2018年6月 4日 (月)

エクスカーション 甘美な孤独

6月はGWから少したって疲れも出やすい時期ですね。

そこで、ひとりでエクスカーションに出た。
家族と予定が合わなかったのでいそいそと1人旅。
私は時々1人で出かける。
でも2泊もしない。ちょっとだけのプチ旅。
いつもあまりバリエーションがなくて行く場所も決まっている。
同じことを繰り返す習性があるのだ。
もともと山形の温泉旅館の跡継ぎ娘として生まれたので、今でも日本では温泉のあるところにいくことが多い。
デジタルデトックス(SNSやメールをしない)をして、自然に囲まれたところでぼーっとする。
お湯に入って部屋で緑を見ながらぼーっとする。
ただそれだけ。
海外に行けるときはバリ島等のリゾート、そんなに頻繁には行かないけど。
するとまた新しい視点で物事が見えたり、いろいろとよいことがある。
何より孤独というのがいい。
私は孤独を愛しているので、朝から晩まで人と一緒だと疲れてしまう。
ぜいたくな悩みかも知れないけれど、人と一緒にいるのと孤独と両方必要なのだと思う。
うちは子どもがいないので、夫と2人フレンドリーに暮らしていて、
だいたいいつも私がわがままばかりなのだが、1人になるとそれでも
「やっぱり気を使ってるんだなー。1人は気が楽だなー」と思ってしまう。
人は人といるとリラックスしているようでいて最低限気を使うものなのかも。
1人で過ごす時間はとても甘美だ。
なんというか、都会から離れて、密やかに自分自身と不倫しているような気がする。
じっくり自分と対話。
しかし、道徳的にも何も問題がないし、誰からも責められないのもよいね。
そしてまた帰れる家や家族がいるのもありがたい。矛盾しているかなあ。。。

2018年6月 3日 (日)

6月8日シンポジウム『メディアで起き始めた#Me Too 声をあげられる社会をつくるために』

こんにちは。

早くも6月になりましたね。皆様いかがお過ごしですか。68日にイベント開催します。4月に起きた財務省のセクハラ問題、このまま終わらせていいのでしょうか。

 せっかく勇気を出した女性がいるので、社会を変えたい。そこでみんなを応援するイベントを開催したいと思います。

素晴らしいゲストをお呼びします! 早めにお申し込みくださいね。お待ちしております。

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201868日(金)開催 <http://hrn.or.jp/news/13928/>

シンポジウム『メディアで起き始めた#Me Too

 声をあげられる社会をつくるために』

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 【日 時】201868() 18時~21時(開場 18時半)

【会 場】専修大学 神田キャンパス5号館 7 571教室

・水道橋駅(JR)西口より徒歩10

・九段下駅(地下鉄/東西線、都営新宿線、半蔵門線) 出口5より徒歩5

・神保町駅(地下鉄/都営三田線、都営新宿線、半蔵門線)

出口A2より徒歩5

:交通案内 https://www.senshu-u.ac.jp/access.html#anchor01

:施設案内 https://www.senshu-u.ac.jp/about/campus/

 

【スピーカー】

小島 慶子 氏(エッセイスト・東京大学大学院情報学環客員研究員)

浜田 敬子 氏(ビジネスインサイダー統括編集長)

古田 大輔 氏(BuzzFeed Japan 編集長)

伊藤 詩織 氏(フォトジャーナリスト)

【参加費】一般 2000円/学生 1000

今年4月に財務省のセクハラ問題が発覚。財務省はセクハラを認めて謝罪したものの、その対応は極めて問題をはらむものであり、改めて日本が政治・省庁のトップからセクハラに寛容な社会であることを浮き彫りにしました。

同時にメディア内では、セクハラが横行してきた現実について、ようやく女性たちが沈黙を破りはじめました。声をあげる被害者への二次被害が深刻ななか、声をあげた女性たちを孤立させず、どう現実を変え、セクハラ・性暴力を許さない社会をつくっていけるかが今、問われています。

テレビ局や日本社会のセクシズムについて問題提起を続けてこられた小島慶子さん、4月の財務省問題直後にメディアの女性対象アンケートを実施されたビジネスインサイダー統括編集長の浜田敬子さん、BuzzFeed Japan #Metoo キャンペーンを展開されてきた古田大輔さん、日本で #Metoo の先駆けとなった伊藤詩織さんと一緒に、財務省はじめ省庁と政治はどう変わるべきか、メディアはどう変わるべきか、そして広くセクハラや性暴力をなくす社会をつくるために私たちにできることを考える機会としたいと思います。

当日は、メディアの現場の女性、セクハラ問題に声をあげた若い世代の方のご報告も予定しています。是非、皆様のご参加をお待ちしております。

ヒューマンライツ・ナウは女性に対する深刻な 人権侵害である性暴力をなくすために政策提言・キャンペーン等の活動を進めていきます。


 【参加申込方法】

参加申込ご希望の方は、以下のフォームよりお申込みください。 <https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfj35dssNSzWBD7eg7ETDtQsNBkpyZ94jFbmtZTL2B34cORIQ/viewform?c=0&w=1>

※フォームへのご入力が難しい場合には、参加受付アドレス

event@hrn.or.jp)宛にメールにてお申込みください

件名を「6/8 #MeTooシンポジウム参加希望」として、


お名前(ふりがな)、ご所属(任意)、連絡先(メールアドレス等)、参加費種別[一般、学生]、

どちらで当イベントをお知りになられたかをご記載ください。


【スピーカー プロフィール】

◆小島 慶子 氏

エッセイスト、東京大学大学院情報学環客員研究員。

1995年から2010年まで、TBSにアナウンス職として勤務。その後は執筆、講演、メディア出演などの活動を行っている。メディア表現と多様性に関するシンポジウムの開催など、メディアのあり方についてえる活動や、#WeTooJapanサポーターとして、ハラスメントのない社会を目指す活動も行っている。

 ◆浜田 敬子 氏


BUSINESS INSIDER JAPAN 統括編集長/AERA前編集長。1989年に朝日新聞社に入社。前橋支局、仙台支局、週刊朝日編集部を経て、99年からAERA編集部。記者として女性の生き方や働く職場の問題、また国際ニュースなどを中心に取材。米同時多発テロやイラク戦争などは現地にて取材をする。2004年からはAERA副編集長。その後、編集長代理を経て編集長に就任。編集長時代は、オンラインメディアとのコラボや、外部のプロデューサーによる「特別編集長号」など新機軸に次々挑戦した。20165月より朝日新聞社総合プロデュース室プロデューサーとして、「働く×子育てのこれからを考える」プロジェクト「WORKO!」や「働き方を考える」シンポジウムなどをプロデュースする。20173月末で朝日新聞社退社。

20174月より世界17カ国に展開するオンライン経済メディアの日本版統括編集長に就任。「羽鳥慎一モーニングショー」や「サンデーモーニング」などのコメンテーター、ダイバーシティや働き方改革についての講演なども行う。


◆古田 大輔 氏

BuzzFeed Japan編集長。

1977年福岡生まれ、早稲田大卒。2002年朝日新聞入社。社会部、アジア総局、シンガポール支局長、デジタル編集部などを経て、201510月に退社。同月、アメリカ発祥のメディア BuzzFeed の日本版創刊編集長に就任。ニュースからエンターテイメントまで幅広いコンテンツを配信し、ダイバーシティや #Metoo などのテーマにも力を入れている。

◆伊藤 詩織 氏

1989年生まれ。ジャーナリスト、ドキュメンタリーフィルムメーカー。フリーランスとして、エコノミスト、アルジャジーラ、ロイターなど、主に海外メディアで映像ニュースやドキュメンタリーを発信している。国際的メディアコンクール「New York Festivals 2018」では、Social Issue部門とSportsDocumentary部門の2部門で銀賞を受賞。著者『Black Box』(文藝春秋社)が第7回自由報道協会賞大賞を受賞した。

 

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認定・特定非営利活動法人ヒューマンライツ・ナウ

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2018年5月23日 (水)

「高プロ制度」は 日本全体をブラック化。労働者を追い詰める制度に強く反対します。

政府の進める「働き方改革」法案の進め方に怒りを感じ得ません。
とんでもないことになる危険性大です。
NTT労組に連載中のコラムを許可を得て転載させていただきます。
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政府が進めようとしている『働き方改革関連一括法案』。
働き過ぎの日本社会に、人間らしい働き方を導入するのかと思いきや、むしろ大きく逆行する方向に議論が進んでいます。
 まず、残業時間の上限規制の導入は、「過労死ライン」超えの課題を残しています。
これと併せて問題なのが「高度プロフェッショナル制度(高プロ制度)」の導入です。
 「残業代ゼロ」とも言われるこの制度は、高度の専門的知識を有する業務をする、年収が一定程度の人について残業時間の上限規制がなくなり、残業代の支払いもしなくてよいという制度です。
  政府は、ディーラーやアナリスト等といった業務に限定してこれを導入するとしています。一部の例外だから大丈夫と言えるでしょうか。
 これで思い出すのは、一九八六年に制定された『労働者派遣法』です。それまでは労働者の権利を弱める危険性が高いとしてすべて禁止されていた派遣業務が、経済界の強い要求を受けて、業務を限定して解禁されました。
  それが、この三〇年余の間に、『労働者派遣法』は何度も改正されて適用範囲は拡大し、若者や女性を中心として不安定な非正規雇用による貧困、将来不安を生み出してしまったのです。 
  今回も、一度許せば、広く拡大する危険性は高いと言わなければなりません。
創造的な働き方を実現すると言われていますが、そうであれば残業代をゼロにしなくてもよいはずです。
  経済界がこの制度に強く固執していることを考えれば、労働者を心置きなく長時間働かせるメリットが多い、つまり労働者に不利益に機能する危険性が高いと言わざるを得ません。
  労働者に解除権を与える等の修正案についても、「やりがい搾取」に遭って心身を壊す傾
向が強い、若い真面目な労働者の保護という視点が足りません。むしろ解除しなかった本人が悪いと、自己責任を押し付ける結果にすらなりかねません。
 電通の高橋まつりさん、NHKの若手女性記者。夢を抱いた正義感にあふれる若者が、長時間労働で追い詰められ、心身をむしばみ、過労自殺、過労死する痛ましい事件が続いています。ブラック企業による被害も後を絶ちません。
 やりがいに燃えて働かされた人たちが心身を患って療養を続けているという訴えもよく耳にします。過酷な長時間残業は本当に多くの人の命と未来を奪ってきました。少子化の日本で、若い人たちは大切にされるべき存在です。
  人を燃料のように酷使して使い捨てにする、そんな人権侵害を見直すことが急務です。
 今、必要なのは、誰もが人間らしく健康に働ける、ワーク・ライフ・バランス
を重視したワークルール、残業規制の導入です。「高プロ制度」案は、これを根絶するどころか、労働者を肉体的・精神的にいっそう追い詰め、過労死社会を加速させる可能性があります。
  働く人たちと、私も一緒に声を大にして異議を申し立てたいと思います。

2018年5月 6日 (日)

#Metooのインパクト セクシュアルハラスメントが投資(ESG)リスクに急浮上 他人事ではない

ヤフー個人にも書いた記事、こちらでもご紹介します! 皆様の会社でも是非参考にしてください。

セクハラは世界中、どこでも起きるリスクがあります。

■ 財務省の信用失墜

 福田財務事務次官(当時)によるセクハラが週刊誌で報道されて以来、財務省の対応は法令に基づくセクシュアルハラスメント対応ができず、その権威は著しく失墜しました。

 ようやく、セクハラを認めて被害者に謝罪したものの、

 ・セクハラという人権問題への無理解

 ・不祥事が起きた際の調査体制の不備

 ・ガバナンス、説明責任の欠如

 ということが一気に表面化してしまったのです。

 財務省はこれまでの対応を謝罪し、

 セクハラやパワハラは決してあってはならず、そういうことへの認識が軽い組織だと言われることがないよう、今後、先進的な組織になったと言われるように生まれ変わらなければならない

 と会見で表明しましたが、国際的にも広く報道され、国際的な信用失墜は明らかです。度重なるトップの不適切発言や反省の欠如、調査の打ち切り等、大きな禍根を残したまま、このままの幕引きは到底納得がいかないと多くの人が感じ、政治不信を増幅しました。

 考えてみれば、これまで政府や企業トップの多くがセクハラ被害を深刻に考えず、女性たちは長い間我慢を重ね、それが限界に達してこうした事態に至ったのです。財務省の対応は明らかに時代遅れでした。事態が発覚した後は、セクハラ被害の訴えに備えてこなかったことが明らかな混乱ぶりでした。

■ 民間も他人事ではない。セクハラ問題で企業トップが次々辞任する米国 

 さて、これは全く政府以外の民間では他人事でしょうか。あなたの企業のセクハラ対策はどうなっているでしょう。

 残念ながら、財務省と同様なことが自社で発生したら? と心配になった会社も少なくないのではないでしょうか。 もし民間でこのようなことが発生したら、どうなるのでしょうか。

 米国では既に、昨年秋からの#Metooの動きが民間に広くいきわたり、民間企業におけるセクハラの告発が増え続けています。

 ●ワインスタイン・カンパニー

 まずは女優たちからセクハラの被害の訴えが続々と出されたワインスタイン氏の映画会社ワインスタイン・カンパニーは立ち行かなくなり、破産申請を行いました。

 ●Uber

これに先立ち、急成長を続ける会社Uberでも、2016年12月にを退職した女性エンジニアが、上司によるセクハラをUberマネジメントが放置し、適切に扱わなかったことを2017年2月にブログで告発、トラビス・カラニックCEOは謝罪し、対策を講じると誓ったものの、6月には辞任を余儀なくされました。 

 本件はCEOがセクハラをしたのではなく、セクハラの根絶が不徹底であったことが問われた事案です。

 ●米アマゾン

 アマゾンでもテレビ番組や映画の制作・配信を中心とする部門であるアマゾン・スタジオのトップであるプライス氏がセクハラの告発を受けて辞任に追い込まれました。

 ●ナイキ

 さらにあのナイキでも、つい最近、2018年3月に以下のような事態が展開したのです。 

米最大のスポーツメーカー、ナイキの2人の経営陣、「ナイキ」ブランド(売り上げの90%以上)のトリーバー・エドワーズ社長とジェイ・マーティンゼネラルマネジャーが、「職場での不適切な行為」という内部からの告発により退任した。セクハラか不正行為を意味する「不適切な行為」による退任は、エドワーズ氏がナイキの次期CEO(最高経営責任者)と目されていただけに波紋は大きい。

出典:繊研新聞

 

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 皆さんはどう思われますでしょうか。米国の名だたる著名企業の役員自らがセクハラをしていた、という訴え、またはセクハラの対応が不適切であることを理由に次々に会社を追われ、破産に至った企業もあるのです。

■ セクハラ問題が投資リスク・トップのESG課題に浮上

 こうしたなか、世界の投資家はセクハラ問題に注目をはじめ、セクハラの訴えのある会社への投資を控える傾向が生まれています。

 セクハラは深刻な投資リスクだという記事が昨年秋以降次々と掲載され始めています。

 ■Nasdac:Sexual Harassment is a Major New Investment Risk

 ■Wall Street Journal:Why Sexual Harassment Matters to Investors

  また、ポジティブな側面からも、ESG投資の2018年の主要な指標にセクハラやハラスメント、女性に対する対応を指標として重視していく、という動きが出てきています。

 ところでESGとはなんでしょう?

投資・企業関係者の方はよくご承知のことと思いますが、E(Environmental 環境)、S(Social 社会)、G(Governance・ガバナンス)のことです。企業が社会的責任を果たし、しっかりとしたガバナンスを確保することを投資家は求めるようになり、短期的な利益だけでなく、長期的な持続可能性と社会的責任への対応に注目するようになってきたのです。このESG投資の傾向は国際的な潮流となっています。

日経新聞 企業、ESG対策手探り

  株式市場を席巻する新たな潮流に企業が戸惑っている。欧米で広がる「ESG投資」は環境や社会への配慮、企業統治が優れた企業を選んで投資する手法だ。

出典:日経新聞2018年4月6日

 最近では日本生命がこの方針を鮮明にしていますが、持続可能でない分野への投資をやめていく、という側面も伴っています。

 日生、ESG投資を急拡大 石炭火力は停止検討

 これまでESGのなかで、S=Socialは軽視されてきました。Socialの中核をなすものが人権・労働ですが、最近では、海外のサプライチェーンで起きる児童労働、奴隷労働、人身取引、紛争鉱物等がESGリスクとして強く意識されるようになってきたのです。

産業、投資の分野で人権や環境配慮が進んでいくのは大変歓迎すべき流れです。

 ただ、それでもこれまではおひざ元で起きるセクハラや女性差別等は、たいしたことではない、としてリスクとみなされてこなかったのです。あくまで人権上のリスクは途上国や紛争地での問題、そうした認識でした。

 しかし、#Metooの影響を受けてこうした状況が変わりつつあります。

■ ESG・労働・人権・セクハラの課題を企業はより意識すべき

 

 興味深いのは、ナイキがセクハラ問題の対応に追われていることです。

 ナイキは1990年代以来、いわゆるスウェットショップ問題で国際的に非難を浴びてきました。途上国で児童に大変低い賃金を支払って働かせて、靴を作らせている、という問題です。ナイキはNGOのこうした告発を無視しましたが、米国では不買運動に発展し、株価が下がり、ナイキは対応を余儀なくされ、サプライチェーンで発生する児童労働や過酷な低賃金労働を根絶すると宣言しました。

 その後、ナイキのCSR(企業の社会的責任)は進化を遂げ、国際ブランドの最先端のCSRを自認して先端的な方針を発表してきました。

  NIKE、2020年サステナビリティ目標を発表。

 この目標のラインアップをみると、「日本企業の数段先を進んでいるし明確なコミットメントだ」という感想を持つ人も多いのではないでしょうか。しかし、そのナイキも、自社でのセクハラ対策がおろそかであれば、足元をすくわれ、巨大なガバナンスリスク、投資リスクにさらされるのです。ナイキ等のリーディング・カンパニーが今後この軽視され続けてた問題に対して、どのような対策を打ち出していくか注目されます。

■ ESG課題がまだまだな日本の課題

 国際的なESG投資の潮流に日本も無縁ではいられないはずです。環境、そして人権に関する企業の姿勢は国際的な注目を集め、ESGにおいて十分でない会社、リスクの高い会社は下手をすると投資引上げをされるリスクにさらされる時代が来ています。他人事ではありません。

 東京証券取引所がコーポレートガバナンスコードの改定に乗り出していますが、EU並みに厳しいESG情報の開示を求めるルールづくりが必要であり、企業も人権や環境に関するポリシーを明確にし、説明責任を果たしていくことか求められるでしょう。

 セクハラについては、日本社会の認識はこれまで著しく低く、裁判所でもセクハラの賠償額は極めて少額なままでした。そのため、企業にとっては重大なリスクと認識されてこなかったのですが、今後はガバナンス、投資上のリスクになりうるのです。

 セクハラ対策については、厚労省がせっかく雇用機会均等法に基づいて、詳細なマニュアルを作成しているのであり、これに即した対応を急ぐ必要があります。

 厚労省 セクシュアルハラスメント対策に取り組む事業主の方へ  

 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000088194.html

「何がセクハラかわからなくて怖い」「不安」という声も少なくありませんが、何より女性たちの生の声を聴くことから始めることが大切ではないでしょうか

 こちらは、4月28日に新宿で若い女性たちがセクハラに我慢できないということで企画した街頭でのスピーキングの様子です。

 

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 何を言われて傷つき、苦しんできたかが多く語られました。たとえばこのようなことです。

 「私は黙らない。セクハラや性差別に声を上げたときに言われた7つのこと」

 こうした若い女性が声をあげる様子を見ると多くの企業管理職の方々は、生意気な若い女性だと言ってバカにしたり軽視したり、苦手だと嫌悪感を示したり、話が論理的でないから等と聞く耳を持たなかったり、とにかく面倒くさい、怖いから関わりたくないと言って遠ざかる、それが標準リアクションだったのではないでしょうか。

 しかし、このようにして女性の声を大切にせず、差別やハラスメントに寛容でいては済まされない時代になりつつあります。

 是非女性の声を聴き抜本的な対応に乗り出してほしいと思います。

※ 5月22日夜にヒューマンライツ・ナウが開催するESG投資・ESG開示セミナー。ESGについて知りたい方にお勧めです。ここでもセクハラに関連する議論もできればと思っています。

  「ESG開示・ESG投資をめぐる国際的動向と日本の課題」 http://hrn.or.jp/news/13852/

2018年4月29日 (日)

「どこが女性が輝く社会?」セクハラ問題の説明責任を果たすため、政府・財務省がただちに取り組むべきこと

最近、女性の権利をめぐる事態はめまぐるしく動いています。

財務省セクハラ問題について一週間前にYahooに書いた記事をご紹介します。その後、財務省が責任を認めて謝罪しましたが、課題は残されています。引き続き責任ある対応を求め、声をあげ始めたジャーナリストの女性たちと連携していきたいと考えています。

2018



■ 居直り続ける財務省

 福田財務省事務次官が女性記者に対して取材中にセクハラ発言をしていたことを週刊誌が報道、それ以来、騒動はやむ気配がありません。

 週刊誌報道直後に、財務省はHPにセクハラを否定する次官の言い分のみを一方的に掲載、調査を行う等として自らの顧問弁護士を指定し、「調査への協力のお願い」等として被害にあった女性に名乗り出るように求めています。傷ついた被害者に名乗り出ろ、というのは被害者心情への配慮に著しく欠けており、恫喝的です。

 さらに、麻生大臣は、女性が名乗り出ない限りセクハラを事実と認定できないという見解を示し、官房長は、「(名乗り出るのが)そんなに苦痛なのか」と発言しました。

  こうしたやり方がセクハラ被害者の心情への配慮に欠け、調査の方法も不適切なものであったとして大きな批判を浴び、財務省はその信用を大きく失墜しています。新聞各社、識者、法律家からも財務省の対応への非難、異論が相次ぎました。

 ところが、テレビ朝日が記者会見をし、正式な抗議を行った後も、財務省の対応は適切さを欠いたままです。

 今の財務省の姿勢はまとめると以下の通り、

 ・福田事務次官をセクハラについて否定したまま、処分もせずに辞任させる

 ・音源がテープが福田事務次官の発言であること認めつつも、財務省として何らの不適切性も認めない

 ・「被害者は名乗り出るように」との調査方法や、その後の「名乗り出るのがそんなに苦痛なのか」との国会での発言について正式な謝罪・反省がない

 ・未だに顧問弁護士に調査を依頼するという利益相反に該当する調査を見直そうとしない

  セクハラの訴えを敵対視し、居直りとしか言いようがない態度を続けているのです。

  セクハラの訴えをした被害者は、セクハラの真偽が明確に認定される前から、手続的に配慮され、保護されるべきであり、訴えを受けた者は適切に対応、調査をしなければならないのは当たり前のルールですが、そうしたことが無視され、配慮に欠ける対応が続いていることはとりわけ問題でしょう。

  セクハラ問題は、財務省のガバナンスのなさと説明責任の欠如、女性の権利に対する無理解が最悪レベルであることを露呈してしまいました。

■ セクハラ被害への理解を著しく欠く不適切な麻生発言

 さらに多くの女性の怒りを買ったのは、報じられる以下の麻生大臣の発言ではないでしょうか。

だったらすぐに男の番(記者)に替えればいいだけじゃないか。なあそうだろ? だってさ、(週刊新潮に話した担当女性記者は)ネタをもらえるかもってそれでついていったんだろ。触られてもいないんじゃないの

出典:週刊新潮

 この発言の意味するところは一体なんでしょうか。

 (麻生氏から見てたとえ)女性の訴えが事実であったとしても

・それがどうしたというのか。たいした話じゃない、触られていないのにセクハラとは大げさだ。

・自分でついていった以上セクハラされても自己責任だ。

・セクハラに文句があるなら男性記者に変えて、女性記者など締め出してしまえばいい

 というあきれたものです。

 セクハラは、職場における性的言動により就業環境が悪化し、女性が安心して尊厳をもって働けなくなることを防止するために男女雇用機会均等法人事院規則等で禁止されています。

 身体接触を伴わない言動もセクハラに含まれますし、セクハラはされるほう(被害者)でなくするほう(加害者)が100%悪いのであって、被害者の対応を問題にすべきではないこと、そしてセクハラ相談があったことを理由に、女性を職場から締め出す等の不利益を課すことがあってはならない、ということはセクハラ対応のイロハのイ。ちなみに相談者のプライバシー保護もイロハのイです。

 参照 厚労省の民間事業者向けパンフ 

  事業主の皆さん 職場のセクシュアルハラスメント対策はあなたの義務です!!

    (※ちなみに国家公務員のセクハラに対応する人事院規則は最近の改定で、職員が職員以外に行ったセクハラも許されないし対応しなければならないと明記しています。)

 ところが、麻生大臣がこれをことごとく理解していないことは、発言から明らかです。

 こんな意識の政治家が、財務省のトップ、そしてナンバーツーであるということに愕然とします。

 政治家としての資質が厳しく問われなければなりません。

 そして、安倍首相は麻生首相の対応や福田事務次官の言動について明確に非難することもないのです。

 

■ 被害者バッシングが放置されている。

 こうして政府が居直る中、被害者の女性記者が置かれた状況はどうでしょうか。

 深刻なことに、ネットには被害者を特定して顔を晒そうとする現象が続いています。

 そして、麻生大臣の発言に触発されたのか、会いに行った方が悪い、ハニートラップ、等と、被害者を誹謗中傷する心無い「セカンドレイプ」が横行しています。

 勇気を出した被害者のプライバシーを尊重する、そしてセカンドレイプをして傷つけるようなことは決してあってはならない、当たり前のことです。この国のモラルは一体どこへ行ったのでしょうか。

 一部メディアには、被害者がセクハラの音声を週刊誌に提供したことが報道倫理に反するという筋違いの非難が広がっています。

 さらに自民党下村元文科大臣は、被害者の行動を「犯罪」等として責める講演を行ったことが明らかになっています。''推測するにこれは氷山の一角、政権に近い政治家、政権幹部のこうした水面下の言動、コメントがメディアの論調に投影していることは想像に難くありません'''。

 しかし、録音もないままセクハラの主張をしたら、彼女の言い分は否定され、彼女自身も潰されていたでしょう。私もセクハラでそのようなケースをたくさん見てきました。

 セクハラをした権力者のほとんどが強硬かつ威嚇的姿勢でセクハラ行為を否定し、訴えた女性を潰そうとする、これは残念ながら経験則です。だからこそ録音するしか身を守る方法はないのです。

 今、ようやくメディアで働く女性たちが声をあげ、セクハラについて語り始めています。新潮の報道が出なかったら、今のような事態はありません。非難している人たちは、つまり、彼女は権力者のセクハラに沈黙し、耐え、泣き寝入りをしていればよかったというのでしょうか。

 今の状況そのものが、メディアで働く女性に泣き寝入りと沈黙を強いています。だから、他の被害者も名乗り出ないし、非難を恐れて名乗り出る報道機関もないままなのです。

 政府・官僚のセクハラ行為を勇気をもって告発した被害者が洪水のようなセカンドレイプをあび、政府がその状況を放置している、ということ自体が極めて問題です。一罰百戒のようになり、もう二度と誰も声をあげることはできない、というレッスンにしようとしているのでしょうか。

 この間、複数の女性ジャーナリストにお会いしましたが、「ずっといえなかった被害がようやく明るみに出たというのに、このまま被害者だけがバッシングを受け続け、財務省が事態がうやむやにしてまともな調査を行わなければ、女性ジャーナリストが安心して活動できる環境に改善することは絶望的になる。メディアに女性の居場所はなくなる。」との強い危機感を口々に語っていました。

 こうした状況を見せつけられる、声をあげていないセクハラ被害者の方々、女性ジャーナリスト、そしてこれから社会に出ていくであろう若い女性や少女たちがどんな絶望的な思いになるのか、想像してみてもらいたいと思います。

 

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 セクハラの声をあげたらこういうことになるんだな、と思ったら、声をあげないほうがいいとなる、しかし声をあげずにセクハラにあい続けるしかない、というのが日本社会なのだとしたら、それはどんなに女性にとって暗澹たる社会でしょうか。

 これが果たして安倍政権の掲げる「女性が輝く社会」なのでしょうか。

■ 連休前に政府がどうしてもなすべきこと

 このままずるずると政府はだんまりを決め、セクハラ問題の真相を曖昧にしたまま、女性だけが二次被害にあい続けること、そんなことは到底許されないと思います。

 政府・財務省は以下のことを連休前に行うべきでしょう。

 

 ・麻生大臣が一連の発言を撤回して不適切な対応を謝罪すること

 ・「被害者は名乗り出るように」との調査方法や、その後の「名乗り出るのがそんなに苦痛なのか」との発言等、対応について反省し、謝罪すること

 ・音源テープの内容が事務次官の発言として不適切であるとの財務省の見解を少なくとも発表すること

 ・福田氏の処分を行うこと(処分なしの辞任で終わらせないこと)

 ・顧問弁護士による調査をやめ、第三者からなる外部調査委員会を立ち上げて、徹底した調査を実施すること

  外部調査委員会は、企業不祥事等の第三者委員会に関して日弁連が公表しているガイドラインに少なくとも準拠し、財務省と利害関係を有する者を委員に任命せず、完全に独立した立場の外部調査を行う機関とし、あらゆる資料、情報、職員、関係者へのアクセスも可能とすること

 ・国家公務員のセクハラ対応に適用される人事院規則がすべての省庁で徹底しているかを検証調査し、改善を実施すること

・安倍首相は、財務省の一連の対応を明確かつ具体的に批判し、官公庁においてあらゆるセクハラがあってはならないことを明確にすること

 ・政府は被害者へのセカンドレイプを非難し、被害者に対する二次被害を行わないよう広く社会に求め、被害者のプライバシーと心情への配慮を最大限に行うこと

  以上の点に着目して、今後の政府・財務省の動きが女性の想いに即したものなのか、女性を含む有権者を愚弄するものなのか、みなさんとともに厳しくチェックしていきたいと思います。(了)

NY活動報告 #Metoo 声をあげられる社会に

みなさま、

いつもヒューマンライツ・ナウ、そして私伊藤の活動を応援いただき、心より御礼申し上げます。

女性たちが今も差別や暴力に苦しみ、傷ついている、そんな現実を変えようと、昨年秋から世界的に#Metoo運動が発生しました。日本では、声をあげる女性が心無い二次被害にあうなど、声をあげることは容易ではありません。

HRNでは、日本の#Metooの先駆けとなった伊藤詩織さんを始め、声をあげた女性たちを応援したいと、2018年に入ってから223日の#Metooに関するイベント等、様々な活動を続けてまいりました。

Metoo5

そして、3月にニューヨーク国連本部で国連女性の地位委員会が開催されるに当たり、ニューヨークに伊藤詩織さんを招聘した国連関連イベントを開催いたしました。

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会員の皆様中心に御寄付を募り、温かい御寄付によって31516日にニューヨークでイベントを盛況のうちに開催させていただくことができました。

ニューヨーク日系人会のイベント(315)、ニューヨークの国連女性の地位委員会のパラレルイベント(316)はそれぞれ100人を越える大成功となり、数多く報道いただき、詩織さんの声を世界に届けることが出来ました。

 

 

また、国連本部でもこのたび記者会見を開催し、大きく報道されました。

315日の様子はこちらにご報告させていただいています。

http://hrn.or.jp/activity/13716/

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こんなに人が詰めかけてくださいました。

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316日の様子はこちらにご報告させていただきました。

http://hrn.or.jp/activity/13720/

このリンクから、当日の様子について動画で見ていただくことが出来ます。

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また、記者会見の様子は毎日新聞のウェブ等で見ていだたくことが出来ます。

https://mainichi.jp/articles/20180317/dde/041/040/020000c

 

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また、このNYでの機会に、ヒューマンライツ・ナウが毎年女性の人権活動家に対して

贈呈しているAsian Activista Awardを伊藤詩織さんにお送りし、表彰させていただきました。

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その報告も是非ご覧いただけると幸いです。

http://hrn.or.jp/news/13758/

この間の活動について、様々なメディア報道でも大きく報道されています。

こちらから御確認いただけると幸いです。

http://hrn.or.jp/media/

こうした活動をすることができましたのも、支えていただき、御寄付をいただいた

多くの方々のお力添えの賜物です。皆様のご厚情と応援に改めて心より御礼申し上げます。

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詩織さんの声を受けて日本ではようやく、#Metooの声が上がり始めました。

財務省でのセクハラ問題が表面化し、メディア全体で隠ぺいされてきたセクハラが問題視

されつつあります。また若い女性たちも声をあげ始めてくれています。

感無量の想いがありますが、女性やマイノリティの尊厳が大切にされる社会を実現する

道のりはまだまだです。

ヒューマンライツ・ナウは今後とも、声をあげた勇気ある女性たち、被害にあわれた方々を一人にせず、

社会を変える活動に取り組み、一人でも多くの方が声をあげられる社会をつくってまいりたいと

考えています。

20184月よりはじまりました新年度も、そのような想いを新たに、女性や子どもの権利の

問題に取り組み、AV出演強要、児童ポルノ問題の解決と併せ、性暴力全般について活動を

強化していきます。併せて、武力紛争やビジネスの過程で犠牲にされる人々の権利を

守るために取り組み、声をあげる人たちを応援していきたいと存じます。

どうぞ引き続き、ヒューマンライツ・ナウの活動を支えていただけると嬉しいです。

是非登録未了の方は、会員またはマンスリーサポーターとしてHRNをご支援ください。

http://hrn.or.jp/donation/monthly_supporter/

そしてまた、伊藤詩織さん、そして声をあげる女性たちを応援していただくよう、心よりお願い申し上げます。

Metoo3

 

 

ヒューマンライツ・ナウ 事務局長 伊藤和子

2018年4月 9日 (月)

女性を土俵から排除するルールは明らかな女性差別。相撲協会は今すぐ見直すべき。


「女性の方は土俵から下りてください」
 44日、大相撲春巡業の舞鶴場所で土俵上で倒れた市長の救助をした女性に、行司が土俵から降りるようアナウンスをしたことが波紋を呼んでいます。

京都府舞鶴市で4日に開催された大相撲舞鶴場所で、土俵上で多々見良三市長(67)があいさつ中に倒れ、心臓マッサージなど救命処置をしていた女性たちに、女性は土俵から下りるようにとの場内アナウンスが数回行われたことが複数の観客の証言などで同日分かった()

出典:京都新聞

 これに対しては、「人命より伝統を優先するのか? 」等と、厳しい批判が相次ぎました。海外の報道はさらに踏み込んで、土俵から女性を排除する差別を厳しく批判する内容でした。

米紙ニューヨーク・タイムズは、相撲の「差別的な慣習が世間の厳しい目にさらされている」と解説した。スイスの「世界経済フォーラム」の2017年版「男女格差報告」で日本は144カ国中114位。これを踏まえ、今回の出来事が「日本でどのように女性が扱われているかを物語った」とした。ワシントン・ポスト紙は、土俵から下りるよう指示されたのは「このスポーツのしきたりで、女性が不浄と見なされているからだ」と指摘。

出典:日本経済新聞

女性を土俵から排除することは明らかな差別 
こうした非難を受けて日本相撲協会の八角理事長は談話を発表し、

「行司が動転して呼びかけたものでしたが、人命にかかわる状況には不適切な対応でした。深くおわび申し上げます」と謝罪した (出典:CNN)

といいます。しかし、相撲協会は何を反省しているのでしょうか。

 相撲協会の芝田山広報部長は、「(土俵に女性が上がれない)大相撲の伝統を守る協会のスタンスは変わらない」という姿勢を明確にし、

こういった緊急事態が、またいつ起こるかもしれないので、場内アナウンスの指導もしていかないといけない。緊急時のマニュアルも作らないといけない (出典:日刊スポーツ)

 などと述べたそうです。つまり、人命尊重のために緊急対応には女人禁制の例外を認める、ということしか念頭にないのです。

 そして、女性が土俵に上がれないことへの批判には、「差別のかけらもない」と否定したとされています。

 このような議論は、事の本質を曖昧にして収束を図ろうとしているだけで、方向性がおかしいことは明らかです。

 ある属性のみを理由に、正当な理由なく立ち入りを排除するというのは、差別以外の何物でもありません。差別の意図がない、といくら言おうと、女性を排除している以上、それは、女性差別にあたります。     
女性が土俵から排除されていることについて、「緊急事態にはどうするか」という議論に矮小化されてよいはずがないと思います。

 普段は土俵に上がれない人間であっても、緊急事態であれば例外的に容認して土俵に上がることを認める、 その議論そのものが差別にあたります。  

  このような議論は、戦前、無能力とされていた女性が戦争末期の本土決戦という切羽詰まった状況になって、竹やり訓練に参加させられたことをありがたがれ、というような、二級市民扱いではないでしょうか。女性をバカにした議論だと思います。

排除の理由は明らかに不合理
  日本には、憲法14条で、男女平等が定められています。これは民間でも適用され、ゆえに職場での男女差別は許されていません。

  男女間での差別的取扱いが許されるのは、合理的な区別と認められる場合だけであり、異なる取り扱いをする側が合理性を証明しなければなりません。ところが、相撲協会は女性を排除する合理性、正当性を全く説明せず、伝統、というだけです。

  その伝統、というのは何でしょうか。

  専門家の文献によれば、室町時代、江戸時代、明治にも、女性の相撲というのは行われ、女人禁制ということはなかったそうです。 
  それが、女人禁制になったのは、明治以降、神道に基づく、女性が穢れている、という考え方に基づくものだとされています。女性は月経がある=血を出す=穢れているという考えだというのです。

  このような考え方で女性を差別し、排除するというのは、女性蔑視の考え方に基づくものであり、合理性のかけらもない差別であることは明らかです。例えば、同じ理由で、女性を職場や政治から排除したり、選挙権を認めない、という結論が許されるはずもありません。

  一般社会では到底容認できない慣行なのに、「相撲は神事だから、伝統のわからない者が余計なことを言うな」等と、女性が論評することさえ許されないような議論があります。しかし、「伝統」「神事」を理由に、女性蔑視が正当化されて、女性差別が容認されて何もいえない、というのは論外です。

  たとえば、伝統・神事を理由に、外国人力士が排除されたり、差別されたら、すぐに人種差別、という問題になり、国際問題にすら発展するのが昨今です。ところが、女性差別については、まるでお約束のように、話題にすることすら適切でない、という空気感があります。女性差別であることすら気づかないような、話してはいけないような議論状況を見ると、日本の男尊女卑は深刻だ、とつくづく感じます。これでいいのでしょうか。

もっと深刻な女性差別があるから?

  女性の論者の中には「もっと深刻な女性差別にこそ目を向けるべき」という議論があるようです。「わざわざ騒ぎ立てるほどのことではない」という議論はこういう時、おうおうにして出てきます。

 実は私も過去に何度か、官房長官や知事の女性が「土俵に上がれなくて悔しい」ということを繰り返し述べていたのを記憶しています。

 確かにその時は、「相撲の土俵になど、あがる人はほとんどいない」「功成り名を遂げた、一握りのエリート女性が騒いでいるだけ。若い女性はもっと苦しんでいるのに」と冷ややかに感じていたのです。

 しかし、今回、宝塚市の市長が「悔しい」と述べたことには共感しました。

 ここまでかたくなに女性を排除して平気でいる相撲協会の姿勢や、その背後にある、穢れ、という伝統の起源を知るにつけ、これは女性みんなの問題であり、スルーすべきではない、と痛感しました。

 女性が土俵に上がれない、ということ=女性にはその属性ゆえに行ってはならないこと、控えなければならないことがある、ということが、「伝統」の名のもとに存在し、正当化され、そうしたスポーツが「国技」として優遇されていることが、人々の意識に大きく影響することは軽視できません。

 そうした事実を子どもの頃から記憶に植え付けられれば自然と、女性は男性よりも劣った存在だと認識させられ、男性は女性を見下すようになる、そのことが性暴力やDV、セクハラ、AV出演強要、職場での男女差別などといった、「より深刻な」と評される問題に直接的につながっていきます。これは私がこうしたケースに多く接してきた経験から実感することです。

 すべてはつながっています。みんなの目につく女性差別は「小さなこと」「表層的なこと」「取るに足らないこと」として軽視されるべきでは決してないと思います。

今すぐにやめるべき
  21世紀、スポーツの世界でも、性別・人種等に基づく差別や暴力は、決して許されないという考えは趨勢になっています。合理性のない「伝統」の名のもとに女性を蔑視し、排除するような相撲の在り方は、今こそ変わらなければならないでしょう。

  東京オリンピックを控え、国際的にも日本のスポーツ界の差別や暴力に対する視線は厳しくなっています。

  相撲協会は、このまま合理性も説明できない女性差別をやめるべきです。

  このまま、一般社会では決して通用しない差別的慣行を維持し続けるなら、公益財団法人としての適格性が真剣に検討されるべきでしょう。 
  主務官庁である文科省も女性差別をやめるべく指導監督をすべきでしょう。

  そして、NHKも公共放送として、大相撲中継を継続するのが果たして適切なのか、再検討すべきだと考えます。()

 

 

2018年3月28日 (水)

NGO活動を攻撃し、AV強要対応に反対した、杉田水脈議員の国会質問に抗議します。

201839日の衆議院内閣委員会において、杉田水脈衆議院議員が質疑に立ち、NGOヒューマンライツ・ナウの活動や取り組んでいる課題に触れた質問をしました。
この内容は以下、「衆議院インターネット審議中継」にて確認することができます。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=47874&media_type=fp
その内容は驚くほど攻撃的で、議員としての見識を疑うものです。
要するにHRNは反日団体であり、AV強要の被害など疑わしいし、大した件数もないので、政府が取り組みをすることに強く反対する、という内容でした。
最近の報道では警察庁がAV強要関連で100人以上を検挙したとの報道があり、改めて被害の深刻さを政治が認識し、弱い立場に置かれた女性たちのために尽力してほしいし、心ある政治家は党派を超えて取り組んでいただいているのに本当に遺憾です。
杉田議員の質問・指摘には下記のとおり重大な問題が含まれており、看過できないと考え、抗議を行うことにしました。

1 事実と異なる言及について
(1)
 杉田衆議院議員は質疑で、ヒューマンライツ・ナウ(以下HRN)について「日本軍が慰安婦というのが性奴隷であったとかといったことを国連などを通じて世界に捏造をばらまくということをすごく熱心にやっている団体がこのヒューマンライツ・ナウなんですね。」と発言しています。
  「捏造」とは実際になかったことを故意に事実のように仕立て上げることですが、当団体は「捏造」に該当する行動を行ったことはありません。
  HRNはいわゆる「従軍慰安婦問題」に関し、見解の表明を行っていることは事実ですが、その前提となっている事実関係は、河野談話、日本の政府関与のもと設立されたアジア女性基金が残した「デジタル記念館 慰安婦問題とアジア女性基金」に記載された事実 、国連人権機関からの各種勧告、レポートです。
   HRN
2006年に設立された国際人権NGOであり、設立時には既に上記談話、アジア女性基金等の研究結果、国連人権機関からの勧告、レポートの多くは公表されていました。当団体は、国際人権NGOとして、これら、日本政府や関係機関が調査した事実に依拠して国際法に基づく解決を求めた各種提言を行ってきたものです。
    HRN
独自に新たな事実を公表したり、まして仕立て上げたことはありません。
   
杉田議員が当団体について国会の審議にあたり、「捏造」という言葉で誹謗中傷したことは極めて遺憾と言わざるを得ません。
(2)
 また杉田議員は、質疑のなかで、AV強要をされたと嘘をついた女性が「相談に行ったのがヒューマンライツ・ナウだった。こういうことがすごくたくさんある」と発言していますが、当団体は相談支援事業を行っておらず、事実に反する発言と言わざるを得ません。
(3)
 以上のような当団体に対する事実と異なる言及は、当団体に対する名誉失墜・業務妨害につながるものです。
   
事実、杉田議員の質問を聞いたとして、HRNに対し、「天罰が下ります」等と予告する脅迫的メールが届いており、軽視することはできません。

2 HRNないし支援団体に対する事実に反する不当なレッテル貼りについて
    
杉田衆議院議員は、「JKビジネスとかAVの出演強要とかはあってはならない」としつつ、「先ほども言ったように、日本をおとしめるプロパガンダに使おうとする人たちが明らかにいて、その人たちの言うことを聞いてこれは書いてますよね」と述べており、この言及に先立ち当団体について指摘されていることから見れば、杉田議員はHRNを「日本をおとしめるプロパガンダに使おうとする人たち」と指摘したものと受け取れます。
   
また、杉田議員は、「AV女優の強要とかJKビジネスとかはこんなに日本で問題になっているから、だから防止月間をやらなければならないということが、これが海外には、だから、昔日本は慰安婦という性奴隷を持っていたんだと言われてもおかしくないです。まさしく、その意図を持ってこの団体はこういうふうなことをやっている」と指摘しています。これはこの言及に先立ち団体名を指摘された、HRNないし「ポルノ被害と性暴力を考える会」(PAPS)を指摘したものと受け取れます。
さらに杉田議員は「反日のプロパガンダに対して、どのような手立てをとっていただけるのか」とも指摘しています。
   
しかし、HRNないしPAPSが「日本をおとしれるプロパガンダ」「反日のプロパガンダ」をしているというのは明らかに事実に反する言いがかりであり、何らの根拠もないものであって強く抗議します。
   
そして、HRNPAPS、人身取引被害者サポートセンターライトハウスがAV出演強要被害問題について取り組んでいるのは、この問題が女性に対する極めて深刻な被害をもたらす人権侵害であり、若年女性を被害から防止・救済することが急務だからにほかならず、「反日のプロパガンダ」に利用する「意図を持ってこの団体はこういうふうなことをやっている」等というのは明らかに事実に反するものです。
国会という場において、何の証拠にも基づかず、民間団体を名指しして、レッテル貼りをして攻撃することが果たして許されるでしょうか。
   
若年女性に日々発生し、深刻な相談が相次いでいる出演強要被害を救済するために日々奔走し、尽力している当団体や支援団体の活動を何らの根拠もなく愚弄するこのような発言は到底許されません。
 そもそも、国会議員が民間団体に対し、「反日」などとレッテルを張って攻撃すること自体が異常であり、現に慎むべきことです。

3 AV出演強要被害と従軍慰安婦問題に関する言及について
   
杉田議員は、HRNの調査報告書に基づいて政府がAV出演被害に対する対策を行うのは問題である、日本を貶めるプロパガンダ活動のためにAV出演強要問題を利用している、等と主張していますが、明らかに誤解があります。
AV
出演強要被害は現在、日本の若年女性の間で被害が広がっている、深刻な女性に対する暴力であり、HRNおよび民間の支援団体は、被害者の声と深刻な被害の実相を真摯に受け止め、政府に対し対応を求めてまいりました。
   
こうした被害の根絶を求める民間団体の活動は、従軍慰安婦問題とは何らの関係もなく、日本を貶めるプロパガンダでもないことは明らかです。
    AV
出演強要被害については、国会の場でも審議がされ、20166月には内閣府が調査を閣議決定、20173月に政府の緊急対策策定、2017年5月に政府方針の決定がなされています。
    HRN
20173月にニューヨークにおいて、AV出演強要被害問題に関して、国連女性の地位委員会パラレルイベントを開催いたしましたが、日本政府ニューヨーク国連代表部大使(当時)をパネリストとしてお呼びし、被害根絶について有意義な討議が行われています。
    
現在、日本政府は被害防止のために強力な取り組みを推進されており、私たちはこうした政府の動きを歓迎し、被害根絶への一層の取り組みを求め、政府各機関と協力する姿勢で取り組んでいます。
こうしたなかにあって、被害根絶に関する民間の取り組みを貶めようとする杉田議員の発言は極めて遺憾です。

4 被害者に対するセカンドレイプにつながりかねない言及について
    
杉田議員は前述のとおり、AV強要をされたと嘘をついた女性が「相談に行ったのがヒューマンライツ・ナウだった。こういうことがすごくたくさんある」と発言し、あたかも当団体が把握した被害の実態が信用できないかのような印象を与える結果となっています。
    
しかし、議員発言の根拠となる産経新聞ウェブ版の杉田水脈氏のコラムによれば、その女性が「嘘をついた」とするのは、一人の関係者からの一方的な情報に過ぎないことが認められます。  
   
当該記事では、「男性の話がすべて事実なのかどうかは分かりません。女性の方は「だまされてAV撮影を強要された」などと全く違う説明をしています。」と記載していたにも関わらず、国会質問では「嘘をついた」と断定しています。かつ、当該記事では一人の関係者との会話とされていることが、国会質問では「こういうことがすごくたくさんある」と断定されています。
   AV出演強要問題を巡っては、勇気を出して声をあげた女性に対するセカンドレイプ的な誹謗中傷や、被害がなかったかのような非難が巻き起こり、そのことが被害者である若年女性らが被害を申告しにくく、被害が闇に葬られがちな現状を生んでいます。
   およそ国会質問において、明確な根拠もない一方的な会話に基づき、AV出演強要被害が被害者のでっちあげにより作出されたものであるかのように、「こういうことがすごくたくさんある」と言及することは、深刻な人権侵害である出演強要被害を過小評価する結果につながりかねず、極めて不見識と言わざるを得ません。

5    AV出演強要被害を過小評価ないし疑問視する一連の発言について
   杉田議員はAV出演強要被害に関する相談件数が少ないことを繰り返し指摘し、AV出演強要防止月間を「絶対にやめるべきだ」「デメリットがあまりにも大きい」「デメリットのほうが絶対に大きくないですか」と質問しています。
   さらに、「この職業につきたいという女性はすごく多いんですよ、引く手あまたで。すごく狭き門なんだそうです。」「わざわざ嫌がる女の子を無理やり出して、そんなことをすると、必ずその業者は潰れるわけで」「やっているようなところはすごく少さいので、それよりは、というようなところの事例のほうがすごくたくさんあるんですね」「だから、必ずしも相談件数が、全部が全部本当にだまされて、それに出さされて、すごいひどい被害にあった子たちばかりではない」等と指摘しており、あたかも支援団体へ相談件数の多くが、実際には出演強要の被害ではないかのような指摘を繰り返しされています。
   しかしながら、AV出演強要の被害の標的となるのは、抵抗力の弱い、若年女性たちです。性被害のなかでもとりわけ深刻なAV出演強要被害において、被害にあった女性たちは自らを責め、PTSDに苦しみ、なかなか声をあげることが困難な状況にあり、その状況は社会問題化した今日も続いています。
  杉田議員の発言は、こうした被害者が声をあげたり相談に臨むことが容易ではないことへの理解に著しく欠けています。さらに、公的機関による相談対応が始まったばかりであり、かつ若年女性が公的機関に訪れるのはハードルが高いことへの理解にも欠けています。
  こうした一方で、支援団体には近年、多数の相談が被害者から寄せられ、相談件数は数百件に及んでいます。また、多くの若年女性が意に反する性的撮影の被害にあっていることは、内閣府男女共同参画局が実施した調査からも明らかです。
  杉田議員の質問に対し野田聖子大臣が的確に答弁されたとおり、政府はAV出演強要被害に対し、深刻な女性に対する暴力と位置付け、政府一丸となった対応をとられています。
  こうしたなか、政権与党の議員からこのような被害者、被害実態への理解に欠ける心無い質問が出ることは極めて遺憾です。

6    NGOの国連に対する活動への報復や抑制について
  杉田議員が民間人権団体の名前を名指しして攻撃したことは、民間団体が慰安婦問題をはじめとする国内の人権課題について国連等国際社会に訴える活動自体への攻撃というべきものです。政権与党の一員である国会議員が正式な内閣委員会の質疑でこのような発言をしたことは重大です。
  まず、杉田議員は、複数の団体やイベント名を具体的に指摘して、慰安婦問題に関する取り組みについてすべてがあたかも「捏造」「反日」であると決めつけるような質問を行っています。しかし、従軍慰安婦問題が歴史的事実として存在したことは否定できない歴史の事実であり、河野談話でも確認され、その基本的立場は歴代内閣においても承継されています。慰安婦制度そのものが「捏造」でないことは明確です。
  にも関わらず、女性の権利に関心を寄せる民間団体が、慰安婦問題についてイベントを開催したり、イベントに参加すること自体を敵視し、慰安婦問題に関する民間の諸活動そのものを「捏造」「プロパガンダ」「反日」であるかのように指摘・攻撃する杉田議員の質問は、重大な誤解を与え、国民の正当な言論活動を委縮・沈黙させる危険性をはらむものであり、今後繰り返されてはならないと考えます。
  加えて、民間団体がNGOとして国連の人権機関に対して情報提供を行うことは広く推奨される活動であり、そのことを理由に民間の団体・個人が不利益を受けることは国連で報復(Reprisal)として問題視され、許されないこととされています。
  国連人権理事会24会期の決議24(A/HRC/RES/24/24) は、人権分野で国連に協力した団体・個人に対するいかなる報復措置(Reprisal)や脅迫(intimidation)を許さないとして、国連加盟国に対し、こうした事態の発生を防止する適切な措置を講ずるよう求めています。
同決議は日本政府を含む賛成多数により国連人権理事会で可決されており、政権与党として、この決議の趣旨に反する国会での言動を放置すべきではありません。
      
また、杉田議員の「NGOの国際的な表現活動を抑え込む必要があるのではないか」との質問も表現の自 由に対する重大な脅威というべきものです。この点について政府側答弁者は、表現の自由として保障されるとの適切な答弁をされましたが、与党席からこれに抗議するヤジがあったとも報告されており、こうした事態は深刻といわざるを得ません。
  こうした院内の発言を放置することは、民間団体・NGOの活動の自由への萎縮効果をもたらし、エスカレートする危険性をはらむものであり、到底t看過することはできません。
 

そこで、HRNは文書で正式に自由民主党および衆議院内閣委員会に抗議を送りました。
適切な対応がなされることを期待します。

 

2018年3月14日 (水)

3月15日、16日 UN・NYで詩織さんとともにイベントを開催します。

みなさま

ニューヨークに来ています。国連女性の地位委員会に出席するためです。
こちらがオープニング!
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毎年私たち、この時期に開かれるこの国際会議でイベントを開催していますが、今年は伊藤詩織さんをお迎えし、また日系人会のビジネスウーマンの会にもご協力いただき、とてもわくわくの企画を予定しています。

日本で#Metoo運動をリードする伊藤詩織さん
実名で被害を告発する勇気ある姿勢は多くの女性に勇気を与えました。
私も彼女の会見での様子や、ブラックボックスという書籍に書かれた言葉に心を揺さぶられた一人です。

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みんなで応援していくことが必要ですね。ということで詩織さんの声を国連に届けるお手伝いをすることになり、日本でも2月23日のイベントに御参加いただきました。

3月16日のイベントはこちら 国連パラレルイベントです。

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詳細はこちら。是非ご参加下さいね。
http://hrn.or.jp/news/13000/
3/16(金) 午後4時半~#MeTooからの新たな挑戦~ 声をあげた人たちを守り、意識を変えよう!

また、日系人会でも前日にイベントを開催して下さります。
こちらはもう閉めきってしまったそうですが、100人越えで大盛況とのこと。

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こちらは私がメイン講師、詩織さんをゲストにお迎えし、ジャーナリストの津山恵子さんが仕切ってくださいます。
http://hrn.or.jp/activity/12670/

そしてこれを支えてくださる、ニューヨークで活躍するパワフルなビジネスウーマンの皆様とランチ

本当に素敵な、やさしい方々です。みなさんなくしてこの活動は実現しませんでした。
心より感謝。
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そしてさらに、国連内での記者会見も決まりました。
私も国連会合で発言することはしばしばありましたが、国連で記者会見するのは初めて。緊張しています。
日本の#Metooの現状についてお話しすることにします。

Dear colleagues,

UNCA will hold a press conference on Friday, March 16th at 2:00 pm in the UNCA Meeting Room with Ms. Kazuko Ito, Founder of Human Rights Now and journalist Ms. Shiori Ito, on Protecting and Encouraging Silence Breakers in Japan, particularly in reference to victims of rape, sexual harassment and sexual violence.

Please see the media advisory below for details.

The press briefing is open to all UN correspondents.

Sherwin Bryce-Pease
President, United Nations Correspondents Association

Protecting and Encouraging Silence Breakers in Japan
Press Briefing Friday, March 16th at 2:00 pm

WHAT: During the week of March 12 Ms. Kazuko Ito, Founder of Human Rights Now, will be in New York City to join the CSW 62 along with Ms. Shiori Ito, a journalist who broke Japan’s silence about rape victims for the first time through her experience. They will brief UN reporters about the situation in Japan which still has a male dominated society in spite of being the world’s No. 3 economic power.
Speakers will discuss:
• Ms. Shiori Ito will discuss her experience as a sexual violence victim and will describe the massive challenge women victims in Japan face. After she disclosed her assault by a politically influential journalist, neither the social nor the legal system sufficiently helped her. She experienced media silence and a massive backlash from society, and most surprisingly from women.
• What is happening in Japan to silence rape victims in the midst of the #MeToo movement outside Japan.
• What the difficulties are in breaking the social, cultural and legal barriers in Japan where the society discourages women from speaking out about rape, sexual harassment and sexual violence.
Links to Shiori’s story:
https://www.politico.eu/article/metoo-sexual-assault-women-rights-japan/
http://www.bbc.co.uk/programmes/p05r58zm
https://www.nytimes.com/2017/12/29/world/asia/japan-rape.html
https://www.huffingtonpost.com/entry/why-a-japanese-journalist-went-public-with-her-rape-allegation_us_59f9f89ae4b0d1cf6e921ec1

WHEN: Friday, March 16, 2018
2:00-3:00pm, including Q&A

WHERE: United Nations Correspondents Association (UNCA) Room S-310
United Nations Secretariat Building, Third Floor

WHO: The speakers include:
Ms. Kazuko Ito, Founder of Human Rights Now
Ms. Shiori Ito, journalist

CONTACT: Maromi Martinez martinez9653@sbcglobal.net
Yoko Kobayashi ohayoko0505@gmail.com
rnnyinfo@gmail.com

今回の一連の企画に関しては、多くの方からの心あるカンパと応援で支えていただいています。
心より御礼申し上げます。
是非お近くの方はご参加いただき、メディアにもお声掛けください。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
     


2018年3月11日 (日)

辛淑玉さんのこと

東京 MX テレビが昨年1月に放映した『ニュース女子』の沖縄特集に関して、昨年12月14日、BPO (放送倫理・番組向上機構) による「重大な放送倫理違反があった」という意見書に続き、今年3月8日、BPO 放送人権委員会も、完全なる放送倫理違反、人権侵害があったと断じ、Tokyo MX 対して勧告をした。
そしてMXテレビはニュース女子を打ち切りにした。
標的になったのは辛淑玉さん。舌鋒鋭く、強く、いつも元気、颯爽として、私にとっては「あんなふうになれたら」とあこがれてきた女性だ。
BPOへの申し立ての際に、その強い辛さんが震えながら心境を語っていたことに驚いた。
でも、このヘイトが辛さんにもたらした打撃は本当に深刻だったのだ。
『ドイツにいくよ』と辛さんに告げられた時、私はそこまで深刻に受け止めなかった。
ちょっと気分転換にいくのだと思った。でもそれは亡命だったのだ。
私たちは辛さんを守れなかった。辛さんのような大切な人をこの日本から失ってしまった。
辛さんの善意と強さにずっと甘えて、正面から戦わなかったのだ。

辛さんは、人材コンサルタントとして、メディアの人気コメンテーターとして、反ヘイトの活動に携わらなければ今も順風満帆な生活を送っていたことだろう。自分の損得だけを考えたら、こんなことに関わらないほうが得だったはずだ。何のメリットもない。彼女自身は標的ではなかったのだから。

ところが彼女は同胞へのヘイトを容認できずに立ち上がった。のりこえネットを結成して戦った。
その結果がこの攻撃である。
そのことを私たちの社会はどう考えるべきなのだろうか。

一人の人が不正義に立ち上がったために日本で生きていくことが難しくなり、国を追われてしまったのだ。
著名人は、影響力のある人は、差別を見て見ぬふりをして賢く立ち回るべきだったね、という総括になるなら、なんと悲しいゆがんだことであろうか。その行きつく先はだれかが差別や暴力の標的に晒されても、誰もが保身のために助けてくれない社会。あなたが攻撃されてもだれもあなたを置き去りにする社会だ。

誰かに対する攻撃。それは「たいしたことないよね」「スルーすればいい」「あまりにもばかげている」と無視を決め込み、過小評価する。
しかし、そうすれば叩かれた方は一人で、何の防御もなく叩かれ続けることになる。サンドバッグ状態になる。
特に強い人は多少のことは平気ではないかと周囲は思う、でもそれは違う。
私たちはもっと敏感であるべきだった。

ヘイトスピーチが、人の居場所を失い、大切な人を亡命させ、ヘイトクライムに発展する。

誰かが、とるにたらないヘイトを始める、放置するとメディアを通じて拡散される、それはちょっとした軽い気持ちなんだと、差別を容認すると、名指しをされた人間には、そのメディアから影響を受けた第三者からの攻撃が起きる。
直接手を下すのはメディアや著名評論家ではなく、名もない一般の人、鉄砲玉だ。
だから、メディアによる、拡声器作用のある媒体を通じたヘイトスピーチは罪深い。
歴史が繰り返されてきたのだ。

私も含めて、私たちの社会は辛さんに対する、勇気を上げて声をあげた人へのフォローが足りなかった。
「もっとがんばってほしい」「応援してます」「助けてください」と言いながら、自分は正面に立って戦わない。
そんな社会で、私たちはこうして心ある友人を心無い攻撃から守れず、これからも失ってしまうのだろうか。

辛さんは、亡命前に私に絵を送って下さり、「あなたにとても励まされている」と言ってくださり、手料理でもてなしてくれた。
本当に優しい人だ。辛さんをみんなで守ることができなくて、とても悲しい。


辛さんは、3月8日に会見をされた。その全文がここにある。
http://uyouyomuseum.hatenadiary.jp/entry/2018/03/09/114352

MX のやったことは罪が深いです。今までネットの中であったデマを、保険をつけ、社会に飛びたたせました。 そのデマはいかにむごいものなのか、少しでも近代史を学んだ人であるならば、少しでも目の前の少数者 (マイノリティー) のことと関わった人であるならば、それは容易に想像のつくものでした。世界中のネオコンも含め、メディアがターゲットを名指しし、それに共感した人が具体的にテロ行為に及ぶ、それの繰り返しでした。私が、今日、ここの記者会見に出ようと思ったのは、民族団体の本部が襲撃されたからです。
民族団体を襲撃した彼らは、私たちがヘイトの相手として戦ってきた人です。つまりヘイトからテロに確実に時代は移行しました。その扉を開いたのは MX です。やってはいけないこと、だったと思います。
毎日が皆さんにとってはごく多くの情報の中の一つかもしれません。でもそれは私や出自の異なる人たちにとっては大変重い情報として届きます。 日本社会の中で生きていて、語れる相手もなく、自分の出自を学ぶこともできず、ふるえている子たちが目の前に浮かびます。 その子たちに、ごめんなさいって、伝えたいです。 本当にヘタレな朝鮮人のおとなで申し訳ない、あなた達を守れなくて本当にごめんなさい。だけど頑張るから、絶望しないで。日本には良心がある人たちがまだたくさんいて、あなたはまだ出会ってないから、だから絶望しないでいてください。そしてごめんなさい、もう少し頑張るから、とお伝えしてお礼とさせていただきたいと思います。
インターネットっていうのは散弾銃なんですね。打ち込まれたら八つ裂きになります。そして世界中どこに行ってもその画像がひかれます。ヨーロッパで仕事をしていてもアメリカで仕事をしていても、必ず検索があります。消すことができない。毎回説明しなければいけない。そして多くの人たちはそれを検証するすべを持っていません。日常生活が無くなるというのを、どうお伝えしたらいいかなあと思うんです。
私がドイツに行って一番最初に驚いたこと。ポスト開けるときに安心してあげられるということです。 ネットで拡散されれば、必ず次はそのネットをベースにして具体的な行動に移してくる人たちが必ずいます。それは小さな段階でもそうだし、駅で出会う人もそうだし、その数が爆発的に増えるということです。 ドイツに行って初めて、ああ、ポストを開けて何かお便りが来るっていうのは、こんなに楽しいことなのか、って思いました。
日本の人の感情のゴミ箱として自分が使われる。韓国のことを言われたり、北朝鮮の事を言われたり、誰も私が在日で朝鮮人で韓国籍で永住権を持ってると言ってもそれがなんだか全くわからない。いつも、いつも、自分のことを説明しなければ先に進まない。 そして自分の存在が自分が大切にしてる人を傷つけるなり、自分の子供が窮地に落ちるなんて思ったら、私だってネトウヨに愛される右翼になると思いますよ。 何をされたのかということを語りだしたらきりがない。ただはっきり、この歳でわかったのは日本の社会でモノを言う朝鮮人の女というのは、ゴキブリ以下に扱われるんだなということです。そして多くの人たちはそれを笑いながらやるんです。 そしてまたもっと多くの人たちはそれを止めるすべを知らない。ネットでたたかれること以外に、それに付随することによって壊れていくんです。

私たちはここで述べられたことを忘れてはならない。
こんなことをこれ以上繰り返したくない。どうか力を貸してください。

2013年に私はこのブログで書いた。

ネット上の攻撃や炎上を恐れて、誰もが公然と公の場で発言しなくなったら、言論の自由は死ぬ。
攻撃されても、発言を続ける限り、少数意見でも人々の目に触れ、人々は考えるようになる。
批判を恐れて、重要だと思う視点を誰もが提供しなくなったら、みんながあたりさわりのないこと
しか言わなくなったら、ひどい差別を受けている人たちのことを知ってるのに知らない顔をして通り過ぎるようになったら、言論の自由はおしまいである。最低である。それは魂への裏切りである。
誰も何も異議申立しなくなったら、社会は声の大きい乱暴な者の声で埋め尽くされてしまう。
炎上しようが何しようが、声を上げればそれを読む人、認識する人、支持・共感する人も出てくる。
世論とはそうやって形成されるのだ。
であるから、おかしいと思ったことがあれば、「ネットで攻撃される」なんて関係なく、発言することにしている。
炎上なんて恐れるべきではない。

この時はのびのび書いていた、当たり前のこと。しかしそれを実行することは容易なことではない。
自分ですらそうだけれど、辛さんのことを思うと。。。
だけど、日本に絶望せずに声を上げている人を私はできる限り守っていきたい。
そして発言し続けることが私の矜持だ。

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