2017年7月26日 (水)

28日は「AV出演強要・性被害。私たちの取り組みとこれから」

金曜日はプレミアムフライデー。皆様への感謝も込めて、以下のイベントを開催することになりました。
かなりいっぱいになってしまいまして、ちょっと心配なのですが、
是非みなさまに楽しい思いをしていただける会にしたいと考えています。
是非ご参加いただけると幸いです。

伊藤和子

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トークイベントと交流パーティー
「AV出演強要・性被害。私たちの取り組みとこれから」
http://hrn.or.jp/news/11282/
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【日時】 2017年7月28日(金) 18:45~21:00 (開場18:30)

【会場】 SHIBAURA HOUSE(芝浦ハウス)
     108-0023 東京都港区芝浦3-15-4
アクセス>JR山手線・京浜東北線 田町駅 芝浦口より徒歩7分
地図
http://www.shibaurahouse.jp/about/access_contact
グーグルマップ
https://goo.gl/maps/9Tng2
【内容】トークイベントと交流パーティー
「AV出演強要・性被害。私たちの取り組みとこれから」
■ヒューマンライツ・ナウより取り組みのご報告
■ゲストトーク
・山本潤氏(Spring代表、性暴力サバイバー)刑法性犯罪規定改正について
・仁藤夢乃氏(女子高生サポートセンターColabo代表)
     JKビジネス問題について   ビデオメッセージ
■ディスカッション
くるみんアロマ氏(ユーチューバー)
藤原志帆子氏(人身取引被害者サポートセンターライトハウス代表)
山本潤氏(Spring代表、性暴力サバイバー)×伊藤和子(ヒューマンライツ・ナウ)
サプライズゲストも予定!
※交流パーティーでは、お飲物と軽食をご用意いたします。
【参加費】
・一般 3500円/学生 2500円/会員・支援者の方 3000円/学生会員 2000円
被害者が声を上げられず、泣き寝入りし続けてきた社会が少し変化するのでしょうか。
ヒューマンライツ・ナウが2016年3月に公表した「AV出演強要被害調査報告書」。
以来、私たちは被害者の方々、支援団体の方々とともに問題の深刻さを社会に訴えてきました。
この1年余、この問題は深刻な社会問題として認識され、2014年3月以降、政府は本格的に対策に動き出しました。
皆様のご支援に心より御礼申し上げます。
今国会では、性暴力被害者たちにとって厳しすぎた刑法・性犯罪規定の改正法案が上程され、
刑法改正が成立しました。JKビジネスに関する国等の対策も始まっています。
しかし、まだまだ課題は山積しています。今こそ分野を超えて語り合いたい!
同じ思いを抱えて行動する人たちと連携したい。
そこで、今回のイベントでは、私たちがこれまで実現してきたことをご報告するとともに、
勇気をもって声をあげた被害者の方々、性暴力被害の問題に取り組む方々をお招きして、
残された課題を語り合う機会にしたいと思います。
この機会に皆さんに感謝し、交流するささやかなパーティーも開催しますので、是非、お気軽にご参加ください。
ヒューマンライツ・ナウの他のプロジェクトに関心のある方々も
是非パーティーの時間にネットワーキングができると嬉しいです。
盛夏のプレミアムフライデー、皆様のご参加を心よりお待ちしています。
HRNがAV出演強要、デートDV等女性の権利侵害をなくすために進めている広報キャンペーンに
についてもお披露目させていただきます。

お申込みについて
【参加費】
・一般 3500円/学生 2500円

・HRNのAV出演強要問題についてのクラウドファンディング
(インターネット募金)または署名に参加された皆様:3000円
※事前にお申込み下さい。事前申込なく当日参加される場合は、ご寄付・署名されたことを
示す書類(領収証、メールの控え、スクリーンショット等)を必ずお持ちください)

・HRN会員
(法人、団体、個人、賛助会員・マンスリーサポーター:3000円/学生会員:2000円)
※総会出欠のご回答(下記参照)にてお申込された方は、再申込不要です。

【参加申込み方法】
1)参加費事前払いの場合:以下、ピーティックスよりお申込みとお支払いをお願いします。
http://peatix.com/event/280492

2)参加費当日払いの場合:以下の参加フォームにお申込みをお願いします。

https://docs.google.com/forms/d/12E-kkl4E_-cvT4LvjWCiH3BSBEWV5LXG5QeQuUfbmFA

3)上記の参加フォームからの申込が出来ない場合は、

HRN事務局(info@hrn.or.jp) へ、件名を「7/28イベント参加希望」として、

お名前、メールアドレス、ご所属(任意)、参加費の種別(前述参照)をご送信下さい。

※人数把握のため事前申込みにご協力ください。どうぞよろしくお願い致します。


2017年6月18日 (日)

デービッド・ケイ氏報告に関する事実に反する報道と論評・産経新聞、百田氏、田母神氏らに抗議・反論します。

■ デイビッド・ケイ氏の国連での報告について

国連「表現の自由」に関する特別報告者であるデイビッド・ケイ氏が、スイスジュネーブで開催中の国連人権理事会において、2016年4月に行った公式訪問調査に関する調査報告書を公表、日本政府とメディアに対し、様々な勧告を行いました。
NHKでは以下のように報道されています。

国連人権理事会 日本はメディアの独立性強化を
6月13日 4時54分
日本で表現の自由について調査を行った国連人権理事会の特別報告者が12日、日本政府に対し、メディアの独立性を強化するため法律を改正すべきだなどと勧告しました。日本政府は「表現の自由や知る権利は憲法で最大限保障されている」と反論しました。
スイスのジュネーブで開かれている国連人権理事会の会合で、特別報告者をつとめるアメリカ・カリフォルニア大学教授のデービッド・ケイ氏は日本で行った表現の自由についての調査結果を報告しました。
ケイ氏は「日本では政府当局者がメディアに対して直接・間接的な圧力をかけることができる」などと指摘し、日本政府に対し、メディアの独立性を強化するため放送法の一部を見直すべきだと勧告しました。
ケイ氏はまた、「記者クラブの制度は調査報道を萎縮させる」などと指摘し、表現の自由と知る権利を確実に守る環境を整えるため、メディアも責任を果たすよう求めています。

ケイ氏の勧告に対し、ジュネーブ国際機関日本政府代表部の伊原大使は「日本政府の説明や立場に対し、正確な理解のないまま述べている点があり遺憾だ」と批判したうえで、「表現の自由や知る権利は憲法で最大限保障されている」と反論しました。
ケイ氏は人権理事会に提出した報告書で、特定秘密保護法や教科書検定、さらに沖縄での集会の自由についても懸念を示していて、13日以降も議論が続く見通しです。


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170613/k10011015571000.html

最近、国連特別報告者からの日本に対する勧告が相次いでいますが、政府には、見解の違う部分を埋め、建設的に状況を改善する努力をしてほしいと願います。
国連演説では伊原大使が「日本はこれからも表現の自由を守っていく」と決意表明されました。これは、心強いことです。

■ 残念な報道状況

ところで、この件に関する日本のメディアの受け止めには一部に大変残念なところがあります。
まず、産経新聞は、ケイ氏の報告を「国連反日報告」とフレームし、連日ネガティブキャンペーンを展開しています。
このようなタイトルも異様です。「「嘘」まき散らす国連報告者 デービッド・ケイ氏、反米基地運動にも言及」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170614-00000063-san-pol

国連特別報告者が調査ミッションに行けば、不十分な点を指摘し、改善を求めるのは、いわば日常業務であり、それこそが彼らの任務です。ケイ氏は、今回、日本、トルコ、タジキスタンの三カ国を訪問しており、それぞれに改善を勧告をしていますが、目的はその国によくなってほしい、その国の表現の自由を改善したいということであり、調査対象国を貶めるものでは一切ありません。

むしろ、ギフトとして受け取り、取り入れられるところは取り入れるという姿勢を示すのが民主国家のありようですが、このようなうがった見方は極めて残念です。
数ある国から日本を選んでテクニカルサポートをしてくれたことを感謝し、メディア全体で議論が進むことが期待されますが、まず貶めて拒絶するというのは甚だ残念ですね。
ケイ氏は、民主国家において、政府からメディアへの圧力はしばしばあることだ、とし、逆に、それを跳ね返す、メディアの独立性、ジャーナリストの連帯が日本には不足しているため、事態を深刻なものにしている、と警鐘をならしています。
産経、読売のこの間の論調はそれを裏書きしているようで、残念な限りです。自ら現在のメディア状況を改善するための芽を摘んで踏みつけているようなものですね。

■ 事実に反する中傷と印象操作


ケイ氏の報告をめぐっては、私およびヒューマンライツ・ナウ(HRN)に対する事実に反する中傷や、不当な印象操作がありますので、この場を借りて抗議・反論いたします。

その最たるものは、
https://www.youtube.com/watch?v=qCnPZYhXIU8&feature=share

百田尚樹×上島嘉郎 ※裏でトンデモないことをやっている国賊2名をご紹介
※伊藤和子と田原総一朗
という内容です。

まず、勝手に私の写真を貼ってユーチューブのバナーにするのは、肖像権侵害ですね。

田原総一朗氏と私を「国賊」とレッテル貼りするなど、そもそも許しがたいことです。
最近、国賊、反日、非国民、売国、などと言う言葉が平気で使われるようになり、まるで戦前のようですが、そもそも意見が対立するからと言ってこのような言葉を言論人やメディアは安易に使うべきではありません。

内容をみると、
1) 日本の左翼が国連の専門家に近づいてネットワークをつくっている、金も出している。ケイ氏やカナタチ氏は、日本の左翼が金を出して、日本の左翼に都合のいいことを国連で発言させている。
2) ヒューマンライツ・ナウがカナタチ氏の書簡が出る前に、国連人権理事会に対し、共謀罪に懸念を表明する声明を送付した。
3) 伊藤和子は、2015年に来日した、国連ポルノに関する特別報告者ブキッキオ氏に、日本の女子高生の30パーセントが援助交際をしているという情報をふきこんだ人物である
4) 伊藤和子は国賊である
そして結果として、カナタチ氏やケイ氏の報告内容を貶めようとするものです。

このうち、2)は確かにそうです。しかし、
1)、3)はどういう証拠に基づいているのでしょうか。
3)については、池田信夫氏の根拠のない発言に基づくものであり、名誉毀損として池田氏に賠償を命ずる東京地裁の判決が出されています。近く高裁判決も出される予定ですが、私は賠償金の増額を求めており、適切な判決を期待しています。

1)についてですが、少なくとも私たちの団体は左翼ではないのですが(運営顧問にはビジネスロイヤーが多数関わられています)、ケイ氏やカナタチ氏がお金で買収されたなどという事実は一切ないと思いますし、悪質な名誉毀損にほかなりません。

次に、田母神氏は、

https://twitter.com/toshio_tamogami/status/874756671473541120

日本を貶める国連人権理事会ののデービッド・ケイ氏は日本のNPO法人「ヒューマンライツ・ナウ」の伊藤和子事務局長らと近い関係にあるという。彼が日本を貶める背景にはそれを仕掛ける日本人グループがいるということだ。国連の活動に多額の資金を出しながら国益を棄損される、もういい加減にしろ。

としています。これは、産経の下記報道(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170614-00000063-san-pol)や、

日本やタジキスタン、トルコに関する報告や質疑は約2時間続き、日本人記者団の取材に対応した後のケイ氏は、NPO法人「ヒューマンライツ・ナウ」の伊藤和子事務局長のもとに行って、親しげにあいさつのハグをした。伊藤氏は昨年4月のケイ氏の訪日調査前、放送法に関する情報を提供した人物だ。その伊藤氏は、13日の理事会で非政府組織(NGO)の立場で「日本政府が特別報告者の声を無視し、敵対的であることを強く懸念する」と発言した。

産経に出された杉田水脈という人物の投稿(産経のエッセイでしょうか?)

「デビッド・ケイ氏はヒューマンライツ・ナウとべったりでした…沖縄反基地は実態見ず報告書」
http://www.sankei.com/premium/news/170603/prm1706030031-n6.html

に触発されたものでしょうか。
杉田氏は、

以前、別の特別報告者が「日本の女子高生の30%(後で13%に修正)が売春をしている」と国連に報告しましたが、この情報を提供したのは伊藤和子氏ではないかと言われています。今回のケイ、伊藤両氏の雰囲気を見て、国連人権委員会とヒューマンライツ・ナウの親密さを改めて思い知りました。

と、百田氏同様に、ブキッキオ氏の件で根拠のない、私が30%という情報を提供した旨の事実を「言われています」などとして繰り返し、根拠のない事実を広めていますが、それが産経紙にそのまま掲載されたということは重大なことだと思います。

産経紙の論調を総合すると、
ケイ氏と私が親しい、
私は30%という根拠のない数字を国連特別報告者に提供した
というところから、ケイ氏の報告書の信用性を貶め、私を特別報告者に嘘を広める人物だと読者に誤信させる印象操作をしているとしか思えません(故意かどうかはわかりませんが)

30%の件は根拠に基づかないことは、既に記載した通りです。

そして、私はケイ氏と別に近い関係にはありません。
彼が調査を開始した経緯はこちらに詳しく記載されていますが、
http://wpb.shueisha.co.jp/2017/06/18/86617/

日本への調査は2015年3月に始まり、政府に公式招聘を求めました。
とされ、その前は一度もケイ氏にあったことがありません。 その後の調査に対し、限られた協力をすることはありましたが(ヒューマンライツ・ナウは国連NGOですので、国連人権高等弁務官事務所との協力が一般的に期待されているのです)、One of themに過ぎません。

2012年に国連健康に関する特別報告者・アナンドグローバー氏が福島原発事故の影響を受けた人々の健康権について調査するために来日された際はコーディネートを行いました。
しかし、ケイ氏の訪日の際には、そのような全面的な協力はできませんでした。
ケイ氏が昨年来られた際に私はほとんど言葉を交わす機会はありませんでした(調査対象はジャーナリストや学者等ですから)が、僭越ながら一言だけお話したことがあります。
それはブキッキオ氏の例をあげ、

あのようなことは日本のNGOにとってとても迷惑であり、あなたの調査活動全体を信用性のないものと受けとめられ、調査自体を台無しにする危険性があるので、根拠の明確でないことを記者会見で述べたり、報告書に記載するようなリスクは冒さないでほしい、

ということでした。特別報告者には釈迦に説法でしょうし、大変失礼な物の言い方でしたが、大変心配だったので申し上げたわけです。このようなことを言うので、あまり私のことは快く思っていなかったと思います(私が彼の立場だったら不愉快に思ったでしょうから)

日本への公式訪問後、昨年FACTAという雑誌で、この訪日の際に私が政府から監視されていたという報告があったので、ケイ氏らが深刻な問題とみて、政府に問い合わせをするなどの活動をされ、そのことについて秘書を通じて「構いませんか」と聞かれ、「構いません」と回答したことがあります。

また、調査報告書公表後、これを広めることは重要ですので、HRNとしては、その面ではある程度位置づけて取り組んでいます。その関係で打合せのやりとりは実務的に進めてきました。
HRNは、6月初旬にケイ氏が来日された際(招聘は上智大学)に講演会を開催、このたびジュネーブでも再開しましたが、その際に言葉を交わした際の様子をいろいろと言われていますが、米国の大学教授やNGOの方々は皆さんケイ氏と同様にフレンドリーであり(他の国もそうですが)、特段特別なことはありません。


ケイ氏と、その前のフランク・ラ・ルー氏、さらにカナタチ氏に一貫して情報提供をされてきたのは、エセックス大学の藤田早苗さんではないかと思います。
少なくとも、ご本人がそのように話されていますので、情報提供の多くは藤田氏からなされたのではないでしょうか。
http://www.asahi.com/articles/CMTW1706122800001.html


逆に、HRNがやっていないことをHRNがやったかのように受け止められることは、真にロビー活動をしてこられた方々にとっても心外なようですので、ここは明らかにしたほうがいいと思います。

ただ、いずれにしても、特別報告者は裁判官と同じで中立性を求められる立場にありますので、NGOとも政府とも一線を画すことを心がけています。

とにかく、おかしな印象操作は、大変迷惑ですので、本当にやめていただきたいと思います。
小学生レベルのばかばかしい話というほかありませんが、その効果が国連特別報告者の活動を貶めるという点では重大です。

国連特別報告者制度というのは、報道されているような信用性が置けないものではありません。
私が何かマジックを使えば国連が動く、というようなものでも全くありません。それにもともと私にはそのような影響力はありません。
国連に対する情報提供は誰でもすることができます。
その情報提供に、国際人権基準に照らして理があると思えば、そして人権上の懸念があれば、国連特別報告者は行動します。

■ 中身を読んで受け止め、判断しましょう。
もういい加減、意味のない、水準の低いDisりはやめて、日本の状況を冷静に見て、そして、国連特別報告者の報告書をきちんと読んでみるべきではないでしょうか。
実は、報道されているのは(好意的であれ敵対的であれ)、報告書のほんの一部に過ぎず、メディアに対する重要な勧告がまったく報道されていません。
「いつ和訳してくれるんですか?」という問い合わせがHRNにありますが、本来、メディア関係者こそがきちんと和訳して公表してほしいと思って、私たちは待っています。そうした地道な活動のなかから、メディア・ジャーナリズムが自分たちで状況を改善する力が生まれると思います。
報告書については、是非、全部を読んでから公平に判断すべきだと思います。

良薬は口に苦し、でも私たちの社会の状況を改善できるヒントがそこにはあるかもしれません。
日本政府の人権に対する対応や日本の人権状況が国連専門家から指摘を受けて、何か自分が否定されたかのように思う方もいるのかもしれません。しかし、否定されているのではなく、改善の提案を受けているのですから、建設的・ポジティブにうけとめ、聞く耳を持つという姿勢がまずは大切ではないでしょうか。これは何にでもいえることだと思います。

田母神氏は、ケイ氏が「日本を貶める」としていますが、ケイ氏にはそのような意図は全くないはずです。

むしろ日本のように民主主義の進展した先進国と見なされている国で、田母神氏や産経のような、余裕のない子どものような反応が強く出ていることに国際社会は驚いているはずです。
「日本の人権状況は中国や北朝鮮よりはるかにましなのに、どうして日本だけ注意されるのか」という論を聞きますが、国連は日本だけに勧告をしているのではありません。そのことは審議の全体をみればわかります。
そして、極めて深刻な人権状況の国のようでなければこの社会はよしとして満足せよ、ということで果たしていいのでしょうか。いつからそんなに精神的に貧しい国に私たちはなったのでしょうか。
注意してもらえるうちが花、その言葉を私も日本社会を構成する一員として、かみしめたいと思います。

私としては、こうした国際社会の勧告を機に、多くの人にこれからの日本社会をどうポジティブに発展させていくことができるのか、是非考えていただきたいと強く願っています!

2017年6月17日 (土)

山城さんのこと、沖縄のこと


ジュネーブでは、沖縄の平和活動家・山城さんと再開しました。
日本で大きく報道されているとおり、今沖縄で起きていることを訴えに国連人権理事会にこられたのです。
Okinawa_group


山城さんには、昨年9月に高江でお会いして以来。
非道な警察権力の横暴に立ち向かい、リーダー的な役割を連日果たされていました。

その後山城さんが逮捕され、5か月拘束。あまりにもひどいです。私たちも、共同声明を出しました。

山城さんは、1分半の発言時間を使って、NGOとして沖縄の状況を国連で訴えました。
とても力強い発言で、国連の会議場にひときわ声が響き渡り、大きな注目を集めました。
平和活動家の魂のこもった発言だということがわかり、演説後も多くの人が話しかけたり、激励したりしていました。
この1分半の国連での発言、私たちもいつも毎回国連人権理事会でやっていることですが、あまりインパクトがないと言われることもしばしばです。
ところが、山城さんの発言は全くそれとは違いました。発言の抑揚、まごころからの叫び、会場は静まり返りました。
1分半の発言が、人の心を打つ、そんな演説のしかたがあるんだと、私は驚き、学びました。
まさに人権活動家の真摯な発言がそこにはありました。


その後、日本政府の反論が行われ、会場は凍り付いた雰囲気になりました。
政府は、辺野古基地建設は、危険すぎる普天間飛行場を移すためだ、高江については訓練が必要、とし、
山城さんの逮捕は刑事訴訟法に基づく、等と説明したのですが、それを前提としても、
米国の危険な基地が日本の沖縄にあり、人々を苦しめていること、
住民が反対する建設が強行されていること、リーダーを逮捕したことはわかるわけで、会場の人々の心に刻まれたことでしょう。

米軍による基地占領、米軍による攻撃、侵略、干渉、代理戦争、多くの国が悲しみをもって経験し、悲しみと怒りをこらえながら生活しています。外交官のなかにもそうした背景を持ち、よりよい世界の構築のためにジュネーブで尽力している方々がいます。
そうした人々の共感を呼んだことでしょう。
サイドイベントにも多くの方が訪れ、真剣に耳を傾けられていました。
サイドイベントで流された映像は沖縄で起きている非道な現実を鋭くアピールする内容で、私も改めて憤りを強くしました。
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山城さんとお話する機会は限られていましたが、やはりオーラがあり、カリスマ的で、大きな人、誠実な活動家であることがちょっと接するだけでもわかります。

山城さんにおあいして、ネルソン・マンデラが獄中にいた際に、看守たちがみなマンデラの人柄に心酔し、感化され、尊敬の念を抱いて、いつまでも忘れずに記憶し続けていたというエピソードを思い出しました。

どんな困難な状況に直面していても、明るく、おおらかに、優しく、志をもって、毅然と日常生活を営む、そうした活動家のありようは人々に自然と自分の生き方を問い直させることでしょう。

改めてお人柄に深く感銘を受け、私はとても多くのことを学びました。
代表団の皆様お疲れ様でした。
私たちも微力ながら、沖縄における人権侵害を克服しようと格闘されている皆様のお力になれるようにしていきたいと思いを新たにしました。


ジュネーブにて想うこと

今週はジュネーブ。久しぶりです。
デイビッド・ケイさんの日本の表現の自由に関する調査報告書の発表に合わせて、こちらにきました。
既に大きく新聞に取り上げられていることと思います。
火曜日にはNGOとしてこの問題で公式発言の機会をいただき、下記で発言をしました。
金曜日はケイさんをお呼びしてサイドイベントも開催しました。

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ケイさんの報告やメディア報道などは、

https://this.kiji.is/247005086600496636?c=39550187727945729

http://www.news24.jp/articles/2017/06/13/10364087.html

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/102659


などに多数紹介されていますね。


しばらくジュネーブの活動は、インターンや現地代表にお願いして、私はリモートで動いていたのですが、やはりネットワーキングもあり、ここにくることは重要。
「ひさしぶり」と声をかけてくださるNGOもとても多かったのですが、ジュネーブ代表が新しくなったNGOも多く1からネットワーキングをしました。

ハワイからきているNGOの代表は、2005年以来再開。
当時、横田洋三先生のもとでジュネーブ国連人権小委員会のインターンを私はしていて、これからも国際人権活動をしたいということを相談したら、
「自分でNGOをつくればいいのさ。ここにいる人間はみんな自分でNGOを立ち上げている。」
と教えてくれ、はっとしたのを覚えています。
バラ園を散歩しながら、その会話をしたのですが、今思えばそうしたことに大きな刺激を受けて、私がヒューマンライツ・ナウを立ち上げたわけで、心から感謝です。
そして彼のNGOは今もとてもアクティブに活動しています。

思えば、2005年に夏に三週間ジュネーブに滞在し、国連人権活動に触れたことが、ニューヨーク留学と併せて私を変えたのです。
横田洋三先生、林陽子先生はじめ、みなさまに改めて感謝です。

私がいく前週は、恩師であるフィリップ・アルストン教授(貧困問題の特別報告者)、いつも親切にしてくださるヴィティット・ムンタボーン教授(LGBTに関する特別報告者)もいらしていてお会いできなかったのが残念でしたが、善意の方々が本当にたくさん働いていらっしゃいます。

ところで、人権理事会では世界の人権状況に関する痛ましいニュースに多く接します。
トルコでは、アムネスティの代表がテロ容疑で逮捕、まったくの言いがかりのようで、衝撃が広がっています。
中国でもアルストン氏の調査に協力した活動家への深刻な報復があったそうです。
デビッド・ケイ氏をお呼びした私たちのサイドイベントには、世界各国から多くのNGOが参加されていましたが、日本の状況を知るとともに、表現の自由を弾圧された国々の状況をケイ氏になんとか助けてほしい、うちの国にも公式訪問してほしい、という強い願いを感じました。
私たちの活動対象国ミャンマーにもNGOはケイ氏の訪問を切望しています。
そしてイラクのNGOも。。。
私は2013年以降、イラクの先天性障害の子どもたちの問題について、国連健康の権利に関する特別報告者に調査に行ってほしいと働きかけていましたが、かないませんでした。
そして、そのような活動をしている間に、ISが登場し、イラクは再び泥沼の紛争に。。どれだけの命が奪われたことかと思うと、言葉がありません。いつも泣きそうになります。
是非イラクに訪問してほしいと思います。
状況が深刻すぎるゆえに、国連からアクセスを得られずに苦しんでいる人々、殺され続けている人たちが世界中にはたくさんいることを改めて痛感し、そうした国の皆さんのために、これからも尽力していかなくてはという思いを新たにしました。

同時に、そのような世界中の様々な深刻な人権状況の国からの数あるリクエストのなかで日本を選んでくださり、調査をしてくださったケイ氏には改めて感謝しかありません。
これは私たちにとっての大きなギフト・ベネフィットだということをもっと多くの人が認識してほしいと思います。
せっかく出された勧告をきちんと実現し、よい例をつくっていくことは、ケイ氏が訪問できなかった国々の人たちへの責任でもあるように私は受け止めました。
日本の現状はとても大変ですけれども!!!

ケイさんの討議は、こちらからアーカイブで見ることができます。
http://webtv.un.org/meetings-events/human-rights-council/watch/id-sr-on-freedom-of-expression-15th-meeting-35th-regular-session-human-rights-council/5468752878001

http://webtv.un.org/meetings-events/human-rights-council/watch/id-contd-sr-on-freedom-of-expression-17th-meeting-35th-regular-session-human-rights-council-/5468752883001

表現の自由の討議の際の私の発言はこちらです。

Human Rights Now

June 12, 2017
35th Human Rights Council
Agenda Item 3
Speaker: Ms. Kazuko Ito

Thank you, Mr President.
Human Rights Now, on behalf of broader civil society in Japan, welcomes the report of UN Special Rapporteur David Kaye on the freedom of expression in Japan.
We share the serious concern with threats against media independence highlighted in his report.
In recent years, the Japanese government has suggested use of the Broadcast Act to revoke broadcast licenses based on the content of reporting, which has caused an enormously negative impact.
Also, there has been serious threats and intimidation against journalist covering the issue of “comfort women” as indicated in the report. Indeed, such intimidation has caused a chilling effect for journalists to cover sensitive issues.
We call on the government to cease any interference against media independence, and publicly reject any form of threat and intimidation against journalists.
Unfortunately, the government has dismissed this report claiming that interviews it is based on are unverified and hearsay. However, this ignores the possible harm journalists face to publicly speak about internal matters.
Mr. President, we are gravely concerned about government ignorance and hostility toward the voices of UN special rapportuers. The government publicly announced that works of special rapportuers are merely individual opinions and justified their rejection.
Recently, the government strongly protested a letter sent by UN Special Rapporteur Cannataci over the Conspiracy Bill which risks interfering with civil society activity.
We strongly urge the Japanese government to respect the voices of UN special rapportuers and take concrete steps to implement the recommendations made by Mr. Kaye.
Thank you Mr. President and Mr. Kaye.

土曜日は、2005年に訪れたレマン湖のほとりのバラ園に行ってみました。のんびりできるおすすめスポットですよ。

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2017年6月 4日 (日)

デイビッド・ケイ氏を囲む院内集会ご報告・お礼とお詫び

みなさま

金曜日はデイビッド・ケイ氏を招いての院内集会に多数お集まりいただき、ありがとうございました。
数日間の広報期間にもかかわらず、予想をはるかに超えて多くの方が参加いただき、改めて現在の人権をめぐる多くの市民の方々の危機感や想いを共有する機会となり、感動しております。
ただ、予想を超えてたくさんの方にお集まりいただき、議員会館で長い列を作って待たれた方々が100人近く、通行証が足りずにお帰りになられたとのこと、本当に申し訳ありませんでした。
せっかく予定を調整し、議員会館まで足を運んでくださったのに、大変心苦しい限りです。
せっかくいらしていただいたのに、直接お詫びもできず大変申し訳ありません。
また当日はメディア対応につきましても、混乱がありましたこと、心よりお詫び申し上げます。

院内集会は立ち見も出る盛況で、熱気あふれる会合となりました。
院内集会の内容につきまして、多くの方から、見たい、というご意見をいただきました。
ユープランさんの動画サイトにてご覧いただけますので、ご紹介いたします。
当日お帰りになった皆様、遠方で参加できなかったという方にもぜひご覧いただければ幸いです。
https://www.youtube.com/watch?v=6fPq9tF5YSI

またケイ氏から、今週、来週の間にツイッター上で質問を寄せてくれればできる限り答えたいとのことでしたので、是非直接質問をされてください。
ヒューマンライツ・ナウでは、今月末頃に、ケイ氏をスカイプでつなぐ会合を再度開催したいと考えており、企画が決まり次第ウェブサイト等で広報させていただきます。引き続き注視いただけますと幸いです。
国連特別報告者から出された勧告を活用し、私たちの大切な自由を守るため、一人一人の市民の動きが大切となってくると思います。今後とも何卒よろしくお願いいたします。

ヒューマンライツ・ナウ事務局長 伊藤和子


2017年6月 2日 (金)

家のこと。毎日をシックに暮らす方法

このタイトル、どこかで聞いたことありますよね?
そう、知っている人は知っている、
「フランス人は10着しか服を持たない2
今の家でもっとシックに暮らす方法」
です。
去年の2月頃に出た本だと思いますが、大ヒットした第1作よりも、
私はとても気に入りました。
今の家にうんざりしていて、引っ越したいなあ、と常々思っていただけに

今いる家でシックに暮らせる、という発想自体がとても素敵だと思って
目から鱗だったんですね。

でもいいなと思っても、すぐに実行できるわけではないので、実行するまでに長い時間かかりました。
で、しばらく紆余曲折ありつつも、自分流にようやくちょっとシックに暮らせるようになりました。

そのポイントはこんなところです。

1 断捨利  いわずと知れたところですね。基本です。物を捨てます。
2 収納   無印良品の「見せる収納」シェルフをたくさん使っていたのですが、多すぎる物をぎっしり詰め込んで、本当に暑苦しい感じになっていました。
そこで、180センチくらいのすごーくいっぱい入るシックな本棚を買って収納し、解決しました。
  シェルフも他の部屋に置いて活用しましたよ。
3 家具・インテリアの色調の統一
  実はこれが一番大事であることを強調したいと思います。
  これまでは、南仏風、イタリアっぽい花柄、アジアンテイストなどがごちゃごちゃとしてとても散らかった印象だったたリビングなのですが、これを全部シックな茶色、ゴールド、ベージュと緑、白に統一し、模様のテイストも同じにしたのです。
  ソファカバー、座椅子、テーブル、ラグ、クッションを同じ色調にしたら、とてもシックに。
  そして、バスタオルなど日常の物も茶色に揃えてみると。。多少いろんなものを置きっぱなしでも、シックで落ち着いた感じになるのです。
   まるでマジックのようでした。
  そのために何をしたかというと、注意深く、同じ色調、模様が同じテイストの物、しかもお値打ちの物を時間をかけて選び抜いたんですね。だいたいネット通販で高いものではないけれど、テイストにはとにかくこだわって、しばらくはずっと比較検討して、それで購入するんですね。
  こうしてインテリアを同じ色調にシックに揃えていったらある日どんぴしゃになりました。
4  あとは香りですね。これも高いものではないけれど好きな香りを統一しました。香は大事ですー!!

それまではというと、うちは戸建てですが、築40年くらいの古い家。
 今の家にうんざりして、いっそ全面リフォームしようかと思ってたのですが、リフォームの見積もりに時間がかかったので、少しずつ直していった。模様替えとインテリアの交換で対応したのです。
  そして、、、もうリフォームしなくても快適になりました。
  リフォームすると何百万円もかかるけれど、模様替え、一階と二階の家具を入れ替えたり、小さな家具やインテリア小物を買い替えたり、だけで済んだので、とても格安でした。
  全然お安いですので、お勧めします!!

そして、統一感があるので、以前のごちゃごちゃしたインテリアよりも心が落ち着いて休まるんですね。

あと、結果的に良かったのは、二階のトイレと私の部屋。
トイレの小物・備品を時間をかけて選びまして、ここもテイストを統一させて、とても素敵な空間に仕上げました。
そして、ウォークインクローゼットの出来損ないみたいだった私の部屋をサンルーム風にして、ラタン調の家具を揃えたところ(家の他の場所にあった家具を集結させて)とてもいい感じ。
いずれも一切リフォームせずに変えたのです。
毎朝起きてすぐに行く所や、朝日をあびながらコーヒーを飲んだりヨガをしたりするところが落ち着く感じだと、毎日が朝から幸せな感じですね。

 そんなわけで、快適な暮らしが手に入りました。肝はやはりインテリアの統一だと思います。
 そのためには今までのインテリアを捨てる勇気も必要ですが、支出するコストはそんなに大きくない。
 そして、実は使える家具がおかしな組み合わせのなかで実力を発揮できていないだけってことが多いので、そこに気付くことです。極力今ある物を大切にして、模様替えでインテリアの統一をなんとか実現していくことができます。
 うちはそうしたので、必要最小限で済んだのです。
 お金をかけずに今ある家をお気に入りにしていく、そしてシックに落ち着いた暮らしをする、とてもいいことですので、是非お勧めしたいですね。

2017年6月 1日 (木)

デイビッド・ケイさんが来日

あっという間に六月ですね。共謀罪等でなんだかきな臭い今日この頃、嫌な感じです。
政府のやり方が横暴すぎるので、ちょっと文句言うと、わんわん言ってくる人もいます。
理不尽な今日この頃ですね。。

でも、自分自身はそんな風潮の影響を受けたり、堕落したりしたくは絶対ありませんよね。
頑張って生きていきましょう。

さて、国連特別報告者のデイビッド・ケイ氏を迎えた院内集会を明日企画しています。せっかくの機会ですので、是非ご参加ください。
ケイ氏の報告書はこちらをご確認ください。

また、最近の共謀罪と「特別報告者」をめぐる私の論考も是非参考にしてください。

国連事務総長と安倍首相会談に関する報道に疑問 特別報告者・共謀罪について、食い違うプレスリリース。

https://news.yahoo.co.jp/byline/itokazuko/20170529-00071465/


6月2日 (金) 開催 国連表現の自由特別報告者デビッド・ケイ氏を迎えて
-対話と相互理解を求めて-

昨年4月に日本の表現の自由に関する公式訪問調査をされた、国連表現の自由特別報告者デビッド・ケイ氏が、国際シンポジウム出席のために来日されています。氏は、6月にも公式レポートを国連の人権理事会宛てに提出される予定です。

この機会にケイ氏に、日本の表現の自由とメディアの独立性、さらには共謀罪法案の審議をめぐって注目されている国連の特別報告者制度の意義とその手続と実情などについて、お話しいただき、懇談の機会を持ちたいと思います。

とき 6月2日(金)13時00分-14時30分
(12時半から議員会館入口で入館証を配布します)

ところ 衆議院第2議員会館 多目的会議室 アクセス

出席者 デビッド・ケイ 国連表現の自由 特別報告者 *逐次通訳がつきます

司会進行 伊藤和子(予定)(ヒューマンライツ・ナウ事務局長)

主催 認定NPO法人 ヒューマンライツ・ナウ

共催 秘密保護法対策弁護団

連絡先 03-3835-2110(ヒューマンライツ・ナウ)
03-3341-3133(東京共同法律事務所 海渡・小川)

2017年5月24日 (水)

共謀罪可決で沸き起こる、強い違和感

5月23日、衆議院本会議で、いわゆる共謀罪(テロ等準備罪)が可決しました。
共謀罪は、犯罪の実行のはるか以前の「話し合い」の段階の行為を処罰しようとするもの。内心を処罰することにつながりかねないことから、戦後、単なる共謀は原則として処罰しない、という大原則が確立し、運用されてきました。
ところが、今回の法案では、一気に277種類にも及ぶ罪について、「話し合い」の段階の行為が処罰対象となるというのです。まさにショックドクトリン。一気呵成に責めているわけです。

政府は、「組織的犯罪集団」の行為を罰するもので、「一般人には関係ない」と強調しますが、「組織的犯罪集団」とはとてもあいまいな言葉。政府は、NGOや労働組合などであっても当局が団体の性質が変化したと判断すれば、捜査・処罰の対象となりうるとしています。
そう、労働者や市民団体が狙われる危険があるのです。
単なる話し合いが罪となり、捜査の対象となると、私たちひとりひとりの内心の自由、表現の自由が脅かされる危険が高まりますし、プライバシー侵害も心配です。。

こんな法案、当然代議制民主主義のプロセスできちんとチェックしないといけないはずです。

ところが、政府与党は議会軽視。
衆議院の質疑は法務大臣の迷走答弁で時間が過ぎ、なんと30時間で審議打ち切り、採決になってしまったのです。本来、277の犯罪ひとつひとつに十分(一犯罪に30時間でも足りない!!)時間をかけて議論すべきはず。あまりに拙速です。

そして、国会に上程される前にも、市民社会や国民との十分なコンサルテーションもありませんでした。
この法案、ぎりぎりまで法案は示されず、突然閣議決定されて、3月に上程されたのです。
有識者会合があったわけでも、パブリックコメントに付されたわけでも、地域公聴会が開かれたわけでもない、こんな重要な法案なのに、市民の意見を聞くプロセスもありませんでした。

そんななか、5月18日、国連の人権理事会の選任した「プライバシーの権利」に関する特別報告者であるジョセフ・カナタチ氏が、事態を深刻に懸念して安倍首相に書簡を送り、プライバシー権侵害の懸念を払しょくするよう求めました。ところがこれを受けた政府対応は驚くべきものでした。

菅官房長官は、特別報告者の懸念を強く否定、「恣意的運用の虞は全くない」と言い切り、そもそも書簡を送ったことに「強く抗議した」そうです。さらに国連特別報告者は国連を代表せず、個人の見解を言うに過ぎない、と言い張ったというのです。

菅義偉官房長官は22日午前の会見で、人権状況などを調査・監視する国連特別報告者が「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案はプライバシーや表現の自由を制約するおそれがあるとの書簡を安倍晋三首相に送ったことについて、「不適切なものであり、強く抗議を行っている」と述べた。

菅官房長官は「特別報告者という立場は独立した個人の資格で人権状況の調査報告を行う立場であり、国連の立場を反映するものではない」と強調。「プライバシーの権利や表現の自由などを不当に制約する恣意的運用がなされるということはまったく当たらない」との見方を示した。


https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170522-00000039-reut-bus_all


まさに色をなして強く抗議したわけですが、そういう姿勢こそ、強権的で怖いのだ、ということに気が付かないのでしょうか。これが日本のメディアなら、「不適切」と言われて震え上がってしまい、萎縮してしまうでしょうが、国連特別報告者は一切ひるまず、再反論をしています。

菅長官については私もブログで取り上げている通り、AV出演強要問題に取り組むことを決断するなど、最近の嬉しいニュースにもかかわられていただけに残念です。

実は日本は昨年、国連人権理事会の理事国選挙に立候補、「国連特別報告者と対話、協力していく」との公約を掲げて、当選し、今や理事国となっています。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000175307.pdf

世界に理事国は47か国、世界的に高い人権の水準を国内でも維持することが期待されるポジションです。

世界の人権基準に照らして疑問を呈されたら、真摯に受け止め、立ち止まってしっかり検討し、対話を尽くすべきでしょう。「なんで日本だけ狙い撃ちされるのか? 」などと激怒するのではなく、冷静に対話して世界に範を示すことが求められているわけです。
それが「強く抗議」とはおよそ外部からの批判を受け付けない強権的な姿勢ではないでしょうか。
そして、恣意的濫用の危険がない、と言い張るのも危険です。

権力は誤りうる、だからこそ謙虚に、市民や国連の声に耳を傾けてこそ暴走を抑止する、そうした自制の意識が全く見られません。

このまま、この法案が通ってしまったら私たちの自由はどうなるのか、本当に心配な状況です。

今からでももっと声をあげ、大きくしていく必要があります。


同じ5月23日、イギリスのマンチェスターで痛ましいテロがありました。一部に「だから共謀罪が必要」という声もあります。
しかしそうでしょうか。
考えてみると、イギリスやフランスは、日本より厳しいテロ対策や処罰を認めているのです。それでもテロが後を絶たないのはなぜでしょうか。
ナチスのヒトラーが人権をはく奪する全体主義社会をつくり、欧州各地を占領した、最悪の恐怖政治のなかでも、レジスタンス運動は広まりました。
さらにテクノロジーが進化した今日、仮にどんな監視社会をつくり、自由をはく奪してもテロを完全に防ぐことはできないでしょう。
私たちはどこまで自由を制約する社会に舵を切るのでしょうか。

共謀罪のように一般人を監視し自由を奪うことが果たしてテロの抑止や平和で安全な社会の構築につながるのか、犠牲者の方々のご冥福を祈りながら、立ち止まってよく考える必要があるはずです。

2017年5月19日 (金)

5月22日イベント 高遠菜穂子氏×雨宮処凛氏 私たちは今どこに立っているのか


共謀罪、衆院委員会採決・・ひどすぎますね。そんなか、開催しますよ。

明日からも顔をあげてがんばりましょう。

ヒューマンライツ・ナウでは、5月22日(月)にイラクで
活動するエイドワーカーの高遠菜穂子氏と、作家で活動家の
雨宮処凛氏をお招きしてトークイベントを開催します。

2003年イラク戦争以来イラクに関わり続け、最前線での支援を
続ける高遠菜穂子さん、若者の生きづらさを問い続け反貧困の
活動の先頭に立つ雨宮処凛さん、お二人をゲストに、最新の
イラクの実情に学び、トランプ政権下での米国、そして
私たちの足元での自由や生存について語っていただきます。

日本では深化する貧困問題の実相や共謀罪、世界に広がる
軍事主義傾向など、私たちはどこに立っているのでしょうか。
最前線で活躍するお二人から多くの示唆をいただきたいと
思います。是非、ご参加ください!


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆イラク緊急報告と対談◆
高遠菜穂子氏×雨宮処凛氏 私たちは今どこに立っているのか
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■日時:2017年5月22日(月)18:30~21:00 (開場18:15)

■会場:専修大学 神田キャンパス1号館 地下1階 14教室 
     101-8425 東京都千代田区神田神保町3-8
     http://www.senshu-u.ac.jp/univguide/profile/access.html#kanda

水道橋駅(JR西口)より徒歩10分
(水道橋駅西神田の信号(五叉路)を渡って右へ、次の角を左へ、
 直進すると右側に地下1階の入り口に続くスロープがあります)

神保町駅(地下鉄/都営三田線、都営新宿線、半蔵門線)出口A2より徒歩5分
九段下駅(地下鉄/東西線、都営新宿線、半蔵門線)出口5より徒歩5分
(専大前の信号を渡って右へ、2つ目の角を左へ進むと、
 右斜め前に地下1階の入り口に続くスロープがあります)

■参加費:1,000円 (学生500円)

■参加申込:下記フォームに、お名前、連絡先をご入力のうえ送信して下さい。
(https://docs.google.com/forms/d/1Li5G9ANcYjV7kLgkUx7DsA6KJ8zLJBzlDEspkh7ubiw)

※参加フォームからの申込が出来ない場合は、
ヒューマンライツ・ナウ事務局へ、
件名を「5/22イラクイベント参加希望」として、
お名前、電話番号、ご所属(任意)をお送り下さい。

※人数把握のためできるだけ事前の参加申込にご協力
いただきますよう、よろしくお願いいたします。

■スピーカーご紹介
雨宮 処凛 氏
作家・活動家。「反貧困ネットワーク」世話人、「週刊金曜日」
編集委員、フリーター全般労働組合組合員、「こわれ者の祭典」
名誉会長、「公正な税制を求める市民連絡会」共同代表。
2007年に出版した『生きさせろ!難民化する若者たち』(太田
出版/ちくま文庫)は、JCJ賞(日本ジャーナリスト会議賞)を受賞。
著書に『プレカリアートの憂鬱』(講談社)、
『雨宮処凛の闘争ダイアリー』(集英社)等、多数。
最新刊は『14歳からの戦争のリアル』(河出書房新社)。

高遠 菜穂子 氏
エイドワーカー。イラク支援ボランティア。1970年、北海道
生まれ。大学卒業後、会社員を経て地元で飲食店経営に携わる。
2000年よりインドの「マザーテレサの家」、2001年からタイ、
カンボジアのエイズホスピスでボランティア活動に専念。
2003年5月からイラクでの活動開始。2004年4月にイラク・
ファルージャで「自衛隊の撤退」を要求する現地武装勢力に
拘束された。解放後、日本国内で「自己責任」バッシングを
受ける。現在もイラク人道・医療支援活動を継続中。
「イラク戦争の検証を求めるネットワーク」呼びかけ人。
著書に『戦争と平和 それでもイラク人を嫌いになれない』
(講談社)、『破壊と希望のイラク』(金曜日)など、
共編訳に『ハロー、僕は生きてるよ。ーイラク最激戦地から
ログインー』(大月書店)。

<主催・お問い合わせ>
ヒューマンライツ・ナウ事務局 info@hrn.or.jp
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認定NPO法人 特定非営利活動法人
ヒューマンライツ・ナウ
110-0005 東京都台東区上野5-3-4クリエイティブOne秋葉原ビル7F
Fax 03-3834-1025 http://hrn.or.jp

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

2017年5月 9日 (火)

あなたは悪くない。

今日ある方とお話ししていて改めて思ったこと、あまり上手く伝えられていないので、ここで書こうと思います。
私は、いろんな事件の被害にあう女性たちの事件に取り組んでいるのですが、
多くの方が諦める前にうちの事務所に来てくれたからよかったけれど、もう少しで泣き寝入りしそうだった人もとても多いのです。

AV強要の被害者は自分が悪いと自分を責めがちである、ということは最近知られるようになってきました。
しかし、それはAV強要だけではないんです。

私のところに来る女性たちは自分が被害にあったことを恥じています。
性暴力やセクハラ、DV、自責の念に駆られています。
被害者を被害者として大切にし、尊重する風潮や仕組みがないから、そして被害者につらい仕打ちがしばしば待っているから、そうした思いは増幅されてしまいます。

例えば交通事故ですら、被害者の方は、なぜ自分が事故にあってしまったのかと自分を責め続ける。100%相手が悪くても責めてしまうのです。
そして保険会社からの提案がとても低額だったりすると、精神的に参って、自分の被害はこの程度なのかと悲しくなって、はんこを押してギブアップしまったりする。思う壺です。

私、ある案件で、賠償金200万円だと言われた被害者の方がご相談に来て、訴訟をしたらほどなく2000~3000万円の解決になったりしたことがあります。そういうことが何度もあります。
あるとき、保険会社の弁護士さんに、「そんなにすんなりこちらの要求をOKされるなら、提訴前になぜ1000万単位の提案をしなかったのですか」と聞いたことがあります。すると、「権利の上に眠る者は保護に値しない」ということですと代理人弁護士は答えた、とても印象に残っています。
泣き寝入りを見越して低い提案をすることもある、そしてそれが有効であることもある、ということでしょう。
おかしい!!!!!
だけど、だからこそ、もっと当然の権利のために行動する女性に増えてほしいと願います。
自信をもって前を向いて。
必要なら、隣で私は走りますよ。
交通事故以外にも、泣き寝入りをさせられそうなケース、自分が悪いと思っているケースをたくさん見てきました。
「私がこんなひどい仕打ちを家族から受けるのは私の性格に問題があるからでしょうか」
「私がいつも暗い顔をしているから夫に暴力をふるわれるのでしょうか」
「こんなに立て続けにひどいことばかり起きるのは、自分に何か至らないところがあるからでしょうか」
何が彼女たちをそんな心境に追い詰めたのでしょう。。。。ため息が出ます。
いいえ、加害行為は100%相手が悪いのです、あなたのせいではありません。
だから、裁判所で是正しましょう、あなたがこれ以上不利益を甘受するいわれはありません。
私は言い続けてきました。
そして出るところに出ればかなりの確率で勝ちます。
なぜかというと憲法や法律で定められた当然の権利すら自分は獲得できないと諦めてしまう女性の方が多いからでしょう。
よく自己評価が低いのいう言葉がありますが、日本では、自分に認められ、保障される権利への評価がとても低いものだと思い込まされている女性が多い、当然そういう意識を作り出している環境や風潮があるからです。
私はひどい仕打ちにあっていることについてその性質が人権侵害であると認識すれば、「人権侵害」と言います。それを大げさだという人もいます。
しかし、日本では人権という言葉は使わないのでドキッとする人も多いかもしれませんが、「人権」という言葉を使わないといろんなことをあきらめてしまうのではないかと思うのです。

自分が悪い、または自分が無力だ、と思い込まされている女性たちには、あなたは悪くない、そう伝えたいと思います。

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