の「5.退去跡補修費等負担基準」(以下「本件負担区分表」という。)に基づいて負担することになる旨の説明がされたが,本件負担区分表の個々の項目についての説明はされなかった。
 上告人は,自分の代わりに妻の母親を上記説明会に出席させた。同人は,被上告人の担当者の説明等を最後まで聞き,配布された書類を全部持ち帰り,上告人に交付した。
 (4) 上告人は,平成10年2月1日,被上告人との間で,本件住宅を賃料月額11万7900円で賃借する旨の賃貸借契約を締結し(以下,この契約を「本件契約」,これに係る契約書を「本件契約書」という。),その引渡しを受ける一方,同日,被上告人に対し,本件契約における敷金約定に基づき,敷金35万3700円(以下「本件敷金」という。)を交付した。
 なお,上告人は,本件契約を締結した際,本件負担区分表の内容を理解している旨を記載した書面を提出している。
 (5) 本件契約書22条2項は,賃借人が住宅を明け渡すときは,住宅内外に存する賃借人又は同居者の所有するすべての物件を撤去してこれを原状に復するものとし,本件負担区分表に基づき補修費用を被上告人の指示により負担しなければならない旨を定めている(以下,この約定を「本件補修約定」という。)。
 (6) 本件負担区分表は,補修の対象物を記載する「項目」欄,当該対象物についての補修を要する状況等(以下「要補修状況」という。)を記載する「基準になる状況」欄,補修方法等を記載する「施工方法」欄及び補修費用の負担者を記載する「負担基準」欄から成る一覧表によって補修費用の負担基準を定めている。このうち,「襖紙・障子紙」の項目についての要補修状況は「汚損(手垢の汚れ,タバコの煤けなど生活することに
よる変色を含む)・汚れ」,「各種床仕上材」の項目についての要補修状況は「生活することによる変色・汚損・破損と認められるもの」,「各種壁・天井等仕上材」の項目についての要補修状況は「生活することによる変色・汚損・破損」というものであり,いずれも退去者が補修費用を負担するものとしている。また,本件負担区分表には,「破損」とは「こわれていたむこと。また,こわしていためること。」,「汚損」とは「よごれていること。または,よごして傷つけること。」であるとの説明がされている。
 (7) 上告人は,平成13年4月30日,本件契約を解約し,被上告人に対し,本件住宅を明け渡した。被上告人は,上告人に対し,本件敷金から本件住宅の補修費用として通常の使用に伴う損耗(以下「通常損耗」という。)についての補修費用を含む30万2547円を差し引いた残額5万1153円を返還した。
 2 本件は,上告人が,被上告人に対し,被上告人に差し入れていた本件敷金のうち未返還分30万2547円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める事案であり,争点となったのは,① 本件契約における本件補修約定は,上告人が本件住宅の通常損耗に係る補修費用を負担する内容のものか,② ①が肯定される場合,本件補修約定のうち通常損耗に係る補修費用を上告人が負担することを定める部分は,法3条6号,
特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律施行規則13条等の趣旨に反して賃借人に不当な負担となる賃貸条件を定めるものとして公序良俗に反する無効なものか,③ 本件補修約定に基づき上告人が負担すべき本件住宅の補修箇所及びその補修費用の額の諸点である。
 3 原審は,前記事実関係の下において,上記2の①の点については,これを肯定し,同②の点については,これを否定し,同③の点については,上告人が負担すべきものとして本件敷金から控除された補修費用に係る補修箇所は本件負担区分表に定める基準に合致し,その補修費用の額も相当であるとして,上告人の請求を棄却すべきものとした。以上の原審の判断のうち,同①の点に関する判断の概要は,次のとおりである。
 (1) 賃借人が賃貸借契約終了により負担する賃借物件の原状回復義務には,特約のない限り,通常損耗に係るものは含まれず,その補修費用は,賃貸人が負担すべきであるが,これと異なる特約を設けることは,契約自由の原則から認められる。
 (2) 本件負担区分表は,本件契約書の一部を成すものであり,その内容は明確であること,本件負担区分表は,上記1(6)記載の補修の対象物について,通常損耗ということができる損耗に係る補修費用も退去者が負担するものとしていること,上告人は,本件負担区分表の内容を理解した旨の書面を提出して本件契約を締結していることなどからすると,本件補修約定は,本件住宅の通常損耗に係る補修費用の一部について,本件負担区分表に従って上告人が負担することを定めたものであり,上告人と被上告人との間には,これを内容とする本件契約が成立している。
4 しかしながら,上記2の①の点に関する原審の上記判断のうち(2)は是認することができない。その理由は,次のとおりである。
 (1) 賃借人は,賃貸借契約が終了した場合には,賃借物件を原状に回復して賃貸人に返還する義務があるところ,賃貸借契約は,賃借人による賃借物件の使用とその対価としての賃料の支払を内容とするものであり,賃借物件の損耗の発生は,賃貸借という契約の本質上当然に予定されているものである。それゆえ,建物の賃貸借においては,賃借人が社会通念上通常の使用をした場合に生ずる賃借物件の劣化又は価値の減少を意味する通常損耗に係る投下資本の減価の回収は,通常,減価償却費や修繕費等の必要経費分を賃料の中に含ませてその支払を受けることにより行われている。そうすると,建物の賃借人にその賃貸借において生ずる通常損耗についての原状回復義務を負わせるのは,賃借人に予期しない特別の負担を課すことになるから,賃借人に同義務が認められるためには,少なくとも,賃借人が補修費用を負担することになる通常損耗の範囲が賃貸借契約書の条項自体に具体的に明記されているか,仮に賃貸借契約書では明
らかでない場合には,賃貸人が口頭により説明し,賃借人がその旨を明確に認識し,それを合意の内容としたものと認められるなど,その旨の特約(以下「通常損耗補修特約」という。)が明確に合意されていることが必要であると解するのが相当である。
 (2) これを本件についてみると,本件契約における原状回復に関する約定を定めているのは本件契約書22条2項であるが,その内容は上記1(5)に記載のとおりであるというのであり,同項自体において通常損耗補修特約の内容が具体的に明記されているということはできない。また,同項において引用されている本件負担区分表についても,その内容は上記1(6)に記載のとおりであるというのであり,要補修状況を記載した「基準になる状況」欄の文言自体からは,通常損耗を含む趣旨であることが一義的に明白であるとはいえない。
したがって,本件契約書には,通常損耗補修特約の成立が認められるために必要なその内容を具体的に明記した条項はないといわざるを得ない。被上告人は,本件契約を締結する前に,本件共同住宅の入居説明会を行っているが,その際の原状回復に関する説明内容は上記1(3)に記載のとおりであったというのであるから,上記説明会においても,通常損耗補修特約の内容を明らかにする説明はなかったといわざるを得な
い。そうすると,上告人は,本件契約を締結するに当たり,通常損耗補修特約を認識し,これを合意の内容としたものということはできないから,本件契約において通常損耗補修特約の合意が成立しているということはできないというべきである。
 (3) 以上によれば,原審の上記3(2)の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。
論旨は,この趣旨をいうものとして理由があり,原判決は破棄を免れない。そして,通常損耗に係るものを除く本件補修約定に基づく補修費用の額について更に審理をさせるため,本件を原審に差し戻すこととする。
 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 中川了滋 裁判官 滝井繁男 裁判官 津野 修 裁判官 今井 功 裁判官 古田佑紀)

2009年5月 9日 (土)

日本のDNA時代に道をひらく--足利事件

こんにちは。連休あけまして、もちろん、日本に戻っております。

中東から帰国直後点滴打ってましたが、今は元気で仕事にいそしむ日々。

中東の話はぜひゆっくりとさせていただきたいと思います。

さて、以前から注目していた足利事件に進展です。罪に問われた被告人と証拠のDNAが一致しないことが明らかになりました。

米国ではDNA鑑定の決定すでに238人の人が冤罪から救われています。

詳細は、以下のページを見てください。

http://www.innocenceproject.org/

日本でもDNA鑑定が、無実の人々を冤罪、そして死刑台から救う重要な武器となってく、そんな時代の幕開けかもしれません。

無実を求める被告人がDNA証拠にアクセスする法律上の権利が日本では確立されていませんが、この事件を契機に、米国のように、「DNA鑑定を受ける権利」とその手続き規定を法制化すべき時期にきているといえるでしょう。

足利事件:受刑者のDNA型一致せず…東京高裁に鑑定書

http://mainichi.jp/select/today/news/20090509k0000m040020000c.html

 栃木県足利市で90年、当時4歳の女児が誘拐・殺害された「足利事件」で殺人罪などに問われ、無期懲役が確定している元幼稚園バス運転手、菅家(すがや)利和受刑者(62)の再審請求を巡り、鑑定医2人が東京高裁に対し、いずれも女児の着衣に付いた体液と菅家受刑者のDNA型が一致しないとする鑑定書を提出したことが8日分かった。高裁が同日、鑑定書の内容を弁護側、検察側双方に開示した。

 2人は弁護側、検察側がそれぞれ推薦した医師。弁護側によると、2人は異なる方法で鑑定を実施したが、いずれも結論は「遺留体液から抽出されたDNA型と菅家受刑者のDNA型は同一人物のものではない」との内容だったという。一方は7日までに高裁に提出され、残る一方は8日提出されたという。

 捜査段階で行われた当初のDNA鑑定は逮捕の決め手とされ、1、2審、最高裁とも鑑定の証拠能力を認め、有罪の有力な根拠とした。弁護側は02年に再審請求し、宇都宮地裁で昨年2月、請求を棄却されたため即時抗告。東京高裁が昨年12月、2人による再鑑定の実施を決めていた。

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