名張事件、最高裁判事の良心に期待して
私が担当している名張事件、今年いつ決定が出てもおかしくない。。と言われています。
そのため、なんとなくいつもぴりぴりとしていまして、今日も支援をしてくださる皆さんに
「もっともっとがんばって!!」と支援をお願いしていました。
獄中から83歳の今まで無実を訴え続けている奥西さんを何とか救っていただきたい。記録をよくよく読んでもらえば、最高裁の判事にも、冤罪だとわかってもらえる、と思うのですが。。。
名張事件は最高裁第三小法廷に継続しており、 担当裁判官は、
堀籠幸男裁判官
http://www.courts.go.jp/saikosai/about/saibankan/horigome.html
藤田宙靖 裁判官
http://www.courts.go.jp/saikosai/about/saibankan/huzita.html
研究者のご出身。君が代を拒否して処分された教員の事件で反対意見を書かれるなど、注目の判断が見られます。
近藤崇晴 裁判官
http://www.courts.go.jp/saikosai/about/saibankan/kondou.html
田原睦夫 裁判官
http://www.courts.go.jp/saikosai/about/saibankan/tahara.html
弁護士の出身で、日弁連のインタビューにこう答えられています。
最高裁判事になってまず驚いたのは事件数の多さだという。真に審議が必要な事件にかける時間を確保しにくい現実に、本当に上告が必要な事件かどうか、弁護士側も考えなければならないと感じている。最高裁判決には、保守的な面もあるが、時代を先取る感覚も求められる。そのバランスをどうとるのか、37年の弁護士生活で培った現場感覚を生かしたいと語る。
人生の師匠は2人
学問上の師は、大学時代ゼミの教授だった故・林良平元京都大学教授。修習生時代にたくさんの研究会に誘ってもらい学問上の目を見開かされたという。もう一人は、八海事件の弁護団にも参加した故・前堀政幸会員(京都)。弁護士としての生き様を学んだそうだ。八海事件は冤罪を社会問題化させた事件であり、高校生だった田原少年が弁護士に興味を持つきっかけとなった事件でもある。
那須弘平 裁判官
http://www.courts.go.jp/saikosai/about/saibankan/nasu.html
弁護士のご出身で、最高裁のウェブには、
「ただ一人の声」であっても,そこに真実と正義が潜む可能性があるかぎり真摯に耳を傾け,より高い次元の正義の実現に向けて全力を傾注する。これは,弁護士であると裁判官であるとを問わず,等しく当てはまる法廷実務家の理念です。
裁判に当たっては,憲法と法律を尊重しつつも,これまでに育んできた自らの良心を最後のよりどころとして,決断すべきときは果敢に決断したい。
と書かれています。
今まさに合議などが行われているのかもしれません。
ひとりひとりの裁判官の良心に心から期待し、最高裁がいかなる判断をするのか、見守っていきたいと思います。
証拠と科学に対して謙虚に、過去の誤りを認め、
「疑わしきは被告人の利益に」の鉄則を守り、えん罪の被害を放置しないで、
無実の人を無実にしてくれることを心から期待して。
これを読んでくださるみなさんもぜひ注目してください。
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